彩:「では早速お城に……」
侍:「いや、今日はもう遅い。移動の疲れもあるだろうし、宿を取っておいたからそこで休みなさい」
GM:といって駕篭を錦江屋に回す。
大内:なるほどな。
彩:ここは一つ、だまされたフリをしておこう。
桂川/彩の代役:「何から何まで申し訳ありませぬぅ」
トン:我々も同じ宿に部屋をとって待機しておこう。……六畳間ひとつでよいかな。
GM:了解。――彩が案内されて行くところは店の結構、奥の方。こないだは入れなかった、特別室とかのあるところだね。
ヤン:あ〜んなことやこ〜んなことをする部屋だね。
レモン:忍んでついて行く?
ヤン:そうだね。(コロコロ)……あっ、失敗してる(笑)。
桂川:突然後ろでガタン! って(笑)。
ヤン:あれッ? どこ行った?
レモン:やれやれ(ちょいちょい、と手招き)。
GM:さて、しばらく行くと主人の部屋とおぼしき部屋に着く。
彩:おや、今日はここに泊まるんですか?
GM:ちっちっちっちっ(舌打ち)。案内の侍が一枚の畳をぺらっとめくると、下へ続く階段が現れる。
大内:そんなとこに入れるのか。
彩:明らかに怪しいんですけど(笑)。
トン:そういう時は『ほえ〜』って言っておけば大丈夫。
侍:「まぁ、我々としても万全を期する必要がありましてね」
彩:「万全、といいますと?」
侍:「実は最近鹿児島城下でかどわかしが頻発してるんですよ。城がらみの仕事をしている娘ばかり」
彩:「なるほど〜、そういうことですかぁ」
大内:まあ当然、納得はせんわな。
GM:どうする? 入る?
彩:もち。てってーてきにだまされなきゃ。
ヤン:下かぁ。天井裏から何とかまわって入れないかな。
GM:無理だろうね。天井裏から出てきた時点で見つかる可能性は特大だね。
ヤン:しょうがない、みんなを呼ぶかな。(レモンに)「行ってきて」
レモン:「またあたし? ……いいけど」
ヤン:「よろしく。その間、部屋の方はしっかり見張っておくから」
レモン:「不安だなぁ……。さっき失敗してたし」
ヤン:「大丈夫だって。ささ、行って行って」
レモン:「はいはい。頼んだよ」
彩:ところで………下(地下)はどんな感じ?
GM:地下室。太い材木でできた一種のオリみたいなのがあると思いねぇ。
大内:地下牢か。
GM:そんなとこ。ただ、牢というにはあまりにも快適。広々した青畳で、フロ・トイレはもちろんセパレート(別室。三点ユニットではないということ)で完備。しかもウチワつき(笑)。
桂川:いい部屋じゃん。
トン:我々のとった六畳間とは大きな違いだな。
桂川:狭いなー(笑)。
レモン:力士もいるのに。
トン:いや、彼は磯の桜岳屋に置いてきたんだよ。
大内:ツケもだいぶたまっていたしな。
桂川:必要に応じて召喚しよう。
GM:話を彩の方に戻そう。
彩:着替えとかは?
GM:錦江屋の浴衣くらいなら。ついたてがあるから覗かれる心配はないね。
彩:お菓子ほしいなぁ。
GM:番人のひとりが走っていってかるかん(鹿児島銘菓。決して九州銘菓ではない。無論、ネコ缶でもない)を取ってきてくれる。
ヤン:いいな、それ。
彩:他に何人かいる?
GM:二人。だから君を入れて三人だね。
彩:このまま居座っちゃおうかなぁ(笑)。
GM:とまあ、下はこんな感じだよ。――六畳間の方は?
桂川:私は別の部屋取るよ。お金持ちだし。
ヤン:……ヤな女(笑)。
GM:で? 何してるの?
桂川:食べて、飲んでる(笑)。
GM:またかい……。
レモンから状況を聞いた一行は、夜中スキをみてその地下室に行ってみることに。
しかし見張りのヤンの目の前で、宿の一家(主人、女房、幼い子供)が地下入り口の畳の上に布団を敷いて、眠りについてしまう。
ヤン:――てな感じだけど。
桂川:そっかぁ、それじゃ助けらんないねー。
トン:しかも今はまだ、決定的な場面ではないからな。
ヤン:そだね、囮なんだから助け出してもしょうがないよ。
大内:動きがあるまで待つか。
彩:(地下室から)あたしはそれでも構わないよ〜。
桂川:はっ、今私の心にテレパシーが(笑)。
ヤン:アタシにも。『私のことは構わないから、飲んでて』って(笑)。
トン:ではそういうことで、飲みながら待つとするか。
――翌日。
GM:一日が何事も無く過ぎていく。錦江屋は今日も大繁盛だね。
トン:おや?
桂川:うん?
トン:何でお城に連れて行かれないのかな?
大内:確かに。
彩:「すいませーん」
GM/番人:「はい?」
彩:「今日はお城に行く日じゃないんですかぁ?」
番人:「は?」
彩:「お城の方で働くために来たんですけど……」
番人:「さあ、何も聞いてませんが」
ヤン:(突然)責任者出てこ〜い!!
大内:ま、予想通りだけどね。
彩:しょーがない、あや取りでもしていよう。
――そんなこんなで日は暮れる。
GM:夜だよ。みんなどこにいる?
彩、ヤンは言うに及ばず。桂川、レモンは二階の客室。大内、トンは店向かいの蕎麦屋(兼飲み屋)。力士は磯でマキ割り。
GM:なるほど、では……そうだな、飲み屋の二人。
トン&大内:おう。
GM:宿の正面に立派な駕篭が止まる。で、中から、明らかに日本人でない者が出てくる。
トン(インド人):外人外人、いやぁ、初めて見た(笑)。
大内:おい(笑)。
GM:ついてる侍は四人。計五人が錦江屋の中に入っていく。
トン:少し間を置いてから部屋の方に知らせに行こう。
大内:そうだな。――おやじ、勘定だ。
GM:一方宿の中の方。階下で人が歩いてく音が聞こえる。
桂川:覗いてみよう。
GM:見えたのは侍二人。奥の方に向かっているようだ。
桂川:ほうほう。
トン:そろそろそちらに戻ってよいかな?
GM:どうぞ。
トン:実はさっきかくかくしかじか……。
桂川:あの、実はこっちでもかくかくしかじか……。
大内:GM、連中が行ったのは――
GM:例の部屋だ。
桂川:よし、じゃあ行ってみよっか。
GM:ところが残念、部屋には行けない。店の人に止められる。
GM/仲居:「こちらから先は関係者以外立ち入り禁止でございます。お戻りください」
大内:ではしょうがない。いったん退くか。
GM:さてヤン。天井裏の君のところにレモンがやってくる。
ヤン:「お、どうしたの?」
レモン:「……来るわよ」
ヤン:「何が?」
大内:ダメだよそれじゃあ。その一言ですべてを把握しなきゃ(笑)。
GM:例の部屋を見てると、まず、女中がお膳を運んでくる。上座に一つ、下座に一つ。
ヤン:なるほど、例のアレが始まるわけね(笑)。
GM:で、下座に錦江屋の主人が座る。そして上座に外人、白人だね。その横に通訳らしき日本人の武士が座る。
ヤン:なーに? あの人。
彩:ロリータ外人……(笑)。
GM:ところで君ら(二階客室にいるトン・桂川・大内の三人 )はどうすんの?
トン:庭に潜んでおく。
桂川:とーぜん、この辺にあるべき植え込みに(笑)。
大内:いい場面になったら出て行くから。
GM:あいよ。