MOND REPLAYV  XX

ゼナ「男性のモミアゲ……──モミアゲのある人っていたっけ?」

GM「エノク先生」

ゼナ「たたたァッと駆け登って、引きちぎる(笑)」

アルバス「2・3本だけと言わず思いっきりな」

エノクひぎゃあああああ……!!!
 

 こうして早くも第1の材料はクリアー。次は──
 

オードー「ヒーメル──姫をどうやって泣かせればええだ……?」

アルバス「誰かが駆け登って、目を殴る

ゼナ「ヒドイかも……」

アルバス「でも確実だろ?」

ゼナ「涙……タマネギ……?」

ユンケ「タマネギをすりおろしたモノを、目にこすりつけるだわさ」

ゼナ「別にこすりつけなくてもいいじゃないか」

アルバスワサビを鼻から注入

ゼナ「やめてください。そんなの美しくないですよォ……」

アルバス「リルル、すぐそこにいるんだろ? だったら自分で何とかしてもらおう」

ゼナ「やっぱりタマネギが一番無難かなァ」

アルバス「目を指差して、冷蔵庫を指差す。そうすると、中から裸のサリースがでてくる

サリース「なぜーー!!?」

ゼナ「その前にリルルが『ヒーメル』だって知ってるんですか? ボクは知ってるけど」

GM「確かに。ゼナ以外は知らないなァ」

サリース「そもそも『ヒーメル』って何よ?」

GM「古代に栄えた翼のある一族のことだね。今より高度な文明──エスペルプレーナもそうだな──を持ち、なぜか滅びていった謎の一族でもある」

サリース「なるほど……」

アルバス「それは分かった。──で、オレらには『ヒーメル』の心当たりはないってことだな?」

ゼナ「『ヒーメル』はボクが何とかしますから、もういっこの方から探しません?」

ユンケ「……ガンバ……? どこ行っただわさ?」

オードー「捕まえようしたら、しっぽ切るだか?」

GM「本体残してしっぽが逃げるかもしんないけどね」

ゼナ「みんながガンバのこと話してるうちに、『どうしたらいい?』ってリルルに目で訴えよう」

オードー「そうすっと、またいい眺めなんだべな?」

ゼナ「あうッ」(あわてて目をそらす)

アルバス(その横で見上げて)「ほう……」

ゼナ「なに見てんですか! アマリリスのくせに!」

アルバス「なにォう!」
 

 (またも)ドタドタとケンカを始めた2匹にカポッと洗面器をかぶせ、リルルは外へ出ていってしまう。
 

ゼナ「あらら……行っちゃった……。怒ったのかな……」

GM「部屋に着替えにいったんじゃない?」

サリース「とりあえずガンバに目標を絞った方がよさそうね。ユンケが説得できない?」

ユンケ「ムダだわさ」

ゼナ「カリストパラスはガンバの居場所分からない?」

カリストパラス『わたしも万能じゃありませんから』

ゼナ「自分の『船』のことでしょ?(怒)」

アルバス「見つけたところで3秒後には別のところにいると思うぞ」

サリース「うーーん……」
 

 最初はガンバを捕まえる方法を考えていたが、笑い疲れ、考え疲れ、だんだん無駄話へと逃げていくプレイヤーたち。

 TRPGで陥りやすい罠のひとつである。
 

ユンケ「煙でいぶりだしてみる?」

アルバス「案外その気になって出てくるかもしれんな。──よし、通風孔をふさいでサリースの部屋に追い込もう!」

サリース「やっぱりあたしの部屋かァー!」

アルバス「──という作戦考えたんだが、こんなんであのガンバが出てくるでしょうか、GM」

GM「ガンバって息してたっけ?」

ユンケ「鼻の穴は飾りだからねェ……」

GM「やるだけやってみるかい?」
 

 とゆーワケで、ガンバは通風孔に潜んでいるだろうとアタリをつけたPCたちは煙でいぶりだす作戦に出たのだった!(作業はカリストパラスが行った)
 

GM「じゃあオープンダイスで振ってみるね。50以下が出れば、ガンバが出てくるってことで」
 

 コロコロコロ───出た目はなんとクリティカル。
 

GM「……最初からサリースの部屋にいたってこと……?」

サリース「煙使う必要なかったね……」

ユンケ「しかも葉巻とか吸ってたりして」(ガンバはれっきとした成人です)

GM「では、サリースの部屋でガンバと対面だ」

オードー「さて、どうやって意志疎通するだ?」

サリース「話ができそうなのは先生とリルル……リルルはいないんだっけ」

GM「獣同士の方がいいんでない?」

アルバス「普通にユンケに話してもらったらいいんじゃないか?」

ユンケ「じゃあしっぽを切り離すように念を飛ばすだわさ」

アルバスガシューンガシューンガシューン……

サリース「なぜそんな音が……?(笑)」
 

 んで──ぽろっとしっぽを切り離すガンバ。
 

ユンケ「明らかに、勉強部屋にいた動物のしっぽだったりして」

アルバス「リスのしっぽだったり?」

ゼナ「『ウソつけー!』と思っておしりを見たら、ホントにそんなかんじのしっぽが切れた跡があったり」

GM「ガンバなら何でもアリだもんねェ」

アルバス「服脱いだとこ見たことないからどんなしっぽか──そもそもあるのかないのかすら分からないんだよな……」

オードー「そんなしっぽを飲まねェといけねえんだから、大変だァな」

アルバス「死ぬな、きっと……」

ユンケ飲んだら死ぬな。死ぬなら飲むな
 

 うつろな笑いが辺りに響く。

 ……疲れてるのか、みんな……?

 サリース(のプレイヤー)なんて倒れたまま動かないし(サリース「……笑い疲れた……」)


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