MOND REPLAYV  XX

 みんなで大笑いしたあと──
 

プレイヤーG:「これはまた……そのままが出てきたね……。月桂冠と、腰に布巻いただけの格好。ま・さ・に、ヤツ!(コマを見て)ああ、しかも腰布のところが別パーツになってる!」

GM:「おう、そこはまだシークレットだから外しちゃダメだぞ」

リューセ:「それにしても──なんで彼がディスクに封印されていたのか、それが分からない……」

アルバス:「そもそも……この人は、だれ?」

リューセ:「ぽけーっと見とく」

プレイヤーG(以下オペリオ):「おぺりおびっっちはいどれんじゃァ〜♪ MONDの『歩く黙示録』と言われたわたしが……」

GM:「言ってない言ってない」

リューセ:「あっはっはっはっ♪」(大ウケ)

サリース:「アンタ……何者……?」

オペリオ:「詩人……とだけ言っておこう」

リューセ:「ああッ、この何もかも見透かしているような微笑みがイヤァー!(笑)」

オペリオ:「実は何も知らない」

ウェンディ(物陰に隠れながら)「……ど、どうしてディスクの中なんかに入ってたんです?」

オペリオ:「こっちが聞きたいっちゅーに。これはキャラクターとしての意見でもあり、プレイヤーとしての意見でもある。……どうなの?」

GM:「さあて、ね。んじゃキャラクターシートに記入していって」

プレイヤーG(以後オペリオ)「うーす」
 

 名前、性別、年齢などを書き込んでいく──
 

オペリオ:「能力値とかはどうなってるのかな?」

GM:「えーとここに職業別修正表が……ねえじゃん」

サリース:「何もかも忘れてきたのね」

GM:「『オペラは死なず』という特徴(文字通り何があっても死なない。クックルックルーフと同じ)は覚えてるんだけど」

リューセ:「何もかも超越してそうだよね、この人」

オペリオ:「これはおれの勝手な解釈なんだけど……『MOND』という話は、実は全て後にオペリオが書き記したものだという……」

GM:「ぶわっはっはっはっ!(大笑い)」

アルバス:「それは正しいかもしれない……」

GM(素に戻って)「……絶対イヤだ……」
 

 そんなこんなで何とか記入が終わる。能力値は全て50というかなりいいかげんなものだが。
 

GM:「話を進めるぞー。……ディスクをよく見てみると、『オペリオビッチ=ハイドレンジャーベストアルバム〜我が心の紫陽花通り〜』とかって書いてある。北の大陸から流れてきた海賊版……じゃないけどそんなかんじの闇ディスクのようだね」

ウェンディ:「闇ディスク……」

GM:「──で、どうするよ」

リューセ:「どうしよう、コレ」

サリース:「とりあえず…………どうしたらいいんだろ……」

リューセ:「帰りたい?」

オペリオ:「かえりたーいかえれなーい♪」(と歌い出す)

ウェンディ:「歌うと思った(笑)」

リューセ:「カリストパラスのデータバンクに何かないの? オペリオに関する文献とか」

オペリオ:「ないと思うよ、おれが文献だから。代表曲としては『ネコまっしぐらそれはカルカン』などがあります」

サリース:「あたしは『目覚ましの歌』が好きだな」

GM:「だろーと思った」

アルバス:「……で、どうするんだ?」

オペリオ:「詩人とだけ言っておこう」

ウェンディ:「まだあんなこと言ってるー(泣き笑い)」

リューセ:「カリストパラスはどうなの?」

GM:「データか……。さすがにない気がするな……北の大陸の情報は」

オペリオ:「ここはドコ、わたしはダレ、君はアレ。アレで何してウッシッ誌」

リューセ:「ホントどうしよう、コレ」

サリース:「この間の『学園ドラマ』(chapter07参照)以上にどうしたらいいか分からない」

オペリオ:「さあみんな、シーンキーングターイム!」
 

 マジで考え込む一行。
 

アルバス:「コレを目の前にして、一体どうしたらいいんだろう」

ウェンディ:「関わり合いにならないのが一番いい気はするんですけどねェ……」

サリース:「見なかったことにして、生ゴミ処理場へでも……」

アルバス:「それはあんまりだろう」

リューセ:「アルバス……珍しく人道的ね……。なんかスッゴイ違和感が(笑)」

アルバス:「一応立派な人間である以上、生ゴミはマズイ」

ウェンディ:「じゃあ普通に追い出せばいいんですね」

アルバス:「それも可哀想だろう」

ウェンディ:「大丈夫、彼はオペラ歌手ですから」

GM:「残念、君たちはオペラ歌手が『死なない』ことを知らない」

アルバス:「詩人ということしか知らない」

オペリオ:「死人かもしれないけど。半裸の」

アルバス:「で、どうする?」

リューセ:「詩人だというなら、詩を作ってみてよ」

オペリオ:「うっしっ詩♪」

GM:「あっはっはっ」
 

 GM笑いっぱなし。
 

オペリオ:「それとももっと恥ずかしいのがいい?『ぼくはひとりぼっちのロンリーピエロ』とか」
 

 みんなも大笑い。
 

サリース:「『ひとりぼっち』と『ロンリー』がかぶってるわよ」

オペリオ:「それはほら、何て言うか……『波状攻撃』? ……──波状攻撃じゃないな……」

リューセ:「ワケわかんないよォ〜(笑)」

アルバス:「──で、どうするんだよ」

サリース:「GMとしては、この人を北の大陸に帰してほしいんだろうけど」
 

 そんなことはこれっぽっちも考えてないぞ。
 

GM:「そだねー、とりあえず昼飯前ってことで」

リューセ:「じゃあ一緒に御飯でも食べに行きましょう」

ウェンディ:「この格好のまま外に出すのはマズイですよ。何ならわたしが買い出しに……」

リューセ:「ここはどこの街だったっけ?」

GM:「アガートラームだよ。だから食べるものはいっぱいある。タコ焼きでしょ、お好み焼きでしょ……」

サリース:「あたしは広島風の方が好きだな」

リューセ:「アガートラームか。それならその格好でも大丈夫だね」(←その根拠は何だよ、おい)

GM:「マントとか着せればいいだろ。アルバスのがいっぱいあるし」

アルバス:「………………。……まあいいけどね。どーぞ、お使いください」

リューセ:「あああああ(笑)。違和感がァァァ」

サリース:「アルバス……なんかびょーき……」

オペリオ:「とんまのまんとにさそわれて〜わーるいことしてるでしょ♪ ア〜ウ〜♪」

サリース:「何の歌だけ?」

オペリオ:「オジャママンだから、多分オタスケマンのエンディングだと思う」

GM:「──あ、お酒がなくなった」

アルバス(席を立って冷蔵庫に行く)

GM:「またアルバスらしからぬことを……」

アルバス:「なに飲むー?」

GM:「何がいい?」

ウェンディ:「わたしはお酒はもう……」
 

 えー、今回のセッションは(今回も?)飲んでます。と言ってもアルバス、リューセ、サリース、ウェンディのプレイヤーはお酒に弱いのでもっぱら飲むのはGMとオペリオなんだけど。
 

GM:「リューセにカクテル持ってきてあげてー」

ウェンディ:「リューセさん、顔真っ赤だからやめといた方がいいと思うけど……」

リューセ:「すぐ顔に出るんだよねー、私」

ウェンディ:「わたしもちょっと出ます」

オペリオ:「おれはなかなか顔に出ないんだよねー。限界越えるとヤバイけど」

サリース:「あたしは酔うとすぐに眠くなる……」

アルバス:「ほーい、持ってきたぞ」

GM:「ありがとー。俺がビールで、そのへんはカクテルでいいのかな?」

リューセ:「ちょっともらうー」

ウェンディ:「わたしはウーロン茶でいいです」

GM:「やっぱここに来たらこれだね、『博多蔵出し生ビール』」

リューセ:「『蔵出し』おいしいよね」

サリース:「ちょっとちょうだい」

GM:「スマン、もうない」

サリース:「えー!」
 

 まーMNNのもっとーは『ノンアルコール・エクスタシー』だからいいんだけどね、飲まなくても。

 てことで話を再開しよう──
 

アルバス:「飯食いに行こう」

サリース:「別にエスペルプレーナで作ってもいいんだけど」

アルバス:「面倒臭くないなら、作ってくれ」

サリース:「別に料理は嫌いじゃないけど……──アルバス、まとも……?」(不安げ)

ウェンディ:「どこで壊れるか、ちょっと楽しみ♪」
 

 オペリオを外に出さない方がいいだろうということで、エスペルプレーナでの昼食となる。


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