GURPS・EDO『れ・みぜらぶる』〜旅情篇〜(四)

―第六幕『合流(拉致)』―

GM:さて、そんなこんなで一週間が過ぎた。──椎名・僧ドットコム・出水屋・空雅堂の四人はちょっと席を外してくれる? 聞かれたくない話をするので。
 

 てなわけで、外へ買い出しにいく四人。そして、セッション再開である。
 

GM:君達三人と盛親及び泰蔵は待ち合わせ場所へ向かった。場所は……泰蔵がいるから分かるね。背の高ーい葦が生い茂っている場所を進んでいく。

お雪:着物が汚れちゃう……。

唯樹:背中に乗る?

GM:殿が?

唯樹:……それは勘弁。

GM:じゃ、他の人達と合流できるまで雑談ターイム!

唯樹:(雑談……?)「ねえ、お雪さん。そろそろ僕のこと、ユイキさん、とかユイちゃん、とか呼んでくれてもいい頃だと思うんだけど?」

お雪:「では、この詰め碁が解けたら」

唯樹:(サイコロを握り締めて)即決勝負〜! (コロコロ)技能なし値で、マイナス1成功。

お雪:(コロコロ)こちらは9成功です。圧勝ですね。

唯樹:ルールぐらいは知ってるけどボロ負け、ってとこかな……?

GM:(てゆーか、勝手に判定してるし……)

絵夢:「じゃあ、あたしが」(ギン、とお雪を見据える)

唯樹:「ああ、なんか火花が飛び散ってるよぉ〜」

お雪:いいですよ。(コロコロ)こちらは5成功です。

絵夢:負けない〜! (コロコロ)ダメ〜……。

盛親:「では、俺が」
 

 何と盛親と碁を始めたお雪。今回はどちらかが判定に失敗するまで続けることに。
 

お雪:「では……」(パチリと碁石を置く)

盛親:「ふむ……ではこうだ」(同じく)

唯樹:「絵夢は僕のこと何て呼んでくれるのかな?」

お雪:……私と彼女、どっちでもいいんですかぁ?

唯樹:それはそれ、これはこれ。

絵夢:「烏丸唯樹だったよね。じゃあ………………カラス」

唯樹:「か……からす……」(ガックリ)

お雪:(コロコロ)あ、クリティカル!

盛親:「をを、まさかそう来るとは!」

お雪:『神の一手』が、見えた気がします(笑)。

唯樹:「そういえば、教会で信者は増えた?」

絵夢:「ばっちり! 今、巫女さんと握手キャンペーンやってるから」

唯樹:「へー……」

絵夢:「巫女さんよ、巫女さん。男のロマンよ」
 

 その間にもお雪と盛親の勝負は続き……
 

お雪:(コロコロ)成功。

盛親:(コロコロ)あああッ、失敗!

お雪:「勝ちました〜」

盛親:「く〜、まさか負けるとは……。女子のくせになかなかやりおる……」
 

 その後泰蔵も対戦するが、あっという間に負けてしまう。お雪、強し!
 

絵夢:「暇ね〜……」

泰蔵:「場所を間違えたんですかね……──向こうが。ちょっと見回りにいってきます」

唯樹:「僕もいくよ〜。みんなはここで待っててね」
 

 というワケで、葦をかき分けつつ周囲を見て回る唯樹と泰蔵。
 

唯樹:「泰蔵君ってさ……実際のところ、男? 女?」

泰蔵:「男ですってば」

お雪(天の声):ぱんぱんしてみればいいんですよ。

唯樹:そっか。お許しもでたことだし(?)、いざ、即決勝負! (コロコロ)──って失敗してるし。

泰蔵:(コロコロ)甘いです。ひらりとかわした。

お雪(天の声):それだけ必死に隠そうとしているってことは……やっぱり怪しい。

GM:男なんだってば。……まあ、どっちでもいいんだけど。
 

 と──何か物音がした。葦を乱暴に踏み分ける音が。
 

唯樹:(聴覚判定に成功して)「何かいる……」(刀の鯉口を切る)

泰蔵:「そのようですね……」(刀に手をかける)

GM:姿を現したのは、鎧に身を包んだ武者二人。明らかに残党狩りをしている連中のようだね。家紋から蜂須賀家の者だということも分かる。

唯樹:(「足すくみ」の判定には成功)「……殺るしかないかな?」

泰蔵:「話を聞くだけ聞いてみては……? ……たぶん無駄でしょうけど」

GM/武者1:「お前たち、こんなところで何をしている?」

唯樹:「立ちションだ」

武者1:「こんな葦のど真ん中でか? 道から相当離れておるぞ」

唯樹:「だって恥ずかしいんだもーん」

武者1:「それにしても離れ過ぎだろう」

唯樹:「それは、だから、その…………いいぢゃないかッッ!」

GM:それで納得するかなぁ? 「演技」か「演劇」か「言いくるめ」で判定してみて。

唯樹:どれもないから「技能なし値」で……(コロコロ)駄目でーす!

武者2:「どうもあやしいな……。悪いが番所まで来てくれんか?」

唯樹:「番所……。ここで何とかなりません?」

武者2:「ならん」

GM:烏丸の手をつかもうとするよ。

唯樹:きゃー!

GM:いや、「きゃー」じゃなくて。

唯樹:じゃあ泰蔵の方をちらっと見て──

お雪(天の声):散ッ!

GM:こんなところで散開してどーする……。お互いが見えなくなるだけだぞ。

唯樹:「困ったな……。──戦うしか、ないか」
 

 てなワケで、心持ち葦が少ない開けた空間でのタイマン勝負(2対2)が始まった。
 

唯樹:(コロコロ)いきなりクリティカル! 居合抜きのように刀を抜きながらそのまま斬る! 『クリティカル表』は通常ダメージで、「切り」の6点。

GM:泰蔵の攻撃はザクッと武者2を斬った。ちょっと痛い。敵側の攻撃は……泰蔵にチクッと。烏丸に……当たりかけてはいる。

唯樹:それはヒラリとよけたよ。
 

 第2ターン。武者1が不利だと感じた武者2は唯樹の方へ。これで戦いは1対2となった。
 

唯樹:「うお、かかってきなさい!」
 

 軽傷も負うも唯樹は武者1を斬り伏せた。武者1気絶。これで再びタイマン勝負だ。そして──
 

唯樹:(……がんばれ、僕)「うおおおおお……!!!」
 

 ザヴァア! っとダメージ11点。一撃でもうひとりを斬り殺した。

 鮮血が、葦を赤く染める。
 

唯樹:「ぜえ、ぜえ、ぜえ……。──……何とかなったね、泰蔵……君?」
 

 いつの間にか──泰蔵の姿が、見えなくなっていた。
 

唯樹:「……あれ?」