ビオ:さ、見張りをするぞ。眠いが。非常に眠いが。
リトナ:ビオさんひとりか。オレうとうとしてるから、暇だったら起こしてね。
沈黙。
ビオ:……………………。
沈黙。
GM:寝るな。
ビオ:うお!?
GM:せっかくだから、何か話をしようよ。
リトナ:「このパーティの中に裏切り者がいたら、ビオさんどうする?」
ビオ:「裏切り者……? さあなぁ……ブッ潰すんじゃねえのぉ?」
アリア:物騒だねぇ(笑)。
ビオ:「………………。まさかお前!?」
リトナ:「今の間は何だ」
アリア:裏切り者の認識が『オレの食料を狙ってる』とかってレベルだったりして。
リトナ:その可能性は非常に高いな。
ビオ:皆の荷物を調べ始めるぞ。
GM:そしてやっぱりみんな一日分多かった、と。
ビオ:少しずつもらおう。これで裏切り者はいなくなった。
キュア:……それだとビオさんが裏切り者ってことにならない?
ビオ:俺はいっぱい食うからいいんだ。
GM:……つーか、いっぱい食べたから一日分少ないんじゃ?
ビオ:今が平等ならいいんだ。
GM:んじゃ、話を元に戻すか。
リトナ:「人数増えたよなぁ……よく分からないヤツらが」
ビオ:「分け前減ったよなぁ」
リトナ:「そういう問題なのか……? ──あのふたり、どう思う?」
ビオ:(ぼそっと)「邪魔くさい」
アリア&ラグランジェ:そうだったんだ……。
リトナ:「あのふたり──アリアとラグランジェは仲いいのかな? どうやら知り合いだったみたいだけど」
ビオ:「ラグランジェは何で『血』が出たんだろうなぁ……」
リトナ:(そうくるか)「言われてみれば確かにそうだ……。でもオレたちメーヴェにもいろんなタイプがいるからね」
ビオ:「不気味なヤツだ……」
リトナ:「緑の体液を持つヤツだっている。赤がいたっておかしくないだろ?」
ビオ:「だが『赤』は特別な色だ」
リトナ:「……ま、必要に応じて料理すればいいだろ」
ビオ:「そうだな。……黒炎とフェルチアイアはデキているのか?」
リトナ:「それは気になるところだよね(笑)」
アリア:「できてないよぉ!」(寝言)
キュア:……へ?
リトナ:「黒炎はホモだよな」
ビオ:「……らしいがな」(←プレイヤー註:ロールプレイです。プレイヤー本人は認めていません)
GM:みんな知ってるんだ。
リトナ:もはや伝説だから。
ビオ:……見栄もクソもないな。
ビオ:「黒炎はアリアのことは何も言ってなかったよな?」
リトナ:「そうだね」
ビオ:「アリアはあのとき水浴びをしてたよな?」
リトナ:「そうだね。間違いない」
ビオ:「なぜ話さなかったのだろう?」
リトナ:「そしてなぜあの段階で仲間にならなかったんだろう?」
ビオ:「変なヤツだ。裏切り者だ」
リトナ:ガッと荷物を開けるんだね。
ビオ:やっぱり一食多い、コイツ隠していやがった。……裏切り者だ。
GM:なんだかなぁ。
念のために言っておきますが、ビオは実際は荷物をあさってません──たぶん。
リトナ:「気をつけて見ておこう。傭兵として一緒に組んでいる以上、チームワークは大切だ」
ビオ:「まあな」
リトナ:「いざとなれば3人4人がかりなら何とかなるだろう」
ビオ:「妙なモノを召喚するようだがな」
リトナ:「召喚には時間がかかる。スピードはこっちの方が上だ。……そろそろ、次を起こそうか」
ヴァンダイク:もう起きている。早朝になると自然に目が覚めるのだ。
リトナ:「じゃ、よろしくね。オレもそろそろ熟睡しないとヤバイや」
ビオ:「おやすみ。……ゴォオオオオオオオオオオ……!!!」(イビキ)
GM:じゃあ三組目。ヴァンダイクとラグランジェだね。
ヴァンダイク:あ、名前を覚えていてくれたんだ。スゴクうれしい(一同苦笑)。
ラグランジェ:「……変なことを聞いていいですか?」
ヴァンダイク:「うむ」
ラグランジェ:「アナタはボクに……会ったことがあります、よね?」
ヴァンダイク:覚えてもらってないのか?(笑) うむ、とうなずいておこう。
ラグランジェ:「ボクもアナタに会った記憶はあります。でもボクはアナタに会ったことがない」
ビオ:「ワケの分からないことを言うなー!」(寝言)
キュア:そっか、『3人目』なんだ(笑)。
GM:2人目、だね。彼は『中空』からの使者だから。
ヴァンダイク:彼が魔界から追放されて何年ぐらい経つのだっけ?
GM:えーと……第二部が今から15年前でしょ。オルディたちが人間界に来たのが25年前だから……40年以上前、かな。
ヴァンダイク:昔と比べて雰囲気が変わったりしている?
GM:そうだなー……。出会った頃は、クールで冷たい印象だった。『六葉』たちと一緒にいるうちにだんだん明るく穏やかになって……その後、危なっかしい、不安定な状態になって、精神が壊れて魔界を追放されたワケだから……君らと過ごした一番穏やかだった頃の雰囲気に”戻って”いるかな。
ヴァンダイク:危うさがなくなったのだね。……わしの娘がいなくなったのは、ラグランジェを追っていったからだよね?
GM:そうだね。
ヴァンダイク:「娘のことを聞きたい。……娘と、会えたのかどうか」
ラグランジェ:「会えました。会えた、けど……」
ヴァンダイク:「………………」
ラグランジェ:「ボクの腕の中で……消えていきました」
ヴァンダイク:「そうか……。ある程度、覚悟はしていた……」
ラグランジェ:「すみません……守って、あげられなくて」
ヴァンダイク:「いや……どうしようもないことだったのだろう、きっと」
たき火を見つめる。少女の笑顔が……浮かんで、消えた。
リトナ:「さて、この子どうしようか?」
GM:──と話し合ってるところで、聴覚判定。
ヴァンダイク:(コロコロ)『耳が遠い』という修正を入れるとツライな。
リトナ:(コロコロ)猫の状態だから、バッチリ成功。
GM:村の外れの方──国境側だから、西の方だね。そっちから、剣を交える音がした。人の声も聞こえた気がする。
アリア:いってみよう。すぐいってみよう。
GM:その途中で、音はしなくなる。話し声は、まだするかな。
キュア:この子──ビーノはどうするの?
アリア:ここで待っててもらおうか。見てはいけないものを見せることになるかも。
リトナ:そういう現実は、ちゃんと見せておいた方がいいかもしれないよ? その方が強い戦士に育つ可能性がある。
アリア:……うん、分かった。一緒にいこう。
キュア:我々といた方が安全だしね。
レプス04小隊はビーノとともに村の外れへ。
GM:傭兵と兵士が戦ってたみたいだ。傭兵たちが、兵士の──<連合国>の兵士の死体をつついてる。
キュア:てことは傭兵は<帝国>側?
GM:君たちにはなじみがあるだろう、レプス隊の誰かのようだよ。人数は4人。
ヴァンダイク:追い抜かれてしまっていたのか。
リトナ:いやだから、オレたちは鉄格子切りで時間を浪費したから(笑)。
アリア:てことは……一応味方の勝利だね。警戒を解いて、近づいていこう。
キュア:味方が負けてるから、ちょっと複雑な気分で。
アリア:「どうしたの?」
レプス隊の傭兵1:「生き残りがいたから、殺しただけだ」
リトナ:「そいつはご苦労さま」
キュア:……掃討戦をやってる?
GM:ていうより、戦場跡をあさってるかんじだね。そのとき、比較的無事な建物からもうひとり傭兵が姿を現す──村人らしき死体を引きずって。
レプス隊の傭兵2:「こっちは何も目ぼしいモンはなかったぜ〜」
GM:そう言って、死体の装飾品を剥ぎ取り始める。
リトナ:(小声で)「傭兵とはいえ、略奪とは情けない……」
ヴァンダイク:我々もね(笑)。
キュア:(くそ……。今の立場だと……下手なこと言えない……)
GM:「文句あんのか? ああん?」って顔で君たちを見たあと、死体あさりを続行している。
アリア:ビーノに……見せるの?
リトナ:見せる。これが現実だ。
アリア:(トゲのある口調で)「あたしは、こうはなりたくないけどね」
リトナ:だが、止めることもできないしな。……水でも探すか。
アリア:止めたいけどね。
リトナ:味方だしな。だから、手は出さない。
アリア:……なによ、情けない連中……。