GM:では、ニャルラトホテプに到着だ。
ゼナ:このへんて、秘境とかじゃなかったでした?
ヴァンダイク:途中でモンスターとエンカウントするような。
アルバス:ま、今やここもすっかり観光地だからな。
GM:……そうなの?
アルバス:テレビ局も来るし、女神に祈りにくるヤツもいるだろう。土産屋だって当然あるだろう。
GM:うーむ……。
ゼナ:それより、早くリューセさんのところへ!
GM:女神の塔の入口には、『外出中』の札が下がってる。
ゼナ:いない……?
アルバス:ホントにいないのか? ──土産屋の人に聞いてみよう。きっと知ってるはずだ。
GM:ホントにあるんだお土産屋さん……。………………(←覚悟を決めた)。──じゃ、聞きにいくんだね?
土産物屋のお姉さん(世話係の神官?)に聞いてみると、確かにリューセは数日前から外出中とのことだった。
ゼナ:どこにいったかは、知らないんですか?
GM:そのときゼナの通信機がなる。リルルからだよ。
ゼナ:「──もしもし?」
リルル(通信機):『あ、ゼナ? 今どこにいるの?』
ゼナ:「いや、それは………………ちょっと、遠いとこ」
リルル(通信機):『せっかくリューセさんが遊びに来てるのに』
ゼナ:「な……」
アルバス:……やっぱ、そのネタで来たのかGM。
GM:まーねー。
元々、このすれ違いネタはアルバスのプレイヤーとの雑談の中で生まれたのだ。
ゼナ:じゃあ、今リューセさんはイシュタルにいるんですね?
GM:うん。
ゼナ:「リルル、リューセさんに帰らないように伝えて! ……いや、どこか安全なところへ──」
リルル(通信機):『何の話?』
アルバス:「憶測だけの話で不安がらせるのもアレだな。──リルル、とにかく動くな。ピクリともだ」
リルル(通信機):『え……?』
ゼナ:「とにかく、すぐそっちにいくから!!!」
リューセが危ない。エスペルプレーナ3は、全速力でイシュタルへ。
ニドナン山脈 <禁猟区>内──
トパーズ:「あーかいぶ?」
メイリア:「ええ。『ホフヌング』に関する様々な記録や物資が保管されている場所が、このへんにあるらしいのです。そこで、物資を……できれば強力なアイテムも……手に入れていきましょう」
幽谷の民の集落を後にした一行は、ホフヌングの『アーカイブス』(記録保管所)へ向かっていた。
トパーズ:なんで、南の方にそんなものが……?
ユリア:例の不思議トンネルを使って運んでいたのでは。
リトナ:そこにオレたち入れてもらえるのかな? ビオさんに聞いてもらおう。
ビオ:じゃあ、そう聞くぞ。
メイリア:「私は、あの偉大な伯母クレリア=リーベンガードの姪ですよ? 絶対、大丈夫です」
リトナ:……そのアーカイブとやらで、現実を知るがいい(笑)。
GM:話に聞いてたのと違ーう、と?
リトナ:誰にでも優しく、公平で? ……誰が?
ユリア:ティンベルにとって……クレリアって、唯一の友達だった気が。
GM:そーいや、第二部の最初でふたりで行動したりしてたもんね。
ドモ・ルール:今思えば、やめておけばよかった?
リトナ:エミリーと同じ自警団にいた、ってよりはマシなんじゃない?
トパーズ:エミリー、友達じゃないんだ(苦笑)。
そのへん、いろいろ人間関係複雑なのだろう。
ユリア:ところで、なんでユリウスはみんなと一緒に行動してるのだろう?
トパーズ:なんでなの?
ユリア:つわものであるビオを観察するため、かな。
ビオ:ふふん。
ユリア:見たことがない生き物だし。
メイリアが記憶していた場所に、『アーカイブス』は存在した。一行は入口へ向かう。
ドモ・ルール:うおー、どっかに実験体の死体でもないもんかのう。
リトナ:せっかく(プレイヤーが)仕事の合間を縫って参加してるのにね。ずっと指輪のままだもんね。
ビオ:参加してないときには操られてるしな。
GM:死体とか、ありそうだけど。
リトナ:防腐剤がないよ。それに、ビオさんはドモの身体のことなんか考えもしないし、オレもドモのことなんか忘れてるし。
ドモ・ルール:おいー(涙)。……ユリアあたりが、はめてくれてもいいが。見たものが指輪をはめたい衝動にかられるようになる、という設定はどこにいったのだ。
GM:ユリアはストイックな武道家だしね。もともと装飾品の類には興味なさそうだし。
ユリア:今は男だし。
ビオ:そいつは抵抗力がありそうだ。
リトナ:首輪についてるから、半分以上毛に埋もれてるしね。……大丈夫、君(プレイヤー)がいなくなった頃に、装着者が現れるよ。
ドモ・ルール:またそういうオチかー!
GM:で、死体、あるよ。
ドモ・ルール:おう?
GM:死体。『アーカイブス』の職員のものと思われる、死体。
ビオ:「おい、誰か倒れてっぞ」
リトナ:「うん」
ビオ:うん……って、それだけかよっ。
トパーズ:駆け寄りましょー。
リトナ:駆け寄りたまえ。
ユリア:では、肩を揺らしながら。
GM:既に、事切れていますな。
リトナ:くそー、よくもゴドーさんを。
誰?
ユリア:どんなかんじで死んでる?
GM:外からバッサリ。
ユリア:外からか……。中からではないのだね。
ドモ・ルール:新鮮?
GM:いや、だいぶ時間が経ってるねえ。
トパーズ:一体誰がこんなことを……。
ドモ・ルール:ガルフか?
GM:ここ数日でできたものではなさそうだよ。白骨化してる。
ドモ・ルール:ぬ……。
ユリア:そんな状態なのに、外からバッサリって分かったんだ(笑)。
GM:骨ごと斬れていたのかも。
リトナ:補給できる物資とか、残ってるの?
GM:それは調べてみないと。メイリアは、奥にダッシュだ。
ビオ:追うぞ。食い物は俺のものだからな。
メイリア:(まさかそんな……。『合わせ鏡』がないなんてことになれば、わたしはどうすれば……)
保管庫の中。荒らされた室内。割れたケース。
『蒼天の合わせ鏡』は──片割れしか、そこになかった。
メイリア:「そんな……」
メイリアは、その場に立ち尽くした。