GM:フローラ、ドンドンドンという音がするよ。

フローラ:「んん……何?」

GM:ドアをたたく音だ。で、ドアが開いてカスタが入ってくる。

カスタ:「大変です!  レミーラちゃんが突然苦しみだして……」

フローラ:「何ですって!?(クロヌシの頭を蹴っ飛ばして)みんな、起きて!」

GM:誰も目を覚まさないよ。起きてるのは君だけだ。

カスタ:みなさんのことは私にまかせて、早く彼女のところへ!  ………薬、できなかったんですか?」

フローラ:どうなの?

GM:薬は赤色に変わっている。7人混ぜたからファンブル以外は成功するよ。

フローラ:よし!  薬を持ってだあぁっしゅぅ!
 


GM:呼吸が荒くなっている。かなり苦しそうだよ。

フローラ:薬よ。飲める?

GM:もう飲む力も残ってないようだ。……どういうことか、分、か、る、よ、な。

フローラ:………………。

グレン:(にやーと笑って)分かるよな?

フローラ:──ええい、口移しで飲ませる!
 


GM:レミーラの呼吸がだんだん整っていき──うっすらと目を開ける。

レミーラ:「………ルーンお兄ちゃん?」

フローラ:「う……(固まる)。だ……誰のことぉ?」

グレン:お兄ちゃんって呼ばれると、ドキドキするよね。

クロヌシ:ん、まーな。

グレン:──このへんが(股間を押さえるプレイヤー)。

ラズリ:ぶわかぁ!(裏拳でツッコミ)

レミーラ:「ルーンお兄ちゃん。──お姉ちゃん、生きてるの。声がしたもの……」

GM:そう言うと、ふっと意識を失う。

ラズリ:だ、大丈夫なの?  ぢつは薬が効かなかったとか……。

GM:呼吸も心拍数も安定している。心配ないよ。

フローラ:「生きてる……?  レイナが………?」

GM:さて、待たせたね。他の人たちも目覚めていいよ。頭痛がするけどね。

ラズリ:「ん……たた……。頭が痛いぃ」

GM:ただひとり、クレリアだけが目を覚まさない。

ラズリ:(がっくんがっくん揺さぶって)「クレリアちゃん、起きてよ。おーい」

クロヌシ:「し、死んだのか……?」

GM:いや、心臓はかろうじて動いてる。で、カスタがいろいろと調べて──

カスタ:「私ではどうしょうもない……。あの人を、呼びましょう」

ティンベル:あの人?
 


GM:ナタリーとセイア。そして、白いローブ姿の男たちだ。

ラズリ:あ、クレリアママ。それにおねーさんも。

GM:ナタリーは、クレリアの脈を計ったり額に手を当てたりしてから、ローブの男に声をかける。

GM/ナタリー:「『ホフヌング』へ運んで。急いで!」

GM:担架に乗せられ運ばれていくクレリア。で、ナタリーが君たちの方を向き、

ナタリー:「おひさしぶりですね」

ラズリ:「おひさしぶりです〜。この間は拾ってくれて、ありがとうございました(笑)」

ナタリー:「いえいえ。──もう7年も前の話ですけどね(笑)」

グレン:(そっぽを向いている)

ティンベル:一応あいさつしとこう。同じ街だから。

ナタリー:「ところで……5年もどこに行ってたんです?」

ラズリ:(小声で)「こっちが聞きたいぐらいなんだけど……」

クロヌシ:(同じく小声で)「何が5年だ。くそ……」

ナタリー:「…………。ま、無事で何よりでした。あの子も助かったようだし」

ティンベル:「うちは──ブルーノア家はどうなりました?」

GM:執事のギャリソンがちゃんとやってるよ。5年もの間、君の帰りをずーと待ってせこせこと──

グレン:せこせことしてたのか?

GM:こそこそかもしんない(笑)。

ティンベル:「あと妹は──」

セイア:「妹? そんな話は聞いてないけど……」(ナタリーの方を見る)

ナタリー:(首を横に振る)

ティンベル:「……そう」

GM:他に聞きたいことは?

ラズリ:「あ、あひゃまがいたひんですけど……頭痛薬くださーい。ほえほえ」

ティンベル:「叩けば治る!」

ラズリ:「いやん☆」

クロヌシ:「ところで──後ろのローブの男は誰だ? 何か無茶苦茶怪しいんだが……」

ナタリー:「彼らは私たちの組織、『ホフヌング』の一員です」

ラズリ:「ホフ……ヌング?」

ナタリー:「あなた方がいない間にいろいろな事がありました。
      【風】の土地神たちの突然変異、突然死。
      【水】の土地神たちの海底宮の消滅(うっと言葉を詰まらせる一同)。
      だんだん激化していく界帝バンディークと女王ディルボアの闘い。
      加えて、ネーブルスの崩壊、ディープの洪水による水没、プルプルの森の焼失、帝都カーディナル半壊。
      そして、月影の民と地の民の紛争──
      世界は崩壊の道を歩もうとしています。それを食い止めるための──組織です」

グレン:「………」

ナタリー:「ちょっと話が長くなりましたね。(出口の方を見て)どうやらクレリアは昏睡状態に陥ってるようです。
      こちらで何とかしてみようと思うのですが──よろしいかしら?」

ラズリ:「ええ、もちろん。ただ……貸してたお金、返してもらわないと……(笑)」

ティンベル:「あ、そう言えば私も貸してた気が……」

クロヌシ:(冷たい声で)「うそつけ」

ナタリー:(にっこり笑って)「それでは失礼します」

ラズリ:あ、あっさりと無視されちゃったね──どうせウソだけど(笑)。

ティンベル:私はウソじゃないよ。20バール貸してたもん。

GM:ナタリーの後に続くセイアとローブの男たち。と、ナタリーが立ち止まって──

ナタリー:「あなた方が力を貸してくれると助かります」

ラズリ:「そ、それは……」

ナタリー:「もちろん無理にとは言いません──我々は、神にいどむのですから」

GM:そう言い残して去っていく。

グレン:(つぶやくように)「ふん……冗談じゃない」




リプレイ第二部目次