コイジィ・ニール イルダーナ支部──
GM/社員:「『オレンジの髪のロボットねえ……。そいつの情報は今のところないですね。最近はゾンビの方が多いんですよ』」
トパーズ:「ゾンビ?」
GM/社員:「『ええ。ここ2、3日で急に目撃者が増えたんです。特に南の工業地帯──って言っても酒造工場なんですけど──でよく目撃されてます』」
シェオール:「ゾンビは関係ないと思うが?」
カー:「ゾンビ酒でも造ってるカウ……?」
シェオール:「ちょっと小粋なゾンビだな、それは。……絶対に飲みたくはないが」
ビッケ:「冗談はさておき、そっちを探ってみる必要はありそうだな……。我々が知っているゾンビを出す『彼』が、我々と同じ人物を追っている可能性がある」
トパーズ:「そうね。行くだけ行ってみようか」
GM:「──では酒造工場地帯である。弱い人は匂いを嗅いだだけで酔っ払いそうなところ」
トパーズ:「マフィ、だいじょーぶ?」
マフィ:「へーき。体は24歳だから」
ゴーヴァ:『よ、酔ったかな……』
シェオール:「なぜお前が酔う……?」
ビッケ:「では調査を始めよう」
ゴーヴァ:『この辺の地図とゾンビが目撃された場所はインプットしてある。それを頼りに調べてみよう』
GM:「では特に頻繁に出没している所から、少し外れた所。そこに来たときに、悲鳴が聞こえる」
トパーズ:「キャアアアア……!」
GM:「残念。『ウギャアアアア……!』だ」
カー:「男……カウ……。……ちっ!」
トパーズ:「さっそく出たに違いないわ!
そっちへ向かってダッシュ!」
駆けつけてみると、そこにはゾンビに襲われている男3人と少女が1人。
シェオール:「少女に見覚えは?」
GM:「見覚えも何もターゲットです」
シェオール:「よし!」
GM:「で、男の1人がゾンビにカプカプかじられたりー、もう1人がゾンビにせまられたりーしてるワケだな」
マフィ:「ゾ、ゾンビにせまられてるの?(笑)」
トパーズ:「それはイヤかも(笑)」
GM:(サイコロを振って)「ゾンビは全部で15体」
両側が工場の壁に挟まれた袋小路。そこにリルルたちが追い込まれる形になっている。
シェオール:(ライトセーバーを取り出しながら)「トパーズ、『ターンアンデッド』で姫たちまでの道を開いてくれ!」
ビッケ:「いや、姫たちに襲いかかってるゾンビから消していった方がいい。そうすれば少しは時間が稼げるだろう」
トパーズ:「分かった、姫の近くにいるヤツから消していく!」
マフィ:「わたしはシェオールの剣に火を灯す。魔法剣ねー」
ビッケ:「──あ、私は姿を消してるから。姫にまだ姿を見られたくない」
GM:「分かった。──男たちは姫を盾にしてガタガタ震えてる」
シェオール:「許せんなー、そういうヤツは。『剣投げ』するぞ」
トパーズ:「そこまでしなくてもすぐ全滅させられると思うけど?」
シェオール:「いや、ついでに男たちも始末しておこうと思って」
マフィ:「それって『アルバス的発想』だよ」
トパーズ:「な、なぜあなたがそんなことを……?」
マフィ:「アルバス兄ちゃんと仲良かったから(笑)」
GM:「仲良かったんだ……」
トパーズ:「……その記憶だけ封印してあげたいわ……(笑)」
などとしゃべってる間にゾンビは全滅。『アイオーン』の圧勝である。
トパーズ:(リルルに駆け寄って)「大丈夫?」
リルル:「え、ええ……」
GM:「男たちはどうするの?」
シェオール:「斬り捨てる」
ビッケ:「姫に誰なのか聞いた方がいいと思うぞ。女の子が1人でうろうろしてたから保護した街の人かもしれないし」
シェオール:「俺の仕事は姫の確保だけだ。後は関係ないから殺す」
GM:「それはプロフェッショナルな対応とは思えないが……?」
トパーズ:「シェオールはちょっと黙ってて。──大丈夫ですか? 今傷を治しますから」
シェオール:(小声で)「余計なことを……」
ゴーヴァ:『男たちの様子は?』
GM:「半分は『助かったぁ』ていう安堵の表情。もう半分は『ああ、見つかっちまった』っていう焦りの表情」
マフィ:「あなたたちの『ことわざ』はなに?」
GM/男:「『こ、ことわざ教をご存じで?』」
マフィ:「ホントにことわざ教徒だったの? ……冗談で言ったのに」
GM:「『ことわざ教に入りませんか』というチラシとか持ってるから間違いないだろう」
シェオール:「そんなモノ持ったまま拉致したのか」
GM:「まあね。拉致する途中だったらしい」
カー:「副社長に姫を確保したって連絡するカウ?」
ビッケ:「そうだな」
GM:「男たちはどうするの?」
マフィ:「あのね、懐からナイフを取り出して、『今の出来事を見たのはどっちの目だ?』って言えばいいってアルバス兄ちゃんが──」
トパーズ:「……余計なことばかり教えるんだから、もう」
シェオール:「その辺のことも上の指示をあおごう」
シャナス:(報告を受けて)「──御苦労。……で、そのことわざ教の男だが…………──って、後ろ!」
バッと振り向くと、またもゾンビの大群! 地面や壁からボコボコ涌いてきている。
トパーズ&マフィ:「「逃げよう!」」
カー:「でもここは袋小路カウ!」
ゴーヴァ:『そんなに高い塀じゃないから、俺がみんなを持ち上げればいい』
トパーズ:「ゴーヴァはどうするの?」
ゴーヴァ:『このぐらいの塀ならジャンプできる』
塀を乗り越え、狭い迷路のような道をひたすら走る。無限に姿を現すゾンビたちを斬り裂き、消し去りながら右に左に走り続ける──
マフィ:「つかれた〜もう走れない〜」
シェオール:「死んでもいいならそこで寝てろ」
マフィ:「ぶうゥゥ……。シェオールのいぢわる!」
リルル:(ある建物の入り口に気づいて)「みなさん、こっちへ!」
トパーズ:「へ?」
リルル:「ここから工業地帯の外へつながってるはずです! 早く!」
ゴーヴァ:(地下に通じる階段を降りながら)『どうやらここまでは追ってこないみたいだな』
トパーズ:「どうしてここが外に通じてるって知ってるの?」
リルル:「前に来たことがあるんです。(胸の『クーア』を手に取って)これを取りに来たんです、ジャッハたちと」
トパーズ:「ふーん」
シェオール:「──無駄話してる暇はないようだぞ。また出やがった」
再び、ゾンビが姿を現す。
リルル:「こっちです。走りましょう!」
ゴーヴァのライトを頼りに奥へ走る────と、突然床が崩れ始める。
トパーズ:「いやん♪」
ガラガラガラ! …………カラン……
シェオール:(判定して)「なんだ、結局下に落ちなかったのは俺だけか……。(下を覗き込んで)おーい、大丈夫か?」
GM:「幸い怪我はないけど、上に登るのは無理みたいだね」
シェオール:「仕様がない。俺も下へ降りよう」
トパーズ:「この先がどうなってるか知ってる?」
リルル:「ちょっと分かんないです。でも方向的にはこっちであってると思います」
カー:「じゃあゾンビが来ないうちに行くカウ」
しばらく進むと、倉庫のような場所に出た。左隅に木箱が積んであり、奥にバイクとバギーがある。
ビッケ:「奥に道があるな。結構幅も広い」
マフィ:(バギーとバイクを調べて)「あ、キーついたままだよ。これで逃げようよ」
シェオール:「誰が運転するんだ? 免許を持ってるのは──」
リルル:「バイクなら乗れます」
マフィ:「わたし普通免許あるよ。大型免許も(笑)」
トパーズ:「8歳のくせに……」
ゴーヴァ:『俺はどっちにも乗れそうにないな……大きいから』
GM:「でも特殊調査課ってとこに所属してるんだから、みんな免許ぐらい持ってると思うよ」
シェオール:「それもそうだ。じゃあ俺がバイクで、残りがバギーか?」
どう分乗するかで延々と話し合うPCたち。そうこうしているうちにゾンビが、そして──
GM:「すううっとヒュプノスが姿を現す」
一同:「出たな!」
シェオール:「やっかいな奴が出てきたなァ。 ──ここは俺が食い止めるから、早く逃げろ!」
ビッケ:「いや、ゴーヴァが足止めしながらついて来た方がいい」
シェオール:「………………。分かった、オレがバイクで行く」
マフィ:「わーい、うんてんうんてん♪」
GM:「バイクは『キュルルル……ブロン! ブロロォォン!』となるけど、バギーは『キュキュルルル……ブロン……ブロンブロンブロロロ…………パスン』となる」
マフィ:「エンジンがかからないよー!」
トパーズ:「じゃあここはあたしたちが何とかするからシェオールは姫とバイクで逃げて!」
シェオール:「俺がいなくて大丈夫か?」
ゴーヴァ:『このくらい何とかしてみせる』
リルル:「でも……!」
シェオール:「大丈夫。こいつらは殺しても死ぬような連中じゃない──とそれらしきことを言っておく」
リルル:「…………分かりました」
ヒュプノス:『ふん……。小癪な真似を……』
ビッケ:(バイクが走り去るのを見送って)「さて、それじゃ頼んだぞ。私はバギーを調べてみる」
GM:「部屋の中央付近にヒュプノスがいて、その後ろの通路──君たちがやって来た方──からゾンビが20体ほど、部屋の左右に8体ずついる」
トパーズ:「いっぱいいるねェ。ではでは、あたしの近くにいるヤツらを5体ほど消し去ってあげよう」
マフィ:「20体いる方の通路を土壁作ってふさぐ。そうすれば足止めになるでしょ。(コロコロ)……ファンブル(笑)」
GM:「壁の代わりにお花畑が広がった……とか」
トパーズ:「ああ、ゾンビが花畑を走ってくるわッ!(笑)」
ゴーヴァ:『ビームアックスでヒュプノスに攻撃!』
ズガガァァ!!