GM:んじゃ、アルバスにいこうか。
アルバス:アルバスはね、最初はこうなる予定じゃなかったんだ。
ガンバ:どういう方向でいこうと思ってたの?
アルバス:最初、『GURPS』でキャラ作っただろ? そのとき特徴でいつもの「好色」「酒乱」ってのを外して、代わりに「高慢」と「自信過剰」をつけたんだ。で、それをメインに能力値は高めにして、「できるんだけどいけすかない」タイプにしようかと。
GM:シェオールみたいな?
アルバス:そうだな。で、いざ作ろうとしたとき「封印魔法のルールがない」って言われて。仕方がないから直接殴りにいって。
ゼナ:そうだったんだ(笑)。
アルバス:その結果「偉そうだけど中身がついていかないヤツ」になって、中身がついていってないのがバレだすと「ワガママなヤツ」になった……。とまあ、そういうワケだ。……そのへんから狂いだしたんだな。
GM:最初からじゃないか(笑)。
アルバス:そうとも言う(笑)。……そういうイミでは『失敗作』なんだ。
GM:でも……第三部での一番の収穫は、アルバスというキャラクターだったと思うよ。
ゼナ:素晴らしいですよね。暗いとこ怖いし。
アルバス:それも『GURPS』の名残。「暗闇恐怖症」ってのを取ったから。
リューセ:アルバス、最初の頃はメチャメチャかわいかったんだけどね〜。反抗するようになってからだんだんむかついてきた。
ゼナ:あはは。
リューセ:密かに「リューセでも救えないかも」って思ってたんだけど、お母さんが出てきた頃からまたかわいく見えてきた。アルバス、かわいすぎ。
GM:それが恋心の正体だったのか……(笑)。
リューセ:アルバスが、パーティの方向性を決めたよね。第三部の雰囲気というか。
アルバス:どんな暗い過去があっても、それを振り切って前に突き進むヤツになったよな。
ゼナ:よく言えば。
アルバス:よくも悪くも後ろを向かない男。
GM:やれやれ。
アルバス:アルバスは……やればやるほどプレッシャーがかかるキャラだった。
GM:みんな期待してたからね。アルバスが何かやってくれないと物足りない自分がいる(笑)。
ゼナ:うんうん。
リューセ:それだけ、アルバスが第三部の顔だったってことよ。
アルバス:うーん……ブラマーで兄ちゃんとか脅してた頃が、一番楽しかったかも。
ゼナ:輝いてましたよね。
GM:今、最初の方を読み返すと、のんきだもんね〜。
ゼナ:『弁天』の裏に捨てた死体はどうなったんだろう。
GM:「それはいい考えです〜」で、あとほったらかしだもんな。……やっぱ一番の悪党はリューセなのかも。
リューセ:神様は残酷なものなのよ。……これで全て解決。
ゼナ:……解決したんですか……?
リューセ:(話題を変えて)GMは思い入れのあるキャラとかいる?
GM:そうだなァ……エノクとかシモーヌとかみんな思い入れはあるけど……タナトスについて、もちょっと語りたかったかな、って。
ガンバ:それはつまり外伝として書き下ろすってことだね。
GM:うー……できれば、ね。
XXはムダじゃないんだぞ(GM)
サリース:GMにつけられた設定も多かったね〜。
GM:それはいつものことじゃないか。それに、「記憶喪失だから、あとよろしく」とかって言う方が悪い。冗談じゃないっての。
ゼナ:あはは。
アルバス:オレは家族とかコイジィ・ニールとか詳細な設定を送ったぞ。……ああいう風に使われるとは思わなかったけど。
サリース:自分で作った設定が、意外な使われ方することあるよね……。
アルバス:(XX1で)いいこちゃんやったばっかりに、とんでもない設定が加わったし。
GM:そうそう。「これはアルバスの中にもうひとり別の『人格』がいるな」ってことで『ソフィア』という設定ができて……結果、パーティを裏切ることになった。
ゼナ:そんな裏があったんですね……。
GM:ちなみに……XX1でタナトスやゲオルグの幻影を見たり、XX3でアヴァロンの記憶を追体験したりしたのは、リューセの中の『黄金の林檎』の記憶が漏れたからで……XX2やXX3でのアルバスの魔法の暴走は、『ソフィア』がアルバスの潜在能力を引き出した結果。
アルバス:『ソフィア』は抑制系の力じゃないんだな。
GM:そうだね、どっちかというと解放する方じゃないかな。だから普段はアルバスが押さえ込んでたんだけど、熱出すとその力が弱くなって、『ソフィア』が顔を出す。で、だんだん蝕まれていって……18話で乗っ取られた。──サリース、XXはムダじゃないんだぞ。
サリース:なんであたしにだけ言うのよ。
GM:「所詮XXだし」ってよく言ってたから。
アルバス:言ってたなー。「所詮XXだし」って言いながら呑んで寝てたなー。
ハラハラしたもん、こんなに悪くて大丈夫なのかって(ガンバ)
アルバス:自分のキャラで名ゼリフとかある?
ガンバ:「サリースのアソコは……」
サリース:……やっぱそれなの……?
ガンバ:結構ネタとしてストックしてたのも多いからね。いつ言うかずっとチャンスを待ってたし。だからそういうのを一発かます前はずっと黙ってる(笑)。
GM:リューセは……やっぱ「ほえ?」かなァ。口癖になるんだろうけど。
サリース:あたしは特にないけど……アルバスは多いよね。
アルバス:「人に謝るときに、なぜお前の手は地面についてないんだ?」とか。
リューセ:門を突破するときの「お前は何も見ていない」とか。
GM:GMの中では「オレがオレである以上負けるわけがない」が一番のヒットかな。
リューセ:大ウソだし(笑)。
GM:『アルバス名(迷)言集』を作るといいかもしんない。
アルバス:自分のセリフなのに、リプレイ読んでて笑ってしまうからな。
ゼナ:VLS(バーチャル・ロング・シップ)とか。
アルバス:NPC(なめらか・パワフル・クリーン)とか。ET(エドワード・トンプソン)とか。
サリース:「こんなこと言ったかなァ〜?」ってのは多いよ。
GM:今回、熱血系のセリフはほとんどないね。
ガンバ:BKがいないから。
リューセ:でも、リプレイになるとちょっと熱血入ってて、そのへんはうまいなあと思うけど。
サリース:ギャップあるけどね。
リューセ:自分ではぼそっと言ったつもりでも、太字に強調されてると何か違うように見える。
ゼナ:「机の上にあるナイフで腹を刺す」(笑)
リューセ:「極悪」って注釈がついてるし(笑)。
GM:アレで方向性が決まった気はするな。
ガンバ:ちょっとハラハラしたもん、こんなに悪くて大丈夫なのかって。
アルバス:極悪非道だったもんな、あの頃は特に。
リプレイ読むと「ああこういうキャラなんだ」って分かります(ゼナ)
リューセ:こんなに後味がよかったのは久しぶり。『MOND1』以来かな。
アルバス:いや、それ以外には『MOND2』しかないだろう(笑)。あとは……全部途中で終わってるな。
リューセ:第三部でよかったのは、セッションしながら同時進行でリプレイが読めたことだよね。
ガンバ:そうだね。
リューセ:自分のキャラの言動とか確かめられたし。
ガンバ:第二部は2回に分けてやったけど、自分のキャラが固まりきらないまま終わったからね。
GM:あれはあれでよかったと思うけどね。ライブ感というか、切羽詰まった感じというか。二部には二部の、三部には三部のいいところがあると思うよ。
アルバス:今回、みんなキャラクターが立ってたよな。
リューセ:リプレイはさんでキャラを固める時間があったからだよ。
ゼナ:自分でつかみかねてても、リプレイ読むと「ああこういうキャラなんだ」って分かりますしね。
リューセ:そのワリには『リューセ』をつかみきれてなかったけど。
GM:アルバスとリューセは……何を考えてるのかよく分からなかった(笑)。だから主人公とヒロインのはずなのに内面の描写がほとんどない。……まあ問題児を物語の『中心』に持ってこなかったから、第三部は崩壊しなくてすんだんだけど。
リューセ:実は私、心の中ではとんでもないこと考えてるかもしれないよ。「ほえ?」ってのはカモフラージュで。
ゼナ:「ほえ?」って言っとけばみんなが油断すると思ってるんですね。
リューセ:そうそう。フフフフフ……。
ゼナ:こ、こわいかも……。