クレリア:(紅茶を一口飲んでから)「どうしてここに?」

カスタ:「あの後、こっちへ帰ってきまして。この診療所、おじさまとおばさま──と言っても血はつながってないんですけど──が経営していてお手伝いさせてもらってるんです」

フローラ:で、どうして妹と?  なんで妹がここにいるの?

GM:それはGM口調で説明するけど──
   今から8年前のこと。ここストロンシャンで、とある行商人が魔術士風の女に、大ケガをした女の子を預かるよう頼まれた。
   断ると、鈍器で殴られ気絶させられた(笑)。
   で、気がつくとレミーラを置いて女は姿を消していた。仕方がないので応急処置をして病院に運んだ。
   彼女は奇跡的に一命をとりとめた。

フローラ:ケガは治ったんでしょ?  なんで今も病院に?

GM:いやぁ、ケガは治ったんだけど……今度は不治の病に冒されちゃってね。

一同:げげっっ!

フローラ:踏んだり蹴ったりね。

GM:で、もってあと2、3年の命だろうと……。

ラズリ:か……、かわいそう〜。

クレリア:そういう話は……ちょっと……(深刻な顔)。

フローラ:何とか治す方法はないのかしら。

カスタ:「いろいろ薬とか試してみたんですけど、どれも効かなくて……今は伝説や伝承を頼りに幻の秘薬を探すぐらいしか……」

フローラ:「………」

GM:と、ここでカスタのポケベルが鳴る。

ラズリフローラ:ポケベル?

GM:魔法のアイテムで、患者が医者や看護婦を呼ぶのに使うのだ。
   さて、彼女がぱたぱたと出ていった後、隣の部屋から子供の悲鳴が聞こえる。

クレリア:悲鳴?

GM:「たすけてー」とか「殺されるー」とか。

クレリア:とっとと追いかけます。

ラズリ:なにごと?

GM:隣の病室。カスタが暴れる子供を押さえつけている。子供は普通じゃない感じで……ぶっちゃけた話、精神異常者ね。

グレン:見ただけで分かるのか?

GM:分かる。
   しばらくすると暴れるのをやめて、ぶつぶつ小声で何か言ってる。

クレリア:ちょっと怖いかも。

カスタ:(病室の外に出て)「すみません、お騒がせして」

クレリア:「彼は?」

カスタ:「リューデスといいます。時々あんな風に暴れるんです」

一同:はぁ……(としか言いようがない)。

GM:ところで、カスタさんが君たちに相談したいことがあるらしいんだけど。

クレリア:どうぞ。

カスタ:「患者とは全然関係ない話なんですけどね」

ラズリ:「いいよ。それでも」

カスタ:「こほん……。実は……私、お見合いすることになったんです」

フローララズリ:「お見合い?」

カスタ:「実はこの病院、経営が結構苦しくて……借金してなんとかやっていってるんです。
     で、お金を貸してくださっている商会の若だんなさんとの見合い話が急に持ち上がって……」

フローラ:「よかったじゃない」

カスタ:「いえ、ですから……みなさんに、このお見合いをつぶしてほしいんです。」

一同:み、見合いつぶし〜!?

クレリア:「そ、それはなかなか難しいのでは……?」

カスタ:「はぁ、でも……」

ラズリ:「見合いをつぶす方法……う〜ん、嫌われるとか……、他に好きな人をつくるとか……」

フローラ:「写真とかないの?  とりあえず顔知っときたいんだけど」

クレリア:「写真というより似絵ですね」

ラズリ:「見にいけばいいじゃん」

クレリア:「カスタさん、結婚したくないんですよね」

カスタ:「はい」

クレリア:「他に好きな人がいるとか」

カスタ:「な、なんのことでしょうか……」(すぃ〜と目が泳ぐ)

クレリア:「……いるんですね?」

カスタ:「な、な、なにが?」(すぃぃ〜と逆方向に目が泳ぐ)

ラズリ:「あ、そういうことか。本命がいるのにお見合いさせられそうになってるから困ってるのね」

クレリア:(力強く)「ラズリさん!  これは力になってあげなければなりませんね!」

ラズリ:「そうね!  ほおってはおけないわ!」
 


ラズリ:「で、誰なの?」

カスタ:「は?(赤面して)い、今はその話はカンケーないでしょう?」

クレリア:「いえ、関係あると思いますよ」

フローラ:(古畑任三郎の口調で)「ん〜、あなたはそう言いますが、おかしいですねぇ、あなたのお見合いの話です〜。
      断りたいのはあなたに本命の彼がいるからだ。
      だからその本命を知らずにそういう行動に出るのは、ん〜、大変危険じゃないかなぁ」

一同:(笑)

GM:やめて、その口調。なにもかも見透かされそう(笑)。

ラズリ:「で、誰?  いるんでしょ?  どうなの?  カスタさん?」

カスタ:(小声で)「………………います。彼氏、います」

ラズリ:「彼氏がいるのね」

クレリア:「どんな人なんですか」

ラズリ:「彼にはお見合いの話したの?」

カスタ:「彼にはまだ話してません」

ラズリ:「だったら話さなきゃ。一番力になってくれるのは彼氏だよ、きっと」

カスタ:「じゃあ、話しにいきましょうか」

クレリア:「そうですね。まずカスタさんの彼氏のところに行って、それから若だんなの顔を見にいきましょう」

グレン:なんかすごくうれしそう(笑)。

GM:さーて、行くのは誰やぁ!

クレリア:は〜い!(元気よく手を挙げる)

ラズリ:は〜い!(上に同じ)

クロヌシ:瞑想してる。

グレン:関係ない。

フローラ:レミーラの相手。

GM:ふたりか。

ラズリクレリア:興味津々!(笑)

クレリア:あ、ひとりじゃありませんよ。アユモ君もいるから。

ラズリ:バティストゥータもね。

GM:カスタと3人と1羽ね。んじゃ、行きますか。
 


GM:着いたよん。ちなみに彼の名はティオといいます。

クレリア:「ほら、カスタさん」

カスタ:「えっと、あのね、その……」

ラズリ:「しょうがないなぁ、もう。実はかくかくしかじか……」

GM:それを聞いてティオの顔が青ざめる。というのは彼にも見合い話が持ち上がっているらしいのだ(笑)。

ラズリ:相手は? 権力者の娘とか?

GM:いや、そんなことはない……らしい。

ラズリ:ふ〜ん、破局の危機……か。

クレリア:なるほど。

グレン:天の声。夜逃げ、夜逃げ、夜逃げ。

ラズリ:いや、それも考えたんだけど……。

クレリア:それをすると今度は病院をどうするかという問題が。

グレン:愛する人を取るか、病院を取るか……か。

ラズリ:ティオさんはお見合いに乗り気なの?

フローラ:んなわきゃないでしょ。

ラズリ:だったら断れば……。

GM:なかなか断れないのよ。お見合いってそんなもん。特に親が乗り気な場合はね。

グレン:そうかもな。

GM:とりあえず会うだけ会って、って話になって。

グレン:そうそう。で、会っちゃうとずるずると。

ラズリ:そーかなぁ。

クレリア:困りましたねぇ。若だんなに他に好きな人がいればいいんですけど。

GM:そうだったらシナリオにならんわ。

グレン:でた!  GMの本音。

GM:ま、それはさておき、どーするの?

ラズリ:う〜ん。あ、クレリアが誘惑するってのはどう?

クレリア:は?

ラズリ:若だんなの家の前でお花摘みながら出てくるの待って、目があったら頬を赤く染めて恥ずかしそうに逃げていく、とか。

クレリア:なんですか、それは……。

ラズリ:とにかく、会ってみればどーにかなるかもしれないよ。ならないかもしれないけど。

クレリア:うーん。……一度、戻ります?

ラズリ:そだね。
 


オペリオ:♪若だんなを女性恐怖症にするってのはどう?♪

ラズリ:フローラが適任かも。

グレン:いや、それは女性恐怖症じゃない。オカマを好きになるだけだ(笑)。

ラズリ:それでもいいかも。

ティンベル:若だんなに『死の幻影』を撃ち続けて、病院に入院させるってのは?

クレリア:いや、それはちょっと(笑)。

クロヌシ:若だんなと結婚して、ティオを愛人にする。

ラズリ:うわぁー、大人〜(笑)。

GM:こらこらこら。

クレリア:ただ、問題なのは下手な壊し方をすると若だんなからお金を借りれなくなるかもしれないことですね。

ラズリ:あ、そうかぁ。
    ……カスタさんが好きだから病院に融資してんのかな。

GM:さぁね、そこまでは分からない。

ラズリ:お見合いの日って決まってるの?

GM:えーと──6日後だね。

ラズリ:6日しかないのか。それまでに何とかしないといけないのね。

クレリア:難しいですねぇ。
 



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