ACT5.0[きみはほほえんだ] 01

 あのころ……俺たちは確かに触れ合ったんだ。

 唇や、おでこや、ほっぺや、首筋や……

 気持ち、確かめ合ったはずなんだ。

 あれから5年。

 忘れた……? 忘れることができた?

 俺、またここに来てしまった。“帰って”きてしまった。

 ノエル……俺、ちゃんとやれてたかな?

 ちゃんと……生きてたかな……?

 どうだろう?

 その答えを探して、俺はここに……来たのかもしれない……


GM:オーキッドタンブルーの事件(ACT3.0)があってから二週間、ヴァイスの帰還(ACT3.5)からは一週間が過ぎた。街の人たちのリストは、これを参考にしてね。――んで、今日は9月16日。物語は教会から始まる。教会(孤児院)の子供たちが――

ユリア=スート三点倒立をマスターしたんれすね。

GM:してません。

ユリア:エガちゃんのようにナナメに……ってのはダメ?

GM:ダメです。

ユリア:ちぇっ、じゃあエミリーが子供にプロレス技かけまくり、でいいです。

レイチェル=ローゼンブラット誰も聞いていないエミリーのプロレス講座。

シュリ=W=ホーネットゲキの練習ね。

GM:お、そのとーり。劇の練習だよ。

シュリ:ゲキを飛ばす練習……?

GM:………………(遠い目)。

ヴァイス=エルミュンゼンああっ、GMが遠い目を!

シュリ:さっきから話脱線しっぱなしだしね〜(リプレイ未収録)。これは肩の力が抜けた、いいセッションができそうね〜。

GM:(……がんばれ、俺)えーと、だからね、子供たちが劇の練習をしているのだよ。で、普段はエミリーが指導してるのだけど、あまり人気がない。

シュリ:そりゃそーでしょうね。で、プレイヤーもいないし。

ユリア:プロレス観戦ツアーに行ったのれすね。

GM:風邪を引いたことにしようと思ってたけど、それでもいいかも。

シュリ:マズイ病気を持ってかえってきそうね……。

レイチェル:……感染ツアー……。

ユリア:このままプロレスネタでプレイヤーPと話していい?

シュリ:……そんな許可とってどーするの?(苦笑) それにPはここにいないし。

ユリア:いや、ですからプロレス団体の──(←プレイヤーかなり酔いが回っているようだ)

GM:をーい、かえってこーい!(笑) ──とまあそういうワケで、エミリーがいないのだ。だからその代わりにヴァイスが子供たちの面倒を見ることになったのは、もはや当然のことであろう。

ヴァイス:はあ!?

一同:(うんうんとうなずいている)

ヴァイス:なんで僕が……?

GM:自警団のリーダーだもん。

ヴァイス:全然関係ない気がするけど……?

GM:PCの残り3人は、どうしてる?

シュリ:自警団の仕事はないのよね? じゃあ自分のことしておこう。モッカシンのところにいく。

ユリア:え、お医者さんともそーゆー関係なんれすか?

GM:そういう噂はあるにはあるよ。よく出入りしてるから。

シュリ:(薬と魔法のことでいろいろやってるだけなんだけどな……)まあいいや、てことであたしはモッカシンのとこね。

レイチェル:私は劇の手伝いを。大道具とか作ってます。

GM:音響や特殊効果もね。

ユリア:ユリアは弁当持って、彼氏のところに行ってます。

GM:てことは……教会にいるPCはヴァイスとレイチェルだけか。NPCは……子供たちと、あとスノウかな。

ヴァイス:なんでスノウが?

GM:暇なんじゃない? ──劇のタイトルは『螺旋の王』です。

ヴァイス:ラッセン、ノォウ〜!

ユリア:イルカの絵を描いたり?

シュリ:そのラッセンなんだ。しかも王なんだ。

ヴァイス:でも……劇の指導って……そんなのしたことないぞ? なのにどうやってそれを……。

レイチェル:いきなり考え込み始めましたね。

GM:子供の劇だぞ……?

ヴァイス:じゃあ……とりあえず配役は……決まってるのか、じゃあ台本渡して──

シュリ:あとは勝手にやってね、と。

ヴァイス:そうは言わないけど……とりあえず台本を覚えているかチェックしたりする。

シュリ:そこにセリフはないの?

ヴァイス:セリフ……?

シュリ:舞台の脇でブツブツと「台本を覚えているかチェックしたりする……」とかって言ってるワケじゃないんでしょ?

GM:せっかくだから、キャラクターとして演技しようよ。

シュリ:エミリーみたいに1回で3人分しゃべる必要はないからさ。

GM:半年に一回わざわざこうやって集まってるワケだし、ひとつレベルの高いところ目指そうよ。

ユリア:プレイヤーとして、成長しようってことれすね。

GM:そゆこと。PCたちもいるんだから、会話のキャッチボールをしよう。

シュリ:PC『たち』って言うには、あまりに人数少ないけどね。 ヴァイス以外はレイチェルしかいないし。

ユリア:はれ? この人はPCじゃないの?

GM:スノウはNPCだよ。

ユリア:だってこの髪の色だよ? この時期なら北に帰ってきててもおかしくないはずれす。

シュリ:……誰の話をしてるの?

GM:(スノウとマフィの髪の色が似てるってことか?)……それはマフィなんじゃないの? 確かにマフィなら北キャンバス大陸に帰ってきてるはずだけど……。

ユリア:ほーら、だからこの人はマフィなのれす。

GM:ちがーう!(笑) これはスノウだってば。

ユリア:ええ〜! だってこの街にはいないれすよ、シェオールとか〜。

レイチェル:……いなくていいんだ。

ユリア:ええ〜! 出てきていぢめるんじゃないの〜? シュリがシェオールとナニしようとして「ダメじゃん」っていう、ショッキングな出来事が。
 

 一同大笑い。
 

レイチェル:ユリアは大丈夫なのか?

GM:ヤバイかもしれない。

ユリア:出てこないの?

GM:出てきたら、考えよう(……するどいヤツだ(笑))

レイチェル:GMの気が変わったら。

シュリ:いや、GMの気が変わらなかったら出てくるのよ。

GM:(……あう)──じゃ、話を元に戻そう。劇の練習シーン。

ユリア:結局、この人は誰だったの?

GM:スノウ=オルドレースだってば。副領主の娘で、ヴァイスの幼なじみ。

シュリ:あ、幼なじみなんだ。付き合ってるワケじゃないんだ。

GM:まだそうじゃないね。



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