船長室──
GM:「ジャッハは眠っている」
ビッケ:「しかも私がすでにロープでぐるぐる巻きにしている」
カー:「不自然な眠りじゃない? ヒュプノスっていうぐらいだからひょっとしたら特殊な眠りかもしれないカウ」
マフィ:「でもイビキかいてるよ、この人……」
シェオール:「なら大丈夫だろ。──よし、これで作戦第一段階終了、だな」
エスペルプレーナ ブリッジ──
マフィ:(コインを手にして)「わーい、おじちゃんありがとう♪」
GM:「ああ、これからの未来を見ているようだ……(泣)」
シェオール:「未来が走馬灯のように(笑)」
マフィ:「アルバスにコイン取られるし」
GM:「爆発事故で死んじゃうし。やれやれだな」
トパーズ:「ところで船長。実はカクカクジカジカこういうことがあったの」
ジャッハ:「そうか、サンダユウが……。まあヤツなりに考えてのことだろう」
トパーズ:(ぽんと手をたたいて)「そっか。姫を逃がしたんだ」
GM:「今頃気づいたのか」
カー:「でも逃げるとき笑ってたカウ」
シェオール:「逃げるとき笑うのはヒーローの美学だ」
トパーズ:「じゃ、そういうことでこの『船』はいただきますわね♪」
ジャッハ:「…………は?」
カー:「これぞまさに“恩を仇で返す”ってやつカウね」
ビッケ:「あとは、船員の部屋の鍵が開かないようにしておけばいいだろう」
任務が完了した一行はゴーヴァをエスペルプレーナに呼び、シャナスに連絡することにした。
GM:「ディスプレイにネグリジェ姿のシャナスが出てくる」
シェオール:「……無反応。そういう性格だから」
シャナス:「なにごと……?」
ビッケ:「任務完了した」
GM:「そう言われてジャッハを見たシャナスはポカンとした顔をする」
シャナス:「……ジャハナム……どの……? ということはまさか……」
ジャッハ:「ん、まあ……そういうことだ……」
マフィ:「大人の話は分かんない。わたし寝とく」
トパーズ:「あたしも」
シェオール:「おいおい」
ビッケ:「ああ、そういえばヒュプノスという奴と遭遇した」
シャナス:「何ですって!?」
シェオール:「何か知ってるな、と思うけど、何も聞かない」
シャナス:「あいつが出てきて『姫』は行方不明……。──すまんがその人の縄を解いてやってくれないか」
シェオール:「了解」(剣でジャッハの縄を切る)
シャナス:「ジャハナム殿、詳しい話はまた後で。──2人が飛んでいった方向は分かるか?」
マフィ:「酒の都イルダーナの酒場だと思う」
トパーズ:「8歳なのにそんな難しいことを! しかも酒場ってことまで知ってるなんて!」
マフィ:「ねごとよ、ねごと」
シャナス:「よし、お前たちはこのまま2人を追ってイルダーナへ向かってくれ。それから……その『船』はジャハナム殿に返してやってくれないか」
シェオール:「了解」
シャナス:「では、頼んだぞ」(そう言って通信を切る)
その後イシュタルに入港したエスペルプレーナは『ことわざ教』の手の回った警備員によって捕らえられ、乗組員は惨殺される。
そしてジャッハはひとり逃げ出し、アルバスたちと出会うことになるのだ──
[間奏/Interlude]
「その後、どうなった……?」
「例のVLSですか? 街から出ていきましたよ」
「なに!? こっちで保護したんじゃなかったのか?」
「それが……こちらが指定した場所に来ないままマーカーを見失ってしまって……。やっと捕捉したと思ったら、出ていった後でした」
「何があった……? 至急調べろ」
「もうやってます。もう少しで──出ました。そちらに回します」
「えっとなになに……? …………副社長、これ……」
「……………………ウソだろ……」
「弟さん……行っちゃったみたいですね……」
「ああ……」
「それに何なんですか? この……『ことわざ教』って……」
「え、知らないんですか? 新興宗教団体ですよ。特に害はないだろうってことで、マークしてなかったんですけど、ね」
「死人が出たんだ、放っておくわけにもいかないだろう。……ねえ」
「そうだな。そっちのデータも集めておけ。それからエスペルプレーナの行き先もな」
[ACT2『接触/Contact』:イルダーナsideB]
GM:「てことで、イルダーナの街である」
シェオール:「あ、もう着いたんだ」
トパーズ:「時間は何時ぐらい?」
GM:「早朝、かな」
マフィ:「ねむい……」
GM:「んじゃ、ここで『心』判定してくれい」
コロコロとサイコロを振る一行。
マフィ:「やっぱりまだねむいみたい」(←判定に失敗した)
トパーズ:「成功したよ。なに?」
GM:「門の脇に、上半身だけでズリズリ動いてるゾンビの死体(?)があるのに気づいた。門番も気づいてビックリしてる」
トパーズ:「『ターンアンデッド』しよっか」
シェオール:「そうだな。後々面倒なことになっても困るし」
ビッケ:「いや、ここでわざわざ目立つこともあるまい。ゾンビは門番が何とかしてくれると思うが?」
トパーズ:「……呪文にも失敗してるし(ファンブルした)、放っておこっか」
GM:「では──ようこそ、“出会いの街”イルダーナへ。ここはお酒の名産地です(笑)」
マフィ:「間違ってお酒飲んじゃった人〜。サイコロ振って酔っ払い判定を──」
GM:「こらこら。勝手にそういうことをしないように」
ビッケ:「さて、どうするかな……」
GM:「そこへカーを通してシャナスから通信が入る」
シャナス:「おはよう。この間も言ったと思うが、リルルという少女を探してほしい」
ゴーヴァ:『サンダユウはどうでもいいんだな(笑)』
シャナス:「それはそちらの判断にまかせる(笑)。……それよりこちらでまた事件があった。まず、エスペルプレーナがそちらへ向かっている。もうすぐ到着するはずだ。あと、ことわざ教という集団が何やら裏で動いているようだ。どうやら事は思った以上に複雑らしい。あくまでも秘密裏に……正体がばれないように行動してほしい。マントなどで顔を隠すといいだろう」
シェオール:「そういえばそんな格好をしていたな……」
シャナス:「少女を見つけたら連絡してくれ。……いや、何かあったらできるだけ連絡するように」
シェオール:「了解」
トパーズ:「どーする?」
シェオール:「姫を探すよりサンダユウを探した方が早い気がする。目立つから」
マフィ:「じゃあ酒場に行こうよ」
ゴーヴァ:『テーブルになってるはずだから(笑)』
GM:「……そういやテーブルって、どうやって変形してたんだろ、アイツ……」
マフィ:「四つん這いでしょ」
GM:「……『俺は猫だニャア』とどう違うんだ……?」
トパーズ:「……一緒でしょ……」
GM:「……そうか……」
ビッケ:「サンダユウたちについての情報を集めよう」
GM:「リルルを見たって人は、門番ぐらいしかいない。しかも夜遅くだったからよく覚えてないらしい」
ビッケ:「夜だからこそ、ちゃんと覚えておくべきだと思うがなァ……」
GM:「サンダユウについてはいくつか情報がある。まず門番がリルルと一緒にいるのを目撃。その後金魚を売ってたとか、コインランドリーにいたとか、ナンパされたとか、四つん這いで歩いてたとか……」
ゴーヴァ:『わずか数日でそんなに……』
GM:「目撃談が多すぎて、逆にワケ分からなくなってる状態ですな」
シェオール:「──で、結局どこにいるんだ……?」
GM:「さあねえ」
トパーズ:「うろうろしてたらそのうち遭遇するんじゃない?」
シェオール:「そうだな。手分けして探してみよう」
ところが、サンダユウの目撃談はぱったりと途絶えてしまう。
GM:「どっかで仕事にでもありつけたかな、これは……(笑)」
シェオール:「プレイヤーにはどこにいるか見当つくんだけどなァ……」
そしてさらに数日が過ぎ、街中に『例のヤツら』の指名手配ポスターが張り出され始めた──
トパーズ:「どっかで見たような顔が……」
シェオール:「これ、うちの会社の息子さんじゃないのか……? かなり人相悪くなってるけど」
マフィ:「いや、こんなもんじゃない?」
カー:「みんな名字は伏せてあるカウ」
ビッケ:「ファルバティスとかオーケンシールドとかって名前は知名度高いだろうからな。その辺のことも考えてあるんだろう。──それより、副社長に連絡しておこう」
カー:(翼をピンと広げて)「こちら『アイオーン』。弟さんが指名手配されてるカウよ」
シャナス:「………………。……これも修行のうち……てことにしとこ……。──放っておけ」
シェオール:「……何かいろいろ葛藤があったみたいだな……」
シャナス:「それから、イルダーナ支部にも一回ぐらい顔を出しておけ。何か新しい情報が入るかもしれんからな。──では、引き続き頼む」
シェオール:「了解。──じゃ、支部とやらに行ってみるか」