ACT10.0[眩暈]02

ドモ・ルールのプレイヤー:では、先に休ませてもらうぞ。

アリアのプレイヤー:明日仕事だから仕方ないね。うるさいかもしれないけど、ごめんね。

ドモ・ルールのプレイヤー:どうせ寝れないと思うし。

リトナのプレイヤー:だったらここへ来い。

ビオのプレイヤー:違う場所で寝ればいいんだ。

ヴァンダイクのプレイヤー:外とか。

アリアのプレイヤー:それはひどい。

ドモ・ルールのプレイヤー:では、おやすみ〜。

一同:おやすみ〜。

GM:では、西南へ向かうってことでよいのだね?

ビオ:(スティールの肩に手を置いて)「一体何があるんだろうな、『10食』」

スティール(ここからNPC):「ええい、触るな赤トカゲ」

キュア:「ケンカしないのー」

アリア:「すっかり仲良くなっちゃって」

リトナ:そういえば、『10食』さんはどこまで事情を知ってるの?

キュア:『10食』さん言うな……。

リトナ:いや、オレだって人のことちゃんと『さん』付けで呼ぶよ?

アリア:『10食』って呼ぶのが問題なんだってば。

GM:そうだねー……最初から話すか。──前も言ったけど、今<連合国>は2つに割れている。<夕闇のメネトゥ>が最近急速に力をつけてきているのが原因だ。

キュア:そんな話だったわね。

スティール:「<メネトゥ>が力をつけた原因の一つに……食料や武器の新たな補給ルートを確保した、というのがあります。そしてその物資が、どうやら西南の方から運ばれているらしいのです」

リトナ:「全ての『泉』がそっちにあるってことか……」

ビオ:「よし、いこう! さあ早くいこう!」

キュア:「ビオさん、それは食べ物があるから?」

ビオ:「当然!」

アリア:「その食べ物とか武器とかの生産って、誰かが仕切ってるの? 王様?」

スティール:「噂ですが……それらを牛耳っているのは──ボルサオ。<メネトゥ>で一番の大富豪です」

キュア:「ボルサオ……」

スティール:「昔からあまりいい話を聞かないヤツです。オゥリン狩りをしてるなんて話も聞きますし」

ビオ:(スティールの胸倉をつかんで)「オゥリン狩りだと! どういうことだ、おい!」

スティール:「やめんか赤トカゲ!」

ヴァンダイク:オゥリン刈りって、どんな髪形なのだ?

一同:(脱力)

ビオ:「その話は本当なんだな『10食』!」

スティール:「嘘を言っても仕方ないだろうが。……いいかげん、手を離せ」

ビオ:「………………」(スティールを離す)

スティール:「<真なるアルカディア>については……先程話したことぐらいしか知らないです」

キュア:「そう……。やっぱり、西南へいくしかなさそうね」

ビオ:「おういこうぜ、もたもたしねぇでよ」

アリア:「では、改めて西南へ!」

GM:(コロコロ)5日が過ぎた。食料減らしておいてね。

キュア:「そろそろ残り少なくなってきたわね……」

リトナ:「そうだね……」

アリア:「ヤバイよぉ、あと3日分しかない」

GM:荒野を越えてしばらくいったところで、ぽつんと不自然に建っている屋敷が見えてくる。悪趣味だけど、かなり大きい。

リトナ:「あれってボルサオの屋敷?」

ヴァンダイク:「そのようだ」

リトナ:「あっさりと、ここまで来れてしまったね」

アリア:「うああ〜、おっきいぃ……」

ヴァンダイク:マッチョな人間をかたどっているのが何とも悪趣味だが。

GM:そういう悪趣味ではない(笑)。必要以上に豪華なかんじなだけです。典型的な豪華さ、というか。

アリア:「ねえ、食料分けてもらおうよ」

リトナ:「それと、宿の確保」

ヴァンダイク:お菓子の家の壁をはいで食べれば大丈夫。

GM:お菓子の家でもないって。

アリア:「正面から、堂々といくの?」

スティール:「そう簡単にいくでしょうか……。ボルサオの館は<欲望の館>とも呼ばれてますから」

キュア:業突張りなんだ。

リトナ:残念だね、欲望の専門家(ドモ・ルールのこと)が寝てしまって。

ビオ:そうだな。

リトナ:「とりあえず、いくだけいってみたら?」

アリア:「うんうん、いってみようよ」

キュア:「食料が残り少ないのは確かだしね」

スティール:「そこまでおっしゃるなら……もう何も言いますまい」

アリア:キュアとスティールは顔隠した方がいいんじゃない? 元同盟国の王族とその部下なんだから。

キュア:そういうアリアは?

アリア:あたし、この顔では知られてないし。

ビオ:(顔を歪めて)ほうやっれ、るっとへんらかほをひてほけばひひ(こうやって、ずっと変な顔をしてればいい)

GM:仮面でもかぶる?

アリア:ヒゲメガネを。

GM:にわかせんぺい(福岡名物)のお面でもいいけど。

リトナ:ビオさんに2、3発殴ってもらえばいいよ。

キュア:骨格まで変わっちゃうってば。

リトナ:それなら完璧だ。

キュア:元に戻すのが大変でしょーが。

ヴァンダイク:顔をコールタールづけにすればよい。

一同:死ぬ死ぬ(苦笑)。

GM:で? どうするの?

アリア:やっぱ、正面からいく。

キュア:私とスティールは顔を隠して、ね。

GM:(いいのか……? 敵国内だぞ、ここ……)
 

 持っていたマントなどを使ってキュアとスティールが顔を隠し、アリアが屋敷の呼び鈴を鳴らした。

 ややあって、扉が細く開けられる。
 

GM:顔を出したのは、執事風の男。奇妙なことに、顔の上半分を隠すような仮面をつけている。

キュア:なに……? 仮装大会……?

GM:せめて仮面舞踏会と言おう。

アリア:「あの……あたしたち、旅の者でして……。それで、もしよろしければ、食料を少し分けていただけないかな、と思いまして……」

仮面の執事:(仮面の奥で目を細めて)「………………。……それは大変でございましたね。とりあえず、中へどうぞ」

GM:仮面執事の案内で、君たちは応接室らしき部屋へ通される。

アリア:いえい!

GM:「しばしお待ちを」ってことで待たされるよ。部屋の中は、豪華だけどやっぱり悪趣味。

アリア:(……<帝国>のお城よりお金かかってそー……)

リトナ:「お金って、あるところにはあるんだねー……」

GM:しばらくして、執事が戻ってくる。

仮面の執事:「それでは、そちらのお嬢様」

アリア:「あたし?」

仮面の執事:「そして、そちらの顔を隠されたお嬢様」

キュア:「……はい?」

仮面の執事:「そして、そちらの紫の髪の方。……どうぞこちらへ」

ラグランジェ:「……?」

GM:てことで、アリア・キュア・ラグランジェの3人は、別の部屋に通される。

ビオ:俺たちはどうなるんだ?

GM:もうしばらくこの部屋でお待ちあれ。

アリア:言っちゃ悪いけど……見た目で選んだのかな?

キュア:スティールは?

ヴァンダイク:不審人物と間違われるぐらい顔を隠してるに違いない。

リトナのプレイヤー:……その3人が別行動してる間、お茶買ってきていい?

GM:あ、その方がいいな。……んじゃあ、買い出しよろしく。3人でいっておいでー。

ビオのプレイヤー:待たされてる間、何をしてるか話し合っておこう。



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