OP.2[光の庭で]-Jouney to the truth- 09

 ニャルラトホテプ〜イシュタル航路──

GM:ではイシュタルに向かっている面々。遠くに見えてきたイシュタルでありますが……どーも街から火の手が上がっているように見える。

ゼナ:どーも、じゃないです(笑)。大変です。

プレイヤーP:リルルぅー!!!

GM:いや、君が叫んでもな。……えーと、そして、街の上空には飛行要塞の姿が。

アルバス:空中戦艦アバラスターが。

GM:そう、あばら星が──ではなく。

ゼナ:「リルルぅー!!!」

アルバス:そのアラバスターが、イシュタルを攻撃してるんだな?

GM:アラバスターではないけどね。でも同型だ。知る人ぞ知る、ホフヌングの秘密兵器のひとつ。

アリア:このメンバーじゃ誰も知らないんじゃ。

アルバス:おー、巨大なタルが飛んでるばい。

GM:タル戦艦ではないっス。

ゼナ:リルルに連絡します! 「リルル、リルル! ねえ、無事なの!?」

リルル(通信機):『ゼ……ナ……街が……が……大変……地面が揺れ──ブツッ』

ゼナ:「リルル! ……切れちゃった」

アルバス:「地面が揺れて──ああ、もう何なのよぉー!(怒)」 ……ああ、キレちゃった。

アリア:……そっちなんだ。

アルバス:「これは……大変なことなのか?」

ゼナ:「大変ですよ! 大事ですよ!」

アルバス:「ゼナ、急げ」

ゼナ:「もう全速力です!」

アルバス:「急げ。もっと」

ゼナ:「だから、これが精一杯です!」

アルバス:「限界なんか知るか」

ヴァンダイク:(飛行要塞の爆撃を見て)「ぬうぅうん……。西の砦を襲った光の羽を思い出させる、嫌な光景ですな」

アリア:「うん……そうだね……」

GM:ではイシュタルに到着だ。あちこち爆撃され、大変なことになっている。

アルバス:「あの空を飛んでるヤツ、どうにかできんのか?」

ゼナ:「エスペルプレーナ3には、必要最低限の武器しか積んでないんです」

ヴァンダイク:では4を。

ゼナ:え?

アリア:フォモ?(笑)

アルバス:エスペルプレーナ・フォーモ。

ヴァンダイク:後ろから合体するのだね。
 

 一同大笑い。
 

アルバス&ゼナ:サイアクだ……。

GM:引っ張るなあ、ホモネタ。

ヴァンダイク:──さて。イシュタルということは、湖の港までしか入れないのかね。

GM:そこまで大きな『船』じゃないから、何とか街の中を走れなくもない。

ゼナ:でも、逃げてる人とかいっぱいいるんでしょう? そんな中、危なくて走れないですよ。

アルバス:それはそれ。これはこれだ。

ゼナ:アルバスさーん。

アルバス:いけるなら、ゼナんちの前までいこう。急げ急げ。

ゼナ:さすがにそれはマズイので……いけるとこまでいってから、そこから走ります。

 イシュタル オーケンシールド家──

GM:リルルが倒れてる。傷を負い、血を流している。……リューセの姿は見当たらない。

ゼナ:(抱き起こして)「リルル、大丈夫!?」

リルル:「ん……。なんとか、ね……」

プレイヤーP:お腹の子は無事か?

一同:(生温かい笑い)

GM:……いるん、だっけ?

ゼナ:いませんよッ!

プレイヤーP:でもまあ、ヤることはヤってるんだろ?

一同:(生温かい苦笑い)

アルバス:(気を取り直して)「リューセは?」

リルル:「連れていかれました……忍者っぽい人に」

アルバス:イミが分からーん!(ちゃぶ台をひっくり返すポーズ) ……このご時世に、忍者?

ヴァンダイク:コスプレ好きだったのか。

ゼナ:(デスハイカーを襲った人物の映像を見せ)「こんな人?」

リルル:「うん。茶色い髪で……緑の瞳。トパーズさんみたいな……」

ゼナ:間違いないみたいですね。

プレイヤーP:ところで、ヴァンダイクはリルルの血を見て興奮したりせんのか?

GM:今はゼナの揺れるおさげの方に夢中。

ゼナ:げ……。

ヴァンダイク:彼女は『ヒーメル』だろう? 我々が好む『ラーヴ』の持ち主は、北キャンバス大陸の人間だ。……まあ、これはこれでアリなのだけどね(むふー)。

ゼナ:やめてくださいッ!(笑)

アリア:ゼナパパは……?

アルバス:ほっとけ。

ヴァンダイク:妹は……?

GM:今、お出かけ中。

アルバス:問題なし。いくぞ。

ゼナ:どこへ……?

???:「とりあえず北だな。『アーカイブス』という場所だ」
 

 突然の声に顔を上げると、長身の男が立っていた。水色の髪と赤いマントが、爆風で揺れる。
 

一同:「………………だれ?」

 ホフヌング 『アーカイブス』──

 命と引き換えに生まれるという『祭器』

 『蒼天の合わせ鏡』はその中でも特に強い力を持つという。

 メイリアは、それを欲していた。その力を欲していた。

 魔界への『扉』を開くという、その力が欲しかった。

 Gシリーズの末裔としての、力が欲しかった。

 エターナル・マザーの血をひく者として、『神を屠る子』を産みたかった。
 

 メイリアは……全てを欲していた。
 

メイリア:「鏡が……ひとつしかない……。もう一枚は、一体誰が……」

ビオ:(近づいて)「なんかあったのか?」

リトナ:「ビオさん、食べ物じゃないみたいだよ」

トパーズ:「これ……手鏡……?」

GM:トパーズは、その鏡から『十六夜』や『朔夜』と同じ力を感じる。

トパーズ:「『祭器』……」

GM:と──じゃり、という地面を踏みしめる音がする。

ビオ:振り返ろう。

リトナ:首だけ回す。

GM:そこに立っていたのは……ガルフ。その肩には、リューセが担がれている。それから、『仮面のもの』が3人。

リトナ:んー。誰一人として分からん。

トパーズ:「リューセさん!!!」

ビオ:「知り合いか?」

トパーズ:「彼女がリューセさんです。あたしたちは、彼女を助けるためにここまで来たんです」

リトナ:「なんと、そうだったのか」

トパーズ:「Gシリーズだか何だか知らないけど、リューセさんをどーするつもりなの!」

ガルフ:「……『神』は殺す」

トパーズ:「させないもん!」

リトナ:(ひそひそ)「ビオさん、Gシリーズってなに……?」

ビオ:「俺に聞くなよ」

ユリア:(ひそひそ)「Gシリーズというのはですね……」

リトナ&ビオ:うぉう!(びっくり)

GM:話を聞かれてしまったか(笑)。しゃべれる猫だということがバレてしまう。

ユリア:気にしないので。

トパーズ:てか、ガルフは何でわざわざここに来たのさー。

GM:さあ、どうしてだろうねえ(ニヤリ)。

リトナ:そもそも、コイツら何者なの?

トパーズ:友達のカタキー!

リトナ:イミが分かりません。

GM:まだ死んでないし。

メイリア:Gシリーズというのは神を倒すことを目的とした──

ビオ:ややこしい話はいい。半回転して、尻尾でそのヘンなヤツ(ガルフ)に攻撃。

トパーズ:リューセさんに当たるぅー!

ビオ:(コロコロ)大丈夫だ、娘には当たってねえ。

GM:(コロコロ)こっちもいい目が出たぞ。リューセは手放すけど、後ろに下がりながら避けた。

ビオ:そのまま回転して娘をかっさらう。

GM:回るなー! ビオさんデカすぎー!

ユリア:みんなが吹き飛んでしまうね。

リトナ:三国無双のようだ。

ユリア:ではこちらもガルフに。

GM:お、そっちも来るか。

ユリア:(コロコロ)成功してる──って、これは何の判定?

一同:知るかー!

GM:頭、回ってる……?

ユリア:おそらくハザンの技だろう。そういうことにしておこう。

GM:(コロコロ)避けられないッ! ダメージください。

ユリア:跳ね飛ばし技なので。後方に跳ね飛ばす。

GM:げ。

ガルフ:(顔をしかめた後、ニヤリと笑う)

GM:じゃ、ここからターン処理しようか。

ビオ:久しぶりの戦闘だ。

トパーズ:だからガルフは、何でわざわざここに来たのー?

ユリア:戦闘後、問い詰めればいい。
 

 イニシアティブを振る一行。一番目は、ビオ。
 

ビオ:リューセをトパーズに投げて、俺はヘンなヤツ(ガルフ)を攻撃だ。

トパーズ:ちょ、ちょっと〜。

ユリア:重いからね。

トパーズ:そんなことなーい。(リューセを抱えて)……やわらかーい。……でもちょっと重いかも……。

ドモ・ルール:ナニをやってんだ。

ビオ:(コロコロ)52!!!

GM:……は?

ビオ:52点だ。

GM:えーと……それは判定の成功度ではなくて──

ビオ:ダメージだ。
 

 一同、大笑い。
 

GM:うわー、いきなり死にかけだよー。ふらふらだよー。

ユリア:そこへトドメの一撃を。

メイリア:「ダメ、やめてぇぇぇーッッ!!!」
 

 メイリアの叫び。めり込むユリアの拳。

 次の瞬間──ガルフは光の粒となり、爆散した。

  

 ……誰かの声がする……

 ……ここ、どこだろう?
 

 名を呼ばれた気がして、リューセはそっと瞳を開いた。
 

リューセ:「ほえ……?」
 

 知ってる顔。知らない顔。

 自分は今、冷たい床に横たわっているようだ。背中に冷たく硬い感触。後頭部にあたたかくやわらかい感触。

 リルルの、膝枕だった。
 

リルル:「気がつきました?」
 

 リルルの顔。ゼナの顔。トパーズの顔。知らない顔。そして一番遠くに見える──彼の顔。

 リューセはふらふらと立ち上がり、彼のもとに歩み寄った。
 

リューセ:「ちょっと、遅かったね……」

アルバス:「ま、こんなもんだろう」

リューセ:「そうだね……。でも、ずっと、待ってたから……」

アルバス:「うん」
 

 南キャンバス大陸の北の端で。5年振りに、ふたりは再会した。

To be Continued...


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