プレイヤーG:ふむふむそうだった──と思い出したフリをする。
GM:プレイヤーGの登場はもう少し後だから待っててね。──沙夜は気がゆるんだせいか、気絶してしまっている。
ビオ:大丈夫なのか? どっか打ったんじゃねえよな?
アリア:今は寝かせといてあげようよ。疲れてるだろうしさ。
GM:──で、今は鳥の上で空の旅人となったみなさん、これからどうしましょう?
アリア:沙夜を村に送り届けよう。
ドモ・ルール:ついでにお礼と称して食料ももらっていこう。
アリア:……このままこの鳥で西にいったらダメかなぁ? これに乗っていけばすぐだったのに、なんでわざわざ地上を歩いてたんだか。
リトナ:召喚に時間がかかるし、精神的疲労も大きいからなんじゃない?
アリア:それとも東にしか飛べない鳥だとか。
ヴァンダイク:あるいはただその場でじっとしてるだけの鳥で、実は自転を利用して移動している、のでは。
ドモ・ルール:タクシーみたいなもんで、たまたま飛んでたのを召喚した、とか。特別な場合なので、高くつく。
リトナ:召喚魔法ってお金払うの? 精神的疲労が大きくなるんじゃないの?(←お金は払いません、普通)
プレイヤーG:精神体力(消費量)2倍で800円!!!
リトナ:意味が分かりません。
ヴァンダイク:池袋の(風俗関係の)呼び込みのようだ……。
ビオ:やっと着いたか。
ヴァンダイク:そういえば……前にビオのことをキチン質と言ったが(ACT8.5参照)、それだとトカゲではなくカニになってしまうのだが。どうしたものだろう。
アリア:いいんじゃない? ビオってエビみたいでもあるし。カニもエビも一緒一緒。
ビオ:テメエら……。
GM:えーと……村の人たちは沙夜が戻ってきたのでとても喜んでいる。ボルサオの報復を恐れている人もいるけどね。
アリア:だいじょうぶ、これからやっつけにいくから。
キュア:沙夜をどこか休めるところに運んだ方がいいんじゃない?
アリア:そうだね。自分の部屋があるだろうから、そこに運んであげよう。
ビオ:GM、俺、村に着いたら食ったモン全部吐くぞ。オゥリンの肉とか『ラーヴ』(血)とか、とんでもねえ。
GM:分かった。
ドモ・ルール:ドモは別に、人の肉食ったって平気だがね。
リトナ:オレは毛づくろいして毛玉を吐いとこ。──ドモさん、いつ意識が戻ったの?(前回までドモ・ルールはNPC扱いだった)
GM:食料製造の現場を目の当たりにして、スティールがかくーんと気を失ったんだろう、きっと。
キュア:精神的にはすごくもろいのね(笑)。
アリア:あたしは、村の人たちと話をしてるね。
GM:ヴァンダイクは?
ヴァンダイク:ん? それはもちろん、こっそり隠し持ってきたモノが見つからんように……。
GM:『ラーヴ』を持ってきてたのか(笑)。
ヴァンダイク:いや、サンプルとして食料の方を。
GM:そっちか……。
ヴァンダイク:もちろん『ラーヴ』は『ラーヴ』で持ってきたが。
GM:(プレイヤーGに)──モヤシでいいんだよね?
プレイヤーG:おう。
GM:ではビオ。そうやってゲロゲロやってると……モヤシ炒めのいい匂いがしてくる。
ビオ:何だぁ!? それは…………スゲー微妙だぞ(笑)。
ドモ・ルール:食べないのか?
ビオ:いや、食うかも。口直しに。モヤシの方に、いってみるぞ。
アリア:あたしも。食欲はないけど……ちょっと、気になるから。
村の中の、少し開けた場所。
そこにある(違和感ありまくりの)簡易屋台(のようなもの)から、ジュウジュウといい音がしている。
ほっかむりをした──ころころ太った──顔の大きな──肩にカラスを乗せた──男が、手際よくモヤシを炒めている。
ヴァンダイク:……オゥリン……か?
ビオ:んん……?(屋台を覗き込む)
プレイヤーG:「おっす、オラ農夫!」
ビオ:(ビクゥッとして)「うをぉぉう!? ……なんだオメエ?(ドキドキ)」
農夫:んっふっふっふっふ。
キュア:きこりの次は農夫か……。しかもモヤシ炒めを作りながらあえて農夫と主張するとは……。
農夫:「だって農夫だもん」
GM:名前はゴルディッシモさんです。
キュア:ゴルディッシモ……? すごい名前ね。
アリア:つーか、モヤシ、って……。
農夫(ゴルディッシモ):「──うちの畑で作ったモヤシはうまいぞ?」
キュア:「……モヤシって畑で作るんだっけ……?」
ゴルディッシモ:「そーゆー、ことじゃなぁぁぁいッ! ──食糧難だと聞いて、それでこそこそモヤシを作って、ひとりでこそこそ食べて、それでこんなに太ってしまって──」
リトナ:「……モヤシって太るんだ」
アリア:「どんだけ食べたらそんなに太るの……?(笑)」
ゴルディッシモ:「モッ……モヤシなめるなよッ!」
一同大笑い。
ゴルディッシモ:「い、いらないんだったら、ボクが全部ひとりで食べちゃうぞ、と。君たちにはあげないよ?」
アリア:食べるところを見てみたい気はするんだけどぉー……。
ビオ:何と言うかその……微妙だ。
ドモ・ルール:そのモヤシ炒めは、胡麻油で炒めているのか?
ゴルディッシモ:この食糧難に、胡麻油なんてものがあるわけないだろう。この油は人間の──いやいやいや。
ドモ・ルール:おいおい。
ヴァンダイク:うーむ……。この男、本当に人間なのか?
GM:見た目だけなら、魔族かも。
ゴルディッシモ:「で、モヤシ炒め食うんか? 炒め過ぎるとうまくないぞ」
アリア:「た……食べたいです……」(だんだん声が小さくなる)
ゴルディッシモ:「ではそこに一列に並んで3回回ってワンと言え」
ビオ:「ざけんな(笑)」
アリア:「ビオビオ、3回回ってワンって言ったら食べ物だよ」
ビオ:「これは………………屈辱だ」
アリア:さすがのビオでもダメ?
リトナ:さービオさん、今こそ火を吐くときだ。歌え!(←ビオには歌うと火を吐けるという非公式裏設定がある)
ゴルディッシモ:「3回回ってワンがイヤなら、3回しゃがんでニャンニャンでもいいぞ」
リトナ:オレ、いつもしゃがんでるんだけど(猫だから)。
ゴルディッシモ:あ、本業の人は駄目です。
リトナ:本業って……(笑)。──てゆーか、モヤシは食べないと思うんだけど(猫だから)。
ゴルディッシモ:お前、モヤシなめんなよ。
リトナ:いや、なめてないです。
ゴルディッシモ:ならばワンワンでもニャンニャンでもいいから、さあ、やるのだ!
キュア:すごく偉そうだよね、農夫のワリに。
GM:あ、今すごく農夫を見下した発言が。
ゴルディッシモ:お前、農夫なめんなよ。君は『士農工商』という言葉を知らんのか!
アリア:それでもあたしたちは『士』だよね。
リトナ:キュアに至っては、それからすら外れているだろう。『華族』だから。『公家』だから。禁中並びに公家諸法度。──公家衆は学問をしておればいいのです!
ビオ:リトナは何を口走ってるんだ……?
リトナ:過去の記憶がちらほらと。
GM:で……みんな、モヤシは食べるの?
ドモ・ルール:食えるなら、食うぞ。
ゴルディッシモ:ならば3回回って「ワン・ターレン様万歳!」と叫ぶのだ。
GM:増えてる増えてる。
ヴァンダイク:ふむ……。だが三海回るには時間がかかるぞ。
アリア:それ、広すぎ。
GM:ふーむ……──モヤシは食べてもいいけど3回回るのはイヤだ、ってところで話が滞っているのだね。
ゴルディッシモ:お前たちは登っている山が低い! モヤシごときで──
GM:……ごとき?
ゴルディッシモ:ごときではなーい!
ビオ:自分で言うなよ。
ゴルディッシモ:モヤシなめんなよー!
んで……
アリア:……もう、いい。なんか、飽きた。
リトナ:かなり飽きたね。
GM:あーあ(笑)。
アリア:あたし、あっちにいるから。ビオたちはここで食べてて。
ビオ:お、おう。
ゴルディッシモ:ボクも、モヤシの補充にいこう。地下のモヤシゾーンへ。
アリア:そんなのがあるんだ……。
ゴルディッシモ:あるともさ。しかも移動式。
GM:ドラえもんの道具で、なんかそんなのがあったような……。
ゴルディッシモ:ということで、カラスのカラスィータをここに残していくが、適当に食っててくれ。
ビオ:お、おう。(もそもそとモヤシ炒めを食べて)……なんだ、うめーじゃねえか。
キュア:相当な量を食べないと、ビオさんには足りないかもね。
ドモ・ルール:口直しだろ。
ビオ:とりあえず何か腹に入れておきてえ。
GM:ちょっと食べると、余計におなかがすくかもよ?
GM:うーむ……モヤシというのは微妙だったか……(笑)。
アリア:いや、がんばってるのはすごくよく分かるんだけど……。だってモヤシだよ?
ゴルディッシモ:モヤシなめんなよ。
リトナ:だから、猫は食べられないんだって。
ゴルディッシモ:……………………。
GM:どしたの?
ゴルディッシモ:いや……モヤシで農夫は完全に外したかんじだな、と。
GM:(大笑い)
ゴルディッシモ:今までいろいろやってきて、外しキャラがいなかったワケではないけれど……ここまで素で外したのは初めてだ。
アリア:ムチャがあったね。
リトナ:突拍子もなかったね。
ゴルディッシモ:食糧難だというからこうやってモヤシを作って……『モヤシなめんなよ』ということを、ボクは君たちに伝えたい(朗々と語る)。
GM:……しゃーない、モヤシはちょっと置いといて、沙夜たちの方に話を移すか。
ゴルディッシモ:(ごにょごにょ)そうするとモヤシの立場は。
GM:(ごにょごにょ)また、あとで接点が出るだろうから。
ゴルディッシモ:(ごにょごにょ)了解した。