MOND REPLAYV  XX

サリース:「和風の昼ごはん……何だろう?」

アルバス:「別に和風でなくていいぞ。サンドイッチとかでもいいし。──みんなは何を食うんだ?」

サリース:「有り合わせで適当に……」

アルバス:「ならそれでいい」

ウェンディ:「ホットケーキとか♪」

サリース:「普通有り合わせでホットケーキは作らないと思う……」

ウェンディ:「あらこんなところに卵と牛乳が」

GM:「腐ってそうだなァ……」

オペリオ:「あらこんなところに乳輪が♪」

アルバス:「腐ってそうだなァ……」

ウェンディ:「腐るんですか……?」

オペリオ:「んー、『具』が大きい!」

ウェンディ:「それはヤバイでしょー」
 

 コラコラ。
 

サリース:「じゃあごはん食べながら『この物体』をどうするか考えましょ」

オペリオ:「わたしはね、カフェ・カプチーノ」

サリース:「……カプチーノ作れる機械あったっけ……?」

アルバス:「エスプレッソが作れればいけるぞ。何ならオレが作ろうか?」

サリース:「それはプレイヤーの方でしょ」
 

 アルバスのプレイヤーは喫茶店でバイトしていたのだ。
 

アルバス:「キャラクターもきっと作れるよ」

リューセ:「うん、そんな気がする」

サリース:「アルバス……今回マトモ……」

リューセ:「ううん、『異常』なのよ……」

アルバス:「──さあ、話を進めよう」

リューセ&サリース:「「………………」」

アルバス:「問題はこの人をどうするかだ。──そもそもこの人はどこから来て何をしにきたんだ?」

オペリオ:「こっちが聞きたいっつーねん」

ウェンディ:「プレイヤーが動いてくれません、GM」

サリース:「放り出しちゃおうか。メンドくさいや」

アルバス:「出身はどちらですか?」

オペリオ:「……遠いところ……」

サリース:「まじめに答える気ないんかい!」

GM:「間違ってはいないけどね。出身は『紫陽花通り』だっけ?」
 

 しばし沈黙──
 

オペリオ:「そういえばそんな設定があったな(笑)。今思い出した。家族が待ってるんだった。早く帰らないと、おれがいたんじゃおよめにいけぬ〜♪」(歌い出す)

サリース:「それだったら帰らない方がいいんじゃ……(笑)」

オペリオ:「──と思ったが、よく考えたら家にいたのは姉さんだしもうお嫁に行っていた」

サリース:「妹がいるんだっけ?」

オペリオ:「弟がいる。モリモト・アストラだよ(笑)」
 

 語り口調が森本レオにそっくりな素敵なおじさまである。
 

リューセ:「で、どこから来たのよ、あなたは」

オペリオ:「どこから〜それはなぞめいて〜どーして〜それはあいゆえに〜♪ ……愛ゆえに現れました──とかって設定がないとこっちとしても話の進めようがないんですけど、GM」

GM:「あっはっはっはっはっ」(またも大笑い)
 

 すまんなー。だって今回のシナリオって『謎のディスクからオペリオが現れる。あとは未定』とゆーだけだもん。話をどう持っていくかとか全然決めてねーんだな、これが。
 

アルバス:「街に出て、ゼナを捕まえよう。ゼナを探してディスクの出所を聞き出す」

ウェンディ:「帰りを待った方が早いのでは?」

サリース:「でも夜中にならないと帰ってこなかったりして」

リューセ:「カリストパラスと通信できるんじゃなかった? ゼナの通信機とつないでみようよ」

GM:「つながらないねー。どうやら電源を切ってるみたいだ」

リューセ:「うわー、ひょっとして邪魔されたく、ない?」

サリース:「(ゼナの)プレイヤーの意思を無視してGMが勝手に話をあらぬ方向に持っていってる〜」

リューセ:「ゼナって14歳ぐらいだったっけ?」

GM:「ゼナが12でリルルが13」

サリース:「12と13かァ……昔だったらありえないワケでもないしねェ〜」

アルバス:「うーん、どうしよう」

オペリオ:「そしてわたしがやっていたライブユニット『らぶらぶホモッコリーズ』は?」

リューセ:「いつの間にユニットを……(笑)」

GM:「第二部から10年経ってるからねェ……」

オペリオ:「ちなみにもうひとりは『木星帰りのニューハーフ』パプティマス・ホモッコ((C)機動戦士Zガンダム)」

GM:「ぷっ(笑)」

オペリオ:「何ならパプティマス・ホモッコ2:50でもいいよ」

リューセ:「……ゼナ探しにいこうか……」

アルバス:「そうだな……。ジャンク屋にいるって言ってたっけ……」

サリース:「でもなァ……この雰囲気だと、ジャンク屋にいくと言いつつ別のところでデートしてそうだよねェ……」

GM:「『イルカっち』を買っていると?」

オペリオ:「おれの『キノコっち』はいらんかね?」

アルバス:「まぐわれる『まぐわっち』とかね」
 

 まぐわるな(笑)。
 

アルバス:「よし、ゼナを探しにいこう!」

サリース:「アルバスが普通の人間のようなことを(泣)」

ウェンディ:「どこで反動がくるか、楽しみですね」
 

 一行は街へ繰り出す──
 

リューセ:「私たちこの街ではダイジョーブなんだっけ?」

GM:「えーと、ブラックマーケットをつぶした……のは地震か。でもそこから『船』まで臭いまま歩いていったことがあったな。『ほら、あの臭かった人たちよ』とヒソヒソ……とは言わんな。『ほらみんな来てみい、あのメッチャ臭かったヤツらやで!』と指差しながら大声で……(笑)」

リューセ:「臭かった人とその取り巻き、ではダメ?」

サリース:「他人にしてみればみんな一緒よ」

ウェンディ:「でもずいぶんと前のことですし……」

GM:「ううん、わずか2日前(笑)」

ウェンディ:「うわー……」

アルバス:「まあ今臭いというワケではないしな。しばらくすれば忘れるだろう」

リューセ:「アルバスがまとも……」(←すげーさびしそう)
 

 ぷるるるる……(PHSの音)
 

アルバス:「あ、電話だ」

ウェンディ:「なら今のうちにトイレ行ってきます」(席を立つ)

アルバス(プツッと電話を切る)

サリース:「出なくてよかったの?」

アルバス:「ああ」

サリース:「じゃあ今のうちにパプティマスの名前を考えよう」

オペリオ:「変えるの? なら──『パプティマス夫』ってのはどう?」

アルバス:「『パプティアス』とか」

オペリオ:「それは露骨にパチモンくさいなァ。……じゃあねえ、じゃあねえ、『パブデヤンス・ホモッコ』」

GM:「うーん……」

オペリオ:「パブニイマス・ホモッコ」

GM:「パブに居ますホモっ子?」

オペリオ:「よしこれでいこう。パブニイマス・ホモッコに決定!」
 

 そこへウェンディが戻ってくる。
 

アルバス:「じゃあゼナを探しにいこう。ジャンク屋にいるのかな」

リューセ:「噴水のある公園で愛を語ってるとか」

ウェンディ:「見つからない気もするんですけど」

サリース:「食事ができるところとか。一休みできるところとか」

リューセ:「『一休み』?」

サリース:「『御休憩』じゃないよ。それなら乱入して──」

ウェンディ:「あの2人がそういうとこ入ったら、捕まってブラックマーケットに売り飛ばされそう……」

サリース:「捕まりそうになって逆に撃退するんじゃない、あの2人なら」

アルバス:「本人がジャンク屋って言ったんだ。とりあえずジャンク屋に行ってみようよ」

ウェンディ:「やっぱりこわい、このアルバス……」

サリース:「食事もしてくるって言ってたわよ」

ウェンディ:「じゃあいっそのこと二手に分かれるってのは?」

GM:「どっちがオペリオを連れていくの?」

リューセ:「マント着てるんでしょ? なら全然気にしない」

アルバス:「オレもだ」

ウェンディ:「確かにそれなら問題ないかも」

GM:「そうか? 月桂冠を頭に乗せて、つんつるてんの黒いマントを羽織った、スネ毛ぼうぼうのサンダルはいた髭面のおっさんだぞ?」

サリース:「…………。縛り上げて倉庫にでも放り込んでおいた方がいい気がしてきた……」

オペリオ:「いやん、かんじちゃう」(棒読み)

サリース:「ついでにロウソクも垂らしてみようかな」

アルバス:「さ、ゼナ探そうか」

リューセ:「そだねー。じゃあ私とアルバスと詩人がジャンク屋に行こうか」

サリース:「黙殺された……。あたしっていったい……」

ウェンディ:「じゃあわたしとサリースさんが食事できる場所を探しましょう」

サリース:「でもよかった、オペリオをアルバスたちが連れていってくれて」

オペリオ:「だから、詩人……とだけ言っておこう」

サリース:「そういう態度があやしさを倍増させてるんだってば」

アルバス:「よーし、さっさと行くぞー!」

サリース:「アルバスが…………ううん、もういいや……」
 

 二手に分かれて捜査開始である。


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