トール――
水上都市。エノクのいた街。レオとアン、オードーが仲間になった街。
巨人のうまれた街。巨人が暴れた街。
ちいさな……ちいさなちいさな命がたくさん消えた街。
ヴェルザンディ――
聖なる都。
クリシュナがいたところ。
クリシュナ……『再生<ビデオ>』の力を持つ『ソフィア』の対なる存在。
クリシュナは現在<ここ>にいる。ということはソフィアは……やっぱり自分なんだろうか。
あいまいな記憶。夕日の思い出。アヴァロンとは、パーティーで……
また、記憶……
そして……ゼナの右腕が、こわれちゃった場所……
ヴィゾフニル――
ユナと出会った。『船』の中で。
『BOOK』に図書館。そしてヒイラギ。
ゴーヴァが破壊された。
ハガイ博士の過去にいったりもした。
不思議な場所――秘境。
アドラメルク――
ヒトがいない遊園地。過去を見る場所。
シェオールは研究所から逃げ出した。ゼナのお兄さん。ゼナF−1。
アヴァロン王子の記憶も垣間見た。王位継承の儀式。『黄金の林檎』と女神の塔。
もちろんそこにはソフィアもいて……
『メルカバー』の襲来。異次元に飛ばされたっけ……
サリースがGシリーズだったということ。
そして……アルバスがいなくなった。
アールマティ――
ネフィリムの村には、巨人の子がいたらしい。トールの悪夢。巨人発生はヒュプノスのせい。
離宮は、リルルのうまれた場所。純血種。燃え尽きようとしてる命。ゼナ……リルル……かわいそう……
魔法科学研究所は、シェオールとゼナツー、そしてたぶん、ゼナのうまれた場所。
でもゼナは、そのことを知らない……
4000年前の出来事。疫風。滅び。別れ。死。
みんないなくなった。みんな……『ソフィア』が消してしまった……
……私はいったい誰……?
アルバス……
アヴァロン……
あなたに。そばに。いてほしいよ……
GM:そろそろ出発の時間だけど。着替えは終わったかな?
トパーズ:『アイオーン』のみんなはおそろいなんだね。
GM:エスペルプレーナ2の中においてあったヤツらしい。たぶん乗組員の制服なんだろうね。
リューセ:で、私たちは普段着なのね……。
サリース:いいんじゃない? 別にそれで防御力が上がるワケでもないし。
オードー:あの……おらは?
GM:あ、オードーはこれでも着てて。
一同:ぶわははははははははははははははは(大爆笑)。
ゼナ:これって……サ○ヤ人服……?
GM:そ。○イヤ人とかの戦闘用の服。なぜかまぎれこんでいたのだ(笑)。
マフィ:そういうピッチリしたのを着るとかんじが……あははははは。
オードー:いいかげん笑うのやめるだー!
まーいいじゃん。防護点にプラス1あげるからさ。
GM:アールマティから『船』を切り離したりしないといけないから、最低ひとりは例の制御室に残らないといけない。エノクでいい?
マフィ:護衛がいた方がいいんじゃない?
リューセ:じゃあ長女と次女に残ってもらえばいいんじゃない?
GM:シャナスとルーベルが残るんだね。
シェオール:発進した後、回収にいけばいいだろう。
ゼナ:そうですね。
エノク・シャナス・ルーベルがアールマティに残り、アン(とリディ)が医務室でリルルの介護。
ゼナ・ゴーヴァ・レオが機関室、オードーがキッチン。で、残りの者はブリッジへ。
操舵はシェオールが行うことになった。
マフィ:わたしがやってもいいんだけどねー。てゆーか、むしろやりたい。
シェオール:そんなアブナイこと、させるワケにはいかない。
ガンバ:えーと……この『船』は『飛ぶ』んだね。
GM:飛ぶよ。ガンガン飛ぶよ。
ゼナ:「じゃ、発進しましょうか。……ヒイラギさん、お願いします」
ヒイラギ:「了解。補助機関始動。エネルギー伝達、AからEへ」
カリストパラス:『接続完了。輝光石から主機関へエネルギー伝達』
かすかな振動が、ブリッジまで伝わってくる。
ヒイラギ:「重力制御、01から09へ」
カリストパラス:『各部異常なし。スタビライザー可動』
エノク:「アールマティ補助機関作動。『輝石』エネルギーに問題無し。出力LからHへ」
カリストパラス:『了解。同じく主機関、出力をLからHへ』
ゼナ:「了解」
ヒイラギ:「ジャイロ正常。離脱準備」
エノク:「ハッチ、開きます」
ヒイラギ:「60秒後にアールマティから分離。各部接続をパージ」
遠くで火薬の爆発音。ちょっと大きな振動。アールマティとエスペルプレーナ2を切り離したようだ。
カリストパラス:『パージ確認。姿勢制御問題無し。重力制御問題無し。全て離陸位置』
ヒイラギ:「了解。オールグリーン。いつでもいけます」
サリース:「それじゃ船長、発進してもよろしいですか?」
ガンバ:「あ〜ん、いっちゃえばァ?」
ヒイラギ:「エスペルプレーナ2、発進します!」
ゴオオオオオオオオオ……
スクリーンに映る壁がものすごい速さで移動していく。
シートに身体が押し付けられ、一瞬息がつまる。
目の前に空がせまり――
――――ォォォゴゥ!!!
エスペルプレーナ2は、天高く舞い上がった。