prologue[降臨]03


 本陣に斬り込みながら、物色するビオ、ドモ・ルール、ヴァンダイクの3人。

 敵もまさかそんな目的で攻めてきたとは思わず、隊長の周囲の守りを固めていく。

 もっとも、降り注ぐ光球のせいでそれどころではないが。
 

ドモ・ルール:そっちには用はない。さあ、見つかるか?(サイコロを握る)

GM:じゃあ……80%の成功率で判定を。

ドモ・ルール:(コロコロ(サイコロを振る擬音))26!

ビオ:それは……かなりいいのが見つかったな。アレは確かに人型の若い女だ。──次に、俺がそいつをまっぷたつにしなかったかどうかの判定を……20%の成功率で。

GM:それは低すぎるだろう。──じゃあ、こっちがサイコロ振るから、それより低い目が出たら成功ということで。

ビオ:切り結んだときの、相手の実力というワケだな。

GM:(コロコロ)74。

ビオ:(コロコロ)72! あぶねー!(笑)

GM:あわやミンチ寸前か?

ヴァンダイク:前後に割れて、ぺらんぺらんと。

GM:うーん……。判定に成功したから、当て身で気絶ぐらいにしておこうか。ちょっと斬れたりしちゃったかもしれないけど。

ビオ:よし、肩にかついで逃げよう。

ドモ・ルール:何事だろうと思うだろうな。

GM:光の『種』と『触手』でそれどころではないけどね。

ヴァンダイク:ということは、我々もよけられるかどうか判定せねばならんのだね?

GM:そだね。んじゃ、それぞれGMが振ったサイコロの目よりも低い目が出たら攻撃を受けなかったことにしよう。
 

 サイコロを振る3人。ビオとドモは成功したが……
 

GM:(コロコロ)22(笑)。

ヴァンダイク:それはまた……(コロコロ)84。バフーン!

ビオ:何をやってるんだか。

ヴァンダイク:きっと翼を目一杯広げて飛んでいたのだな。……コマの絵がケガしているのはこのことを暗示していたのか。
 

 恒例となった、GMによるデフォルメコマ絵。セッションの際には、フィギュアの代わりにこれを使っているのだ。
 ヴァンダイクのコマは左目と左腕に包帯を巻いたものになっている(特に意味はなかった)。ちなみにリトナは右腕に包帯アリ。ビオは無傷。
 

GM:リトナも振ろうか。

リトナ:え、オレも?

GM:姫のところに行くまでの間ってことで。(コロコロ)11(大爆笑)。

リトナ:そんなのムリにきまってる〜! ちゅどーん!

ヴァンダイク:コマ絵の通りになったな。

リトナ:猫なのに……小さいのに……まるで「あの猫だー!」というように狙ってきたな……。
 

 へろへろになりつつも、姫がいるはずの塔へ登るリトナ。
 

GM:(姫はまだいるかな……)(コロコロ)まだ塔に残っていたようだね。

ヴァンダイク:のんきに逃げるための服を選びながら。

GM:んなワケあるかい。もちろん黒炎もいるよ。こっちはのんきにタバコ吸ってるけど。

リトナ:さて、来たはいいけど何をどう話せばいいのだろう。危険ってことは言うまでもないだろうし。

ドモ・ルール:確かに。

リトナ:……よし、いい逃げ道があるよって言いながら、猫しか通れなさそうなところへ案内しよう。

ヴァンダイク:それではユンケガンバと変わらないではないか(笑)。

リトナ:大丈夫、髭が当たらなければ通れます。

ドモ・ルール:姫に髭があったらイヤだぞ。

リトナ:「こんな高いところではなく、どちらにでも逃げられるように、地上に移動しませんか?」とでも言ってみるか。

GM:話しかけるんだね? リトナが話せたことには驚いてるけど、この状況でパニックになったりはしてないみたいだ。大変に落ち着いている。

フェルチアイア:「分かりました。──いきましょう、黒炎、リトナ」

黒炎:「ふう……やれやれ、だな」

リトナ:人型になってもっと驚かしつつ、塔を降りていこう。

GM:さて、他の3人はどうする?

ヴァンダイク:合流せねばならんのだが……どうやって合流したものかな。

ビオ:ネコー!(叫)

ドモ・ルール:ネコー!(叫)

リトナ:猫って言うなリトナと言え。それに今は人型だから返事はできないぞ。

ビオ:声もでないのか。

リトナ:「ニャー」となら。──それよりビオ、今こそ合図に炎を吐くときだ! さあ歌え!

ビオ:吐くのか(笑)。

ヴァンダイク:仕方がない。ワシのホモセンサーで黒炎を探すか
 

 一同、大笑い。
 

GM:そうだった、ヴァンダイク公はホモであった。

ビオ:おっさんはホモかもしれんが、黒炎はホモでは……。

リトナ:いや、彼がクロヌシであるなら、黒炎は確実にホモだ。
 

 まだ続いているのか、クロヌシ=オオトモ=ラ=ソウリンホモ伝説。
 

ヴァンダイク:だが困ったことにワシのセンサーは美少年・美青年オンリーなのだ。ラグランジェ君とかな。

ビオ:(気を取り直して)「リトナー、姿見せろー! ニャーじゃ分からーん!」

リトナ:(猫になって)「ここだここだー!」

ビオ:「それでは見えーん!」

リトナ:こちらからビオを探した方が早そうだな。

ヴァンダイク:こちらも黒炎を探した方が早いのではないか?

GM:だろうね。
 

 てなワケで、一行は何とか合流を果たした。
 

ドモ・ルール:「新しい『宿主』は無事か?」

ビオ:「ああ、ここにかついである」

ヴァンダイク:判定にギリギリ成功したから活け作り状態だがな。ほら、腹に大きな穴が。──でも生きているから安心したまえ。

ドモ・ルール:……まぢで?

ヴァンダイク:嘘に決まっている。

リトナ:そういえば敵の様子は?

GM:戦いどころではないようだね。レプス隊と戦ってる連中はもうほとんどいないようだ。

リトナ:みんな逃げ始めたんだね。……んじゃ、オレたちも逃げよう。

GM:逃げるのはいいけど……空からいろいろ降ってくるからどこに逃げても危険だよ。

ヴァンダイク:地下に逃げるしかないな。

ドモ・ルール:今いる砦はいつもいるところなのか?

GM:そうだね。レプス隊はよくいるかも。

ドモ・ルール(のプレイヤー):──ちょっとトイレ。

ヴァンダイク:では秘密の地下室とか抜け道とか知っているのではないか?

GM:知ってていいよ。

リトナ:じゃあ、そこへ。

ドモ・ルール(のプレイヤー):(トイレから戻ってきて)砦に長いこと駐留しているなら抜け道を──

リトナ:抜け道ならあるよ。今そこに向かってる。

ドモ・ルール:あ、そうなんだ。

ヴァンダイク:だが、行く途中で戦闘があってな――

リトナ:新しい『宿主』が死んでしまったんだ。

ドモ・ルール:え、死んだのか?

リトナ:ああ、残念ながら。でもそれじゃかわいそうだから、特別に生死判定をしてあげよう。さあ、サイコロを振れ。(コロコロ)目標値は63か。(小声で)……チッ、あんまり低くないな。

ドモ・ルール:(コロコロ)14だ。

リトナ:ぴちぴちしているな。

ドモ・ルール:OK!

ヴァンダイク:(肩をすくめて)ああ残念、元気すぎて逃げられてしまったよ。

ドモ・ルール:おいおい。

GM:(つーか……しなくてもいい判定させられてるし……)
 

 こうして、何事もなく(?)04小隊は抜け道へたどりついた。



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