ACT2.0[傷心]02

ドモ・ルール:物音がしたらしき建物にこっそり近づいて、こっそり中を見るぞ。

GM:「家政婦は見た」みたいだ。

ドモ・ルール:で、何が見える?

GM:家政婦が覗いたのなら、見えるのは男と女の営みに決まっている。

ドモ・ルール:うわ〜。

GM:──というのはウソで、格好も人相もいいとは言えない男たちが家の中をあさっているようだ。全部で3人。

ドモ・ルール:死体は?

GM:もちろん、男たちの足元に転がっている。(コロコロ)4人分。この家の住人だったんだろうね。

ヴァンダイク:先に見ておいて何だが、聞き耳を立ててみよう。

GM:ヴォリヴォリヴォリクッチャクッチャクッチャモグモグモグ……

ドモ・ルール&ヴァンダイク:食い物だッ!
 

 食料に反応して(笑)、突然襲いかかり<凍雨>の魔法を放つドモ・ルール!

 1人が凍りづけになり、やっと異変に気づいた残りの2人が振り返る。
 

ヴァンダイク:「これは……『ラーヴ』か」
 

 男たちの口元から、一筋の赤い液体が垂れていた。

 オゥリン(人間)の血──『ラーヴ』。
 

GM:既に服用済みらしく、目が血走り、息も荒くなっている。

ヴァンダイク:ラーヴ・ジャンキーか……。

ドモ・ルール:この世界(魔界)にオゥリンっているの?

GM:たくさんではないけど、いるよ。奴隷か家畜としてがほとんどだけど。
 

 そして人間に対する考え方もそれぞれである。

 自分たちと同等の存在だというもの。関係ないというもの。血のみを欲するもの。生き物としてすらみていないもの。
 

GM:あ、誤解のないように言っておくけど、こいつらが食べてたのは普通の食料で、殺したメーヴェ(魔族)でもオゥリンでもないからね。

ドモ・ルール:分かってる。

ヴァンダイク:「さて……食料は発見したし、話が通じる相手でもなさそうだ。──戦闘だな」

ドモ・ルール:もう一度<凍雨>!

GM:それで一人倒れたな。残り一人だよ。

ヴァンダイク:腰の鞭(刃の鞭で剣にもなる)を抜いてそのまま攻撃だ。


 ジャジャッとヴァンダイクの鞭が男の胸を浅く裂いた。

 痛みを感じていないのか、男が「ケケッ」と奇声を上げる。
 

ヴァンダイク:(目を細めて)「こいつは──長く遊べそうなオモチャだ」
 

 ヴァンダイク公の目に、暗い狂気の光が灯る。
 

ヴァンダイク:痛みを感じていないなら、なます斬りにしてやろう。じわじわといたぶりながら殺すよ。

ドモ・ルール:残り一人はヴァンダイクに任せて大丈夫そうだな。──食料のあるらしい場所に向かうぞ。

GM:ちょっと待て。お前は仲間が敵をなます斬りにしてるのを横目に食い物あさるのか?(笑)

ドモ・ルール:ヴァンダイクがやられることはないだろうから。

GM:いや……そーじゃねーだろ……。
 

 GM、ちょっと絶句。

 その間に最後の敵も倒れ、二人は改めて食料を探してみることに。
 

GM:サイコロを振るのじゃ。1D6(6面サイコロ1個という意味)ね。

ドモ・ルール:5。

ヴァンダイク:4。

GM:5日分と4日分か。……結構見つけやがったな(笑)。

ヴァンダイク:猫たちに分けたら半分だが。

GM:それと、『ラーヴ』の入った小瓶がある。中身は半分ぐらいになってるけど。

ヴァンダイク:それは……こっそり懐に入れておこう。

GM:みんなには秘密なのだね。
 

 こうして──二人は死体が散乱した家屋を後にした。

 ここで、ビオとリトナのプレイヤーが戻ってきた。
 

GM:(いきなり)というワケだ。

リトナ:そうか……でもそれはマズイんじゃない……か?

GM:俺もそう思ったけど、ヴァンさんやっちゃった。

ビオ:まあ、構わないんじゃねーか?
 

 ワケの分からないまま会話が成立し(?)セッションは続く。
 

GM:水も食料も見つかった。でも……これって略奪だからね?

リトナ:(聞いてない)──食料4日分追加、と。
 

 水(プレイヤーはお茶)を飲んでちょっと休憩しビオ:「何やってんだ、それは俺の水だ」ヴァンダイク:「食料は分けてやったのに(笑)」)、一行は村の探索を再開した。

GM:北の方に、鉄製の門──というか、鉄格子がある。高さ5メートル、幅10メートルぐらいかな。ちょうど崖の割れ目をふさぐような形だ。で、その傍に人影がある。

リトナ:鉄格子?

GM:うん。棒の太さは2センチぐらい。棒と棒の隙間もそのくらいかな。

ビオ:結構せまいな。

GM:それでね、奇妙なことに一本おきに棒が切り取られている。だから、隙間が2センチのところと6センチのところがあるね。

一同:???

ビオ:で、人がいるんだな?

ドモ・ルール:その人は食えそう──じゃない、有益な能力を吸い取れそうか?

GM:いきなり聞くことがそれか? ボロボロの服をまとった、年老いた男だよ。君たちに気づかないね。門のところにしゃがみこんで何かしているようだ。

リトナ:鉄格子を切ってる?

GM:そのとーり。ヤスリのようなものでゴリゴリ切ってる。老人の足元には鉄の棒が散乱している。

ヴァンダイク:「今度は話が通じる相手であればいいが……」

ドモ・ルール:「棒でつつくか?」

ビオ:「大声出して驚かしてみるか?」

リトナ:「においをかいでみるよ」

GM:くちゃいね。

リトナ:(鼻をしかめてちょっと後ろに下がり、それでも好奇心の方が強いらしく、チョイチョイと前足でつつき始める)

GM:猫につつかれたぐらいじゃ気づかない。

ヴァンダイク:ではトカゲがつついてみるしかない。

ビオ:俺が下手につつくとケガするぜ?

リトナ:つーか誰か、オレを我に返らせてくれ。このままじゃいつまでもじゃれてることになってしまう。

ドモ・ルール:ホントに猫野郎だな。

リトナ:はじめに猫の本能ありきだからね。

ヴァンダイク:「そこで何をしている、猫ッ!」

リトナ:(ビクッとして我に返る)

ドモ・ルール:やれやれ。



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