とりあえず、一行は『天使の声』神殿へ向かった──
GM:ではでは、寝間着の上にカーディガンを羽織ったウェンディが出てくる。
アルバス:さ、戦闘だな。
一同:なぜーー?!!
リューセ:そもそもアルバス、ここにいないし。
GM:神官ハイファも出てくる。
ハイファ:「何事です? こんな時間に」
リューセ:「カクカクシカジカで、うちのゼナが大変、まーどうしましょ」
ガンバ:ウェンディって、前回(XX2)食べられたんじゃなかった?
GM:ガンバに食われて、おなかの異次元空間を通ってヴェルザンディにたどり着き、ハイファに拾われてchapter14に至る……ってことになったから。
サリース:所詮XX(ぺけぺけ)だし。
リューセ:「で、ゼナどうしようか。今のうちに捨てていった方がいいのかなァ」
GM:さらっとヒドイことを言う……(笑)。
リューセ:きっと誰かさんに影響されたのよ。
サリース:「捨てる前にパクッと食っちゃった方がよくない?」
オードー:「そんなユンケ・ガンバみたいな……ってその『食べる』じゃないべ」
ゼナ:ボク、どんどん暗くなっていってるかも……。
リューセ:『ボク、この人たちといていいんだろうか……』って?
ハイファ:「あの……ふざけている場合ではなさそうなので……」
リューセ:「ふざけるのは私たちで十分。マジメはあなたがたにお任せしますぅ」
GM:NPCにストーリー進行任すなァ!(笑) それはプレイ放棄だぞ。
アルバス:みんな、マジメにやれよ。
ゼナ:来もしなかったくせに(笑)。
ガンバ:「さ、わたいの腕を早く移植するだわさ!」
サリース「クックルックルーフの腕なんていらないってば……」
ハイファ:(ゼナの腕を見て)「これは……。こんなことがありうるなんて……」
リューセ:「なにか……分かります?」
ハイファ:(首を横に振って)「何がどうなっているのか、見当もつきません。……すみません」
リューセ:「どこかに……そういう知識を蓄えてるところって、知りません?」
ハイファ:「そうですね……『嘆きの壁』の向こうにあるという、ヴィゾフニルにならあるいは……」
一同:なるほど……。
サリース:次の街に行けってことね。
GM:そゆこと。
ゼナ:ゼナツーはずっと止まったままなの?
GM:うん、止まったまま。省電力モード。
リューセ:サンダユウも省電力モード?
サリース:あれは漏電してるだけ。
ゼナ:ゼナツー、眠ってるんだね。……彼女から何か聞き出せると思ったんだけど……。
GM:ヘタに起こすと暴れちゃうよ、きっと。そう簡単に話をするとも思えないし。
ガンバ:ゼナと外道息子がいるからね。
ゼナ:……ムリかァ……。
リューセ:じゃ、その次の街へ行ってみようよ。ヴィゾフニルってどんなところ?
アルバス:ビジョネイルってレビアのことじゃないの?
リューセ:それはサ○レントメビウスだってば。
GM:“知識の園"や“知の中枢"と呼ばれる情報都市ヴィゾフニルは、今では珍しくなった『紙でできた』本がいっぱいあるところで──
ガンバ:ホモがいっぱい?
リューセ:さぶとか薔薇族とか?
GM:ちゃうがな。──この時代、南キャンバス大陸の書物というのはディスプレイに映すタイプのものが大部分で、紙の本はほとんどない。そんな貴重な本がいっぱい集めてある図書館があったり、巨大なデータバンクがあったり、ヴィゾフニルで調べて分からないことはないとまで言われているらしい。
ゼナ:そこで分からなかったらお手上げってことだね。
リューセ:『壁』を越えないと行けないんだっけ?
GM:地図を見てもらえるかな? ヴェルザンディより南(あるいはトールより南)は『秘境』と言われている場所で、普通一般人はヴェルザンディより南に行くことはまずない。
サリース:「なんで?」
ハイファ:「そういう『規則』なんです」
GM:で、ヴェルザンディとトールの南の門は『嘆きの壁』と呼ばれる高い壁に覆われており、門番が24時間体制で見張っている。
オードー:「そのワリには街のこととか知られているだ。不思議だべ?」
ガンバ:「きっと街に行くまでの道に、モンスターとか出るんだわさ。それで通れないだけなんだよ、きっと」
オードー:「ああ、なるほど。でも、そんならエスペルプレーナなら問題ねーべ」
エノク:「今さら行くことは止めませんが……『秘境』を表すこんな言葉があります。いわく『かの地は心が器を越える世界である』……と」
エスペルプレーナ ブリッジ──
アルバス:「規則には必ず例外というものがある。というわけで行ってみよう」
オードー:「交渉は任せるだ。おら、世間知らずだから」
リューセ:「アルバスに任せよう。我を通す達人だから、きっと話を通してくれるわ」
アルバス:それより、行くなら朝になってから行かないか? 夜はモンスターが強いぞ。
サリース:ソレ、ゲームが違う。
アルバス:ラスボスがAからDまでとか出てきたらまず勝てない。そういうときはどうするか──コマンドの一番下に現れる『リセット』を選ぶ。
ガンバ:あるいは『夢オチ』というコマンドがあるとか。
アルバス:しかもラスボスが『コマンド消去』とか使ってきて、最後には『夢オチ』しか残らないとか。
GM:……で、どうするの?
リューセ:「まだ夜だけど、『嘆きの壁』に行ってみよう。交渉は、アルバスにおまかせ」
アルバス:にっこり笑って、断る。
リューセ:首ねっこつかんで引っ張っていこうかな。
アルバス:「……ったく、なんでオレが……」(ブツブツ)
サリース:主人公だから。ヒーローだから。
リューセ:守衛のおじさんのとこまで引っ張っていきます。ずりずりずり……
アルバス:「そんなことしなくても、守衛のおっちゃんに主砲を全部向ければいいんじゃないのか?」
オードー:「またお尋ね者さなるべさ!」
ゼナ:「大問題になりますよ」
アルバス:「ダメなのか、それじゃ」
ゼナ:「ダメです」
リューセ:「……というわけで、ここを通りたいんですけど」
GM/守衛:「駄目だ」
リューセ:「誰なら通れるんです?」
GM/守衛:「基本的に、誰も通ってはならない」
リューセ:「特例として、のお話をしてるんですけど。どうすればいいんですか?」
GM/守衛:「そうだなァ、大司祭様の許可をいただくか──」
アルバス:「お前が気づかなければいい」
一同:「は?(笑)」
アルバス:「お前はよそ見をしていた。その間に何が通ろうとも気づくはずがない。それに考えてみろ、この壁を通ろうなんてヤツ、いるワケがないだろう。しかも、こんな大きな『船』で。常識で考えれば分かりそうなもんだ」
一同、笑いが止まらない。
GM/守衛:「……そうまでして、どうしてこの壁を越えたいのかね?」
アルバス:「それを聞いて、お前は何がしたいんだ? お前には関係ないだろう」
サリース:「ム、ムチャクチャだァ……」
アルバス:「大体お前は何も見てないんだから」
GM/守衛:「……うむ。詳しいことは分からんが、何か大切な用事があるのだな?」
ガンバ:とか言いながら、笛を ピィィーー! っと吹いたりして(笑)。
GM/守衛:「あえて危険に身をさらそうなんて……なんてスゴイ子供たちなんだ。──5分時間をやろう。その間、私は何も見なかった」
ガンバ:でも門を開けるのにスゴイ音がするとか。
ゼナ:警報装置鳴りまくりとか。
GM:そんなことはない、はず。
リューセ:んじゃ、砲を向けながら(笑)、門を通りまーす。
GM:うし。そんじゃ、『壁』は越えられたことにするよ。
リューセ:はーい! ……ってホントにアレでよかったの?
アルバス:なんだ、通れたのか。
リューセ:きっと『曲解』するおじさんだったんだね……。
ガンバ:「では、出発するだわさ!」
エスペルプレーナは、ヴィゾフニルを目指して走り出す──