アリア:……やっと、旅が終わるね。
レイチェル:私はいつまで飛んでいればいいのだ。
GM:戻ってきていいよ。七色の光も、少しずつ地表に染み込むように消えていくし。
レイチェル:これからは<ウロボロス・システム>の管理をしていかねばならないのだろうか。
GM:必要なデータはコピーされたし、イッチェルたちが残るし、沙夜やゴルディッシモもいるから、帰ってもOKだよ。
レイチェル:そうか……。……では、帰ろう。アーケインに。
リトナ:後任はビオさんがやるから。
アリア:ムリだって(笑)。
ヴァンダイク:うっかり壊して、また<混沌>が暴走することになりそうだ。
GM:他のみんなはどうするの?
リトナ:当然残るよ。
ビオ:聞かれるまでもねーな。
GM;そうすると、スティールと沙夜の取り合いかな?
ビオ:お? なんでだ?
GM:仕える主人をなくしたスティールは、次の主人として沙夜を選んだからだ(笑)。
ドモ・ルール:まーしばらくは身体を借りっぱなしになるがな。だからそんなことはさせん。
リトナ:いや、だからこそでしょう。
ビオ:ロリかよ。
ドモ・ルール:ちゃうわー!
GM:ヴァンダイクはどうするの?
ヴァンダイク:うーむ。……あっちの世界もいいかもしれんな。
一同:え?
ヴァンダイク:ラグランジェは恋敵と共に逃げたが、その代わりに……。むふー。
ゼナ:……ボクですか。
アルバス:ゼナ、ささやかな不幸計画。
リューセ:確かにこれでリルルと気まずくなったら最悪だねー。
ヴァンダイク:さあ、いこうか。
ゼナ:え、ホントに来るんですか!?
ヴァンダイク:いやいやいやいや……。
リトナ:ミケはどうするの?
GM:え?
リトナ:だって、アリアのミケとアーケインのタバコ屋のミケは同じなんでしょ?
GM:いや、そんなことは一言も……。
アリア:ミケは、あたしが召喚してほとんどいつも一緒にいたよ?
リトナ:たまーにいないとき、タバコ屋にいたんだよ。
レイチェル:なるほど、だからよく行方不明になっていたんだな。
ヴァンダイク:ウサギのように見えるがにゃーと鳴くから猫だろう、と。
リトナ:どう、GM。
GM:……それでいいです。
アリア:実はスゴイ存在だったんだねー、ミケ。
GM:朝顔組は当然帰るよね?
アルバス:もちろんだ。
GM:ここに残ってエノクたちの手伝いをするってことは──
アルバス:ないな。
ゼナ:ちょっと心惹かれますけどね。
リューセ:じゃあゼナはヴァンダイクさんとここに残ったら?
アルバス:リルルは連れて帰るぞ。
ゼナ:そんなー。……ボクも帰ります。帰りますよ!
GM:エスペルプレーナ4の発進準備は整った。エノクたちが見送りに来てくれる。オードーや、あとレオとアンの子孫だという人たちも。
アリア:あたしたちもいくー。
ゼナ:「じゃあ、先生もがんばって」
エノク・399:「君もね。いつか星の海を渡って、ここに来てください」
リューセ:「ここは遠い昔、わたしがいた星なの。……あとのこと、お願いね」
アリア:「任せて。みんなで、がんばるから」
ビオ:「おっさん、元気で」
リトナ:「今よりつやつやになると思うよ、きっと」
ヴァンダイク:「皇帝陛下によろしく伝えてくれ。──姫様、それでは」
アリア:「──うん、それじゃ。離れてても、いつも一緒だからね、レプス隊は」
巻き上がる風と共に、空飛ぶ『船』の巨体が浮かび上がる。柔らかな光が、その船体を包み込む。
一筋の光を残し、エスペルプレーナは帰っていく。青の世界へ。
残された人々は、この赤の世界で生きていく。
──この星で。
光の行く先を追うように、アリアは空を見上げた。
もう黒い雲はない。虹色の光の名残と。まばらに輝く星と共に、ほっそりとした月の輝きがそこにあった。
この星も、いつかきっと……
アリアは思う。この星と約束をしよう。
空より、月よりも遠い。星の約束を。