MOND REPLAYV  XX


 文句を言いつつも、てくてくとエノクの部屋へ。
 

エノク「やあアルバス君」

アルバス「ども」

エノク「………………」

アルバス「………………」

ゼナ「話さないと!」

アルバス「あー、もう。だるい! ……えーと、リューセ知らない?」

エノク「いいえ」

アルバス「あ、そ。……だってさ」

ゼナ「元に戻る方法!」

アルバス「あ、それもか……」
 

 残念ながら(今回も)エノクには分からないらしい。
 

エノク「学者として、非常に残念なのですが……。最近理解不能なことが多すぎます」
 

 じゃあカリストパラスに聞こうってことで、ブリッジへ向かう。
 

カリストパラス『どうしました?』

アルバス「クシャミをしたら頭の中がうるさくなった」

カリストパラス『それは……。えーとそうですね……』

ゼナ「人間くさいコンピュータだね」

ユンケ「人間の脳を使ってるからしようがないよ」

アルバス「タイタニックとか?」

ユンケ「そう」

アルバス「あれは船がやる気をなくしたから沈んだんだろ?」

ゼナ「『あー、さむ!』とかって?」

アルバス「『こんな寒いとこ進めるかっちゅーてんねん! 俺と同じ思いさせたるわ!』」

カリストパラス『最近マスター(アルバス)の魔法力は非常に不安定になってますね』

アルバス「て言われても……低い魔法力が不安定になったところで、そう変わりはないだろ?」

カリストパラス『ですが……前回の事件も、今回のことも、相当高い魔法力がなければ不可能です』

アルバス「それはまァ、そうか」

カリストパラス『……ひょっとしてマスターにはとんでもない潜在能力があるのでは?』

アルバス「いや〜そうかもしれんなァ〜──っていつからオレはこんなにオヤジくさくなったんだ?」

ゼナ「ははは」

アルバス「おだてられても何もならないからな……。──何かいい手はないか?」

カリストパラス『こちらでも情報を集めてみます。それまでリューセさんでも……』

ゼナ「『でも』扱い?(笑)」

カリストパラス『リューセさんでも探して時間つぶしててください(笑)』

ゼナ「リューセさん、通信機持ってたっけ?」

GM「持ってるでしょ」

ゼナ「なら連絡してみます」
 

 しかし通信機はつながらない。ま、とーぜんですな。
 

ユンケ「リューセの部屋に行って、匂いをたどってみるだわさ。ガンバ並の嗅覚で」

アルバス「どんな嗅覚だ」

ユンケ「鼻がないから嗅覚ない(笑)」

アルバス「行くだけ行ってみるか」
 

 てことで、リューセの部屋へ。
 

アルバス(ガンガンガンと足でノックする)

ゼナ「……なんでこうかなァ、アルバスさんて……」

GM「もちろん返事はないし、カギもかかってる」

アルバス「カリストパラス、開けて」

カリストパラス『ですが……一応……一応、一応レディの部屋ですから……』

アルバス「かまわん。レディというようなタマじゃない」

ガンバ「船長命令だ!」

リルル(ぽそっと)「うそォ……信じらんない……」
 

 カギを開けてもらい、部屋の中へ侵入するアルバス。
 

GM「……リューセの部屋ってどんなんだろ……?」
 

 この一言がキッカケで、部屋の中を考えてみようということになった──
 

GM「せっかくだから、リューセのプレイヤーに(インターネットで)聞いてみようか」

アルバス「でっかいベッドがあるだろうな。天蓋付きの」(ベッドを描き込む)

ゼナ「おっきいね……」

GM「返事返ってきた。──『フリフリの部屋』だって」

アルバス「やっぱりな。……じゃあここに棚を置いて……」
 

 どんどん描き込んでいくアルバス(のプレイヤー)
 

アルバス「こんなもんか」

リューセの部屋

ユンケ「さ、次はアルバスの部屋だわさ」

GM「やっぱ和風なんだろうね」

アルバス「ここに布団(薄いマットレスつき)をひいて……」

ユンケ「前にベッドの上でぽんぽんはねたことがあったよ(笑)」

GM「きっとこういう部屋にする前のことだったんだよ」

アルバス「ここにコタツ……と座椅子……とお茶セット……と座布団……──なんかリューセのと比べて来客用の部屋になってないか?」

GM「きっとそれが『和』の心なんだよ」

アルバスの部屋
 

 続いてゼナ・オードー・サリース……といったかんじで、延々30分話は脱線していたのだ。
 

ゼナ「ボクの部屋はパソコンは押し入れの中で、あとはジャンクパーツが散らばってる。んで──」

アルバス「こんなかんじか?」

ゼナほ部屋

GM「オードーの部屋には囲炉裏や熊の敷物があるのな……」

アルバス「水瓶もあるだろうな」

GM「トイレは便座が外してあって、穴があるだけ(笑)」

オードーの部屋

アルバス「サリースの部屋は回転ベッドオンリー」

ユンケ「お風呂はマジックミラー張りだわさ」

GM「『殺風景な部屋でしょう』というサリース(のプレイヤー)の要望通りだね」

サリースの部屋

ユンケ・ガンバ「「わたいらの部屋はねえ……原子レベルで何も存在してないだわさ」」

ユンケ・ガンバの部屋

アルバス「──よし、こんなもんだろ。……リューセのだけでよかったはずなのに(笑)」

GM「ほいじゃ、話に戻ろうか」

GM「──さ、リューセの部屋に入ったよ」

アルバス「ずいぶん時間がかかったな(笑)」

GM「まったくだ」

アルバス「とりあえずベッドをバッとめくってみる」

GM「誰もいないよ」

ユンケ「ベッドの下を探ってみるだわさ」

GM「エッチな本──は出てこないだろうねェ」

ゼナ「エッチな棒が出てきたりして」

アルバス「他に手掛かりになりそうなものは?」

GM「日記が見つかった。カギはかかってない」

アルバス「別にいいや。興味ないし」

ゼナ「GM、日記の中身を事細かに用意してあったりして……(笑)」
 

 そんなこたァないよ。
 

GM「じゃー……リューセはいないようだ」

アルバス「他にどんなとこ行くかな、あいつ」
 

 大浴場・ブリッジ・食堂・アンとレオの部屋と回ってみるが、やっぱり見つからない。
 

ゼナ「ダストシュートの中とか?」

アルバス(さっと指差して)「……いないみたいだな……」

ユンケ「代わりにサリースが出てきたりして」

アルバス「あとはどこだ? ──弾薬庫? そんなとこに何しにいくんだ?」
 

 行くだけ行ってみるも、やっぱりいない。
 

アルバス「じゃー……あきらめるか」
 

 そのとき──

 視界が赤く染まり、緊急事態を告げるサイレンが鳴り始めた。
 

ゼナ「エマージェンシー!」

ユンケ「危険危険!」

GM「扉という扉がロックされてしまってる。で、スピーカーから『ほえ〜ほえ〜』という声が聞こえてくる」

アルバス「なんだリューセ、そんなところにいたのか。──よし、解決!

GM「……してないだろ」

ゼナ「ひょっとして……カリストパラスの中に『封印』されてる……?」

アルバス「そうだとしても……どうしようもないだろう」

ユンケ「よし、こよりを作るだわさ」

アルバス「クシャミ頼みか。……しかし自分で自分の鼻をくすぐるのはヒーローとして美しくないな」

GM「……ヒーローだったのか……」

アルバス「主人公といえばヒーローだろ」

ゼナ「今までの行動も十分美しくなかった気が……。……いや、逆なのかな?」

ユンケ「悪の美学?」
 

 『ほえ〜〜ほえ〜〜ほえ〜〜』
 

アルバス「ほえほえ言ってないで事情をしゃべれよ!(笑)」

ユンケ「こっちから呼びかけてみるだわさ。──ベントラベントラ……

ゼナ「なにそれ?」

ユンケUFOとの交信

アルバス(突然マイクを持って)「総員退艦! 現時刻より5分後を持って艦を放棄する!」

ユンケ「そういいたいんか?」

アルバス「ちょっと違うぞ」

ユンケ「ところで今わたいらはどこにいるだわさ?」

GM「弾薬庫の外の──廊下かな」

ユンケ「ドアがロックされたってことは、廊下を往復するしかできないんだね?」

ゼナ「あ、そか……。エレベーターも使えないだろうし。これじゃ逃げられませんよ」

アルバス「カリストパラスに呼びかけてみる」

カリストパラス『ほえ〜』

アルバス「だろうね。期待はしてなかったよ」

ユンケ「こういうときは熱いベーゼで……」

GM「ムリムリ(笑)」

ユンケ「じゃあアルバスにクシャミさせるだわさ。たァー!」(こよりを持ってダイブ)

アルバスへ……へっっくしッ!!


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