GM:んで、次の日。若だんなのところに行くのね。

ラズリ:昨日のメンバーにフローラを加えて。あ、カスタさんは連れていかないよ。若だんなに会わせたくないから。

GM:うぃっす。

クレリア:そういえば若だんな若だんなって言ってますけど、名前なんていうんです?  それから何をしてる人なんですか?

GM:名前は、ヒルガン=シーデン。シーデン商会という会社を経営している。
 


ラズリ:行くとして……どういう理由で行くの?  突然訪ねても怪しまれるだけだよ。

フローラ:顔が見れればいいんでしょ?  アタシが家のはしっこに火をつけてあげるから……。

クレリア:ちょっとちょっと。犯罪者になってどうするんですか。放火は重罪ですよ。

フローラ:ばれなきゃいいのよ。射程距離ギリギリまで離れて魔法銃でぱん。

クレリア:あのねぇ……。

ラズリ:とりあえず見張っとこうか。出てくるかな……。

GM:さってと。(コロコロ)出てこないけど、おばさんたちのうわさ話が聞こえてくる。

ラズリ:獣の耳、発動。ぴょこん(狼の耳がでてくる)。

クレリア:ちょっとびっくり。

GM/おばさんたち:「ねぇ、お聞きになりました?  ここの若だんなと第七診療所のカスタちゃん、お見合いするらしいわよ」
           「えー、ほんとに?」
  「どっちが縁談持ってきたの?」
  「若だんなの方らしいわよ」
  「何か裏がありそうね」
  「うんうん、病院乗っ取っちゃうとか。儲かるんでしょ、病院て」
  「あんまり儲かってないらしわよ、あの病院。乗っ取るってことはないんじゃない?」
  「どら息子の考えてることなんて分かりませんわ」
  「ほーんと」「ほっほっほっほっ」以下、えんえんと続く──

ラズリ:(耳がぴくぴく)

クレリア:どら息子……。

ラズリ:でも、うわさと真実が全然ちがうってこともあるよ。

フローラ:よく言うじゃない。人の噂も七十五日って。

クレリア:それはちょっと違うと思いますけど(笑)。

ラズリ:乗っ取るとかって言ってたよね。

クレリア:私もそれが気になったんですよ。乗っ取ってメリットがあるのかしら。

ラズリ:儲かってないんでしょ?

フローラ:援助しないといけないぐらいの病院だからねぇ。

クレリア:メリット……やっぱり麻薬を合法的に扱えること……ですかね。

フローラ:きっと地下にお宝が埋まってるにちがいない!

ラズリクレリア:ないない。

ラズリ:彼はただ単に店舗拡大を狙ってるんだよ、きっと。

クレリア:あるいはカスタさんを狙っているか。

フローラ:とりあえず老夫婦に「若だんなは悪いうわさしか聞かない」って話しにいくってのは、どう?

ラズリ:そうだね。──あれ、GM、どうしたの?

GM:(胃を押さえながら)いや、ちょっとイヤなもの受け止めちゃって(笑)。

オペリオ:♪投げキスしただけだって♪

GM:だけって……お前なぁ……。

ラズリ:おいしかった?

GM:ちょっとすっぱかった(笑)。

フローラ:それはいいから、行きましょ。
 


GM:そんなことはないでしょうと、やんわりと言う。

クレリア:……でしょうね。

GM:お金借りてる人のこと悪くは言えないよ。人のいい老夫婦だし。

ラズリ:ねぇねぇ、どら息子の弱みを握るてのはどう?  なんか悪事やってたらそれを暴いて……。それを盾に、お見合い断らせるなり、援助続けさせるなりすれば──

クレリア:危険ではありますね。

フローラ:それに悪事をしてるとは限らないしね。

アユモ:もうちょっと情報を集めてみません?

ラズリ:そーいえば推測ばっかりで情報をあんまり集めてなかったね。
 


GM:1つ。ヒルガンは商売はなかなかやるが、性格は最悪。すごい自信家で下の者にはきびしいが、上の者には卑屈とゆー……。

クレリア:うー、それはなにがなんでも破談にしたくなりましたね。

GM:2つ。最近用心棒を雇ったらしい。そいつがすげーいい男で、ここのところ夜の街を遊び歩いているらしい。

フローラ:用心棒……。誰かに狙われているの?

ラズリ:夜の街に行けば会えるのね。
 


GM:夜の街。バーやスナック、娼館なんかが並んでる通りがあると思いねぇ。

ラズリ:あ、そっち系なの。

GM:そうだよ。
   カラフルな魔法の明かりが通りを彩り、露出度の高いねーちゃんやよっぱらい、アブナイ顔した魔術士がわいわいがやがやと──

ラズリ:(クロヌシに向かって)10バール払うから護衛お願いね。

クロヌシ:10? 30──だな。

ラズリ:それでいい。

GM:しかし地味な一行だ。露出度で勝っているのはオペリオぐらいだな。

オペリオ:♪はっはっはっはぁ♪

フローラ:(コロコロ)ん、大丈夫。お酒は飲んでないわ。

GM:で、だんだんと(いろんな意味で)アブナイ方へ進んでいくと、何やら人だかりが見える。

ラズリ:なに?

GM:よく見ると、ひとりの男の周りを若いねーちゃんたちが二重三重に取り巻いているのだよ、お客さん。

ラズリ:あれが若だんな?

クレリア:さぁ、顔を知らないから分かりませんけど……。用心棒の方かもしれませんし。しばらく様子を見ましょう。

GM/女たち:「ロートシルトさま〜☆」「こっちむいて〜☆」

クレリア:あ、用心棒の方ですか。

ラズリ:たぶんそうだと思う。

フローラ:拉致する?

ラズリ:うーん、でも強そう。ねぇ、その人女の人たちとワイワイやってるだけ? 店に入ろうとしたりしてない?

GM:あ、それもいいねぇ(笑)。

クレリア:それはちょっと困るんですけど。で、そのロート…だっけ…の様子は?  どんな風に女の子に接してるんです?

GM:もうベッタベタ(笑)。

クレリア:はぁ〜、なるほど……(←なにがなるほど?)。

ラズリ:女好きそうな顔してる?

GM:二十代後半から三十代前半ぐらいのラテン系プレイボーイ(?)だと思いねぇ。軽そうでノリがよさそうで女好きそうで……ってヤツ。

フローララズリ:ひっかけられるかも!

クレリア:でも、女の人が二重三重に囲んでいるのでしょう?

ラズリ:だからその外側から……。

クロヌシ:なんだ? 誘惑するのか?

ラズリ:そう。プレイボーイみたいだから「超美人」のあたしがちょっとね。

クレリア:格好が地味じゃありません?

ティンベル:巻きスカートだから短くすれば?

ラズリ:そうだね。じゃ、ちょっと短めにして──

フローラ:上着は脱いで肩からかけると。

GM:なんでやねん。
 


ラズリ:(色っぽく流し目して歩いていく)

GM:(コロコロ)……やっぱりね。
 


GM:女たちの輪をかき分けてラズリに近づいてくるよ。

ラズリ:「おにーさん、かっこいいじゃん☆」

ロートシルト:「ひゅう♪ こ〜んなかわいこちゃんに会えるなんて。なんともラッキーだね、今夜は」

ラズリ:「ね、今、ひま?」

クレリア:一方こちらはいぢけてるアユモ君……ってとこですか。

アユモ:(壁に向かって何かブツブツ言ってる)

クレリア:「ここでいいとこ見せなくてどうするんです!」(←どないせいっちゅうねん)

アユモ:(ふらふらとどこかへ去っていく)

クレリア:「あら? アユモ君、どこへ?」

ラズリ:「あたしぃ、今晩宿でひとりなんだけどぉ、さみしいからちょっと来ない──ってカンジ?(笑)」

ロートシルト:「行く(笑)」

ラズリ:「超ラッキー☆」
 



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