フウゲツ:(サイコロを振りながら)気配察知と聞く度にドキドキするんだけど。(コロコロ)成功してる。
GM:大変だフウゲツ、背後に……ッ!
フウゲツ:『仮面』かッ!?
GM:──キャベツの気配が。
フウゲツ:そっちかぁ〜!
ユリア:キャベツ人形が。
GM:つーことで、キャべツを背負った謎の農夫おばさんが、君たちの目の前に。
プレイヤーG:(眠い目をこすり)……なに、出番?
GM:出番です。お待たせしました。
プレイヤーG:もう朝の7時半だしね。
ユリア:7時間待ち。芸能界みたい。
農夫のおばさん(プレイヤーG):(ブツブツと小声で)「キャベツの出来はそこそこだけど、これで何とか今年の冬も越せそうだし……」
一同:「………………」
農夫のおばさん:そう言いながら、森の奥へ消えていく。
シュリ:……このおばさんひとりの備蓄があったところで、何の解決にもならないんだけど。
フウゲツ:「……何だったんだ、今のは」
ユリア:(自信満々に)「アレはキャベツの人れす」
シュリ:「それって見たまんま」
農夫のおばさん:──って、誰も追ってきたりはしないのだね。
フウゲツ:いや、消えたって言われたから……。
農夫のおばさん:別にどろんと姿を消したワケではなくてですね、森の奥へと歩いていった、とそういうワケでして。
フウゲツ:「まっ、待ってくれ!!!」
農夫のおばさん:振り返るよ。
フウゲツ:「その……その植物は一体どこで……」
農夫のおばさん:「どこでって……アタシが作ったんだぁよ」
シュリ:「余剰作物があったりはしませんか?」
農夫のおばさん:「余剰って言うか……」
シュリ:実はこの街の8割の野菜は自分が作ってるとか言い出すんじゃ。
農夫のおばさん:「我々の食料のほとんどはアタシが作ってるようなもんだべや」
一同:「おおぉ〜!」
ユリア:「我々」が誰を差すのか微妙れすが(笑)。
農夫のおばさん:「冬を越すぐらいの分は充分あるやぁね」
フウゲツ:「あの、不躾なお願いで大変恐縮なのですが……その食料を我々にお貸し願えないでしょうか」
農夫のおばさん:「それは全く持って不躾なお願いだねぇ。アンタはモノの頼み方ってヤツを知らんのかい?」
ここにいないヴァイス:なーんかどこかで聞いたことがあるような言い方……(笑)。
フウゲツ:「実はかくかくしかじかというワケで……我々は今、食料に関して非常に切迫した状態にあるのです」
農夫のおばさん:「ほう……」
フウゲツ:「だからどうか……その食料を我々に」
農夫のおばさん:「人数はどれくらいだ?」
ヴァイス:今は……600人ぐらいか。
農夫のおばさん:600……10日分、が精一杯かねえ。
ここにいないエミリー:10日も持つんだ。
シュリ:「『門』が開いたら、1.5倍にして返しますから」
農夫のおばさん:「『門』とやらが開く見通しは立っているんかい?」
シュリ:「立ってます(きっぱり)。……いつになるかは分かりませんが」
農夫のおばさん:「……それは見通しが立っていないと言うんでないかい?」
フウゲツ:「お願いしますッ!」
農夫のおばさん:まあいいけど……それなら、3回回ってワンと言え!
シュリ:また?(笑)
農夫のおばさん:切羽詰ってるなら、それぐらいやってもいいと思うけど?
ユリア:シュリが得意れすよ。(銃を)3回回してバン!
エミリー:それ、違う。
農夫のおばさん:アタシを殺して食料を奪う、それもいいだろうさ。だが今の長は7代先のことまで考えてるからね。
ユリア:7代先まで祟る、と。
農夫のおばさん:まあ今のアイツはハナタレだから仕方ないんけどねぇ。
シュリ:7代先までには『門』もきっと開いてますし。……何より、殺す気なんかないですし。
GM:まずそこを否定しておかないとね(笑)。
シュリ:「食料が10日分あれば。『門』もいつか開きますし」──10日以内に開くとは言ってないところがポイントね。
農夫のおばさん:「10日分アンタたちにやるってことは、アタシの食料も10日分しかなくなるってことだ」
シュリ:「だからそれは増やしてお返しするってば」
農夫のおばさん:「………………。お。(何か思いついたらしく)そうだね、じゃあ、とりあえず畑までついてくるべさ。──ちなみにアタシの名前はマリアルイサだよ」
フウゲツ:ここ……森の中だよな。
ユリア:明らかに矛盾した広さなんれすけど。
GM:そして冬だというのに新鮮な野菜が盛りだくさん。辺り一面に、キャベツを始めとして──
農夫マリアルイサ:サツマイモ、ブロッコリー、シメジにカイワレ、そしてもちろんモヤシまでッ!
ヴァイス:そんなのばっかりかい。
GM:もちろん普通の(?)野菜もたくさんある。ここはまさに──
シュリ:宝の山ね。
フウゲツ:素晴らしい。
マリアルイサ:「冬を越す分ぐらいの備蓄はあるから、持っていっていいよ。その代わり──お願いがあるべさ」
フウゲツ:「お願い?」
マリアルイサ:「どこのどいつかは分からんのだけど……最近、この畑が何者かに荒らされて困っておってな」
フウゲツ:「そいつを退治しろってことか。……よっし、そういうことなら任せてくだされ! 自警団集合だぁ!」
GM:一度街まで戻るか。……なら、誰か人質を(笑)。
エミリー:……そこまでする?
GM:でもやっぱり、ねえ。
マリアルイサ:そうだねぇ。じゃあ……ごっほごほごほごほっ!(突然咳き込む)
フウゲツ:(背中をさすって)大丈夫かおっかさん!
エミリー:……残るの、決まったわね。
フウゲツ:はぅあ!
マリアルイサ:じゃあ……そこの若いの。肩を揉みな。
フウゲツ:ははッ、揉ませていただきます!
GM:では、フウゲツが肩を揉んでる間に、人を集めてくるのだね。
マリアルイサ:肩の次はチチだよ。
フウゲツ:なぬぅ!?
ユリア:父の肩を揉め、と。
フウゲツ:何でもいいから、急いでくれ〜!