GURPS・EDO『れ・みぜらぶる』〜旅情篇〜(伍)

GM:そしてそして、お雪たちの方にも武者たちが姿を現す。その数なんと……!(コロコロ)三人だ。

お雪:ヤバイですね……。

GM:盛親は怪我がまだ治りきってないから戦力外ね。

GM/武者3:「お、おとなしくしろ、お前たち!」

絵夢:「おとなしくしたら、あーんなことやこーんなことするんでしょ!」

武者3:「それはそれで楽しいもんだ」

絵夢:「こっちは楽しくないもん〜」

武者3:「そんなことを口論している場合ではない。──用があるのはお前たちじゃない、その男だけだ」

絵夢:「そーいうことは言われると……女がすたるよね」

お雪:「そうですね」 ──<閃光>の魔法?

GM:悪いけど、口論の間に集中、てのはナシね。

お雪:……じゃ、叫びましょうか。

お雪&絵夢:「「きゃああああああ……! トリマルさーん!」」

唯樹:トリマルじゃなくてカラスマなんだけど……。──何秒でかけつけられる?

GM:サイコロ1個振って、2倍して。

唯樹:(コロコロ)2だから、4秒後だね。

GM:んで、武者3が、絵夢を押しのけて盛親に歩み寄ろうとする。

絵夢:う、止めたい。……でも触られるのはもっと嫌。

GM:どうする?

絵夢:うー……じゃあ……呪文に集中してるし、殿には悪いけど、よける(笑)。

GM:(サイコロを振って)──とか言ってるうちに、頭をぐいっとつかまれて押しのけられる。

絵夢:あん♪

GM:ではここから戦闘ってことで。──イニシアティブを振ろうか。(コロコロ)4。

お雪:(コロコロ)……あう、また2です。

GM:お雪さんはいつもそうだな。──では、こちらから。武者3が盛親の方へ歩いていく。残り二人もそれに続こうとする。

お雪:何とか止めないと……(コロコロ)私の体力じゃどうしようもないですね。ずるずると引きずられそう……。

絵夢:あたしもがんばるッ! 武者5の前にでーんと立ち塞がるぞぉ。

GM:体力勝負で勝てるかなぁ? (コロコロ)……う、1成功。

絵夢:(コロコロ)あッ、2成功! 勝った! ぐいぐい!

GM:む、なかなかやるな……。

お雪:一生懸命押してる姿が、ちょっとかわいいかも……。

絵夢:それで、こっちの番? それともぐいぐい押し合いで終わり?

GM:あー……、そっちで、いいよ。

絵夢:それじゃ、ちょっと離れてほぼゼロ距離射撃の<氷のつぶて>!(レベルが高いので集中時間ナシで使える)(コロコロ)ちょっとスゴイかも発動判定クリティカル!

唯樹(天の声):それはGMが何かサービスしてくれるかも。色をつけるとか。

GM:……まあ、それぐらいなら。

絵夢:じゃあ抹茶色ね。今日の氷は宇治金時よー!

GM:抹茶味か……。クリティカルだと何か効果あるんだっけ?

お雪:体力の消費がゼロになるんじゃありませんでした?

GM:じゃあ、それでいいか(ウロ覚え)。(コロコロ)──宇治金時を食らってベタベタだ(笑)。

お雪:そこへ<閃光>の呪文です! ピカピカぁ!

GM:(サイコロを振って)片方が抵抗失敗。しかもファンブル。……どうなるんだっけ?

お雪:……さあ、よく覚えてません。

GM:じゃあ、面倒臭いから、頭痛と吐き気もしてきて事実上戦闘不能でいいや。こんなとこでテンポを乱したくない。
 

 続く第2ターン。お雪さんが珍しく先手を取った。
 

お雪:「逃げましょう!」

絵夢:「え〜、ここまでやって逃げるのぉ!?」

お雪:「無益な殺生は避けるべきです」(←「平和愛好」という特徴を持っている)

絵夢:「でも、ここで逃げたらアイツらと合流できないかもしれないよ?」

お雪:「それはそれ、これはこれ」

GM:アイツらが、合流して役に立つヤツかどうかということも考えてね(笑)。

絵夢:しまった、そうだった……。……でも、一部は役に立つかも。カラス君ももうすぐ来るし。
 

 てことで戦闘続行、絵夢は再び氷のつぶてを放った!
 

絵夢:今度はブルーハワイ!(←江戸時代)

GM:クリティカルしないと色はつかないぞ。──そして更に、新たな軍勢が現れる。その数何と七人!

お雪:三〜四秒足らずでですか?

GM:そこらへんを大勢で探索してるワケだから。

お雪:そんなとこで碁とか打ってたんですね、私達……。……馬鹿すぎる……。

絵夢:これは、さすがに逃げようか。

唯樹:僕はまだ着かない?

GM:着いていいよ。

唯樹:でもこれはさすがに……。

お雪:やっぱり、逃げましょう。

唯樹:よし、三人で逃げよう!

お雪:なんでやねん(ツッコミ)。
 

 盛親を連れて逃げる三人。しかしその眼前にまたも追っ手の姿が!
 

GM:その数なんとッ! (コロコロ)一名。……出目、わろし。

唯樹:「大振り」で斬る〜! (コロコロ)当たりかけているよ〜。

GM:……不意打ちなんだ。目が合った瞬間斬りかかってこられるんだ……(笑)。

お雪:椎名さんたちかもしれないのに。

唯樹:大丈夫、アイツらはこのぐらいで死んだりしないよ〜。

お雪:……お城で死にかけていませんでしたっけ……。
 

 唯樹の不意打ちに続いて、絵夢の魔法が発動。……しかしこれがファンブル! 絵夢は豪快に転んでしまうことに……。
 

唯樹:袴がめくれちゃってるよ〜。

お雪:擦り傷切り傷だらけになりそうですね。

GM:(判定をして)えーっと、烏丸の攻撃でコイツは朦朧状態だね。

お雪:その横を駆け抜けましょう。――絵夢ちゃん、立って。

絵夢:「いたたたた……。くっそぉ〜」

GM:そんな君達の前に更に追っ手。その数……(コロコロ)九人。

一同:うわ、こ、これはさすがに……。
 

 ぐるりと囲まれてしまう一行。仕方なく降参することに……。
 

盛親:「ひとつ聞こう。ここで捕まるとして……その後俺を助け出す自信はあるか?」

お雪:ありませ〜ん。

唯樹:アナタが、女性ならば。

GM:なんでや。

唯樹:女性は守るって決めてるんだけどなー……。それに、このまま三人で逃げたい気分かも。

お雪:(ニッコリ笑って)ですから、自信は、ありません。

絵夢:まーかせてください。必ず助けにいきますから。自信満々。満々ですから。超OKですよ。

GM:……結局、どうなんだ?

絵夢:「任せてください」

盛親:「あいわかった。(追っ手に向かって)お前らにこの首、とりあえず預けておくことにしよう」
 

 こうして……盛親ひとりを連れ、追っ手達は引き上げていった。

 椎名たちがそこへ駆けつけたのは、それからしばらくもしないうちだった。そして、泰蔵も。
 

椎名:「殿はどうなされた?」

お雪:「あのね、つかまっちゃったのぉ〜☆」

GM:なんでそんなにぶりっこなんだ……?

唯樹:泰蔵……怪しすぎる……。

お雪:(こっそりと)「泰蔵さん、あなたスパイなんですか?」

泰蔵:(小声で)「ななな、何のことやら……」

お雪:(唯樹に)「違うそうです」(←朴訥なので相手の言うことを信じてしまうのだ)