MOND REPLAYV  XX

オードー「ペンギン」(←サリースの部屋にいる)

ユンケ「ザリガニ」(←サリースの部屋で死にかけ)

サリース「食い倒れ人形」(←ガンバに食われた)

ゼナ「カナリア」(←カゴの中)

アルバス「カーネルサンダース人形」

GM「カーネル…………え……?」
 

 え……?
 

GMカーネルサンダース!!!! クシャミできない!!! 薬も飲めない!!!

一同「あ……」

GMククク……アハハハ……アハハハッハッハッハッハッハァッ……
 

 一同大爆笑。これが笑わずにいられようか。
 

GM「こ……こんなワナがあったとは……」

ゼナ「はまっちゃったねェ……」

アルバス「じゃ、あとはみんなでガンバって!!」

サリース「てゆーかあたしたちも動けないんだけど……」

GM「……はまった……?」
 

 これは初のセッション失敗というやつ……?
 

ユンケこの状況を見てリルルが泣くというのはどう?」

GM「あうう……」

 現状を整理してみよう。

 アルバスがカーネルサンダース人形になってて、どーしょーもない状態。場所は勉強部屋。

 サリースが食い倒れ人形で、同じく動けない。さらにガンバに食われて異次元な胃袋の中へ。

 オードーがペンギンで、サリースの部屋にいる。

 ユンケがザリガニで、やはりサリースの部屋にいて、さらに水がないから死にかけ。

 ゼナがカナリアで、勉強部屋のカゴの中。

 リルル、エノクがブリッジ。

 ガンバが行方不明。

 ……ホントに手の打ちようがないないなァ……
 

GM「えーと……カナリアはカゴから出られたことにしよう」

アルバス「そんな簡単に逃げられるカゴ、イミないんじゃないか?」

GM「ガンバが襲って壊しちゃったんだな、きっと」

ゼナ「リルルのところにパタパタと飛んでいく」

GM「うーす。で──」

アルバス「……これは禁断の夢オチしかないんじゃないか?」

GM「夢オチは前回のXXでやっちゃったから……」

アルバス「でもタモリとかいる時点で夢オチ決定だろ」

GM「タモリは……何とかしよう。だから、とりあえず元に戻る方法考えて」

サリース「リルルを泣かせればいいのよね?」

アルバス服を脱がして……恥ずかしさで泣かせる

ゼナ以外よし、それでいこう

ゼナ「えええ!!?」

GM「うい、分かった」
 

 納得するな、GM(笑)
 

アルバス「それを言うならはじめっからタモリとか認めるな」

GM「でもほれ、自由なのがTRPGのいいところだから」

アルバス「時と場合によるんじゃないか?」
 

 それはさておき……
 

サリース「どうやってリルルの服を脱がせるか、ね」

GM「えー、服装の確認をしておこう。……やっぱ脱がせることを前提にするなら──」(←考え方がすでに間違い)

アルバス「両肩を紐で結ぶヤツがいいんじゃないか?」

GM「それより首の後ろでちょうちょ結びの方がよくない? 背中がら空きで」

アルバス「それもいいね」

GM「じゃー『金太郎ルック』でいいね」

ゼナ「よくない!」

GM「あのねー、もちろんズボンははいてるよ」

サリース「で──?」

アルバス「動けるのはひとりしかいないだろ」

ゼナ「ボク……?」

サリース「ガンバって脱がしてらっしゃい」

ゼナ「あ……いや……でも……え……えええ……?」

アルバス「ガタガタ言うな! いけ!」

オードー「お前さんしかいないだよ!」
 

 ゼナ──男の決断!!
 

ゼナ「あ、あくまで事故を装って……」

アルバス「それでいいからやれ!」

GM「じゃあ何とかしてリルルとエノクを勉強部屋へ呼んだとして……」(←いいかげん)

ゼナ「まず、さりげなくリルルの肩にとまる」

GM「ふむ」

ゼナ「で──足に紐がからまったフリして、ほどきます」
 

 はらり……
 

オードー「挿絵が欲しいとこだべ」
 

 今のところその予定は、ない──


 で──

 皆に胸を見られたリルルは(思惑通り)涙を流した。

 こうして『不思議な風邪薬』は完成したのである。
 

アルバス「で──これ、どうやって飲めばいいんだ?」
 

 そこへ、まだ涙を浮かべてるリルルがドリル片手に登場。

 カーネルサンダースの口に有無を言わせず突っ込むと──
 

  キュィィィィィィイイィィィィィィィィィィィイィィィィン!!!
 

ゼナ「リ……リルル……?」

アルバス「ちょっと待て、口の部分に流し込めば『飲んだ』ことになるのか? それなら人形にかけるだけでも変わらないんじゃないか?」

リルル問答無用──!!

アルバス「てゆーか、動けない状態で口にドリルを突っ込まれるのはそれだけで恐いって──」
 

 キュイイィィィィィィイィイイィィィィィィ……
 

アルバスうごォォォォ……!!

 こうして、アルバスたちは元に戻ることができた。

 だが、リューセは行方不明のままである──心も、体も。

 そして……
 

サリース「どーするの、これ?」

アルバス「解決策が見つかるまで、腹殴って気絶させてどっか放り込んでおこう」

ゼナ「存在そのものは認めないといけないんですね(笑)」
 

 タモリと加藤チャゲは、今もエスペルプレーナのどこかにいるのである。

 ほら、あなたの後ろにも……

<つづく>

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