MOND REPLAYV

 エスペルプレーナ ブリッジ──
 

GM:「中は──まあ、船だよね。船長席があって、操舵の舵輪があって、レーダーがあって、武器を操作するとこがあって──」

アルバス:「船長はジャッハとして……あと何があるって?」

GM:「えーと、武器関係の人、レーダーの人、舵の人、機械いじる人、コック、かな」

アルバス:「コックのことは主計って言うんだぞ。つまり──砲術、索敵、操舵、機関、主計、だな」

GM:「みんなで相談して、誰が何をやるか決めて」

アルバス:「誰か定食屋でバイトしてたヤツがいたな。なら決まりだ」

サリース:「えー、あたしコックなの?」

アルバス:「で──リューセが索敵かなぁ」

GM:「リューセが索敵 !?  『あの〜敵が〜』って言ってる間に攻撃されるぞ(笑)」

アルバス:「『距離〜1800〜』『じゃあ今上にいるのはなに?』ってかんじだろうな、確かに」
 

 結局、索敵はリューセに決まった。GMは「これだけはあるまい」と思ってたんだが……(笑)。
 

ゼナ:「ボクは機関で決まりだね」

アルバス:「で、オレがどれをするかだな……。操舵にするかな」

サリース:「残りは砲術ね。ひょっとして──ユンケとガンバ?」

アルバス:「こいつらにはそういうことさせない方がいいと思うぞ」

リューセ:「じゃあユンケとガンバは弾にしよう、大砲の」

サリース:「それはあるイミすごーく強いかも……」

アルバス:「──よし、主計が砲術も兼ねよう。それでいいだろ」

サリース:「あたしが砲術もやるのね。りょーかい!」

アルバス:「あと生体動力にガルフ(笑)」

リューセ:「別名『漕ぎ手』(笑)」

ユンケ・ガンバ:「「わたいらは?」」

アルバス:「残飯処理か掃除係か見習い」

ユンケ・ガンバ:「「じゃあマルチにいくだわさ〜」」

GM:「決まったかな? んじゃ、話を進めることにしよう」

GM:「警備員がわらわらとエスペルプレーナの周りに集まり始めてるよ」

サリース:「とりあえずタラップを落として……」

アルバス:「エンジン始動だな」

GM:「アルバス、よろしく」

アルバス:「エンジンは機関の仕事じゃないのか? それとも車みたいに手元のキーをひねるとか」

GM:「悪かったよ。ゼナ、よろしく」

ゼナ:「どうやって動かせばいいんですか?」

アルバス:「車と一緒だろ。半クラッチにして──」

リューセ:「オートマじゃないの?」

ゼナ:「どーするんですぅ?」

リューセ:「適当にやっちゃえば? 古代文明の船だからきっと大丈夫だよ(笑)」

ゼナ:「じゃあ適当にそのへんのレバーとかボタンとか押してみます」

GM:ぎゅおおおおおおおお……………ん。エンジン始動!

アルバス「エスペルプレーナ、発進!」

一同:「ちゃーんちゃーちゃちゃん、ちゃちゃちゃちゃっちゃちゃーん♪」(ヤマトのテーマ)

GM:「またかよ……」
 

 ざざざざざ……と『浮上』するエスペルプレーナ。滑るように水面を走りながら、外へ向かう。
 

GM:「さっき開いたハッチをくぐると、そこは滝の裏。この地底湖は港につながってるみたいだね。で、エスペルプレーナは滝の水を2つに割りながら──」

アルバス:「滝の水に割られながら出てくる、と」
 

一同大笑い。
 

リューセ:「も、もろい〜!」

サリース:「なんてもろい古代文明の結晶……」

ゼナ:「それじゃ、輪切りにされて滝壺に沈んじゃいますよ(笑)」

GM:「……いいんだな、それで」

アルバス:「それでストーリーが続くならいいぞ」

GM:「……滝の水を2つに割りながら、エスペルプレーナはその姿を月明かりの下に現す」

リューセ:「おお、かっこいいかも」

ユンケ・ガンバ:「「──と、そこで目を覚ます。実は夢オチ」」

アルバス:「しかもオレ一人の夢(笑)」

GM:「それはないそれはない」

サリース:「よーし、このままとんずらしちゃおうか」

GM:「ところがどっこい、港にいた警備の船その他がぐるりと周りを囲んでいる。ことわざ教の連中が手を回したみたいだね」

アルバス:「あらま」

サリース:「そいつは困ったわね」

リューセ:「強行突破しちゃいましょーよ。どうせことわざ教でしょ?」

GM:(正確には違うんだけどな……)

ゼナ:「何か武器とかある?」

GM:「ないこともないけど、このままじゃ無理だね」

アルバス:「このままじゃ? どうにかすればどうにかなるのか?」

GM:「アルバス、コインを持ってたよね」

アルバス:「おお、そういえば。すっかり忘れてたぞ」

GM:「ではコインを舵輪の中央のくぼみにはめるがよいぞ」

アルバス:「ぱちっとな」
 

 ピ……ピピピピピピ………
 

GM/コンピューター:「『おはようございます、マスター』」

アルバス:「をを、なんだ!?」

GM:「この船は古代文明の遺産というだけあって、人工知能を持ったコンピューターが積まれているのだ。彼の名はカリストパラス

アルバス:「うおー、またもなつかしいぞ」

サリース:「カリストパラスってなに?」

GM:「むかーし作った話に出てきた、剣の名前」

アルバス:「『キリストの宮殿』。英語でクライストパレスだな」

カリストパラス:『これより本船は戦闘モードに移行します』

リューセ:「具体的にどんな武器があるの?」

GM:「特に決めてない(笑)。勝手に作っちゃっていいよ」

アルバス:「甲板がひっくり返って巨大な砲が出てくるとか」

GM:「それも可」

サリース:「三番主砲が左旋回するとか」

GM:「それも可」

ユンケ・ガンバ:「「波動砲を発射するとか」」

GM:「それも可」

リューセ:「あの〜、ノドが渇いたんですけど」

GM:「オレンジジュースがシュッと出てくる」

ゼナ:「ボクの朝はケロッグコーンフロストから始まる(笑)」

GM:「コーンフレークが機関室にざざざーっと降ってくる(笑)」

サリース:「便利ねー。何でもありじゃない」

リューセ:「眠くなったんですけど……」

GM:「背もたれがカタンと倒れる」

リューセ:「それだけ……?」

GM:「それだけ。──冗談はさておき、砲術の人、どうぞ」

サリース:「じゃあ……とりあえず主砲発射、できる?」

カリストパラス:『はい、可能です。ただし出力を60パーセント以下にしぼらないと、この街が壊滅する恐れがあります』

サリース:「りょ、りょーかい。──ゼナ、出力しぼってくれる?」

ゼナ:「はい、分かりました」

アルバス:「しぼれなきゃ他に回せばいいんだ。トップギアー!(笑)」

一同:「わああああ(笑)」

サリース「リューセ、敵との距離は?」

リューセ「えーっと……。やや遠め

サリース:「それじゃアバウトすぎるぅー!(笑)」

カリストパラス:『自動照準──カチャカチャカチャ──誤差修正完了。発射準備よし』

サリース:「主砲発射──するとヤバイか。向こうはまだ攻撃してきてないんだし」

アルバス:「そうだな。じゃあ狙いをつけたまま、港の外に向かって移動しよう」

GM:「そーすっと、一斉射撃してくるよ」

アルバス:(冗談で)「バリア展開!」

カリストパラス:『了解しました』

アルバス:「ホントにあるのかぁー!(笑)」

ユンケ・ガンバ:「「ガラスのように割れるバリアが(笑)」」

GM:「バリアが全部はじいちゃうぞ、敵の攻撃」

サリース:「そんなに強いの? だったらこのまま突っ込んでやり過ごそうか」

アルバス(ぼそっと)「でもやられたらやりかえしたいよな……」

カリストパラス『了解しました』

サリース:「へ?」

アルバス:「魚雷、2番から3番を6本ずつ一斉発射!」

カリストパラス:『発射します』
 

 ぼしゅしゅしゅしゅしゅっ………どっどーん!
 

サリース:「あー撃っちゃったぁ!」

アルバス:「よっしゃぁ、いくぞカリストパラスぅ!」

カリストパラス:『イエス、マスター』

リューセ:「なんか通じ合ってる、この2人(?)……」

ゼナ:「ジャッハさんの立場ないですね……」

サリース:(ふと思い出して)「あ、そうだ。家までバイク取りに帰りたいんだけど……」

GM:「椅子だけ飛ばしてあげようか? それとも船ごと突撃する?」

サリース:「どっちもイヤ……」

アルバス:「三番主砲、左旋回。目標、定食屋『弁天』」

カリストパラス:『生命反応、2』

アルバス:「構わん、撃てー!」

サリース:「ちょっとちょっとぉ!」

GM:「うーん……。取りに帰らなくても、多分この船にもっといいバイクが積んであると思うぞ」

サリース:「あ、そうなんだ。じゃ、いいや」

アルバス:「話を進めようぜ。バリアを張った。攻撃をはじいた。魚雷を発射した。──包囲網は突破できたのか?」

GM:「簡単にできるだろうね、バリアで押し分けながら(笑)。おそらく警備員たちはぽかーんとしてると思うよ。何なんだあの船は、って……」

サリース:「ならこのまま逃げましょ」

アルバス:「逃げるって──そもそもオレたちの目的は何だ?」

リューセ:「さあ」

ゼナ:「船を取り返すこと。あと個人的にはことわざ教とかそのへんのことを……」

サリース:「とりあえず街の外に出てみたい」

アルバス:「じゃ、街を出るか。──てことで包囲網を抜けたら、全砲門を開いて空砲を撃つ」

サリース:「空砲なの?」

カリストパラス:『オプションで旗がつきますが?』

アルバス:「いいねぇ。砲の先から出るやつだろ。ぴらぴらぴらと」

GM:「あと煙で字を書くとか(笑)」

リューセ:「『 I  LOVE  YOU 』とか」

アルバス:「しかも漢字。『愛裸撫優』」

ゼナ:「イヤかも……」

アルバス:「で、街を出てどうする? 目的も何もない」

リューセ:「でもね……この街にはもう帰ってこれないと思う(笑)」

アルバス:「どっか街に着いたら手紙書こうか」

リューセ:「そうだね。じーちゃんばーちゃんと、フローラと……」

GM:「の、のんきだなぁ……。君たち今どういう立場にいるか分かってる?」

ゼナ:「なんか周り、敵だらけになっちゃいましたね」

リューセ:「とりあえず街と反対方向にトップギアかな」

アルバス:「ローからじゃないと走らないぞ」

リューセ:「そりゃそうなんだけど……。例えよ、例え」

GM:「それじゃ、旅立ちますか──てゆーか逃げ出しますか(笑)」

一同:「おう!」

ゼナ:「でもこれじゃ……夜逃げみたいですね(笑)」
 

 こうして、アルバスたちの長い長い旅が始まった───
 

アルバス:「で──これからどこ行くんだ?」

一同:「さあ?」
 

  be Continued…


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