ACT6.0[約束]06

GM:じゃ、見張りは二組目だね(襲撃する予定はないから、GMは気楽なもんだよね)

ビオ:さ、見張りをするぞ。眠いが。非常に眠いが。

リトナ:ビオさんひとりか。オレうとうとしてるから、暇だったら起こしてね。
 

 沈黙。
 

ビオ:……………………。
 

 沈黙。
 

GM:寝るな。

ビオ:うお!?

GM:せっかくだから、何か話をしようよ。

リトナ:「このパーティの中に裏切り者がいたら、ビオさんどうする?」

ビオ:「裏切り者……? さあなぁ……ブッ潰すんじゃねえのぉ?」

アリア:物騒だねぇ(笑)。

ビオ:「………………。まさかお前!?」

リトナ:「今の間は何だ」

アリア:裏切り者の認識が『オレの食料を狙ってる』とかってレベルだったりして。

リトナ:その可能性は非常に高いな。

ビオ:皆の荷物を調べ始めるぞ。

GM:そしてやっぱりみんな一日分多かった、と。

ビオ:少しずつもらおう。これで裏切り者はいなくなった。

キュア:……それだとビオさんが裏切り者ってことにならない?

ビオ:俺はいっぱい食うからいいんだ。

GM:……つーか、いっぱい食べたから一日分少ないんじゃ?

ビオ:今が平等ならいいんだ。

GM:んじゃ、話を元に戻すか。

リトナ:「人数増えたよなぁ……よく分からないヤツらが」

ビオ:「分け前減ったよなぁ」

リトナ:「そういう問題なのか……? ──あのふたり、どう思う?」

ビオ:(ぼそっと)「邪魔くさい」

アリア&ラグランジェ:そうだったんだ……。

リトナ:「あのふたり──アリアとラグランジェは仲いいのかな? どうやら知り合いだったみたいだけど」

ビオ:「ラグランジェは何で『血』が出たんだろうなぁ……」

リトナ:(そうくるか)「言われてみれば確かにそうだ……。でもオレたちメーヴェにもいろんなタイプがいるからね」

ビオ:「不気味なヤツだ……」

リトナ:「緑の体液を持つヤツだっている。赤がいたっておかしくないだろ?」

ビオ:「だが『赤』は特別な色だ」

リトナ:「……ま、必要に応じて料理すればいいだろ」

ビオ:「そうだな。……黒炎とフェルチアイアはデキているのか?」

リトナ:「それは気になるところだよね(笑)」

アリア:「できてないよぉ!」(寝言)

キュア:……へ?

リトナ:「黒炎はホモだよな」

ビオ:「……らしいがな」(←プレイヤー註:ロールプレイです。プレイヤー本人は認めていません)

GM:みんな知ってるんだ。

リトナ:もはや伝説だから。

ビオ:……見栄もクソもないな。

ビオ:「黒炎はアリアのことは何も言ってなかったよな?」

リトナ:「そうだね」

ビオ:「アリアはあのとき水浴びをしてたよな?」

リトナ:「そうだね。間違いない」

ビオ:「なぜ話さなかったのだろう?」

リトナ:「そしてなぜあの段階で仲間にならなかったんだろう?」

ビオ:「変なヤツだ。裏切り者だ」

リトナ:ガッと荷物を開けるんだね。

ビオ:やっぱり一食多い、コイツ隠していやがった。……裏切り者だ。

GM:なんだかなぁ。
 

 念のために言っておきますが、ビオは実際は荷物をあさってません──たぶん。
 

リトナ:「気をつけて見ておこう。傭兵として一緒に組んでいる以上、チームワークは大切だ」

ビオ:「まあな」

リトナ:「いざとなれば3人4人がかりなら何とかなるだろう」

ビオ:「妙なモノを召喚するようだがな」

リトナ:「召喚には時間がかかる。スピードはこっちの方が上だ。……そろそろ、次を起こそうか」

ヴァンダイク:もう起きている。早朝になると自然に目が覚めるのだ。

リトナ:「じゃ、よろしくね。オレもそろそろ熟睡しないとヤバイや」

ビオ:「おやすみ。……ゴォオオオオオオオオオオ……!!!」(イビキ)

GM:じゃあ三組目。ヴァンダイクとラグランジェだね。

ラグランジェ:「ラフロイグ(ヴァンダイクの本名)さん」

ヴァンダイク:あ、名前を覚えていてくれたんだ。スゴクうれしい(一同苦笑)。

ラグランジェ:「……変なことを聞いていいですか?」

ヴァンダイク:「うむ」

ラグランジェ:「アナタはボクに……会ったことがあります、よね?」

ヴァンダイク:覚えてもらってないのか?(笑) うむ、とうなずいておこう。

ラグランジェ:「ボクもアナタに会った記憶はあります。でもボクはアナタに会ったことがない」

ビオ:「ワケの分からないことを言うなー!」(寝言)

キュア:そっか、『3人目』なんだ(笑)。

GM:2人目、だね。彼は『中空』からの使者だから。

ヴァンダイク:彼が魔界から追放されて何年ぐらい経つのだっけ?

GM:えーと……第二部が今から15年前でしょ。オルディたちが人間界に来たのが25年前だから……40年以上前、かな。

ヴァンダイク:昔と比べて雰囲気が変わったりしている?

GM:そうだなー……。出会った頃は、クールで冷たい印象だった。『六葉』たちと一緒にいるうちにだんだん明るく穏やかになって……その後、危なっかしい、不安定な状態になって、精神が壊れて魔界を追放されたワケだから……君らと過ごした一番穏やかだった頃の雰囲気に”戻って”いるかな。

ヴァンダイク:危うさがなくなったのだね。……わしの娘がいなくなったのは、ラグランジェを追っていったからだよね?

GM:そうだね。

ヴァンダイク:「娘のことを聞きたい。……娘と、会えたのかどうか」

ラグランジェ:「会えました。会えた、けど……」

ヴァンダイク:「………………」

ラグランジェ:「ボクの腕の中で……消えていきました」

ヴァンダイク:「そうか……。ある程度、覚悟はしていた……」

ラグランジェ:「すみません……守って、あげられなくて」

ヴァンダイク:「いや……どうしようもないことだったのだろう、きっと」
 

 たき火を見つめる。少女の笑顔が……浮かんで、消えた。

GM:夜が明けたよ。今日もどんより曇った空が、赤く染まっていく。

リトナ:「さて、この子どうしようか?」

GM:──と話し合ってるところで、聴覚判定。

ヴァンダイク:(コロコロ)『耳が遠い』という修正を入れるとツライな。

リトナ:(コロコロ)猫の状態だから、バッチリ成功。

GM:村の外れの方──国境側だから、西の方だね。そっちから、剣を交える音がした。人の声も聞こえた気がする。

アリア:いってみよう。すぐいってみよう。

GM:その途中で、音はしなくなる。話し声は、まだするかな。

キュア:この子──ビーノはどうするの?

アリア:ここで待っててもらおうか。見てはいけないものを見せることになるかも。

リトナ:そういう現実は、ちゃんと見せておいた方がいいかもしれないよ? その方が強い戦士に育つ可能性がある。

アリア:……うん、分かった。一緒にいこう。

キュア:我々といた方が安全だしね。
 

 レプス04小隊はビーノとともに村の外れへ。
 

GM:傭兵と兵士が戦ってたみたいだ。傭兵たちが、兵士の──<連合国>の兵士の死体をつついてる。

キュア:てことは傭兵は<帝国>側?

GM:君たちにはなじみがあるだろう、レプス隊の誰かのようだよ。人数は4人。

ヴァンダイク:追い抜かれてしまっていたのか。

リトナ:いやだから、オレたちは鉄格子切りで時間を浪費したから(笑)。

アリア:てことは……一応味方の勝利だね。警戒を解いて、近づいていこう。

キュア:味方が負けてるから、ちょっと複雑な気分で。

アリア:「どうしたの?」

レプス隊の傭兵1:「生き残りがいたから、殺しただけだ」

リトナ:「そいつはご苦労さま」

キュア:……掃討戦をやってる?

GM:ていうより、戦場跡をあさってるかんじだね。そのとき、比較的無事な建物からもうひとり傭兵が姿を現す──村人らしき死体を引きずって。

レプス隊の傭兵2:「こっちは何も目ぼしいモンはなかったぜ〜」

GM:そう言って、死体の装飾品を剥ぎ取り始める。

リトナ:(小声で)「傭兵とはいえ、略奪とは情けない……」

ヴァンダイク:我々もね(笑)。

キュア:(くそ……。今の立場だと……下手なこと言えない……)

GM:「文句あんのか? ああん?」って顔で君たちを見たあと、死体あさりを続行している。

アリア:ビーノに……見せるの?

リトナ:見せる。これが現実だ。

アリア:(トゲのある口調で)「あたしは、こうはなりたくないけどね」

リトナ:だが、止めることもできないしな。……水でも探すか。

アリア:止めたいけどね。

リトナ:味方だしな。だから、手は出さない。

アリア:……なによ、情けない連中……。



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