FINALACT[ぼくのセカイがおわるとき] 02

 自警団寮地下 地下水路入り口──

GM:では秘密の地下室だ。床の石畳が割れたとこから、更にその地下にある水路を見下ろすことができる。──さて、どうやって調べるの?

ヴァイス:メクラメッポウ泳ぎ回って。

レイチェル:きちんとマッピングしていくべきだ。

エミリー:それは確かに。──で、魔法陣なのよね?

ヴァイス:魔法陣?

ここにいないフウゲツ:それはまだ確認してないから分からない。

エミリー:え、でもどう見てもアレは魔法陣でしょ。

フウゲツ:でもそこはほら、な。プレイヤーとしては分かっても、キャラクターとしては分からないワケであって。

ヴァイス:水の流れはある? 速い?

GM:流れはある。スピードは……普通かな。飛び込んですぐ押し流されるようなスピードではない。

ヴァイス:流れがあるんだ。ということはどこか外に通じてる可能性があるんだな……。……──よし、流れに逆らって進もう!

ここにいないシュリ:逆らうんだ(笑)。

ヴァイス:え、だって流れがあるってことは上流がどこかに通じてるってことで……。

エミリー:無理して流れに逆らわなくても、下流もどこかにつながってる可能性あるわよ。……まあ、その場合は帰り道が大変だけど。

フウゲツ:循環機で回ってるだけかもしれないしな。

プレイヤーG:ぐるぐるとね。

レイチェル:(ぼそっと)そうめん流し。──まずは流れに逆らわない方向で。

GM:了解。レイチェルだけが潜るの?

ヴァイス:みんなでいくよ。(コロコロ)『水中呼吸』の魔法は問題なく成功。

エミリー:(コロコロ)……78は失敗というヤツでは。

GM:いつかは成功するだろうけど。精神疲労が大きくなるだけで。

エミリー:(何度かサイコロを振って)へろへろでドボン。

レイチェル:私は普通にざぶざぶと水の中へ。

エミリー:鎧は脱がないんだ。

ヴァイス:むしろ水中用装備が増えてたりして。マブチの水中モーター、とか。

レイチェル:意味がない。

エミリー:「さ、いくわよ」
 

 レイチェル、ヴァイス、エミリーは水の中へ。

 GMがマッピングをし、3人は水路の中を進んでいく。
 

GM:水路はゆるやかにカーブしている。……んで、ここで別れ道。

エミリー:街の中心に続いてる方にいってみよう。

レイチェル:正確には中心の方ではないのだが。
 

 探索は続く。
 

エミリー:(GMが描く図を見て)やっぱり魔法陣じゃない。六芒星ね。

レイチェル:そしてどうやら水路は閉じた空間のようだ。外へはつながっていない。

ヴァイス:じゃあどうして水の流れが……?

GM:どうしても何も……なぜ思い出さないヴァイス。

ヴァイス:え?

GM:7話で言ったはずだよ。分岐点の天井にある魔法装置で、流れを操ってるようだ、と。

ヴァイス:え、そうだったっけ。……すっかり忘れてた。

フウゲツ:じゃあ……この水の流れを止めれば『結界』が消えるのか?

GM:君たちが地下水路を発見するまでの間は(一部だけとはいえ)流れが止まってたんだから、流れが止まるイコール『結界』が消えるというワケではなさそうだ。

ヴァイス:じゃあ、これは一体……。

GM:ヴァイスの知識として……何かしらの『流れ』によって魔法陣を描くことで、魔法的な力を高める効果がある、というのを聞いたことがある。

ヴァイス:魔法的な力……? 高める……?

エミリー:何にしても、この探索は無駄だったワケね。

ここにいないユリア:もうちょっと寒くないうちに調べておくべきれしたね。

エミリー:調べても何もなかったけど。……体力の無駄遣いだったわ。先に帰って休んでまーす。

GM:レイチェルはまたしても奇妙な電磁波を感じて調子が悪いし。

レイチェル:またか。

ヴァイス:『結界』とは直接関係がなさそうな、あからさまに魔法っぽいコレは……いったい……。

プレイヤーG:悪魔のそうめん流し。

フウゲツ:ぷっ(ひとり反応)。

GM:地下水路の水が流れるようになった──つまり水流による魔法陣の作動。これは7話の終わりだね。それから、どんなことが起こるようになったか……。

フウゲツ:『仮面』を見るようになった。……でも、なぜ俺だけなんだ?

エミリー:アナタの感情の動きをトレースしてるんでしょ、確か。

フウゲツ:それが事実だとしても……なぜほとんど俺ばっかりで、なぜあの『仮面』なのかが……。

GM:(サイコロのせい、な気も)

一同:んー……。

GM:考え込んでしまったようだから、ここで場面を移そう。

 『古の民』の集落──

GM:では場面を変えて、『古の民』の集落であります。

ユリア:今回はサデルじーちゃん迷わなかったのれすね。

『古の民』の長エイドシック:「おや、今日はレイチェルは来ていないのですね」

フウゲツ:「ええ、まあ、いろいろありまして」

GM:ちっ、と小さく舌打ちを(笑)。

フウゲツ:「それで実はですね、かくかくしかじかというワケで」

エイドシック:「ええ、話は伺っていますよ」

フウゲツ:「それで恥ずかしながら、食料を分けてはもらえないかと……」

エイドシック:「そう言われてましても、我々も自分たちで食べていくだけで精一杯ですから」

フウゲツ:「そこを何とか……」

エイドシック:「争うも飢えるもそちらの勝手ですが……そもそも、こうなったのも『秩序』を保つことができなかったあなたがたにも責任があるのでは」

ここにいないレイチェル:そうだろうか。我々は別に悪くはないと思うのだが。

GM:襲撃を受けたこと、そのものは仕方のないことだけど。残った食料を奪い合い、弱者を傷つけたのだから。

エミリー:んー……。

フウゲツ:「もちろん、お礼はします」

エイドシック:「ほう?」

フウゲツ:「『門』が開いたときは……そのときは、我々の食料をそちらにも──」

シュリ:「倍にして返す」

ここにいないヴァイス:そのぐらいはしないとダメか……。

シュリ:『門』が開きさえすればこっちのものだし。

ユリア:『門』が開かないのはそちらが怠惰なせいだし。

ここにいないエミリー:そこまで言っちゃうんだ。

ユリア:森のものを勝手に採っても怒られるの?

GM:『古の民』は別名『森の民』と言われてるぐらいなので……いろいろゴタゴタがあるだろうね。

ユリア:そこを何とか許可をもらって狩りを。

フウゲツ:こちらも、いざこざは起こしたくない。起こしたくないが……。………………ねえ?

シュリ:こじれると思ったからしゃべるまいと思ってたけど……言わせてもらお。

GM:ん?

シュリ:(ニッコリ笑って)「確かに、仕方がないことですね──弱者が、強者に奪われるのは」

エミリー:言葉の外で「奪いにくるぞ」と言ってるぅ(笑)。

シュリ:そういうことを言うとこじれると思ったからずーっと黙ってたんだけどね。

ヴァイス:話し合いじゃなくて脅迫だもんね。

シュリ:だからさっきの一言はまだ言ってないことにして。

エイドシック:「今日のところはお引き取りください。あなたがたのために解析を続けないといけないので」

シュリ:「それに関しては……ホント、よろしくお願いします。──あなたがたの安全のためにも」

ヴァイス:見えない火花が散ってるなぁ……。
 

 こうして……フウゲツ、シュリ、ユリアの3人は『古の民』の集落を後にした。



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