GURPS・EDO―薩摩編―(拾)


 ――さて賭場の方。
 

レモン:ようやく落ち着いてきたねー。

ヤン:がんばったんだけど……結局一銭も取れなかったぁ(涙)。

桂川:やめときなさいって(笑)。

彩:一応、銀五十枚くらいは勝ったよ。……破戒僧の負け分には届かなかったけどね。

大内:返してくれるの?

彩:まさか。あんたの使い込んだ分の責任は、自分で取りなさい。

大内:えーそんなー。

桂川:でもこれで話は振り出しに戻っちゃったねー。

彩:結局賭場は関係なかった、ってことか。

レモン:――どうする?

トン:とりあえず宿に戻って作戦会議をするか。

桂川:そうだね。

GM:とまぁ、ぞろぞろと宿に戻って行くと、だ。

レモン:あれ? なんか人だかりが………。

ヤン:おやー?

彩/今日は群集:『てーへんだてーへんだ』『ざわざわ』

ヤン:「どいてどいて」(と、人込みをかき分ける)

GM:店は雨戸が閉められている。店の前にはボコボコにされて、フンドシ一つでドラ息子が吊るされている。

トン:鞭打て!!

ヤン:こらこらこら(笑)。

彩:まずはやじ馬を追っ払わなきゃ。

ヤン:「ほら、帰って帰って」(と追い払い始める)

桂川:吊るしてある縄も解かなきゃ。

トン:(縄に)火をつけるか。

彩&桂川:つけよっか。

ヤン:こらこらこら(笑)。

彩:ま、ふつーに縄を切って助けるよ。

桂川:で、中に入る。「何があったんです?」

GM:――と聞くまでもなく。例の親分と子分二人。銀次と……仮に駒吉(コマキチ)、としておく。

桂川:あれ? 三太のほうは?

GM:もう来ねーよ(笑)。で、今日も今日とて怯えている桜岳屋一家。旭海(プレイヤーは帰った)が盾になるような感じで睨みをきかせている。

彩:そりゃヘタに手は出せないよね(笑)。

ヤン:こいつら、性懲りもなく………。

桂川:やっちゃうか、また。

親分:「おやおや、皆さんおそろいで」

トン:「……出て行ってもらえますかな?」

ヤン:「出て行かないとぉ……」(トンファーを構える)

親分:「はっはっは」

桂川:「なにがおかしいの?」

親分:「いえいえ、今日もきっと皆さんお邪魔に見えられると思いましてね」

GM:そういって親分がパンパンと手をたたくと、奥から薄汚れた浪人風の男が出てくる。

親分:「先生、こいつらです。軽ーくやっちゃって下さい」

浪人(先生):(無言で刀を抜く)

彩:「面白い。やっちゃおーじゃん」

桂川:「かかってらっしゃい」
 

 とりあえず、

 桂川:<閃光>準備
 彩:<電光>準備
 ヤン:先生のところに移動
 レモン:同上
 旭海:全力防御
 トン:<火吹き>準備

 銀次:逃げ腰で動けず
 駒吉:桂川/彩の方に移動
 先生:レモンにダメージを与える
 親分:銀次をけしかける

 といった感じで戦闘がはじまった。
 

 第二ターン、イニシアティブはトン和尚がとった。
 

桂川:<閃光>発動!! (コロコロ)……失敗。また集中しまーす。

彩:一歩下がって呪文の集中。

ヤン:先生にフェイント即攻撃ね。フェイントは1成功。

GM:効いてない。

ヤン:ちぇっ。じゃあそのまま武器持ってる腕に攻撃。(コロコロ)はずれ。

GM:レモンの攻撃は先生に当たり。
 

 ちなみにこのあたりで胴元を倒した大内が戻って来ているのだが、中の音にまったく気づかず、人込みを追っ払うことに専念していた。
 

GM:では先生だ。目の前のヤンに攻撃。

トン:さっきヤンは全力攻撃したんじゃ……。

ヤン:うん。ちなみに受動防御は1。

GM:先生の刀が当たりかけて――

ヤン:防げない。

GM:4点の「切り」。駒吉は桂川に攻撃。

桂川:ひゃー、それは(コロコロ)……当たってるぅ。

GM:ダメージは同じく「切り」の4点。

桂川:(コロコロ)ん、集中は切れてない。

GM:銀次は一応、ドスを抜いて構えるそぶりは見せる。

彩:親分は?

GM:怒鳴りつけてるだけ。さて次のターンだ。

大内:その前に、店の中での戦闘に気づくかどうか聴覚判定していい? (コロコロ)……気づかないし(笑)。
 

 第三ターン。
 

 トン和尚、クリティカルで<火吹き>発動。目の前の先生をアフロにする。

 先ほど桂川に切りつけた駒吉は彩の<電光>で返り討ちに。
 

GM:無茶苦茶するなぁ、家の中だっていうのに。

桂川:いいじゃん、もうぼろぼろの店だし(笑)。
 

 ヤンは全力防御。レモンの先生への攻撃ははずれ。
 

トン:<火吹き>クリティカルのボーナスとか無いのかな?

GM:……そうだな、ものすごい音が出る、ということにしようか。大内の聴覚判定にプラス10。

大内:プラス10か。目標値18、てことは絶対成功するだろう。(コロコロコロ)………6、六、ろく。ファンブルぅ(爆)。

彩:何やってんのよぉう!(笑)
 

 その後、駒吉・先生と立て続けの攻撃を食らったヤンが、重傷となる。
 

銀次:(逃げ腰のまま)「こっ………これでもくらえっ」

親分:「えい情けない! やれ! やらんか!!」

桂川:言うだけ?

GM:言うだけ。
 

 第四ターン。
 

先生:(生命力判定失敗)「………ぐふっ!」(倒れる)

銀次:「あっ、先生!! くっそー、よくも、よくも……」(言うだけ)

親分:「銀次!! 何をやってるんだい、おまえは!」

レモン:……そーゆーアンタは何をやってるのよ。

トン:呪文発動。ボフッと、指先から火。

桂川:そろそろ火球のでっかいのができたんで、投げる。(コロコロ)当たり。燃えろ駒吉ぃ!!

ヤン:駒吉に攻撃。ダメージは10点!(←かなり元気な重傷患者)

GM:(判定して)はい、さようなら。

トン:火を出したまま銀次の方に歩いていこう。

GM:逃げるよ、そりゃ(笑)。

銀次:(親分の方へ後ずさりしつつ)「く……来るな! 来るんじゃねぇ!!」

GM:親分はそんな銀次を叱り飛ばしてけしかけながら逃げ出すよ。んで、雨戸に取りついて勢いよく開けると……

大内:俺がいるわけだ(笑)。

ヤン:またおいしいところをぅ!

彩:さあ、まず銀次はどうするのかな?

銀次:「…………ごめんなさい」

桂川:よし(笑)。

GM:親分の捨て鉢の攻撃は大内に当たり。

大内:やられたらやり返さなきゃ。体当たり。

GM:(コロコロ)かわしたよ。

大内:ありゃ。

ヤン:その背後から攻撃。ダメージは11点!(←やっぱり元気な重傷患者)

トン:指先から火を出したまま、すーっと。

GM:親分は……親分は……

親分:「ごめんなさぁーい」(土下座)

大内:そりゃそうだろ(笑)。

桂川:このパーティ、変な威圧感だけはあるからねー(笑)。

GM:というわけで戦闘終了でーす。お疲れ様。

彩:とりあえず応急処置してー。

ヤン:アタシもー。

桂川:(何回かサイコロを振って)あ、彩ちゃんのぶん失敗しちゃった(笑)。

彩:そんなぁ……。

レモン:じゃああたしが……(コロコロ)ファンブル?

彩:(絶句)

GM:ダメージを2点ほど食らっておいてね。

彩:しくしくしくしく……。

GM:さて。

彩:親分をシバいちゃうぞ。

ヤン:早いね、行動が。

彩:三角木馬を持てぇい!(←とってもやる気)

GM:で? 何を聞くのかな?

大内:「なぜ、この店につきまとう? 誰に頼まれた?」

親分:「さーて、知らねぇなぁ」

彩:なぎなたを……。

トン:顔を寄せてみよう。

ヤン:力士も一緒に。

桂川:うわぁ……(笑)。

GM:……耐えれんな、絶対。

大内:「もう一度聞こう。誰に、頼まれた?」

親分:「……錦江屋でさぁ」

桂川:錦江屋?

レモン:鹿児島の方にあったでっかい宿屋のことね。

大内:「そこに借金取り立てろ、って言われたのかい?」

親分:「違いまさぁ。あっしらは『なんとしても娘を連れて来い』って言われただけでさぁ」

ヤン:「借金を口実にしたわけだね」

親分:「へい、左様で」

大内:「なるほどな。もうひとつ聞いとこう」

親分:「………」

大内:「賭場の借金。元々がインチキだったんだから、当然返すよな?」

GM:いや、元締めがこいつだとは一言も……。

大内:こういうのは大抵根は一緒だろ?

GM:……まぁ、いいけどね。

親分:「かっ……返します。もちろんですとも」

桂川:「件の『かどわかし』とは何か関係あるの?」

親分:「何が『件の』かはわかりませんが頼まれて娘を何人か、連れて行きやしたぜ」

彩:「それが件のかどわかしでしょーが(笑)」

ヤン:そのまんまだ(笑)。

桂川:もうしちゃダメよ、こんなことは。

GM:そりゃそうだ。もう親分もこりごりだろうよ。

トン:立ち直りも早いんだよね。

ヤン:やたら速やかに更生するからな(笑)。

大内:よし、じゃ放してやろう。

彩:さ、片付け片付け、と。