ACT3.0[かえるべきばしょ] 01

 半独立都市アーケイン。

 この街で起こった小さな事件は、街に小さな被害を出すにとどまった。

 だが、敵の意外な正体は、女たちを困惑させた。
 

GM:さて、ゴブリン事件の余韻にひたってる間に一週間が過ぎた。

シュリ=W=ホーネットひたるような余韻、あったの……?

ユリア=スート直接顔すら合わせてないですよ?

レイチェル=ローゼンブラット……仕事したの、私だけ。



GM:月が変わり、9月の頭。──朝だけど、何してる?

エミリー=リーディング「今日はパワーボムの掛け方と返し方ですよ〜」

シュリ:朝っぱらから。

ユリア:ベッドの上だから安全だと思い込んでるんだね?

レイチェル:ただのマニアだから、準備運動とかもナシ。

エミリー:「起きなさーい!」(と言いながらパワーボム)──首の角度が変な方向に。

GM:をいをい。

エミリー:それで毎年、何人か亡くなっている、と。

シュリ:だけど孤児だから誰も気づかないのね。

エミリー:そうそう。

GM:ヒドイ話だ。──ま、そんなエミリーは後回しにして、と……

レイチェル:いきなり後回し(笑)。最初に発言したのに。

ユリア:ユリアはね、まだ寝てると思う。

レイチェル:噴水の前。いつも通り。

シュリ:男のベッドから、こっそり抜け出す。

エミリー:こっそりなの?

シュリ:こっそりだよ。

GM:そして手ぬぐいをすぱーんすぱーんとさせながら、服も着ないで共同浴場へ。

シュリ:服は着るし、お風呂には行かないって……。

GM:濡れた手ぬぐいを男の顔にのせる、でもいいけど。

レイチェル:いや、きっともう男は冷たくなってると思う。

シュリ:すでに殺った後なのね(笑)。

GM:寝てる、噴水、男の部屋……いつもどーりか。──なら、エミリーに話を戻そう。彼女を一番最後にしたのは、イベントがあったからだよ。

エミリー:イベント?

シュリ:お祭り?

GM:お祭りじゃなくって、事件のこと。子供たちを起こしにいったら──

ユリア:パワーボムしにいったんだね。

GM:ふむ、パワーボムしにいくと(笑)、ボッツ・ヤオ・キリーの3人の姿が見えない。

ユリア:いないと思ったら、上の方から「きぃぃー!」と襲ってきたりして。

エミリー:しまった、死角をつかれた!(笑)

GM:いや、ホントにいないんだってば。

エミリー:これはシルヴァ様に知らせにいかないと。

GM:では、シルヴァもシュリと同じく男のベッドから……

一同:イヤすぎる(笑)。

シュリ:お肌ツヤツヤなのね。

ユリア:実は男でできたベッドだったりして。

レイチェル:肉ベッド……。

GM:恐ろしい教会だな……。生気を吸い取ったり、子供の死体が転がってたり、肉のベッドがあったり……。

エミリー:ああ、全部冗談なのに……。

シュリ:いないのはその3人だけ?

GM:そうだよ。

エミリー:なんだ、じゃあ他の子供たちに三バカの行方を聞いてみます。

子供:「知らないでちゅ〜」

エミリー:でちゅ〜ときやがったか、コノヤロー……。──うーん……こんな朝からどこにいったのかしら……。朝っぱらからどこかに出かけるタチじゃないですよね?

GM:うん。

エミリー:「さて、どうしたものかしら……」

レイチェル:(GMの手元のノートを見て)あ、『真相』という文字が見えてしまった。

GM:見たらダメだって(笑)。

エミリー:昨日寝たのは、確認してますよね?

GM:うん、ひとりひとり絞め落としていったから間違いないだろう。

エミリー:……それ、「寝た」ことになるんですか?(←つーか、否定しろよ)
 

 首をかしげながらキッチンへ向かうエミリー。
 

エミリー:「朝ごはんも食べずにどこかへ行くとも思え──ああッッ!」
 

 キッチンのガラスが、割られていた。しかも食料が荒らされてしまっている。
 

エミリー:食料って……お菓子だけがなくなってるとか?

GM:いや、肉も野菜もまんべんなく、というか手当たり次第というか……。

エミリー:「ドロボー! ドロボーよー!」

GM:やってくるのはシルヴァと子供ばかりなんだけど。

エミリー:自警団の砦に、子供をひとり走らせます。

 自警団の砦──

子供:「エミリーねえちゃんがドロボー!」

エミリー:それだと誤解をまねくでしょーがぁッ!

GM:「エミリーねえちゃんが『ドロボーに入られた』って伝えてこいって言ってた」というのを走ってるうちに──

ユリア:転んだりして忘れてしまったんだね。

シュリ:「はい、じゃそこに座って。(書類を取り出し)──まずは今日の日付からね。……被害があったのは、昨日の夜でいいのかな?」

子供:「うん」

シュリ:「ふんふん。──あなたの名前は?」

子供:「ネム」

シュリ:「名前(ネーム)ちゃんね。で、被害は?」

ネム:「食べ物と、子供が3人」

シュリ:「子供3人ってのは結構重要ね……。てことはこっちの紙か」(書類を取り替える)

エミリー:ちゃんと仕事してるんですね。

ユリア:書類は書くけど、誰も見ないんだよ。

シュリ:「食べ物って、具体的に何を盗られたの?」

ネム:「肉とか野菜とか。……あ、お菓子は全然減ってなかったよ」

シュリ:「肉とか野菜って言われてもな……。具体的な料理が分かるといいんだけど……」

エミリー:ネム、とりあえず帰ってきて〜!

シュリ:そう思うなら、最初から自分が来なさいよ。子供にお使いさせようっていう発想が悪い。現場見たかどうかも分かんないのに。

エミリー:だって、現場保存しておかないと……。

シュリ:そんなの、シルヴァばーちゃんでいいじゃない。

エミリー:うー……。

シュリ:「うーん……、じゃあ、誰か話の分かる大人の人を連れてきてくれる? ゴメンね?」

ネム:「はーい!」



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