フウゲツ:「何か事件か?」
カーキ:(薄い粥を食べながら)「はあ? これ以上事件なんて起きるのかよ?」
フウゲツ:「だがさっきスノウがかくかくしかじかで……」
カーキ:「聞いてねーよ、事件なんて」
シア:(食べながらうんうんとうなずく)
フウゲツ:「それは心配だ。こちらに連絡が届いてないというのはどういうことだ……?」
エミリー:今頃は連れ出されてあーんなことやこーんなことを……。
フウゲツ:街を探そう。直感を頼りに。
GM:寮にはヴァイスもいるよね。
フウゲツ:そうだった。話は聞いたなヴァイス。ついでにエミリーもかくかくしかじかで。
ヴァイス:エミリーさんがああなのは昔からでしょ?
フウゲツ:前からああだったが、今夜のは輪をかけてああだった。
ヴァイス:エミリーさんが……。
フウゲツ:何か心当たりでも?
ヴァイス:『紅』──あのグレイウッドという女性に取り憑いていた『もの』が完全に消えたとは限らないから……。
フウゲツ:そう言われてみれば、誰かに操られているようでもあった。
ここにいないシュリ:ヴァイス冴えてる! さすがね!
ヴァイス:でも今は、スノウを探す方が先でしょう。
シュリ:そのとーりね。さすがね! ──何でもかんでもとりあえず誉めてみたり。
フウゲツ:自警団と名乗ってたらしいが……。
ここにいないエミリー:犯人は、アレしかいないでしょ。
GM:お察しの通り、タンは寮にいないようだ。仕事で外に出てるワケでもない。
フウゲツ:タンが怪しい。彼も何かに乗っ取られてるのかも。
シュリ:誰も彼も乗っ取られてるのね(笑)。
フウゲツ:「ヴァイス、手が空いてないとは言わせないぞ!」
ヴァイス:「もちろんです、僕も探しにいきます」
フウゲツ:「よく言った!」
GM:ではおふたりさん、どこから探す?
フウゲツ:タンの家とか探してみたいぞ。タンの家はどこだ!
GM:ここ。
フウゲツ:……そうだった。
ヴァイス:手分けして探しましょう。南の方から僕は東回りで。フウゲツさんは西回りで。
フウゲツ:よし、馬に乗っていくぞ。
ここにいないユリア:え、馬ってまだ残ってるのれすか?
エミリー:食べたのね(笑)。
ユリア:馬肉はうまいれすよ。
フウゲツ:2頭ぐらい残してあるだろ。
GM:(手当たり次第、か……)
ふたりは街の南側をしらみつぶしに探して回った。だが……スノウもタンも見つからない。
GM:(コロコロ)3時間が経過したけど、手掛かりは何も見つからない。
ヴァイス:ダメか……。街の北の方も探してみますか?
フウゲツ:食料庫とか……。あとはどこだ?
GM:(なんでこう、正解を見事に避けていくかなぁ……)
フウゲツ:くそ……タンが行きそうな場所とか自閉してる場所とか、ないのか?
シュリ:『五分厘』の洞窟とか?
ヴァイス:報告は受けてるから存在は知ってるけど……僕はいったことない。
フウゲツ:俺もないぞ。
ヴァイス:……サデルじいさんをたたき起こすか。
エミリー:明らかに嫌われてると思っているけど(笑)。
シュリ:「嫌われてると思ってる」じゃなくて、「明らかに嫌われてることが分かってる」だから。
GM:(その話はホントなのかなぁ(笑))
フウゲツ:緊急事態だ、仕方がない。──酒を持って、サデルじーさんのところにいこう。
GM:いや、事情さえ話してくれれば酒はいらないぞ(笑)。
というワケで、ふたりはサデルじいさんの山小屋へ。
フウゲツ:「──ということで、『五分厘』の洞窟とやらに案内してもらえると幸せだ」
シュリ:いや、まだ幸せだと決まったわけじゃないから。不幸のズンドコに落とされる可能性もあるから。
ここにいないレイチェル:サデルさんも行ったり来たり大変だ。
ユリア:そろそろ道を覚えたら?
レイチェル:いや、迷うからこそ『魔王の森』なんだ。
GM:では案内してやろう。
ところが……
GM:(コロコロ)……ウソだろ……。……道に迷った(笑)。
シュリ:サデルじーさん、相当疲労が溜まってるんじゃ……。
レイチェル:自信喪失。
GM:うーむ……ここんとこずっと一度も成功してないよぉ……。
フウゲツ:くそー、こんなときに迷ってしまうとは! だが前進あるのみ、あきらめない!
GM:ただただ時間が過ぎていく……。──ではここで気配察知の判定を。
フウゲツ:ヤツか!? 『仮面』なのか? (コロコロ)うをー、04とかで成功してるぅー!
GM:ホントに相性がいいねえ(笑)。でも今回は『仮面の人』じゃない。
闇に沈んだ森。目の前に姿を現したのは、白い服に身を包んだ銀髪の少女だった。
ヴァイス:あ、久しぶり……。
GM:少女は、とても悲しそうな顔をしている。
ヴァイス:え、一体どうしたんですか?
少女は──沈黙したままある方向を指差した。そして、案内するかのようにその方向へ進んでいく。
フウゲツ:「………………。──いこうヴァイス、じーさん!」
ヴァイス:「はい!」
夜の森を進む。枝をかき分け、根に足を取られ、それでも進んでいく。
そして──更に深い闇をたたえた、洞窟の入り口にたどり着いた。
サデル:「おお、あれじゃ」
ヴァイス:お礼を言おう。少女の方を見るけど……。
GM:もう、姿はないね。
ヴァイス:やっぱり。
フウゲツ:(ゴクリ、と唾を飲み込んで)「ヴァイス、明かりの魔法を」
魔法の光が、辺りを青く浮かび上がらせる。
ヴァイスとフウゲツは、洞窟の中へ足を踏み入れた。
GM:(静かに)ヴァイス、フウゲツ──これが、現実だ。
青く彩られた世界の中で。
光を反射するナイフ。
乱れた髪。白い顔。乱れた着衣。力の抜けた手足。
どこで歯車が狂ってしまったのか──
そこに、スノウがいた。
彼女はもう、動かなかった。その瞳はもう……何も映していなかった。
あまりにもあっけなく。
僕たちはスノウを失った。 やわらかな傷痕はまだ癒えない。 傷痕は、血を流し続ける。 心の傷は増えていく。 そして──アーケインの謎が 沈黙を破り始めた。 |