GM「エノク先生」
ゼナ「たたたァッと駆け登って、引きちぎる(笑)」
アルバス「2・3本だけと言わず思いっきりな」
エノク「ひぎゃあああああ……!!!」
こうして早くも第1の材料はクリアー。次は──
オードー「ヒーメル──姫をどうやって泣かせればええだ……?」
アルバス「誰かが駆け登って、目を殴る」
ゼナ「ヒドイかも……」
アルバス「でも確実だろ?」
ゼナ「涙……タマネギ……?」
ユンケ「タマネギをすりおろしたモノを、目にこすりつけるだわさ」
ゼナ「別にこすりつけなくてもいいじゃないか」
アルバス「ワサビを鼻から注入」
ゼナ「やめてください。そんなの美しくないですよォ……」
アルバス「リルル、すぐそこにいるんだろ? だったら自分で何とかしてもらおう」
ゼナ「やっぱりタマネギが一番無難かなァ」
アルバス「目を指差して、冷蔵庫を指差す。そうすると、中から裸のサリースがでてくる」
サリース「なぜーー!!?」
ゼナ「その前にリルルが『ヒーメル』だって知ってるんですか? ボクは知ってるけど」
GM「確かに。ゼナ以外は知らないなァ」
サリース「そもそも『ヒーメル』って何よ?」
GM「古代に栄えた翼のある一族のことだね。今より高度な文明──エスペルプレーナもそうだな──を持ち、なぜか滅びていった謎の一族でもある」
サリース「なるほど……」
アルバス「それは分かった。──で、オレらには『ヒーメル』の心当たりはないってことだな?」
ゼナ「『ヒーメル』はボクが何とかしますから、もういっこの方から探しません?」
ユンケ「……ガンバ……? どこ行っただわさ?」
オードー「捕まえようしたら、しっぽ切るだか?」
GM「本体残してしっぽが逃げるかもしんないけどね」
ゼナ「みんながガンバのこと話してるうちに、『どうしたらいい?』ってリルルに目で訴えよう」
オードー「そうすっと、またいい眺めなんだべな?」
ゼナ「あうッ」(あわてて目をそらす)
アルバス(その横で見上げて)「ほう……」
ゼナ「なに見てんですか! アマリリスのくせに!」
アルバス「なにォう!」
(またも)ドタドタとケンカを始めた2匹にカポッと洗面器をかぶせ、リルルは外へ出ていってしまう。
ゼナ「あらら……行っちゃった……。怒ったのかな……」
GM「部屋に着替えにいったんじゃない?」
サリース「とりあえずガンバに目標を絞った方がよさそうね。ユンケが説得できない?」
ユンケ「ムダだわさ」
ゼナ「カリストパラスはガンバの居場所分からない?」
カリストパラス『わたしも万能じゃありませんから』
ゼナ「自分の『船』のことでしょ?(怒)」
アルバス「見つけたところで3秒後には別のところにいると思うぞ」
サリース「うーーん……」
最初はガンバを捕まえる方法を考えていたが、笑い疲れ、考え疲れ、だんだん無駄話へと逃げていくプレイヤーたち。
TRPGで陥りやすい罠のひとつである。
ユンケ「煙でいぶりだしてみる?」
アルバス「案外その気になって出てくるかもしれんな。──よし、通風孔をふさいでサリースの部屋に追い込もう!」
サリース「やっぱりあたしの部屋かァー!」
アルバス「──という作戦考えたんだが、こんなんであのガンバが出てくるでしょうか、GM」
GM「ガンバって息してたっけ?」
ユンケ「鼻の穴は飾りだからねェ……」
GM「やるだけやってみるかい?」
とゆーワケで、ガンバは通風孔に潜んでいるだろうとアタリをつけたPCたちは煙でいぶりだす作戦に出たのだった!(作業はカリストパラスが行った)
GM「じゃあオープンダイスで振ってみるね。50以下が出れば、ガンバが出てくるってことで」
コロコロコロ───出た目はなんとクリティカル。
GM「……最初からサリースの部屋にいたってこと……?」
サリース「煙使う必要なかったね……」
ユンケ「しかも葉巻とか吸ってたりして」(ガンバはれっきとした成人です)
GM「では、サリースの部屋でガンバと対面だ」
オードー「さて、どうやって意志疎通するだ?」
サリース「話ができそうなのは先生とリルル……リルルはいないんだっけ」
GM「獣同士の方がいいんでない?」
アルバス「普通にユンケに話してもらったらいいんじゃないか?」
ユンケ「じゃあしっぽを切り離すように念を飛ばすだわさ」
アルバス「ガシューンガシューンガシューン……」
サリース「なぜそんな音が……?(笑)」
んで──ぽろっとしっぽを切り離すガンバ。
ユンケ「明らかに、勉強部屋にいた動物のしっぽだったりして」
アルバス「リスのしっぽだったり?」
ゼナ「『ウソつけー!』と思っておしりを見たら、ホントにそんなかんじのしっぽが切れた跡があったり」
GM「ガンバなら何でもアリだもんねェ」
アルバス「服脱いだとこ見たことないからどんなしっぽか──そもそもあるのかないのかすら分からないんだよな……」
オードー「そんなしっぽを飲まねェといけねえんだから、大変だァな」
アルバス「死ぬな、きっと……」
ユンケ「飲んだら死ぬな。死ぬなら飲むな」
うつろな笑いが辺りに響く。
……疲れてるのか、みんな……?
サリース(のプレイヤー)なんて倒れたまま動かないし(サリース「……笑い疲れた……」)