ACT8.0[越境]06

ヴァンダイク:ここで話は一区切りなのかね?

GM:区切りは区切りだけど……まだシナリオの半分だな。予想以上に話が盛り上がったみたいで。

アリア:『赤』(魔界編のこと)楽しいよぉ〜。あたし好きだよ、このノリ。すっごく楽しい、幸せ〜!

ヴァンダイク:パーティとしてまとまっているから。

GM:そうだね。その点は、青編と対称的だよね。

リトナ:リーダーが違うしね。

GM:それにしても……スティールが乗っ取られたか。考えてみれば、当然の結果だよな……。

アリア:乗っ取ってくれと言わんばかりのシチュエーションだったと思うんだけど。

GM:スティールが捕まる予定でなかったからね。キュアにあんなことされるとは思わなかったし(笑)。

キュア:フフフフフ……(眠気で意識朦朧)。

GM:んじゃ、話を再開しようか。

 スティールの軍隊(300人の<ヴィエイユ軍>)にはアリアとスティールが(というかドモ・ルールが)何とか話をつけ、一部を偵察軍として<メネトゥ>王都に送り、残りは本国へと引き上げていった。

 翌日<帝国>の援軍が到着し……レプス04小隊は旅を再開することになった。
 

GM:確認だけど……アリアはまだ自分がフェルチアイア姫だということをみんなに話してないんだね?

アリア:うん。

GM:キュアは改めて自己紹介とかしないの?

キュア:自己紹介しても聞いてもらえるかどうか。

アリア:聞くよ。当然じゃん。

ビオ:まず確認。ついて来るのか? ……ついて来られると食料消費量が一人分増えるじゃねえか。

キュア:そういう問題なのか。

アリア:一緒にいこうよぉ〜。

キュア:そういえばアリアとそんな約束をしたような気も。

アリア:うんうん。

キュア:では、同行するということで。

リトナ:姫がふたりもパーティに。

キュア:……だが、この”髪が短い方の姫”には見覚えがないから、<帝国>の姫だとは気づかないだろうな。

GM:髪が短い? アリアは、長ーい髪をまとめているだけだぞ。

キュア:ぐ……。……セットが大変そうだ。

GM:召喚獣に全部やらせてるんだよ(笑)。

アリア:その代わり本人何もできないから。

キュア:いばるなよ(←口調が急にぞんざいに)。

アリア:素のままの君と付き合えそうであたしはうれしいよ〜。お姫様同士仲良くやろうね。

ビオ:そんなことは俺たちは知らないんだがな。

アリア:「じゃあ、改めてキュアを紹介するから」

リトナ:(小声で)「オレ、もう知ってるけどね」

キュア:「キュア・アルトエッセン。これから君たちと同行する。よろしく」(無愛想で早口)

リトナ:「もっとゆっくりしゃべってくれない? ……オレはもう知ってるけど(笑)」

キュア:「リトナ〜……」

ヴァンダイク:<ヴィエイユ>なまりはよく分からんな。やはり<帝国>の優美なしゃべりでないと。

キュア:く……。

アリア:「今度から彼女はキュアだからね。……で、ドモはこっち」

ドモ・ルール(スティール):「よろしくぅ!」

GM:……スティール、軽くなったなぁ……(涙)。

キュア:あわれな……。

GM:(気を取り直して)──では、西への旅を再開しましょー。

ヴァンダイク:ニンニキニキニキ……。

GM:ではいよいよ敵国──<夕闇のメネトゥ>領土内だ。(コロコロ)砦を出発して5日が過ぎた。砂漠を越えないといけないからなかなかツライ旅だよ。……てことで食料を減らすのだ。

ビオ:見張りの報酬でもらった分と、戦闘での報酬でもらった分と、『10食』と、焦げたヤツと……俺はしばらく腹一杯食えそうだ。

GM:それに加えて150人の方──<メネトゥ軍>から奪ったヤツも何日分かあげよう。保存食だからあんまりおいしくないけどね。パサパサしてたりドロドロしてたり。カ○リーメイトやウィ○ーinゼリーみたいな。

ビオ:構わねーよ。巨人の肉だって平らげたぐらいだし。

アリア:砦で10日分もらったから……(計算して)残り11日分だね、あたしたちは。

GM:では日が暮れかかった頃に、砂漠のちょっとしたオアシスの傍らにある、オゥリン(人間)の集落にたどり着いた。

アリア:オゥリンだけの集落か……珍しいね。

GM:小さな村ぐらいの大きさだね。ひっそりと生活してるかんじだ。

ドモ・ルール:メーヴェ(魔族)に対する向こうの反応は? 逃げ惑うのか?

GM:警戒はしてるだろうけど、逃げたりはしないよ。結局はメーヴェ次第。同じメーヴェでも旅人と奴隷狩りじゃ随分違うでしょ?

ドモ・ルール:なるほど。

GM:ではここでビオは『知識』判定。プラス20の修正をあげよう。それから、『種族知識』の修正は加えていいよ。

ビオ:(コロコロ)成功だ。

GM:(ビオのプレイヤーにごにょごにょと耳打ちする)

ビオ:「『サエ』だ……」

アリア:「どしたのビオ? なんだか挙動不審だよ?」

ビオ:「あああ……ちょっとトイレ」

アリア:「はい?」

ビオ:「いいか、絶対ついてくるんじゃねーぞ! いいな!」

リトナ:ついていこ。猫のときはビオになついてるって裏設定があるから。

ビオ:だああ、ついてくんじゃねーよ! ……じゃあ、俺は村の奥にいくから。

GM:了解。

リトナ:こっそりついていこっと。

アリア:あたしは村の人に、滞在の許可をもらいにいこうかな。

GM:ビオ&リトナ(こっそり)と、その残りの2組に分かれるのだね

 オゥリンばかりの村は久しぶりだった。

 ビオに対して不審の目を向ける者は(あまり)いない。<帝国>では考えられない状況であり、案外<メネトゥ>のヤツらはオゥリンに対し寛大なのかも、とビオは思ったりした。

 夕飯前の、静かな時間。質素ながらも日々穏やかに生きている──
 

 ──ってワケでもないのか?
 

 表情を曇らせた者がちらほら目についた。

 その中の神官衣──『サエ』がよく着ていた黒地に文様が入ったものだ──の女性に声をかけてみる。
 

リトナ:オッス、オラ、ビオ!

GM:それだとド○ゴンボールになってしまいますがな。

ビオ:「なあ、『サエ』を知らねえか?」

神官:「は?」

ビオ:「サエだよ、サエ」

神官:「沙枝様をご存じなのですか?」

リトナ:(物陰から覗きながら)なんでアレで会話が成り立ってるんだ……?

ビオ:「知ってるのか!?」

神官:「沙枝様は……この村に皆をお集めになった『黒巫女』様です」

ビオ:「クロミコ……。……今も、この村にいるのか?」

神官:「いえ……。もう30年も前に村を出て以来、一度もここには……と聞いていますが」

ビオ:「30年……」(──ていうと俺と出会った頃……で、合ってるよな……? 1、2、3……)

神官:「あの……沙枝様とはどのような……?」

ビオ:「俺の……『命の恩人』だ」

神官:「そうなのですか……。――『沙夜』様のことは、ご存じですか?」

ビオ:「サヤ……? 沙枝の娘か?」

神官:「いえ、沙夜様は沙枝様のお孫さんです。沙枝様の娘、沙衣様。沙衣様の娘、沙夜様です」

リトナ:(サエ、サイ、サヤ……ややこしいな)

ビオ:「ここにいるのか!?」

神官:「それが……」

アリア:「神隠し……?」

村人:「ええ……」
 

 村人の話によると……この村を統べる黒巫女──沙夜が、一週間ほど前から行方不明らしいのだ。
 

アリア:できれば、許可もらって一晩泊めてもらいたかったんだけどな……。

ヴァンダイク:テントがあるのでは?

キュア:テントを張るにしても、一言断っておかないと。

ヴァンダイク:ワシなら勝手に張ってしまうがなぁ……。オゥリンを対等の生き物だなんて思っておらんし。

アリア:あたしはそうは思ってないから。

ビオ:じいさん、あんまり派手なことはしないでくれよ?

ヴァンダイク:派手なことというのは、ラグランジェにすりすりしたりすることか?

ラグランジェ:やめてくださいよヴァンダイクさん、人が見てますってば。

キュア:見てなければいいの?

ドモ・ルール:まあ、ラグランジェをあてがっておけばヴァンダイクもおとなしくしてるだろうよ。

ラグランジェ:しくしくしくしく……。

ヴァンダイク:『薬物(ラーヴ(血))中毒』より『ラグランジェセンサー』の方が”深い”からね(キャラクターデータ参照)。

GM:こっちは”不快”だけどね……(涙)。

ドモ・ルール:「その黒巫女とやらを探そうとはしたのか?」

村人:「もちろんです。ですがこの地はオゥリンが住むにはあまりに苛酷な地。一歩外に出ればいつどんな危険な目に合うことか……」

アリア:「下手に出歩けないってことか……。──できれば、手助けしてあげたいんだけどなぁ……」

村人:「その気持ちだけで十分です。──もし旅先で沙夜様にお会いになるようなことがあれば、是非お知らせください」

アリア:「もちろんです! ……ビオさんが走って(笑)」

キュア:「確かにそれが一番早いかも(笑)」



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