サリース:「ん……? やっと……?」
オードー:「でも2人目がって人も……あ、夫の連れ子かもしんねェ……」
続いて総合病院で話を聞いてみると──
GM:「パーゼは──結婚2年目にしてやっとできた子供だからと夫婦そろって喜んでいた。
ジーンは結婚して3年目の妊娠。イノスは、ギリギリまで病院に来なくて結構大変だった。
フーチャは、お父さんが一番喜んだらしい。やっと跡取りができたってね。顔も魚顔の上に、子供ができない体だったのに、やっとさずかったって」
サリース:「ちょっと待って。子供ができない体って……。……そう言われてみれば、今まで子供ができなかった人たちが、ほぼ同時期に妊娠してる……」
ユンケ・ガンバ:「「それはアレだね。何かのきっかけで村人全員が気絶して、起きたら17歳から──」」
オードー:「それは『白い目』だべ」
GM:「『』だよ(笑)」
アルバス:「『白い目』は他の人がお前を見る目だ(笑)」
オードー:「なんか同じ時期に治療さ受けたとか、宗教さ入ったとか──」
アルバス:「自分にふさわしい『ことわざ』をもらったとか──」
GM:「それはない。断じてない」
サリース:「てことは、1年前に『何か』あった……」
オードー:「みんな『種』が同じだとかだか?」
ゼナ:「1年ぐらい前に何があったか調べてみるとよさそうですね。新聞とかで」
アルバス:「……もういい。もう帰る……」
サリース:「ちょっとちょっと」
アルバス:「もう疲れた。なんであんな消毒液くさいとこで、むさくるしいオヤジの話を聞かんといかんのだ」
サリース:「あ、あっちにキレイな看護婦さん」
アルバス:「ん?」(そっちを見る)
リューセ:「アルバスにも色欲が──」
サリース:「あったんだァ……」
アルバス:「興味ないな」
ゼナ:「アルバスさん、何に興味があるんだろ(笑)」
アルバス:「自分だろ」
サリース:「アンタってナルシストだったの?」
アルバス:「ナルシストというわけではない」
リューセ:(突然後ろを指差して)「あ、あそこにアルバスのパパさんが!」
アルバス:「なに!!?」(急にオドオドし始める)
サリース:「……アンタってば……」
ゼナ:「──ところで、どのくらい時間経ったの? 修理は?」
GM:「えーと、4日目、かな。修理が終わるにはもうちょっと時間がかかりそうだ」
ここで話は『アイオーン』サイドへ移る──
カー:「カー!」
マフィ:「産婦人科に行ったんだよね♪」
ゴーヴァ:『それは別パーティの話だ』
ビッケ:「分からないぞ……。別のときに行ったのかもしれない」
トパーズ:「え? てことは──相手はだれだれ?」
シェオール:「ゴーヴァだな」
ゴーヴァ:「ギ……!?」
GM:「ゴーヴァって男だよね、人格は」
ビッケ:「いや、分からんぞ。ゼナを母のような気持ちで見ていたのかもしれない」
マフィ:「ゼナママの人格が溶け込んでるんだね。母としてのゼナママと──」
GM:「父としてのゼナママ──」
ビッケ:「そして夫としてのゼナママ」
シェオール:「……ンなわけないだろ……」
ゴーヴァ:『今どういう状況なんだ……?』
GM:「ゼナツーの襲来から数日後。君たちはコイジィ・ニールのトール支社にいる」
ビッケ:「支社の中の物置とかな──秘密部隊だから」
GM:「それがいいならそれでもいいけど……」
シェオール:「護衛の後か。──なあ、俺たちは全員がかりで社長に勝てるのか……?」
マフィ:「ムリだと思う〜」
ビッケ:「『フレイブス・ザ・ワールド』と言って時間を止められたら、誰も勝てん」
GM:「………………。えーと──」
ゴーヴァ:『ゼナツーのこと、何か分かったのか?』
GM:「ゼナツーのことは分かんないけど──黒服の男やバイク乗ってた男についてはある程度分かった。彼らは人造人間みたいなもので──」
ゴーヴァ:『機械だった、と?』
GM:「機械と言っても、生体部品を使うことによって『成長』することができるロボット、らしい」
マフィ:「てことは老化もするの?」
GM:「おそらく、ね。古代文明の遺産で、元々は男性が女の子を育てて慰み者にするためのモノらしい」
マフィ:「ゼナツーが?」
GM:「いや、あくまで元々が、って話。それを応用して作ったモノなんだろうね。──てことでこれからは、このタイプの人造人間のことを『フーリー』と呼びます」
・フーリー……イスラム教における楽園で男性に悦びを与えるとされる、黒い瞳をした天使に似た女性
マフィ:「あの黒服の男たちも慰み者?」
GM:「いやそれは…………絶対違うとは言い切れないけど……」
トパーズ:「……『フーリー』……」
GM:「んで──その後、ゼナツーと『フーリー』たちは何度か襲撃をかけてきた。最初は見逃してやってたんだけど、だんだんうっとうしくなってきて──」
シェオール:「排除しろ、と。アジトは割れてなかったか?」
ビッケ:「アジトがあそこ一カ所だけなら、だがな」
トパーズ:「とりあえずそこに行ってみようよ」
マフィ:「いってらっしゃ〜い♪」
トパーズ:「あなたも来るの!」
てなわけで、以前見つけたアジトを急襲するも、すでにもぬけの空──
シェオール:「逃げられたか……」
GM:「壁に落書きがある。『外道許すまじ』」
マフィ:「誰のこと?」
GM:「さあねェ……」
シェオール:「そりゃやっぱり、社長の息子だろ……?」
マフィ:「ねえねえ、これからどーするの?」
トパーズ:「次の襲撃を待って、発信機をつけるってのはどう?」
シェオール:「わざわざ泳がせる必要はないと思うが……どっちにしろ、次の襲撃を待つしか手はないか……」
マフィ:「しゃちょーに報告する?」
カー:「社長は任せると言ったカウ。てことは、あとは臨機応変にやれってことで、わざわざ報告する必要はないと思うカウ」
トパーズ:「じゃあ次の襲撃を待つ、ってことでいいんじゃない?」
カー:「カー!」
シェオール:「ま、ここに来たのも、何かあればいいなというぐらいのことだったしな」
トパーズ:「じゃあとりあえず戻ろうか」
GM:「ではでは。コイジィ・ニールへてくてくと帰っている途中のこと。海を見ればイルカがざっぱーんと跳ねてたりするのだが」
トパーズ:「わーい♪」
マフィ:「イルカイルカ♪」
シェオール:「今回のシナリオに、なんかイルカがからんでくるのか……?」
ビッケ:「ざっぱーんとイルカが跳ねた後に、筋肉質のきこりがざっぱーんと跳ねるんだな」
トパーズ:「うわァ、なにもの……?(笑)」
GM:「で、港の倉庫の方に何か人だかりができてる」
トパーズ:「何だろ……。妊婦が殺されてたりするのかな……?」
ゴーヴァ:『ひょいとのぞき込んでみる』(←身の丈2.5メートル)
ビッケ:「その上に私が乗って、さらにその上にシェオールが乗る」
GM:「ガ○チャマンかよ(笑)」
ビッケ:「私は透明になっているから、シェオールが宙に浮かんでいるように見える」
ゴーヴァ:『──で、何なんだ?』
GM:「子供の死体が見つかったらしい。ただし────体長4メートル」
一同:「はァ……?」
ゴーヴァ:『子供って……赤ん坊?』
GM:「ん、そんなかんじ。頭が2メートル近くあるみたいだし」
シェオール:「例の妊婦変死事件と関係あるのか……?」
トパーズ:「例の? 誰、その情報持ってる人(笑)」
シェオール:「あ、そうか……。でもこの街に長いこといたら、そのくらい知ってるんじゃないか?」
GM:「耳にはさんではいるだろうね。──さてその赤ん坊だが、後頭部が異様にでっぱっている」
マフィ:「ぬらりひょんだ」
ゴーヴァ:『コブ?』
GM:「コブと言うより、頭蓋骨自体が後ろに長いみたい」
ビッケ:「それはゲゲゲの鬼太郎の──」
マフィ:「だからぬらりひょんだってば。わたしさっき言ったってば」
ビッケ:「目とか鼻とかは人間みたいなのか?」
GM:「凶悪な人相だけど、人間っぽい顔ではある。──『アイオーン』なら知ってるな。昔社長が倒したという、クラヴィーケップスに似ている」
マフィ:「アレに……子供いたんだ……」
シェオール:「クラヴィーケップス(棍棒頭)って、単体名じゃなくて種族名だったのか?」
GM:「コイジィ・ニールの人が、外見から付けた呼び名だから。正式な種族名とかは分かっていない」
シェオール:「クラヴィーケップスに似ているのか……。GM、コイジィ・ニールにクラヴィーケップスの細胞のサンプルとかないのか?」
GM:「うーん、ある、かも」
シェオール:「じゃあビッケ、透明になってそこの死骸から細胞を取ってきてくれ」
ビッケ:「私は透明になっているときは歩くことぐらいしかできないのだが」
シェオール:「そうなのか……。じゃあそっと近づいて、ささっと」
GM:「なら、細胞を手に入れることができた」
ビッケ:「すっぱい……」
シェオール:「食うな! やっぱりお前もクックル……」
GM:「でも後引くおいしさ──なワケはないわな」
カー:「帰って報告するカウ」
ビッケ:「すっぱい」
シェオール:「それは報告しなくていい!(笑)」
GM:「では報告された。『分かった。これは分析に回しておこう』」
シェオール:「頼みます」