GURPS・EDO―薩摩編―(参)

―其の参『磯に娘御のさらわるること』―

GM:ではでは、集合の日だね。

ヤン:いえ〜い。

桂川:いえ〜い。

彩:なぜ、『いえ〜い』?

GM:知らん。さて君たちは再び鶴丸城に集まってきた。

一同:うむ。

GM:で、家老……君たちの雇い主がだね――

大内:家老かぁ……やばいな。

GM:

大内:きっとこいつがラスボスだ(笑)。

GM:何でそういう穿った見方をするかなぁ。

桂川:だって、ねぇ。

ヤン:このGMだし、ねぇ(笑)。

GM:過去の話だ。忘れろ。

有園:「さて、準備は整ったかね?」

一同:(うなずく)

有園:「任務の内容は先だって述べた通りだ。早速行ってくれ。健闘を祈る。以上だ」

レモン:「……えらくあっけないね」

ヤン:「よし、じゃ行こうか」

トン:プレイヤーもね。歩いて、今から。

彩:お〜い(笑)。

ヤン:みんな歩いて行かなきゃならないの?

桂川:ん? だってGMの車じゃ乗り切れないじゃない。

GM:待て、ホントに行こうというのかい?

ヤン:じゃなくって、PC。着くころには夕方なんじゃない?

GM:馬貸すか? <乗馬>技能とか持ってる?

ヤン:いや、ないけど。

旭海:乗馬? 持ってる。

トン:ちょっと待った(笑)。……相撲取りが……乗馬?
 

一同、その姿を思い浮かべ、爆笑。
 

旭海:あのね、スモーとりっていってもそんなに太ってないでゴワス。せいぜい、鎧武者位の体重しかない。

桂川:(笑いながら)でも、容姿が……。

ヤン:馬がしり込みするんじゃない?

レモン:かわいそう……馬が(笑)。

大内:馬食いそうだもん、こいつ。

旭海:何でそこまで言われなきゃいけないんだぁ(涙)。

GM:………とまぁ雑談してるうちに、磯に着いたよ。

大内:歩きながら馬がどうとか話してたのか?

GM:……いいの。そうすると、近くの砂浜わきの松林で、一人の若い娘が乱暴されかけているのが見える。やくざ風の男二人にだ。

彩:しつもーん。

GM:はい。

彩:そのやくざに見覚えは……。

GM:ありまくり。

桂川:やっぱり(笑)。

旭海:じゃあそこに『待て待て待てぇー』って駆けつけてあげましょう。

彩:その走っている横を走り抜けまーす。(←移動力6(メートル/秒))

ヤン:同じく走り抜けまーす。(←同7)

旭海:しかぁしっ。どどどどどどどどどどどどどどど……

桂川:はっ……速い。(←同4)

レモン:全然追いつかないんですけど。(←同6)

トン:移動力いくら?(←同6)

旭海:8。

ヤン:何でそんなにはやいのぉー!(←力士より足の遅い忍者)

旭海:はっはっはぁ、ワシが先頭じゃ。

ヤン:あっ、砂煙が目に(笑)。

大内:コイツ、よく見たらマラソン技能まで持ってるぞ(笑)。

GM:……何がしたいんだ? こいつは。

ヤン:まさしく重戦車。

大内:俺は悠々と後ろの方に回るかな。

GM:さぁ戦闘だ。時代劇らしく華麗にやってくれよ。

レモン:ところで……このパーティー、リーダーって誰?

彩:レモねぇ(レモンのことだ)やっちゃえば?

GM:NPCやないか、レモンは。

旭海:単純に選ぶんだったら……一番の年長者とか。

ヤン:誰?

桂川:和尚(トン)。

大内:じゃあそれで……ってこいつがぁ?

旭海:身長で選ぶという手もある。

レモン:それも和尚だね。

彩:戦術技能とかは……

大内:誰も持ってねぇな(戦術技能を持っていると、イニシアティブで有利になる)

桂川:次席は破戒僧だけど。

ヤン:もっと不安だ。

レモン:じゃあ和尚にする?

彩:そうだね。リーダーはトンカンキュー和尚に決定!
 

 一悶着あったが、何はともあれ戦闘である。
 

銀次:「てっ……てめぇら、また……」

三太:「邪魔しに来やがったのか!?」

銀次:「こんどは容赦しねぇぜ!」
 

 意気巻くチンピラども。
 

桂川:「乙女の敵!」(←……は?)

彩:「許せないわっ!!」(←……わ、って)

旭海:「その二人(←娘はひとりなんだが。誰のことなんだろう)を離すでゴワスぅ!」
 

 猛然と砂煙をあげて突っ込んでくる相撲取り(しかもあの容姿)に、さしもの二人もたじろいだ。

 ニ、三歩退いて、肩が何かにドンッ、とぶつかる。

 振り向いた銀次の目の前に………
 

 シャラーン! と錫杖の音が響く。
 

大内:「南無阿弥陀仏、ナムアミダブツ…………」

桂川:あっ、それいい!

レモン:しまった、オイシイところを(笑)。

三太:(気を取り直して)「じゃじゃ、邪魔すると命はねーぜ!!」
 

 第一ターン、イニシアティブはトンが取った。
 

桂川:とりあえず懐から札とりだす。火球の準備ね。(コロコロ)……いえ〜い。

旭海:じゃあいくでゴワスよ。相撲技能で組み付きね。

桂川:うっわ〜。

旭海:銀次と敏捷力の即決勝負なんだけど……。

GM:(コロコロ)……失敗した。

旭海:うりゃあ! がしっ(組み付いた)。

銀次:「んのぉ〜〜〜〜ぅ!」(←なに人?)

ヤン:嫌ぁー(笑)。

彩:(三太に)なぎなた振りまーす。

GM:(コロコロ)当たってまーす。

大内:つぎ行きまーす。杓場で頭に全力二回攻撃〜。二回とも当たってまーす。

GM:どっちも食らってまーす。

大内:ばしばしっ。

GM:……まだ(辛うじて)立ってまーす。

ヤン:さらにトンファーいきまーす。げしげしっと。

GM:全くダメでーす。気絶しましたぁ。

トン:呪文集中。

GM:銀次は……逃げられないや。次のターン……こっちが先? でも……やっぱり逃げられないや。

旭海:逃がさんでゴワス!!

銀次:「まい、がぁ〜〜〜〜っ!!」(←だからなに人だ?)

桂川:(火球をしまいながら)そのくらいにしといたら?

ヤン:許してあげようよ。

トン:呪文発動していい?

大内:何すんの?

トン:瞬間移動。娘さんのところにスッと。

ヤン:怖がるよ、きっと(笑)。

トン:一応、保護する意味で。

レモン:今更誰から?