ウェンディ:「この人たちの化けの皮がいつはがれるかが問題ですよね」
リューセ:「ん? だれだれ?」
アルバス:「誰のことだ?」
さーて誰だろうね(笑)。
ユンケ・ガンバ:「「どうしよう。街に入れたから、この屋敷から脱出しようかな」」
ウェンディ:「まだ早いんじゃないですか? 自由にシティーアドベンチャーできそうな環境じゃないし」
アルバス:「しばらくは様子見だな」
GM:「シモーヌの方は、奴隷にとっては天国のようなところだろうね」
リューセ:「仕事も済んだし、お昼寝お昼寝♪」
ゼナ:「リューセさん、まだ終わってませんよ」
アルバス:「オレは始めてすらいない(笑)」
GM:「ここの貴族たちはよくホームパーティーを開く。自分のことをいろいろと自慢したいだけなんだろうけどね……。んで、アルバスたちは用心棒として、サリースは鑑賞用の色っぽいネーチャンとして、パーティーに出席させてもらえる」
サリース:「へーえ」
きらびやかな衣装。見たこともない料理の数々。妖艶な美女たち。むせかえるような香水の香り。色とりどりの煙をくゆらせる男たち───何とも言えないけだるい雰囲気が、辺りを支配している。
ゼナ:「子供の教育には、あまりよさそうじゃないですね」
アルバス:「うまいもの食えるからいいけどな」
GM:「身分の差が結構激しいんで、下級貴族が上級貴族にお呼ばれする機会は少ないんだけど、シモーヌはダイモンのパーティーに呼ばれることもある。お気に入りなのかもしれない」
サリース:「美人だもんねぇ……」
GM:「そーすると、アルバスたちはときどきサリースとすれ違ったりもする」
アルバス:「もちろん他人のフリをする」
サリース:「トーゼン」
ユンケ:「すれ違う機会があるなら、アルバスのマントに液体化してへばりつくだわさ」
ガンバ:「その代わりわたいが2匹に分かれて、数が減ってないようにみせる」
アルバス:「お、今度はマントが濡れてるぞ(笑)」
GM:「とまあそういう生活が続いているんだが──」
ゼナ:「さっさと抜け出さないとヤバイんじゃないですか?」
リューセ:「うんうん。……あれ、どうしてここに来たんだっけ?」
ウェンディ:「姫を助けに来たんです」
ゼナ:「あとことわざ教の総本山を探しに」
アルバス:「あの3人から早く8000タラン払ってもらわんと……」
ゼナ:「屋敷の奴隷たちに話を聞いてみます」
GM:「一口に奴隷と言っても、そこには上下関係があったり派閥があったりするワケだ。──あとアルバスに対する誹謗中傷が広がってる(笑)」
ウェンディ:「他人のフリしとこうかな……」
アルバス:「なら、ここで一番強いヤツを連れて来い。そいつを倒せばオレがボスだ」
ゼナ:「アルバスさんは無視して、情報を集めます」
アルバス(のプレイヤー):「本当はオレは、もっと前に奴隷たちから情報を集めようと思ってたんだ。でもアルバスには『話を自ら進めてはいけない。皆の決定にシブシブ従う』というポリシーがあるから……」
サリース:「そんなポリシー捨ててしまいなさい!」
GM:「えーと、情報──と言っても住んでる世界がものすごーく狭いからねぇ。ステラが気に入らないとか、シモーヌも実は偽善者だとか、でもここよりヒドイところはもっとあるんだから贅沢言うなとか、リューセとかいう娘は立ったまま寝たりしてて使い物にならないとか」
ゼナ:「ロクな情報ないですね」
ウェンディ:「でも勝手に外を出歩くこともできない。……どーしょーもないですね」
そんななか、ダイモン主催の一際豪華なパーティーが開かれる。
GM:「今回もシモーヌさんはお呼ばれしている」
サリース:「あたしも来てていいよね」
GM:「いいよ。で──最初は食べたり飲んだりだったんだけど……」
リューセ:「だけど?」
GM:「照明を落とし、薄暗くなって──」
サリース:「をを!?」
GM:「そーじゃなくて(笑)、みんなが当たり前のように麻薬をヤり始める」
ゼナ:「ロ……何とかってヤツ?」
GM:「そう、ロテュスだ。で、サリースも無理矢理勧められたりするんだが……」
サリース:「それはさすがに抵抗する」
GM:「ならどうにかしなさい(笑)」
サリース:「じゃあ……手品で飲んだフリをする。(コロコロ)失敗ぃ!」
GM:「あらあら。どーしましょ」(嬉しそう)
リューセ:「『えへえへ、ねーちゃん、1回やっとけって。いい気持ちやで〜』──ってかんじ?」
アルバス:「そうそう、1回ぐらいどーってことないって」
サリース:「あうー。これで精神判定に失敗したら依存症になっちゃうのかなぁ」
GM:(あ、そーか)「じゃあ判定しておこう」
サリース:(コロコロ)「ギリギリ成功してる」
アルバス:「でも次からカード投げるとき手がプルプル震えてたりして(笑)」
サリース:「そんなことない!」
アルバス:「ちなみにオレは右手にチキン、左手に皿とゆー状態だ」
GM:「後は特にそれといった問題もないんだけど、1つだけ──この男がなぜかここにいる」
ゼナ:「と、父さん!?」
GM:「そ。向こうは君たちに気づかないフリをしてるみたいだ」
アルバス:「完全に無視か……。──ならツカツカと正面から歩み寄って肩をポンポンとたたいてニッコリ笑い、山盛りになってる鳥の骨を相手の皿にどさっと移す」
リューセ:「……ゴミ?」
GM:「……そーゆーことしますか。ならその皿を付き人に渡し、ゲオルグは貴族たちと話を始める」
リューセ:「サリース、ダイモンに『あれは誰ですか』って聞いたら?」
サリース:「そっか。(シナをつくって)──御主人様、あれは誰ですの?」
GM/ダイモン:「『あぁん? お前ごときが知る必要はない』」
リューセ:「今晩サぁビスしますからぁ」(←お前がコビてどーする)
サリース:「でもここでしつこく食い下がるのも不自然じゃない?」
ゼナ:「うーん、こういうときってどうすればいいんだろ……」
サリース:「ダイモンが教えてくれないなら、そのへんのお調子者っぽいヤツに聞いてみるけど?」
GM:「魔法アカデミーの理事長で、上級貴族たちともつながりがあるらしい、ということぐらいしか分からない。(麻薬で)トリップしてるから」
ゼナ:「でもそれって全部知ってることですね」
アルバス:「姫は一緒にいない?」
GM:「いないみたいだ」
アルバス:「あいつのポケットに『クーア』入ってないかな。──ユンケぇ」
ユンケ:「言われるまでもないだわさ。──ゼナ、現在貧乏。ゲオルグ、お金持ち。くるくるくるぅ(ゲオルグにまとわりつく)。あとね、発信機はずっとおなかの中に入ったままだから」
ゼナ:「すっかり忘れてた……」
リューセ:「それは便利、かも」
GM:「あからさまにまとわりついてるの?」
リューセ:「靴下が湿ってる、とか」
ユンケ:「『とても不自然な存在なのに、なんとなくなじんでる』という特殊能力を使ってみようか」
ゼナ:「どういう能力なんだぁ!(笑)」
GM:「とにかくゲオルグに取り付いたんだね」
ユンケ:「うん」
そしてさらに数時間が過ぎ、ほとんどの貴族がトリップした状態になったとき──
GM:「外がにわかに騒がしくなり、ドヤドヤとスラムの人たちが武器を手にパーティー会場に乗り込んでくる」
リューセ:「ク、クーデター?」
サリース:「あら、もう来たの?」
GM:「手当たり次第に斬りつけてきたりして、君たちの周りは一気に血なまぐさくなる」
リューセ:「やめなさーい!」
リューセの叫びも空しく、辺りは阿鼻叫喚の地獄絵図と化していく。
痛みも感じず死んでいく者。血の匂いでさらに興奮する者。斬られることに快感すら覚える者。
スラムの人間はその姿に恐怖し、さらに斬りつける。
GM:「そもそもスラムの人たちの様子がおかしい。異様な高揚感に包まれてる、というか……」
サリース:「アルバスたちはシモーヌさんを連れて逃げなさい! 早く!」
ウェンディ:「でもここからどうやって?」
リューセ:「スラムの人たちを傷つけたくはないよ……?」
アルバス:「そうだな──とりあえずシモーヌを囲んで固まろう」
ガンバ×2:「「わたいらはスラムの人に交じって貴族を攻撃する!」」(←こらこら)
ゼナ:「父さんは?」
GM:「いつの間にかいなくなってる」