OP.2[光の庭で]-Jouney to the truth- 08

 <最後の楽園>ニャルラトホテプ──

GM:では、ニャルラトホテプに到着だ。

ゼナ:このへんて、秘境とかじゃなかったでした?

ヴァンダイク:途中でモンスターとエンカウントするような。

アルバス:ま、今やここもすっかり観光地だからな。

GM:……そうなの?

アルバス:テレビ局も来るし、女神に祈りにくるヤツもいるだろう。土産屋だって当然あるだろう。

GM:うーむ……。

ゼナ:それより、早くリューセさんのところへ!

GM:女神の塔の入口には、『外出中』の札が下がってる。

ゼナ:いない……?

アルバス:ホントにいないのか? ──土産屋の人に聞いてみよう。きっと知ってるはずだ。

GM:ホントにあるんだお土産屋さん……。………………(←覚悟を決めた)。──じゃ、聞きにいくんだね?
 

 土産物屋のお姉さん(世話係の神官?)に聞いてみると、確かにリューセは数日前から外出中とのことだった。
 

ゼナ:どこにいったかは、知らないんですか?

GM:そのときゼナの通信機がなる。リルルからだよ。

ゼナ:「──もしもし?」

リルル(通信機):『あ、ゼナ? 今どこにいるの?』

ゼナ:「いや、それは………………ちょっと、遠いとこ」

リルル(通信機):『せっかくリューセさんが遊びに来てるのに』

ゼナ:「な……」

アルバス:……やっぱ、そのネタで来たのかGM。

GM:まーねー。
 

 元々、このすれ違いネタはアルバスのプレイヤーとの雑談の中で生まれたのだ。
 

ゼナ:じゃあ、今リューセさんはイシュタルにいるんですね?

GM:うん。

ゼナ:「リルル、リューセさんに帰らないように伝えて! ……いや、どこか安全なところへ──」

リルル(通信機):『何の話?』

アルバス:「憶測だけの話で不安がらせるのもアレだな。──リルル、とにかく動くな。ピクリともだ」

リルル(通信機):『え……?』

ゼナ:「とにかく、すぐそっちにいくから!!!」
 

 リューセが危ない。エスペルプレーナ3は、全速力でイシュタルへ。

 ニドナン山脈 <禁猟区>内──

トパーズ:「あーかいぶ?」

メイリア:「ええ。『ホフヌング』に関する様々な記録や物資が保管されている場所が、このへんにあるらしいのです。そこで、物資を……できれば強力なアイテムも……手に入れていきましょう」
 

 幽谷の民の集落を後にした一行は、ホフヌングの『アーカイブス』(記録保管所)へ向かっていた。
 

トパーズ:なんで、南の方にそんなものが……?

ユリア:例の不思議トンネルを使って運んでいたのでは。

リトナ:そこにオレたち入れてもらえるのかな? ビオさんに聞いてもらおう。

ビオ:じゃあ、そう聞くぞ。

メイリア:「私は、あの偉大な伯母クレリア=リーベンガードの姪ですよ? 絶対、大丈夫です」

リトナ:……そのアーカイブとやらで、現実を知るがいい(笑)。

GM:話に聞いてたのと違ーう、と?

リトナ:誰にでも優しく、公平で? ……誰が?

ユリア:ティンベルにとって……クレリアって、唯一の友達だった気が。

GM:そーいや、第二部の最初でふたりで行動したりしてたもんね。

ドモ・ルール:今思えば、やめておけばよかった?

リトナ:エミリーと同じ自警団にいた、ってよりはマシなんじゃない?

トパーズ:エミリー、友達じゃないんだ(苦笑)。
 

 そのへん、いろいろ人間関係複雑なのだろう。
 

ユリア:ところで、なんでユリウスはみんなと一緒に行動してるのだろう?

トパーズ:なんでなの?

ユリア:つわものであるビオを観察するため、かな。

ビオ:ふふん。

ユリア:見たことがない生き物だし。
 

 メイリアが記憶していた場所に、『アーカイブス』は存在した。一行は入口へ向かう。
 

ドモ・ルール:うおー、どっかに実験体の死体でもないもんかのう。

リトナ:せっかく(プレイヤーが)仕事の合間を縫って参加してるのにね。ずっと指輪のままだもんね。

ビオ:参加してないときには操られてるしな。

GM:死体とか、ありそうだけど。

リトナ:防腐剤がないよ。それに、ビオさんはドモの身体のことなんか考えもしないし、オレもドモのことなんか忘れてるし。

ドモ・ルール:おいー(涙)。……ユリアあたりが、はめてくれてもいいが。見たものが指輪をはめたい衝動にかられるようになる、という設定はどこにいったのだ。

GM:ユリアはストイックな武道家だしね。もともと装飾品の類には興味なさそうだし。

ユリア:今は男だし。

ビオ:そいつは抵抗力がありそうだ。

リトナ:首輪についてるから、半分以上毛に埋もれてるしね。……大丈夫、君(プレイヤー)がいなくなった頃に、装着者が現れるよ。

ドモ・ルール:またそういうオチかー!

GM:で、死体、あるよ。

ドモ・ルール:おう?

GM:死体。『アーカイブス』の職員のものと思われる、死体。

ビオ:「おい、誰か倒れてっぞ」

リトナ:「うん」

ビオ:うん……って、それだけかよっ。

トパーズ:駆け寄りましょー。

リトナ:駆け寄りたまえ。

ユリア:では、肩を揺らしながら。

GM:既に、事切れていますな。

リトナ:くそー、よくもゴドーさんを。
 

 誰?
 

ユリア:どんなかんじで死んでる?

GM:外からバッサリ。

ユリア:外からか……。中からではないのだね。

ドモ・ルール:新鮮?

GM:いや、だいぶ時間が経ってるねえ。

トパーズ:一体誰がこんなことを……。

ドモ・ルール:ガルフか?

GM:ここ数日でできたものではなさそうだよ。白骨化してる。

ドモ・ルール:ぬ……。

ユリア:そんな状態なのに、外からバッサリって分かったんだ(笑)。

GM:骨ごと斬れていたのかも。

リトナ:補給できる物資とか、残ってるの?

GM:それは調べてみないと。メイリアは、奥にダッシュだ。

ビオ:追うぞ。食い物は俺のものだからな。

メイリア:(まさかそんな……。『合わせ鏡』がないなんてことになれば、わたしはどうすれば……)
 

 保管庫の中。荒らされた室内。割れたケース。

 『蒼天の合わせ鏡』は──片割れしか、そこになかった。
 

メイリア:「そんな……」
 

 メイリアは、その場に立ち尽くした。



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