ゼナツー:「あたしはお前だけは許せない」
アルバス:「前に、オレのオヤジだけは許せないって言ってなかったか?」
ゼナツー:「外道の息子を使って、さんざんパパのジャマをしたくせに!」
オードー:「パパ……ああ、ゲオルグさんか」
ゼナ:「だいたい……君は誰なんだ?」
ゼナツー:「あたしはゼナだ!」
ゼナ:「ゼナはボクだ!」
ゼナツー:「お前は何も知らないんだ……。大きなケガ、したことないだろ?」
サリース:「?? そういえば……そうだっけ? でもそれが何の関係が――」
ゼナツー:「あたしはお前を倒す! 武器を取れ。タイマンで勝負だ!」
GM:「こんなときに、ゼナは右手が痛くなったりしてくる」
ゼナ:「げげ……」
GM:「『心』判定に失敗したら、そのターンは右手が使えなくなる。左手で銃を撃つ場合はマイナス40の修正ね」
ゼナ:「ううう……」
ゼナツー:「いくぞォ、F−3!!」
戦闘開始である。
GM:(コロコロ)「こっちからだな。当たってるぞ」
ゼナ:「う、結構痛いかも……」
イニシアティブで同じ目を振りシンクロっぷりを見せつけつつも──
GM:「さっきからこっちの攻撃ばかり当たってるじゃないか」
ゼナツー:「ほらほらほらァ! どーした? お前の力はこんなものか?」
ゼナ:「ぐ、くっそォ……」
そしてついに──
ゼナ:「残りHP3点……。……しかも右手が痛いし……」
アルバス:「なんかヤバそうだな。ここまでか?」
サリース:「クリティカル振ったら、まだ分かんないわよ」
ゼナ:「左で銃を構えて──(コロコロ)よォっし、クリティカル!!」
銃声──ゼナツーの胸に穴が開く────
ゼナツー:「バ……カな……」
ゼナ:「ぜえ……ぜえ……ぜえ……」
ガクッと膝を折るゼナツー。その胸から火花が散る。
ゼナツー:「火花……? 機械……? なんだと……? なんだとォ……!?」
ゼナ:「機械……? 彼女が……?」
ゼナツー:「どういうことだ? どういうことだどういうことだどういうことだ?」
バチバチバチ……
ゼナツー:「そうか……そういうことか……」
ゼナ:「???」
ゼナツー:「あたしもお前も……『人形』だったということか……」
胸から火花が散る。右腕から小さな爆発が起こる。
ゼナ:「待ってて。今直すから。直さないと……爆発する……」
ゼナツー:「余計なことするな! あたしは……」
ゼナ:「でも────うッ!?」
右腕が痛い。背中が──熱い。
ゼナ:「ボクは……直すよ……君を……」
ぴき……
ゼナ:「あ……熱い……」
ぴきぴきぴき……ぱきぃ──
ゼナの背中に、翼が生える。
羽根というより──岩か鉱物でできたような、堅い翼が。
ゼナ:「────!!!」
ゼナがかざした右手に光が集まり、ゼナツーの『傷』を修復していく。
ゼナ:「なんかよく分かんないけど……これで爆発することはないと思う……」
ゼナツー:「余計なことを…………ぐッ……」
ゼナ:「大丈夫────ぐ、ああああ……ああああ……」
右手が痛い。
今まで感じたことがないような激痛。
右手が───
──ぼとっ──
ゼナ:「え……?」
右手が────ボトリと『落ちた』
ゼナ:「う……うわ……」
肘から先が、ない……
ゼナ:「うわ、うわァァあああああァァぁうあああアアアァァぁぁぁ!!!!」