OP.3[夜毎、神話がたどりつくところ]-a tale for you- 12

GM:アルカディアの進むべき道は決められた。ゆっくりだけど、星は少しずつ正常な状態に戻っていくだろう。

アリア:……やっと、旅が終わるね。

レイチェル:私はいつまで飛んでいればいいのだ。

GM:戻ってきていいよ。七色の光も、少しずつ地表に染み込むように消えていくし。

レイチェル:これからは<ウロボロス・システム>の管理をしていかねばならないのだろうか。

GM:必要なデータはコピーされたし、イッチェルたちが残るし、沙夜やゴルディッシモもいるから、帰ってもOKだよ。

レイチェル:そうか……。……では、帰ろう。アーケインに。

リトナ:後任はビオさんがやるから。

アリア:ムリだって(笑)。

ヴァンダイク:うっかり壊して、また<混沌>が暴走することになりそうだ。

GM:他のみんなはどうするの?

リトナ:当然残るよ。

ビオ:聞かれるまでもねーな。

GM;そうすると、スティールと沙夜の取り合いかな?

ビオ:お? なんでだ?

GM:仕える主人をなくしたスティールは、次の主人として沙夜を選んだからだ(笑)。

ドモ・ルール:まーしばらくは身体を借りっぱなしになるがな。だからそんなことはさせん。

リトナ:いや、だからこそでしょう。

ビオ:ロリかよ。

ドモ・ルール:ちゃうわー!

GM:ヴァンダイクはどうするの?

ヴァンダイク:うーむ。……あっちの世界もいいかもしれんな。

一同:え?

ヴァンダイク:ラグランジェは恋敵と共に逃げたが、その代わりに……。むふー。

ゼナ:……ボクですか。

アルバス:ゼナ、ささやかな不幸計画。

リューセ:確かにこれでリルルと気まずくなったら最悪だねー。

ヴァンダイク:さあ、いこうか。

ゼナ:え、ホントに来るんですか!?

ヴァンダイク:いやいやいやいや……。

リトナ:ミケはどうするの?

GM:え?

リトナ:だって、アリアのミケとアーケインのタバコ屋のミケは同じなんでしょ?

GM:いや、そんなことは一言も……。

アリア:ミケは、あたしが召喚してほとんどいつも一緒にいたよ?

リトナ:たまーにいないとき、タバコ屋にいたんだよ。

レイチェル:なるほど、だからよく行方不明になっていたんだな。

ヴァンダイク:ウサギのように見えるがにゃーと鳴くから猫だろう、と。

リトナ:どう、GM。

GM:……それでいいです。

アリア:実はスゴイ存在だったんだねー、ミケ。

GM:朝顔組は当然帰るよね?

アルバス:もちろんだ。

GM:ここに残ってエノクたちの手伝いをするってことは──

アルバス:ないな。

ゼナ:ちょっと心惹かれますけどね。

リューセ:じゃあゼナはヴァンダイクさんとここに残ったら?

アルバス:リルルは連れて帰るぞ。

ゼナ:そんなー。……ボクも帰ります。帰りますよ!

GM:エスペルプレーナ4の発進準備は整った。エノクたちが見送りに来てくれる。オードーや、あとレオとアンの子孫だという人たちも。

アリア:あたしたちもいくー。

ゼナ:「じゃあ、先生もがんばって」

エノク・399:「君もね。いつか星の海を渡って、ここに来てください」

リューセ:「ここは遠い昔、わたしがいた星なの。……あとのこと、お願いね」

アリア:「任せて。みんなで、がんばるから」

ビオ:「おっさん、元気で」

リトナ:「今よりつやつやになると思うよ、きっと」

ヴァンダイク:「皇帝陛下によろしく伝えてくれ。──姫様、それでは」

アリア:「──うん、それじゃ。離れてても、いつも一緒だからね、レプス隊は」
 

 巻き上がる風と共に、空飛ぶ『船』の巨体が浮かび上がる。柔らかな光が、その船体を包み込む。
 

 一筋の光を残し、エスペルプレーナは帰っていく。青の世界へ。

 残された人々は、この赤の世界で生きていく。

 ──この星で。

 光の行く先を追うように、アリアは空を見上げた。

 もう黒い雲はない。虹色の光の名残と。まばらに輝く星と共に、ほっそりとした月の輝きがそこにあった。
 
 

 この星も、いつかきっと……
 

 アリアは思う。この星と約束をしよう。

 空より、月よりも遠い。星の約束を。

To be Continued...


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