GURPS・EDO―薩摩編―(弐)

―其の弐『異形なる力士のやくざを追い払うこと』―

 さて、これから共に行動することと相成りました七名。

 家老の元を去り、取りあえず城下へと下りて参りました。
 

レモン:「さて、これからどうしよっか?」

旭海:「とーぜん、『合格祝いじゃ〜』って飲みに行くでゴワスが?」

彩:「あ、いいね〜。のった」

ヤン:「アタシも」

彩:「ケイねぇはど〜する?」

桂川:「家に帰って修業!」

レモン:「えぇ〜?」

旭海:「何? 千鳥町どのは飲みに行かれないのでゴワスか?」

彩:「ケイねぇ行こうよぉ〜」

桂川:「じゃあ行くぞ!」(←変わり身の早い……)

レモン:「結局みんなで行くのね?」

トン:……坊さんだからなぁ……。

旭海:どこぞの破戒僧とはえらい違いですのぉ。

大内:失礼な。あ、ちなみに俺はもうそこにはいないから。

GM:は? どこにおると?

大内:そのうちわかる。

彩:「和尚、飲まなくてもいいから一緒に行こうよぉう」(←駄々っ子?)

桂川:飲み屋の前で托鉢してるだけ、とかね。

トン:「では、ついて行くだけついていきましょう」

彩:「わぁーい」

GM:じゃ、取りあえずみんな行くんだね?

一同:は〜い。
 

 で、飲み屋である。
 

大内:(茶わんを置きながら)「よう、偶然だな(笑)」

桂川:(座るなり)「マスター、カルーアミルクちょ〜だぁ〜い」

レモン:「こらこら(笑)」

GM:ま、ちょっとした町の居酒屋風のを想像して。

旭海:「とりあえず、焼酎とドンブリめしを貰えるかのう、御主人!」

ヤン:「ごはんを食べるの? 焼酎と?」

彩:「女のコ四人で飲もうよ、パァーっとさ」

旭海:「何だ、女の子は女の子で集まってしまったでゴワスか」(つまらなさそう)

トン:「じゃぁワタシは酒が飲めんから水杯を……」

桂川:「こらこらこら(笑)」

GM:ちょっとまてプレイヤーA。そのビールは何だ?

大内(のプレイヤー):ん? せっかくだからプレイヤーも飲もうかと思って。

彩(のプレイヤー):あ、じゃあ適当についで回って。

桂川(のプレイヤー):GMは?

GM(超下戸):いらん。ウーロン茶くれ。
 

 さて、EDOに戻ろう。
 

大内:(席を立って彩の肩を抱くようにもたれかかり)「まざってもイイかい? ねぇちゃんたちぃ。フフッ」

桂川:「あ、席空いてますよ〜」

彩:「ツバメねぇ(ヤンのことだ)、お酒ついでよ」

ヤン:「は〜い」

大内:「おやじ、牛鍋をひとつ」

桂川:牛を食べるんですか?

旭海:それは時代が悪いのでは?

大内:いやいや、こいつは破戒僧だから食うんだよ。(←そういう問題か?)

飲み屋の主人(以下おやじ):「いや、牛の方はちょっと……」

レモン:「じゃ、盛り上がっていこうか」

一同(プレイヤー含む):「かんぱ〜〜い。ごくごくごく…………(杯/コップをおいて)おめでとー、おめでトー」(なぜか拍手)

ヤン(のプレイヤー):よく冷えてるな、これ。

大内:(猫なで声で)彩ちゃ〜ん。

彩:何か迫られてるんですけど(苦笑)。

トン:桂川って年いくつ?

桂川:十九歳。独身。

ヤン:『いきおくれ』だね。

桂川:やかましい。

トン:もっと上の独身もいるんだが。

レモン:…………。

大内:おい、酒が切れた。

彩(のプレイヤー):冷蔵庫にあるよ。

おやじ:「すぐお持ちします」

旭海:「おかわりっ!!」

ヤン:「よく食べるなぁ……」

GM:さて。

一同:(全く気付いてない)

GM:さて!

桂川:はい。

レモン:「何か表の方、騒がしくない?」

彩:ん?

旭海:ではそっちの方を見てみよう。

大内:「ふん、無粋な連中だ」(ぐいっ……と酒を飲む)

GM:入り口の方では何やら酔っ払いが因縁をつけられてるみたいだ。どうも通りがかったチンピラの肩にぶつかったらしい。

彩:ほー。

ヤン:チンピラと?

GM:酔っ払いだね。こっちはフツーの……そう、くたびれた町人風の男。一生懸命謝ってるんだけど、チンピラの方が聞いてないね。

桂川:なんてお決まりな……(笑)。

旭海:じゃぁふらりとそっちの方に寄って……。

大内:(その手をつかんで)「やらしとけ、やらしとけ」

桂川:プレイヤーが何かみょーにハマってる〜(笑)。

旭海:「いや、しかしですなぁ」

トン:「まぁ関取どの、仏教の教えに『自業自得』という言葉がある」

一同:(笑)。

旭海:「しかし……『袖擦りあうも多少の縁』という言葉もありますし……」

大内:(即座に)「それ仏教と違う」

レモン:「そもそも袖擦りあってない」

旭海:「………」

彩:「とりあえず、見に行こうよ」

旭海:「そっ……そうそう。『火事と喧嘩は江戸の華』って言うし」

桂川:(即座に)「ここ、薩摩」

旭海:「…………………………」

ヤン:野次馬だぁ! ひゅーひゅー、やれやれー!!

桂川:ひゅーひゅー!!

GM:チンピラはこのふたり(といってコマをならべる)。名前は銀次(ギンジ)三太(サンタ)

旭海:はは、いかにもスリっぽい名前だ。

銀次:「よぉよぉ、痛ぇじゃねぇか」

三太:「いってぇどぉうしてくれるんだい? おう?」

酔客:「だだっ……だっ……だからこうして謝ってるじゃないですかぁ」

三太:「謝って済むもんならよぉ、お白洲はいらねーんだよぅ」

レモン:「どうする?」

桂川:「見ていよう」

GM:おいおい。

彩:手を出したらドツきにいこっと。

ヤン:それまではあおっとく。いえーぃ、いえーぃ!!

旭海:「やれやれ……。(チンピラ二人の肩に手を置いて)まぁまぁ二人とも、その辺にしといたらどうでゴワスか?」

銀次:(振り返って)「な……なんだテメぇは!」

三太:(同じく)「てっ……テメぇにはカンケーねぇだろぉ!!」
 

 旭海、顔(容姿参照)をぐいっと近づける。
 

ヤン:すごく怖いよ、あれ。

桂川:あたしなら止まるよ、多分。

トン:いきなり謝るような気もするが。
 

 旭海、さらにぐいいぃっ!
 

銀次:「よっ……よよよよよよ余計なお世話だ! (酔っ払いに)う、運がよかったな、今回だけは見逃してやる!!」

三太:(旭海に)「おっ……覚えてろよォ〜〜!!」

GM:と、言い残して二人は走り去る。

大内:(やっと店から出てきて)「何だ、ケンカにならなかったのか」

レモン:「よかったじゃない、面倒なことにならなくて」

彩:「そだね〜」

ヤン:「ちぇー、つまんないのー」

GM:酔っ払いがお礼を言ってくるよ。

旭海:(ニッコリ微笑んで)「いえいえ、当然のことをしたまでゴワスよ」

桂川:ニッコリ笑うともっとブキミだね(笑)。

ヤン:「うん、お礼はお酒でいいよ」(←君が何をした?)

大内:(酔っ払いの足もとにシャラーンと錫杖をついて)「では、お布施を」

GM:酔っ払いはそそくさと帰っていくよ(笑)。

酔客:「あっ……あいがとごわしたああぁぁぁ……!」

桂川:行っちゃった。

彩:じゃ、飲みなおそっか。

ヤン:そうだね。

一同(とそのプレイヤー達):かんぱ〜〜〜い! ごくごくごくごく………。

GM:よく飲むなぁ、おまえら………。
 

こうして、夜は更けていく。