GM:「パンピーだし、子供ばっかだし、目的も不明だし」
ユンケ・ガンバ:「「空がダメなら下から行けばいいだわさ。潜地艦がいっぱい穴を開けてたし」」
GM:「潜地艦は地面と融合して地中を進む特殊な船だから、穴は開いてないです」
ユンケ・ガンバ:「「あれ、パラスアテナでは戦闘してなかった?」」
GM:「浮上してからドンパチやってたの。さすがにずっと潜っておくことはできないから」
サリース:「つまり中に入る手段はないってことね」
アルバス:「猿、河童、弘法の3人は中に入れないのか?」
GM:(あ、それされると困るな)「彼らが持ってた通行証では、なんかよく分かんないが入れてもらえないらしい」
サリース:「役に立たないわねぇ」
ゼナ:「他に行けそうなところは?」
GM:「そうだなぁ、スラム街ぐらいか。んで、わらわらとエスペルプレーナの周りにスラムの人間が集まり始める」
サリース:「──燃やせ! 焼き払え!」
アルバス:「攻撃しなくていいからさ、バリア張っとけ」
リューセ:「そんなことしたらバリアが汚れますわ(笑)」
ユンケ・ガンバ:「「よし、物乞いの方にまわるだわさ」」
ゼナ:「何を欲しがっているの?」
GM:「お金とか、食べ物とか──あと麻薬かな。最近モトの方から流れて来てるらしい。ロテュスというお名前」
一同:「ろ・ちゅ……す?」
GM:「ロ・テュ・スだ。発音しづらいけど、ちゃんと意味があるから」
サリース:「ロテュス──蓮?」
GM:「でね、スラム街の広場みたいなところで、1人の若者が演説している」
GM/スラムの若者:「『みんな、こんなことでいいのか! 我々は誇りを取り戻し、貴族たちと戦うべきではないのか!』」
リューセ:「そーだぁ! そのとーり!」
GM:「でも誰も耳を貸してないんだな(笑)」
ウェンディ:「知ってる人?」
GM:「いや、知らない人。ことわざ教徒でもない」
サリース:「かっこいい?」
GM:「そこそこいい男。でも薄汚れてるからなぁ……」
リューセ:「スラムの人たちにクーデターを起こさせてその隙に中に──ってのは無理だろうね」
アルバス:「スラムのボス的存在はいないのか?」
GM:「そーゆーのはいないみたい」
ユンケ・ガンバ:「「誰かが貴族の娼婦になれば?」」
サリース:「誰かって、あたししかいないじゃない。──あたしがひとりで潜り込んでこようか?」
アルバス:「スラムに来る物好きな貴族とかいないの?」
GM:「結構いるよ。奴隷や使用人や大人のオモチャを探しに来る連中が」
アルバス:「うーん……でもオレは基本的に人の上に立つ人間だからなぁ……」
アルバス以外:「ウソつけ」
リューセ:「どうする? 素直に奴隷になって侵入しようか」
アルバス:「それとも用心棒でもやるか? これから進むべき道にいるであろうスラムの人々をことごとく撃ち倒し、貴族の人に銃を突きつけながら『雇ってくれませんか?』」
リューセ:「それって絶対何かが違うと思うの。──ボロボロの服着てうろついときます」
ゼナ:「ボクもそうします」
ウェンディ:「ボロな格好慣れてますから」(←元奴隷)
サリース:「あたし、キワドイ格好」
ユンケ・ガンバ:「「旅の大道芸人の格好しとく。ピーター=フランクルみたいな」」
うろつくこと3日。ついに、貴族がスラムにやってきた。
GM:「体のあちこちにチューブをつけて機械でムリヤリ寿命を延ばしてるような老人とか、普通のおじさまとか、若い御婦人だとか、子供までいたりする」
アルバス:「何か貴族側で事件が起これば、それを口実に用心棒に雇ってもらえるのになぁ……。──よし、近くにいる屈強そうな男に、『なんかねえ、あの馬車ねえ、スゴイ物いろいろ積んでるみたいだぞぉ。襲ってみない?』と耳打ちする」
サリース:「犯罪教唆してどうすんのよ!」
ウェンディ:「それで襲ってるところを、我々がボコボコにするわけですね」
サリース:「逆にボコボコにされるかもよ」
アルバス:「それはないな」
サリース:「……その自信の根拠はなに?」
アルバス:「根拠も何も──オレがオレである以上、負けるわけがないだろう」
ゼナ:「メチャメチャだぁ、この人……(笑)」
んで、シナリオの都合もあって、全員が貴族の目に留まることに、なるにはなったんだが──
GM:「えーとね、リューセとゼナは下級貴族の若いお姉さんに買われた。ウェンディもこの人。サリースは、上級貴族なんだけどブクブク醜く太ったジジイ。延命処置チューブつき」
サリース:「ま、そうでしょうね」
GM:「アルバスは──サイコロで決めようか」
アルバス:(コロコロ)「お姉さんの方だ」
リューセ:「わーい、サリース、ひとりでガンバってねぇ〜」
サリース:「ひとりの方が動きやすいもん!」
ユンケ・ガンバ:「「あの……わたいらは?」」
GM:「あ、忘れてた(笑)」
ユンケ・ガンバ:「「誰の目にも留まらなかったんだね。……でも芸でお金が稼げてるからいいか(笑)」」
GM:「じゃあクックルックルーフは珍しいから、ジジイの方だ」
ユンケ・ガンバ:「「分かっただわさ♪」」
サリース:「エスペルプレーナはどうしよう」
リューセ:「ことわざトリオに留守番させておけば?」
ゼナ:「でも彼らだけ残しておくのは危険じゃありませんか?」
アルバス:「コインを外しておけば大丈夫だろ」
ユンケ・ガンバ:「「あと手足を縛っておけば完璧」」
アルバス:「よしそうしよう」
どこまでも哀れな三人組である……
GM:「さてさて。アルバスたちが連れて来られたのは下町の方。この街は、貴族でも下の身分だと外れの方に住んでいるのだ」
アルバス:「でも家賃高いんだろうな」
GM:「君らには想像もつかないだろうね。で、下級女貴族のこの人、名前はシモーヌさん」
リューセ:「シモーヌさんね。これからヨロシクお願いしますです」
GM:「それから片手の執事カル君と、盲目のメイドのステラちゃん」
サリース:「それって仕事にならない気がする……」
GM:「シモーヌさんは体に障害がある人たちを出来る限り助けたいと思ってる人なのだ」
リューセ:「へー、立派な人もいるんだ……」
GM:「特にステラはさすがにメイドの仕事なんかできないんで、自分の身の回りの世話をさせるという口実でいつも傍に置いている」
サリース:「召し使いを逆に世話しちゃってるってのがスゴイわね」
アルバス:「──で、その2人しか召し使いはいないのか?」
GM:「もちろん他にもたくさんいるんだけど、目立つのはこの2人かな、ってこと」
アルバス:「体に障害がある人かぁ──オレ、完全無欠なんだけど」
GM:「最近物騒だから用心棒として連れて来られた、ということにしておこう」
ゼナ:「分かりました」
GM:「一方、サリースとユンケ・ガンバの方の上級貴族ジジイの名はダイモン。その名の通り豚のようなヤツで、金はあるんだけど人間としては最低ランク。街の中心の方に屋敷を構えている」
ウェンディ:「羽振りはよさそうですね」
つーことで、奴隷生活のスタートである。