DAY5 【思い出は消えて】 02


 食堂

GM:というわけでいつの間にか日付もかわり12月31日だ。

金太郎:大晦日になったばかりか。

利迎院:成瀬どのたちが食堂の入り口まで来たのなら、とりあえず斬りかかろう。

金太郎:とりあえず、で斬りかかるな(笑)。

利迎院:下りてきたのが味方であるとは限らんからな。まぁ、顔が見えた段階で手は止めようか。

浩之介:飯用意はされてるんだっけ(非常食でもいいけど)。

GM:なんか食い物はあるよ。

浩之介:ま、茶でも準備するか――って、ここはメイドさんいなかったかのぅ。

GM:いるよ、メイドさん。

浩之介:じゃ、軽く何か有り合わせで作ってもらおう。

小鈴:「だいじょーぶだった? ケガとかしてない?」

金太郎:「ああ、平気や。――えとな……襲撃者があった。赤コートの男二人組や。追っ払ったけど、みんな気ぃつけや?」

利迎院:上で起こったあらましはわしと小鈴どのに伝えてもらえるのかな。

金太郎:PCにはあとでこそっと、のつもりやけど。

チャーリー:争ってた音は食堂にも聞こえてたんデスカ? っていうか銃声までしてたんデシタっけ、そういえば。

利迎院:銃声は聞こえた。

金太郎:エンジはナイフ持ってきてんのかな?

GM:カバンごと持ってきているね。

利迎院:ふむ。"内府"を買うだけの金はあるんだが、あの執着ぶりから見て、売る気はないのだな。

GM:単に金を積めば誰にでも売る、というかんじでもなさそうだね。というか、ダガーのこと自体話に出したくないみたい。

利迎院:「まぁ、皆怪我がないようで何よりであった」

金太郎:「とりあえずはな」

トム:「ま、これからさらに首と胴体が離れた死体が増えるかもしれないってことだよな」と、言いつつぎろりとエンジにがん付け。

チャーリー:「一歩間違えればケガじゃすまないところデス。……銃まで使ってくるなんて」

利迎院:「鉄砲まで持っておったのか」

トム:短筒じゃね? リゲインの言葉で言うなら。

利迎院:現物を見てないので短筒かどうかのコメントはあえて避けた。

金太郎:「銃は脅しに使ってたっぽかったけどな。あの連中は人殺しはせぇへんのとちゃうか」

チャーリー:「それでも、事故で狙い通りにいかないこともアリマスシ」

小鈴:「うんうん」

GM:エンジはユウミに、部屋が荒らされたから必要なものだけでも取ってこいと言っている。

チャーリー:「一人で取りにいくのは危険ですよ。ボクもお手伝いしましょう」と申し出てみる。

金太郎:「お、たまには理にかなった行動するんやな」

トム:「へぇ、たまにはまともな行動をとるんだな」

ユウミ:「あら、じゃあお願いしていいかしら?」(ニッコリ)。

チャーリー:「ええ、お任せクダサイ」

 階段

GM:ではチャーリー、2階へ続く階段あたりでユウミは「こわいわ」とか言いながら腕にしがみついてくるよ(笑)。胸を押し付けるかんじで。

チャーリー:は? そこまであからさまに?

利迎院:おお、新たな濃いの予感。

金太郎:え、おばちゃんでしょ?

GM:30代でなかったかな。(調べて)36歳。

トム:いけるいける。……いや、高校生から見ると駄目かも?

チャーリー:あー、そういえば旦那さんは愛人作ってるわけデスし……似たものなのか欲求不満なのか。

浩之介:でも、チャーリー相手に? ――そうか、17歳はおいしくいただけるか(笑)、じゃなくて。しかしそれでも、他にも人間はいるのによりによって"この"チャーリーというのがな、趣味悪いというか何と言うか……。

GM:え、一番お金持ってるじゃないですか。

浩之介:…ワカリヤスイナ

金太郎:顔だけなら悪くないはず。

利迎院:濃いの予感だからな。

GM:顔よし、若さよし、財産よし。

金太郎:不倫相手に経済力を要求しますか。

トム:不倫相手でも経済力はあった方がいいだろう。プレゼントとか。

利迎院:側室にでもなれれば贅沢三昧だからのう

GM:……あ、でも、耳元で延々「大丈夫デスヨ」と囁かれるのか。それはイヤだなぁ。

チャーリー:まあ、ともあれ「HAHAHA、大丈夫デスヨ、手傷を負った人間はそうそう戻ってきませんネ」とまったく気づいてない感じで部屋までいこう。

小鈴:ちぇ。
 

 しばしの、沈黙。
 

金太郎:何かイベントがあるなら、発言は待とうか。

GM:チャーリーがのってこないなら、特に何もねーよ(笑)。

チャーリー:なーんだ(笑)。のったらあの良く切れるナイフですぱーとやられりしたんデスカネ。

金太郎:なーんだ(笑)、やあるか。

利迎院:のれよ。つかんできた腕を持って背負って投げるとかさ。

GM:ちょっとでも赤面したら、キス→それを見ているナユというコンボだったのに。

小鈴:……なんてお約束な罠。

金太郎:「近寄んな、ババァ」くらい言え。

GM:そしたら「キーッ!」って言ってハンカチかんでやるから。

トム:「うざいんですよ」とか。「くさいですよ、その香水」とか。

浩之介:あからさまに誘った方が面白そうだが。

利迎院:押し倒してきたところを巴投げで。

金太郎:腕をつかんだまま、「あ、眩暈が」と言ってベッドへ。

GM:窓全壊の部屋で?

金太郎:実は違う部屋へ連れ込まれていた。

GM:心理トリックで、同じ部屋だと思わされていたんだよ! っていうやつ?

チャーリー:極寒の部屋ではどれもごめんデス。襲撃者がいないようならさっさと持っていくもの集めて戻りマース。

GM:じゃあチャーリーが戻ってきた。再び舞台は食堂へ。

 食堂

金太郎:で。

利迎院:で、食堂ではどんな事件が起こるのだ?

GM:今のところ、特には何も。

金太郎:全員のアリバイ調査やった方がええかも知れんな。つーか特にエンジ。

トム:だなー。

利迎院:嫁もな。

金太郎:つっても、ローラさん――本物のケイちゃんの死亡推定時刻もあいまいやけどな。

チャーリー:梅中夫妻は部屋に閉じこもってたはず、なんデシタっけ、事件のあったと思われる頃って。

GM:えーと……ちょっと確認&整理を。

GM:ローラの部屋での赤い血騒ぎの時。騒ぎを聞きつけて来たのが育郎おじさん。そして部屋の中を捜してる間に、いつの間にかエンジもそこに来ていた。で、そのときにはもうローラは死んでいた。

金太郎:ローラさんが最後に目撃されたのは、食事のときか。

GM:食事にも出てない。あとで食事を持っていって、とか育郎が言ってた。

金太郎:出てへんかったっけ。

利迎院:さっさと部屋へ帰ったのではなかったか。

GM:それは梅中夫妻。ローラは最初から食事の場に来ていない。

利迎院:あぁ、そうか。

GM:というか、初対面のとき以来PCとは会ってないんじゃ。

トム:ローラってローラなだけにブーメランで殺されたんだよな。

チャーリー:(無視して)てことは、それ以降フリーになった人は全員、殺害できたってことデスネ……。

金太郎:おじさんが最後に会ったのいつか聞いてみよう。「おじさん、ローラはんに最後に会うたんっていつでっか?」

育郎おじさん:「食事の前に、『ちょっと残ってる仕事を片付けます』と言われたのが最後だねえ」

金太郎:「そんで、部屋に入ったきり、と。仕事ってあの呪術みたいなのんかな」

育郎おじさん:「そんな仕事を頼んだ覚えはないんだがねえ。やっはっは」

チャーリー:そこは笑うとこ違うよーな。

金太郎:「いや、笑とる場合ちゃいまっせ、ほんま。鍵借りたんはその前ですね?」

育郎おじさん:「うむ、到着してすぐだったねえ」

チャーリー:うーん。ローラの部屋に気を取られてたから、全然行動に注意払ってなかったんデスよね。

金太郎:部屋のあれを発見したときの行動は重要やない。もう死んどったわけやし。

トム:面倒だから殴って吐かせるか。こう見えて体育会系なんだ、俺。

浩之介:こう見えても何も完全な体育会系だろうが、お前さんは(笑)。

トム:脳まで筋肉。

GM:脳だけ筋肉。

金太郎:ナイフの切り口が似てるいうても、エンジやてナイフから目を離しとる時間帯もあったわけやし……。

GM:そうだね。こっそり部屋に忍び込むことさえできれば、持ち出すことは可能だっただろう。

チャーリー:でもそのためにはナイフの存在を知ってないとダメなのでは。

GM:そうなるね。

トム:千のナイフの神隠し。

利迎院:縁叡智家の野望。

チャーリー:あと、ナイフの存在を知ってそうなのはユウミさんデスか……。夫の愛人を殺す動機もないわけじゃない、と。

GM:秘書を寝取られた育郎、という可能性もある。育郎とローラがそういう関係だったかどうかは不明だけど。

金太郎:そこ嫉妬するところかな。

GM:育郎にとっても秘書兼愛人なら、あるかもね。

チャーリー:みんなが集まった後にやってきたって意味では、エンジの次に見られてない時間が長かった人とも言えマスかね、育郎おじさん。

金太郎:(頭をかいて)いくら推理しても、ローラの部屋のあれだけ浮きまくっとるんよな。

チャーリー:リプレイ読み返したんだけど、そもそもローラの部屋の異変に気づいたのって、その部屋の前でユウミが悲鳴をあげたからなんデスよね。

金太郎:せやけど、おじさんはコテージのこと最初に言った人やし、犯人の線は薄いような気もするんやけどな。

小鈴:うんうん。

金太郎:ユウミには動機があるな。ナイフのことも知っとる。そっと持ち出してそっと返すのも容易や。

GM:ローラもナイフのこと知ってたかもしれないよね、愛人だったなら。

浩之介:ローラが知っとっても、なぁ……。

金太郎:ローラは首を絞めて殺され、痕が見えないように首を切られた、と。

小鈴:首を絞めて殺されたら、いろいろ特徴が出るけどね。

金太郎:特徴は分からんやろう、わいらでは。

小鈴:まー確かに。

金太郎:検死もろくすっぽされんと、葬儀に出されるようやし。

利迎院:それを隠すための暖房やも知れんしな。

金太郎:ただ、首を切られたのが死因って訳でもなさそうなんやったっけ?

GM:出血の様子からして、そうだね。首すぱっぶしゅーってんではないんで。

チャーリー:すでに心臓が停止した後に切られた、みたいな。

GM:うん。

金太郎:切ったんは、コテージで、か?

GM:コテージだね。首切ったあとに動かしたような跡はなかったんで。

金太郎:ふむ。ほなやっぱり、首から上への何かで死んで、で、切られた、と。首のかなり根元の方からってことは、首絞めちゃうか、と。

小鈴:そうだね。

金太郎:せやからどないやっちゅーねん、と。

GM:首を探す?(笑)

チャーリー:なんでわざわざそんなことしたんデスかね。

金太郎:ケイちゃんすり替わり疑惑があるからとちゃうかな。

小鈴:顔が残ってたらまずかったと。

チャーリー:でも速攻で荼毘に付したわけデスよね。気づかれる間もなく。

金太郎:せやから?

チャーリー:うーん、正直、突拍子もない話だとは思うんデスケド。

金太郎:却下。

チャーリー:ぎゃふん。

金太郎:はよ言え。

チャーリー:ん、ナユがケイと入れ替わって、死体とローラが入れ替わったら……とか。

金太郎:死体とローラが入れ替わったら?

チャーリー:ローラと思ってた死体は別の人間で、実はローラこと真・ケイはどっかに生きてるんじゃ、なんてちょっと思ったんデス。蝶塚の家から完全に離れるための芝居ってことにしたら、エンジが手を下す動機もあるかな〜と。

金太郎:首なしは他から運んできた死体、と。

チャーリー:うん、そういうこと。どこから持ってきたんだって話にはなっちゃうデスけど。

小鈴:DNA鑑定とかいってなかったっけ。

金太郎:それも眉唾。

GM:あるいはブラシの毛を偽装。

小鈴:ふむふむ。

金太郎:だから眉唾。

チャーリー:正直、色々穴はあると思うんデスけどね〜。


Brand-new Heaven TRPG
<L・P COCOAMIX>
<L.P>目次
TRPG TOP
HOME