ACT4.0[邂逅]06

アリア:巨人を『ビーストテイム(獣使いの技能。動物を操る)』できない?(アリアは『召喚士』にして『獣使い』なのだ)

GM:ムリです。

キュア:巨人の腕を振りほどこうとしても……ムリ?

GM:よほどの成功値を振らないとムリですなぁ。

リトナ:ドモさんなら、最悪指輪だけ回収すればいいよね。

キュア:ぐ……。

GM:食べられたら終わりだけど。

リトナ:あ、そうか。「ドモさーん、逃げろー!」

ヴァンダイク:なぜ超人心臓に切り換えなーい!

ビオ:そっち(地下空洞)に飛び込んでいってもいいんだが……

キュア:さすがに8体相手じゃムリよね……。

リトナ:ムリよね……って、じゃあ、あきらめるんだ(笑)。

キュア:プレイヤー自身がすでに見捨てはじめているというのは、どうしたもんだろうね(←お前ね……)。

GM:珍しく大ピンチだねー……(ちょっとうれしいGM)

ビオ:ええい、もういってやるぜー!!!
 

 巨人に向かってダイブするビオ・サバール!
 

ヴァンダイク:そして咄嗟に手にしているモノで自分をかばう巨人(笑)。

キュア:そしたら私串刺しだってば〜!

ビオ:(コロコロ)普通に成功。ハルバートに全体重をかけて巨人の頭を刺し貫く。

GM:それはたまらんなぁ……。頭が吹き飛んだ巨人は、ものすごい音をたてて倒れた。

キュア:(判定して)身体のあちこちをぶつけたけど、何とか腕から逃げられたぁ……。

ビオ:(ハルバートを乱暴に引き抜き)「よっしゃァ!」

リトナ:さ、今度はここから逃げよう。

キュア:でも相手は7体もいるのよ?

ビオ:巨人の子供を人質に取ればいい(笑)。

リトナ:それで怒り狂ったら、いよいよ手がつけられないよ? ──GM、どこか逃げられそうな場所はない?

GM:判定してみてくれる? 失敗したら、猫にしか通れないような道とか見つかるから。

リトナ:更にファンブルすると、みんなもそこへ殺到するとかね……。(コロコロ)暗視は普通に成功してる。どこか隠れられそうな穴とかある?

GM:穴というか……石化した木が乱立しているその間を、抜けていけそうだね。奥に──暗い方に進むことになるけど。

リトナ:「みんな、こっちだ!」

アリア:「いこう!」
 

 リトナの先導で走り始める一行。
 

GM:真っ暗なんだけど、どうやってリトナ──とアリア──の後を追うの?

ビオ:上に穴が開いてるのに暗いのか?

リトナ:地下空洞の大きさに比べたら、小さなものなんだよ。人ひとりが落ちたぐらいの穴だしね。

GM:そういうこと。

アリア:あたしが指先に明かりを灯して、走る方向を指示するから。みんな、ついてきてね。

GM:足元暗いけどね。

アリア:転ぶかどうかは運ってことで。あたしは飛べるし。

ヴァンダイク:ワシも飛べるな。

リトナ:オレ、アリアの肩の上。

ビオ:俺は……お、そうだ、『プロローグ』で拾った魔力の玉を取り出そう。確かあれはぼんやり光っていたはずだ。

GM:なるほど。それで足元は照らせることにしよう。

キュア:てことは……問題なのは私だけ?(笑)

GM:そうだね。

キュア:<閃光>で巨人の目をくらませる! 「烈光よ、闇を切り裂け!」
 

 強烈な光が、闇を白く染めた。
 

ヴァンダイク:自爆したか……。壮絶な最期だったな……。

キュア:勝手に殺すなー!

リトナ:<閃光>を使ったか。ならオレは、記憶判定しておこうかな。

キュア:え?

リトナ:ドモさんは確か<閃光>は使えなかったはずだ……(ドモ・ルールは、キュアの能力の中では<治癒>しか使えない)。……ドモさんじゃない?

キュア:さあ私も逃げないと──ってもうみんなあんな先まで逃げてるし。
 

 目がくらまなかった巨人2体との追いかけっこが始まった。
 

キュア:敏捷力にはちょっと自信があるわよ。(コロコロ)「追いつかれるかどうか」判定はクリティカルで成功! 「転ぶかどうか」判定にも成功してる。

GM:(コロコロ)巨人は1体ファンブル(笑)。これは転んだな。

アリア:「みんなついてきてるかな?」

リトナ:「後ろ見えないから何とも……」

GM:リトナは、先の方にぼんやりと光が見える。どうやら出口のようだね。

リトナ:「アリア、あっちだ! 右の方!」

アリア:「うん!」

GM:近づいてみると、かなり大きな穴だね。スロープになってて、地上に出られるようになってる。

リトナ:巨人たちの出入り口だね。

GM:そういうこと。──とまあ、そういうワケで、君たちは何とか脱出し、<虚ろの森>を後にした。

GM:西へ進むレプス04小隊。(コロコロ)2日経ったから、食料減らしておいてね。

アリア:なるほど……。今回は食料を求めていくキャンペーンなのね……。

ビオ:巨人の肉を食うか(笑)。

GM:で──ちょっと聴覚判定してくれる?

リトナ:(コロコロ)激しく成功。

GM:後ろの方から、たーっくさんの馬が走ってくる音がする。

アリア:振り向く(判定に成功した)

リトナ:リュックから顔を出す。

GM:<帝国軍>の旗をかかげた騎馬隊が、どどどどーっと走ってくる。──で、どどどどーっと君たちを追い抜いていく。

アリア:追い抜かれるだけ?

GM:うん。

リトナ:キュアはいつものようにみんなと少し距離をおいて歩いてるの?

キュア:そう……かな。

リトナ:じゃあ、こそっと聞こう。「お前は何者だ?」

キュア:「え?」

リトナ:「ドモ・ルールの人格は消えてしまったのか?」

キュア:「な、何を言ってるのかさっぱりなのだが……」

リトナ:「まあいい。……お前は誰だ?」

キュア:「私の名前は……キュア。キュア・アルトエッセンだ」

リトナ:「<凍結>の魔法、使えるか?」

キュア:「いや?」

リトナ:「そっかー……やっぱドモさんじゃないのかー……」

キュア:「だったら……何?」

リトナ:「いや……ただそうなんだなーって思っただけだけど……──変な気は起こさない方がいいよ?」

キュア:「……言われなくても分かってる……」

GM:日が暮れる少し前。野営ができそうな場所を発見したよ。

ヴァンダイク:「では、今夜はここで休むことにしよう」

ビオ:「めしめし〜♪」

GM:野営の準備をするんだね。──アリアは何してる?

アリア:お手伝い。

GM:巨人の干し肉切ったり?

アリア:あたし、料理にはかなりマイナス修正つけたんだけど。

リトナ:オレも、料理に関しては全然考えてなかったな。

キュア:私も、料理はできない。

GM:そんなヤツばっかりかい……。

アリア:やる! がんばって干し肉切るよ。……かなり不格好だけど……。

ビオ:口に入ればどんなのでも同じだ。

GM:んで──誰か、周りに注意を払ってるって人、いる?

キュア:はい。

GM:いつもビクビクオドオドしているのだな(笑)。では、アリアの背後──と言ってもすぐ後ろじゃなくて、ちょっと高い位置にある岩場からなんだけど──に人の気配が。

キュア:それは……アリアの方に駆け寄って、アリアの背後をかばうように立ってから、そちらの方に目を向ける。

GM:(相変わらず一度に宣言する行動数の多いヤツだな……(苦笑))

リトナ:一応警戒して、キュアの後についていこう。

GM:アリアをかばうんだね。そーすると、君に向かって氷のナイフが飛んでくる。

キュア:うはぁ!? よけたらアリアに当たりそうだから……

リトナ:刺され!

キュア:それは勘弁、スライサーを盾のようにしてはじくことはできない?

GM:んー……、修正をマイナス30あげよう。

キュア:(コロコロ)それでも成功してる! はじいたよ。

GM:(ちっ……)では岩場からバッと黒い影が飛び出して、キュアの背後──アリアの正面に着地する。全身を覆う黒い鎧に黒い仮面。鎧の縁は赤く彩られている。

アリア:「キュア、ありがとッ」

GM:それでこそ私のペットよ、と。

キュア:ペットだったんだ……(笑)。

ヴァンダイク:角あるしね。牛だね、牛。

GM:ホルスタイン女?

リトナ:シュリより大きい、Hカップ。

キュア:のぉう〜!

アリア:胸の話はいいからッッ!

キュア:そうか、襲撃されてるんだった。

GM:というか……ヴァンダイクとアリアには見覚えがある人なんだけど……

キュア:え?

アリア:「……こんなところまで刺客が来るなんてね……」

ヴァンダイク:「ツェラー……殿……?」

キュア(のプレイヤー):ツェラー!?

GM:そのようだね(ツェラーについては『MONDREPLAY第二部』参照)。ツェラーの鎧を着た誰か、という可能性もあるけど。

キュア:何にしても、襲ってきたのは確かなのね……。

GM:ツェラーは、まっすぐアリアを見据えている。

アリア:「…………………」

ツェラー:「ミツケタ……オナジ……ダ……」
 

 黒き襲撃者はゆっくりと──二本の剣を抜いた。

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「『ラーヴ』……お前、『オゥリン』か!?」
<幸運の谷>が見えてきたよ
「母ちゃんを、掘ってるんだ……」
「死体をどうしようが、オレは構わない」
「剣を抜いたな……」
「忘れないでほしい……この村の姿を」
「うん……忘れないよ」



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