唯樹:このまま時が止まってしまえばいいのに……。
GM:泰蔵は殿のそばにいたり、ふらっとどこかへいったり、そんなかんじ。
お雪:何かをやってるんですね。
GM:いろいろとね。
絵夢:教会で神道の教えを広めるためにがんばってまーす──隅っこの方を借りて。
GM:烏丸は?
唯樹:女の子の世話。
GM:女の子の世話……知ってる知ってないに関係なく。
唯樹:関係なく。
お雪:私は炊き出しの手伝いを。
GM:なるほど。そこに、所司代の役人が来る。
GM/役人:「あ〜、そこの女」
お雪&絵夢:「「はい」」
GM:どっちだよ。
唯樹:……それとも僕?
GM:いや、お雪の方ね。「こういう者を見なかったかい」と何人かの人相書きを見せられる。
お雪:その中に盛親さんの似顔絵は?
GM:もちろんある。それと、さっき話に出た何人かがいると思いねぇ。
お雪:あ、私「正直」なんでした。意志判定に失敗すると嘘がつけません。「コノカタハアッチニ……」
唯樹:わ〜!(笑)
お雪:意志判定します。(コロコロ)何とか成功。「す、すいません、ちょっと知りないです……」(←動揺してるらしい)
GM:「本当かね?」(サイコロを振ってみると、何とファンブル)……信じてしまったようだ。もうちょっと引っ張ろうと思っていたのに。
お雪:ふふふ。
GM:そうすると……10歳ぐらいの女の子がやってくる。で、人相書きのひとり──盛親を見て、
GM/女の子:「この人、父上に似ている……」
GM:と口走ってしまうんだな。
唯樹:何を言ってるの、君のパパは僕じゃないか。
GM:何でやねん。
絵夢:君ね、今まで何人子供作ってきたの……?
唯樹:冗談だってば……たぶん。――女の子の行動には気づいていいの?
GM:いいよ。
唯樹:(子供のところへ駆け寄り、役人に向かって)「まあまあ、子供の言うことですから……」
お雪:あらあら、そうだったのぉ(納得)。
唯樹:ちょっとちょっと(笑)。「──さ、今日はイイコト教えてあげるぞ〜」(と言いながら子供を連れていこうとする)
役人:「待て待て、その子をここへ連れてまいれ」
唯樹:……うちの子に何か用ですか?
GM:いつからお前の子になった。騙すなら、騙すなりの判定がいるよ。
絵夢:代わりにあたしじゃ駄目ですか?
GM:駄目。
唯樹:こ、子供が怖がってるじゃないですか。
GM:そんなことは一言も言ってない。
お雪:では、私に碁で勝てたらってことで(←碁が得意)。
GM:なんでだよ。子供は別におびえている様子はないね。
唯樹:無邪気野郎……。
GM:さあ、どうする?
唯樹:『殿様を奥へ隠せ』って、アイコンタクト(←江戸時代)で分かってくれる?
絵夢:分かってあげるッ。あたしはこそっと奥にいくね。
GM:最初から隠している気もするが……まあいいか。
唯樹:「よく見てごらん、君のお父さんとは違うだろ?」
女の子:「んー……?」
役人:「おじょうちゃん、こっちへおいで」
GM:あ、名前はお菊ね。
役人:「自分がどこで生まれたか覚えているかい? お城とかではなかった?」
女の子(お菊):「違うよ?」
唯樹:「……で、何の用なんですか?」
役人:「だから、この人相書きの男を知らんかと聞いている」
唯樹:「知りませんってば」
役人:「いや、だがこの子が……」
お雪:「分かりました、ではこの『詰め碁』が解けたらということで……」
役人:「碁はもうよいと言っている(笑)。──分かった、じゃあまた来るかもしれんが」
絵夢:(ぽそっと)来なくていいです。
役人:「来るかもしれんが! もし何か気づいたことがあれば、番所に報告するように」
唯樹&お雪:「は〜い」
しぶしぶ帰っていく役人を見送る二人。完全に姿が見えなくなった後、お菊から話を聞いてみることに。
唯樹:「お菊ちゃん、お父さんのことを教えてくれないかな?」
お菊:「あたしね……遠いところで生まれたの。お海の向こうで生まれたの。でね、ちっちゃいときにここに来たの。お父さんの顔は……あんまり覚えてないの」
唯樹:外国産か……。──教会の人にお菊ちゃんのこと聞いてみよう。
GM:お菊は、港のところで食い詰めていたところを拾われた。母親と一緒にね。
唯樹:お母さんは?
GM:今は死んでしまってて、いない。ただ、阿波(現在の徳島県)の方からやってきたらしい。
唯樹:殿様の隠し子かな? ……本人に直接聞いてみる?
唯樹とお雪は盛親のところへ。もちろん絵夢もそこにいたが、泰蔵はどこかへ出かけているらしく姿が見えない。
唯樹:「殿、この子に見覚えとか、ない?」
盛親:「見覚えか……。(お菊の顔をちょっと見て)……いや、ないな」
唯樹:違う……? でも確か人相書きを見て……。
絵夢:ひょっとして、影武者(椎名)の子供なんじゃない?
一同:あ。
GM:なるほど、その手があったか(笑)(本当は盛親の娘、菊姫――本人は知らないと言っているが)。
誰もすぐにその考えに至らなかったのだ。キャラクターをプレイヤーで判断してはいけないという例、その2。
唯樹:とりあえず、お菊ちゃんに口止めしておこう。──お父さんの話、あんまりしちゃ駄目だよ?
GM:そんなこんなで所司代の役人が来たり、幕府方の藩の役人が来たりする。んで、教会の奥に隠れるように住んでいてもいろいろ話は聞こえてくるわけだ。その中には「今日おもしろい虚無僧が来てな……」というものもある。
一同:ヤツだぁ……(笑)。
絵夢:絶対に近づくまいと心に誓おう。
GM:とにかく、いろんな人や情報が入り乱れている。さっき言ったみたいな「秀頼が蔵の中で死んだ」とか、いろんな人──真田幸村など敗残の兵が捕まってるとか。かと思えば真田幸村と豊臣秀頼がふたりそろって薩摩に逃げ延びたとか、明石全登が長崎の船に乗って外国に行こうとしてるとか。そういう風の噂も入ってくる。
唯樹:この後、僕たちは殿をどうすればいいんだっけ?
GM:いずれ伏見の林豪のところに連れていってくればいい。林豪としては、越前の方に逃がそうとしている。知り合いの寺があるからね。
唯樹:そっか……。
|