GM:まだラピスの森の方ね。2日ほどは何事もなく過ぎるんだけど、ひとつだけ。ラズリの『魔浄扇』がいつの間にかなくなっている。

ラズリ:をを!? いつの間に。

GM:んで、君が探しまわっていると、大婆様(引退した『雪の神子』様)がやってきて──

大婆様:「ラズリや、お前さんの持ってた布切れな、ほれ、縫い直しておいたぞぃ」

GM:これがそのデータね(シートを渡す)。

ラズリ:えーと──『魔浄扇〈チチバンド(ブラジャー)ヴァージョン〉』……!?

GM:そう! 反射、吸収はもちろん、空まで飛べて、し、か、も、
   「寄せて上げて」の効果で魅力がさらにアッップ!
   もう胸が小さいなんて誰にも言わせない!

グレン(のプレイヤー):加えて、胸からミサイルまで出るというこの一品!(←データを作ったのはこいつなのだ)

GM:──気に入ってもらえました?

ラズリ:さっ、さっ、さっ、さぃっってー(手がぷるぷる震えてる)。よけーなことするなぁ!(笑)

グレン:たてつづけにラズリを襲う不幸の数々!(笑)

GM:さて、それじゃ一度ストロンシャンに戻ろうか。迎えの馬車も来たことだし。

ラズリ:そういえばそんなこと言ってたわね。グレンと肩たたきあって行こうかな(笑)。

グレン:強く生きような、とか言ってな(笑)。

ラズリ:あたしたち、仲間じゃない!(笑)

クロヌシ:あたしたち、オカマじゃない!

オペリオ:♪あたしたち?  クロヌシもオカマだったのか……♪

フローラ:(あっさりと)クロヌシはホモでしょ?

クロヌシ:ちがーうぅぅ!

ミュスカディ:「どう?」

ラグランジェ:「うん──イーゼリアで最大の破壊力ってわりには、たいしたことないね。でもこんなものなのかな」

ミュスカディ:「アルカディアのやつと比べちゃダメだって」

ラグランジェ:「そりゃそうだけど……」

ミュスカディ:「それよりあんたさ、戦うの嫌いって言ってたくせに、ずいぶんと楽しそうじゃない?」

ラグランジェ:「そう……かな……」

ミュスカディ:「『魔法戦士』の血が騒ぐのかしら。
        ま、そんなことより、これであたしの知ってるこっちの世界の呪文は全部だけど……」

ラグランジェ:「ん、ありがとう、だいぶためになったよ。──あとは剣か……」

ミュスカディ:「それは私じゃどうしようもないわ。ロートがいればよかったんだけどねぇ。今どこでなにやってんだか……」

ラグランジェ:「………」

ミュスカディ:「そこで暗くなんないでよ。あんたが悪いワケじゃないんだから」

ラグランジェ;「いや──ロゼを子供の姿にしたの、やっぱりロートさんなのかなって……」

ミュスカディ;「……あいつにそんな能力なかったと思うけどなぁ」

ラグランジェ:「ツェラーさんでも──ないよね?」

ミュスカディ:「そうね──ま、オルディが『本体』見つけて、ロゼが元に戻ったら全部分かるって、ね?」

ラグランジェ:「そう、だね。──早く元に戻るといいな。話したいこと、いっぱいあるんだ……」

ミュスカディ:「そう──そうね……」

ナタリー:「──というわけでこの地点から──」

ラズリ:(中に入ってきて)「あれ?」

クロヌシ:「お?」

フローラ:「ラズ……リ?」

ラズリ:「なによ、そのクエスチョンマークは?」

フローラ:「いや、なんか──胸、大きくなってない?」

ラズリ:「どきっ(笑)」

ティンベル:(何も言わずに胸をわしっととつかむ)

ラズリ:「ひゃ!?」

ティンベル:あ、ごめん。妹と間違えた(笑)。

GM:そーいやミシェルは胸が大きいって設定だったね。

クロヌシ:胸で判断してるのか、お前は(笑)。

フローラ:「ラズリ……。ひょっとしてその胸──作りもの?」

ラズリ:(つかつかと歩みより、フローラをどついてから)「ふっ──空が青いわ」

グレン:「で、お前たちはどうしてここに?」 ──あ、なんか初めて仲間として会話した気がする(笑)。

クロヌシ:「いや、金で雇われてな」

ラズリ:「みんなも利用されたの?」

グレン:(無言で脇腹につっこみ)

ラズリ:(小声で)「あ、そうか、言ったらヤバイんだった……」

クロヌシ:「ん?  髪がアフロになったことはあったが?  ──って、それは理容だな」

GM:それより、ラズリたちを見て何か気づかない?

ティンベル:あ、数が減ってるね。

グレン:よくぞ気づいた。

フローラ:「あ、言われてみればラズリがいないわ!」(←ボケるフローラ)

ラズリ:「あたしはここにいる〜!」

フローラ:「そんな胸の大きな子は知らないわ(笑)。──で、魔族はどこに行ったの?」

ラズリ:「アユモ君はね、アユモ君はね──」

ティンベル:「星になった」

ラズリ:「なってない〜!  アユモ君はどこかに行っちゃったの」

フローラ:「そう言うお前は誰だ!?」(←さらにボケるフローラ)

ラズリ:「誰だって……あたしのこと忘れたの?」

フローラ:「忘れたもなにも……初めて見る胸だ!(笑)」(←とことんボケるフローラ)

ティンベル:あのね、ラズリの後ろに回ってブラのホックを外す(笑)。

クロヌシ:「おお、ラズリ。いつからそこに?(笑)」

ラズリ:「もういいかげんにして〜!(笑)」

フローラ:「──で、カレンはどうしたの?」

グレン:「あいつは──これから戦いがますます激しくなるだろうと思って、あるところに預けてある」

ラズリ:「そ、そうそう、そうなのよ。あ、アユモ君は別口だからね」

GM:(そろそろいいか)そこへセイアが息を切らして走り込んでくる。

セイア:「大変だ! 『魔獣』が目覚めた!!!」

一同:「な!?」

ナタリー:「なんですって!?  それは本当なの、セイア?」

セイア:「ああ、間違いない」

ナタリー:「思っていたよりずっと早い……。やられましたね」(爪をかむ)

GM:そこへさらに『ホフヌング』のメンバーのひとりが走り込んでくる。

『ホフヌング』の男:「報告いたします! 『魔獣』は沈黙の森を焼き尽くして北上。カノルヤの街に向かっています!」

一同:げ!

ラズリ:カノルヤって……ヤバイんじゃない?

フローラ:カノルヤって……どこだっけ?

GM:ジャドンがいた街だよ。

フローラ:ああ、「一人一芸」の人か。

ナタリー:「すぐに出発の準備を。一刻の猶予もありません」

クレスト:「それが……まだ馬車の準備ができていません」

ナタリー:「セイア、ジャスティスレンジャー(笑)は?」

セイア:「いないよ。どっか行ったみたい」

ナタリー:「肝心なときに……。クレスト、集められるだけ馬を集めてください。セイアは武器や食料、通信機の準備を」
 


ナタリー:「3頭!?  そんなに少ないんですか?」

クレスト:「何者かに格納庫(馬屋のことだ)を荒らされまして。おそらく『裏の賢者』の仕業かと」

フローラ:「アタシも馬持ってるわよ。名前はハルシオン」

クロヌシ:「それでも4頭か。しかも俺は馬に乗れんぞ(笑)」

GM:ラズリは空飛べるよねぇ(笑)。

ラズリ:はいはいはい。飛べるよ。飛べますよ(やけになってる)。

ナタリー:「それでは、一番戦闘能力の高い者──グレン、フローラ、クロヌシ、ティンベルに行ってもらいます」

グレン:こいつらが最強なのか?  この組織もたいしたことないな(笑)。

GM:君らの戦闘能力はふつーと比べてかなり高いんだよ。気づいてなかった?

ロゼ:「あたしも行く!  絶対行く!  ──おぢさんも行こうね(笑)」

オペリオ:「♪え?  おれ?♪」

ラズリ:わーい、オペリオ御指名〜!

GM:ロゼも魔族のはしくれだからオペリオのひとりぐらいは運べるよ。

ラズリ:じゃあ、グレンとティンベルとフローラとクロヌシが馬で、ちょうどいいね。

クロヌシ:だから俺は乗れないって。

フローラ:根性で乗れ!(笑)

ナタリー:私たちもなるべく早く行きます。それまで何とかヤツを食い止めてください。

クロヌシ:(小声で)「ちっ、捨てゴマか……」(←当たってるかもしんない)

ナタリー:「通信機(魔法のアイテム)を持っていってください。何かあったら連絡します。それじゃ……お願いしますね」

クロヌシ:「よし、いくぞ!  カノルヤへ!」
 


クロヌシ:(コロコロコロ〜)だああ、何回振っても失敗だああ!  フローラ、後ろに乗せて(笑)。

グレン:(コロコロコロ〜)オレも駄目だ。ティンベル、後ろに乗せて(笑)。

オペリオ:♪情けないなあ、君たち♪

クロヌシ:お前はロゼにくっついてるだけだろーがぁ!

オペリオ:♪うーん、密着密着ぅ〜☆♪

ロゼ:「きゃあああ、どこ触ってんのよ!」

グレン:2頭余ったな、馬。誰か連れていこう。

GM:──じゃあ、セイアとクレストがついて行くよ。

クロヌシ:(フローラの後ろで)「よし、いくぞ!」

ギャリソン:「この粉をまけばいいんだな……」

 ギャリソン──ブルーノア家の執事である。彼は屋敷の屋根の上にいた。

ギャリソン:「そおれ!」

 黒い粉が、風に乗って舞っていく──

ギャリソン:「全てはおっしゃるとおりに……奥様……」

セイア:「でもさあ、いいのかい、あんたら?」

グレン:「何が?」

セイア:「今度の相手はかなり強い。マジでやばいよ」

クロヌシ:「ふん、そんなことは百も承知。そのぶん礼を弾んでもらうさ」

フローラ:「アタシの後ろでなにかっこつけてんのよ!  ホント言うとアタシは行きたくないんだからね!」

クロヌシ:「仕方ないだろう、俺は馬に乗れんのだ」

オペリオ:「♪うーん、密着密着ぅ〜☆♪」

GM:き、緊張感ないなあ……。

ラズリ:(空を飛びながら)「みんな、急ごう!」

グレン:(小声で)「オレも魔族化して飛べばよかったかな……」

ラズリ:それしたらヤバイんじゃないの?
    ──今のはプレイヤーの発言ね。(キャラクターはまだ、グレンが魔族ハーフであることを知らない)

GM:そこへ、ナタリーから通信が入る。

ナタリー(通信機):「カノルヤは壊滅。目標は南下してカゴルマへ向かっています。あなたたちもカゴルマへ!」

ラズリ:がーん、間に合わなかったか……。

ティンベル:カゴルマ……。私の故郷って確か──

GM:カゴルマだよ(笑)。

ティンベル:だよねぇ。──さて、急ごうか(笑)。

ナタリー:「予定外だわ……。『裏の賢者』──裏切り者を始末するだけでよかったのに……」

GM:夕焼けよりもなお紅く、カゴルマの街が燃えている。

ティンベル:(いきなり)答えい、グレン!  流派、東方不敗は! 

グレン王者の風よ! 

ティンベル全新! 

グレン系裂! 

ティンベル天破! 

グレン侠乱! 

声をそろえて見よ!カゴルマは赤く燃えている! 

GM:Gガ〇ダムかい。よく覚えてたねえ、そんなの。

ラズリ:偵察に行く。ぎゅーん!(飛んでるラズリちゃん)

GM:カゴルマの街はだいたい正方形の形をしている。南東の方に森が広がっていて、ほぼ中央に領主の館がある。
   んで、その少し北の方にティンベルの屋敷がある。
   で──街の半分ぐらいが崩れてて、いたるところで火の手が上がっている。

ティンベル:あのー、私の家は……?

GM:見事にクラッシュ(笑)。

グレン:目標は──『魔獣』はどこにいる?

GM:領主の館の辺りかな。炎の中に黒い影がうごめいている。

ラズリ:──てな感じなんだけど。どうする?

グレン:「行くしかないだろう」

セイア:「いよいよ御対面ね」

ロゼ:「…………」




リプレイ第二部目次