GURPS・EDO―薩摩編―(拾壱)

―其の伍『鹿児島に悪の討たれること』―

桂川:どうしよっか、これから。

トン:結構みんな重傷なのでは?

大内:とりあえず一晩は休もう。

ヤン:一晩で回復は1点だけだよね?

桂川:私医者だから治せるよ。いくらかは。

GM:別に全快するまで休んでってもいいぞ。その間に何人さらわれるか知らんがね。

トン:それもそうだ。

大内:やはり朝になったら鹿児島に出発しよう。

彩:珍しくやる気だね。

GM:じゃあ行くんだね。

大内:おう。ついでに家老にもそろそろ報告入れなきゃならんしな。

GM:さて鹿児島に着いたよ。どっちを先にする?

桂川:錦江屋(ヤクザから聞き出した、鹿児島の宿)か、お城か。

大内:そりゃお城が先だろ。

GM:はいはい。で? どう報告する?

大内:かくかくしかじか(笑)。

ヤン:全部しゃべっちゃうの?

彩:いいでしょ、全部しゃべって。

ヤン:家老が黒幕の可能性もあるんでしょ? やばくない?

大内:そん時ゃそん時だって。

桂川:そだね。じゃあ、かくかくしかじか。

有園:「うむ、分かった。そういうことか。では引き続き、捜査を進めてくれ。以上だ」

 てな訳で、城下の飲み屋(←またかよ)で作戦会議。
 

トン:錦江屋に行くのはよいが……こんな町なかでは攻めにくいな。

桂川:ふつーに入っちゃえば?

レモン:客を装ってね。

トン:磯からの情報はまだ伝わってないかね。

彩:まだでしょう。一晩しかたってないし。

大内:当事者全員捕まえちまったしな。

ヤン:今回(娘の)配達送れてるなー、くらいで。

トン:で、錦江屋に潜入するとして……あからさまに怪しい人物が。

ヤン:この辺(トン・大内)だね。

桂川:力士はどうしたの?

彩:邪魔だから置いてきたんだよ、きっと(前述の通り、旭海のプレイヤーは帰ってしまった)

ヤン:宿代とかだいぶたまってたし。

彩:力士がいなくても、破戒僧と和尚だとねー……。ま、あたしは大丈夫だけど。

ヤン:アタシも。

桂川:女性陣はみんないけると思う。

彩:じゃ、女四人で客として潜入するけど……いいよね?

GM:おっけー。――じゃ、錦江屋の前まで移動したことにするよ。

ヤン:「こんちゃー」

桂川:「頼もぉー」

GM:入ってみると、いたって普通の宿屋だ。

桂川:あ、特別豪華なわけじゃないんだ。

GM:うん。店そのものは大きいんだけどね。で、君らは十畳くらいのこれまたいたって普通の部屋に通される。もっとも、特別室みたいなのも別にあるんだろうけど。

彩:そこがいい〜。

GM:藩の金なんだからゼイタク言うな。

トン:ところで特別室では何が行われているのかな?

ヤン:あ〜んなことやこ〜んなこと(笑)。

トン:特別な客に?(笑)

ヤン:そう(笑)。

トン:その特別な客にサービスする人たちがいたりするわけだ。

GM:まぁ………男女問わずいるだろうね。

大内:その特別な客になりてぇな。

レモン:(無視して)どうしよっか、これから。

桂川:とりあえず探検。宿の中を。

彩:わーい、卓球やろ、卓球!(←江戸時代)

大内:従業員のお尻を触って、嫌われる(笑)。

GM:おまえはここにおらんやろ。

レモン:破戒僧と和尚の二人は何してんの?

大内:宿の正面に蕎麦屋があるに違いないから(笑)、そこから見張っとく。

トン:ではワタシは宿の裏手にまわろう。

彩:ほうほう。

トン:そこで主に台所から出る残り物で生活している方々に話を聞いてみるかな。

GM/無宿人:「なんだ? てめーは」

トン:「最近景気はどうかな」

無宿人:「まあまあだな」

トン:「料理の質が急に落ちたりはしてないかね?」

無宿人:「はぁ?」

トン:人肉とか入ってなかったかい?

GM:ないないないない、それはない(笑)。

トン:ちっ。

ヤン:ちっ、て……。

彩:宿の中を探検だぁ。どこから始める?

桂川:適当にウロウロしようよ。何か見つかるかもしんないし。

GM:とまぁウロウロする女子大生(?)四人組だが………客として普通に入れるところには取り立てて怪しいところはないよ。

桂川:じゃあ普通に入れないとこに行ってみよう。

GM:普通に追い返されるよ。

トン:酔っ払って行けば大丈夫だよ。

桂川:あぁらぁ〜、まぁちがえちゃったぁ〜、って。

ヤン:よし、まずは酔っ払うことからだ(笑)。

GM:………結局酒かい。

 ――さて、時は流れて夜が更ける。
 

GM:あ、そうそう、大内のいる蕎麦屋ね、夜になると飲み屋メインになるから。

大内:そいつぁいいや。おやじ、一本頼むわ。

彩:でも一日中蕎麦屋でずーっと座ってるってのも……。

ヤン:怪しいよね……。

GM:そうこうしているうちに夜中になった。宿の中の連中、聴覚マイナス10で判定してみて。

ヤン:マイナス10? クリティカルでも振らないと成功しないよぉ。

桂川:同じく……でもないね。(コロコロ)成功した。

GM:さすが桂川。他にはいない? ……じゃあいいや。あのね桂川、階下を何人かが歩いていく音が聞こえる。――それから外の二人だけど………起きてる?

大内:(あっさりと)寝てるよ。

トン:交代でね。とりあえず、こっちが起きとく。

GM:ん、じゃ視覚判定を………成功した? ではでは、宿の前に駕篭(かご)がずらっと……そう、五つくらい並んで止まる。

トン:大内を起こそう。

GM:止まった駕篭はまたしばらくして、また夜の闇へと消えて行く。

彩:人が乗ったの? それとも降りたの?

GM:駕篭の雰囲気や担ぎ手の感じでは空車で来て、人を乗せてったみたいだな。

トン:なるほど。