MOND REPLAYV


chapter07

[SWEET PAIN]

モト編:1

AQUARIUS

そこに飢えはなく
そこに老いはなく
そこに死はない
ただ、甘き痛みが続くだけ──

ゼナ:「今回レベルは上がらないの?」

GM:「まだ上がらない」
 

 そーいえば今まで一言も触れてなかったけど、PCたちはイシュタル編が終わった時点で1→2に、アガートラーム編が終わった時点で2→3にレベルアップしています。
 

アルバス:「えー、あんなにガンバったのに?」

ウェンディ:「ヘンにガンバりすぎたんじゃないですか?」

GM:「そーいやまた乗組員が増えたんだっけ」(結局ことわざトリオも連れて来られた)

アルバス:「いいじゃないか、こいつらは8000タランとわずかな経験値になるんだから」

ウェンディ:「経験値って、敵として倒さないといけないんじゃ──」

アルバス:「そうだね───だから?」

ウェンディ:「いえ……いいです……」

サリース:「ま、せいぜいこき使ってあげるわ」

GM:「さて、そーゆーワケでリルルがゲオルグにさらわれた。『クーア』も全部奪われた。──リルルを追ってモトに行くのに異論はないね?」

ゼナ:「もちろんです!」

サリース:「パラスアテナの方はどうなったの? まだ戦いが続いてるとか」

GM:「いや、そんなことはない。ゲオルグが去っていくのと同時に、潜地艦も撤退していったからね。街はかなりの被害を受けたけど」

サリース:「でしょーね」

ゼナ:「さあ、モトへ急ぎましょう!」
 

 エスペルプレーナは貴族都市モトへと向かう──
 

GM:(ニマッと笑って)「さてアルバス。気がつくと君は学ランを着ている」

アルバス:「なんだぁ? シチュエーションがよく分かんないぞ」

GM:「君はだるそーに机に足を乗せて授業をうけてる。その隣に座っているのがセーラー服を着たユンケであり──」

一同:「ぶぷっ!」(思わず吹き出す)

GM:「風紀委員がサリースであり──」

アルバス:「その時点で『ああ、夢だな』と思う」

GM:「ジャッハが理科教師で、ゼナが生徒会長で、リューセが給食のおばちゃん──そういう世界だ」

リューセ:「……なんで私だけ給食のおばちゃんなの?」

GM:「さあそういうシチュエーションで、ショートコントをやるのだ!」

一同:「はいぃ!?」
 

 我ながら無茶な注文である。
 

ユンケ:「じゃあ……──アルバス君、態度悪いわよ

リューセ:「フツーだ……。フツーだ……」

サリース:「こわいー。こわすぎるぅー!」

GM/ジャッハ:「『あー、そもそもミトコンドリアとは別の生物であり──』」

ユンケ:「授業中だから、授業をうけてる」

アルバス:「寝とく」

ゼナ:「内職」

リューセ:「給食のおばちゃんも授業うけてる。昼ごはんを調合しといてあげるわ」
 

 そもそも高校に給食ってあったっけ?
 

リューセ:「さあ今日のメニューは理科教師のジャッハさんよー」

GM:「でも全校生徒で分けたらちょびっとずつだろーな……」

アルバス:「で、だ……───ああっ! いきなりコントをやれって言われても無理なんだよ。日ごろの生活がコントじゃなけりゃ何なんだ!」

GM:(やっぱ難しいか……)

ユンケ:「休み時間になりました、てことにしていい?」

GM:「いいよ」

ユンケ:(はにかんで)「──アルバス君、お弁当作ってきたの
 

 一同大爆笑!
 

リューセ:「事件よっ! 事件だわっっ!」

サリース:「こわいぃぃ!」

アルバス:「わーいありがとう。おかずは何かな?」(棒読み)

ユンケ:「ひとくちで食べられるウインナーよ」
 

 弁当箱をパカッと開けると、ひとくちサイズのガンバがわらわらわらと食いついてくる。
 

サリース:「『食べられる』は『可能』じゃなくて『受け身』だったのねぇ!」

GM:「──というところで目が覚める」

アルバス:(むくっと起きて)「……さ、今日も始めるか」
 

 実際ガンバがぐわぱぁっと顔中を口にして食らいつこうとしてるのだが、気にもしていない。

 慣れって怖い……
 

GM:「今日も朝食を食べるのかな?」

ゼナ:「コーンフレーク♪」

サリース:「ことわざトリオはどうするの?」

GM:「ただ働き……だよねぇ……」

アルバス:「そいつら──メシいらないや」

ウェンディ:「い、いや、さすがにそれは……」

アルバス:「そうか。じゃあ死なない程度には食わせてやる。ま、ほっときゃ何か食うだろ」

ウェンディ:「この人たちも百二十八将軍なんですか?」

GM:「もっと上だよ。ことわざ四天王withTと肩を並べる特殊部隊だ」

サリース:「でも所詮はことわざ教徒なのよねぇ」

アルバス:「でも百二十八将軍にちょっとなってみたい気はする」

リューセ:「うんうん」

アルバス:「ま、とりあえず働いとけ。そのうちいいこともあるかもしれないぞ(笑)」

リューセ&サリース:「「ゼーッタイないと思う……」」

GM:「さあ街が見えてきた。モトは貴族都市と呼ばれるだけあって、(我々の世界で言うところの)中世風の造りになっている。運河が流れ、花が咲き乱れ、とーってもキレイなところ。別名『花の都』と言われるだけのことはある」

ユンケ・ガンバ:「「『はな』ってノーズ? ローズ?」」

GM:「ローズの方」

ゼナ:「『鼻の都』ってヤダ……」

GM:「街の外にはぶわーっとスラム街が広がってたりするんだけどね」

GM/門番:「『何者だ、お前たちは』」

ゼナ:「身分証明書を見せます」

GM/門番:「『ほぉう。下等な連中か。お前たちみたいなのをここに入れるわけにはいかないな』」

ウェンディ:「どういう人ならいいんです?」

GM:「高級な人たち」

ユンケ・ガンバ:(自分たちを指差して)「「人間じゃなけりゃOK?」」

GM:「ダーメ!」

ウェンディ:「ゼナパパ(←ゲオルグだって)はここに逃げ込んだんですよね? 彼は何か特別な地位を持ってるんですか?」

GM:「表向きは魔法アカデミーの理事長。裏ではことわざ教ともつながっているらしい」

ユンケ・ガンバ:「「しょーがない、空から行こう」」

GM:「この世界に空を飛ぶ乗り物はない。『船』は地上数メートルを浮かんでるだけで、飛行技術は驚くほど進歩していない」

サリース:「それは今後エスペルプレーナが空飛ぶ予定があるってことね?」

アルバス(のプレイヤー):「だからオレはそれを前提にデザインした。ちなみにロボットにも変形するようにデザインしてある」
 

 残念ながら、今のところその予定はない。しかもそのデザイン、ボツったんだよね……。



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