MOND REPLAYV

GM:それから、周囲より少し大きな家──村長の家みたいなもんだな。そこで肖像画を見つけた。温厚そうな老人と、3人の少年少女たち。ヤンチャそうな黒髪の少年、茶色いくせっ毛の賢そうな少年、青みがかった黒髪の少女。この子がアルバスママ──ニーヴェによく似てる。

レオ:少年の方に見覚えは?

GM:ユナなら分かるか。黒髪の方が、タナトスに似てる。

レオ:てことは茶色い方が、おそらくヒュプノス……。

GM:更に、地下へと通じる隠し扉らしきものを見つけた。

ゴーヴァ:鍵開けできる人は?

一同:しーん。

ゴーヴァ:じゃ、壊す(笑)。

GM:ではドカーンと壊した。地下に降りると長い廊下が続いてる。

ゴーヴァ:おれも通れる?

GM:通れることにしないとしょーがないだろう(笑)。

ゴーヴァ:なら、中身が入ってないときは折り畳んで小さくなれるってことにしよう。

GM:それでもいいけどね……。──で、その廊下が動く歩道になってて、スイッチを押すと動く。

カー:電源が生きてるカウ。なんだか……エスペルプレーナの中みたいカウ。

ゴーヴァ:近くに端末はない?

GM:ちょっと見つからないね。

ルーベル:奥にいってみよっか。

イリス:進行方向に逆らって。

カー:余計なことしたらダメカウ〜。

GM:では動く歩道の突き当たり。カギのかかったドアがあって、横にカードリーダーがある。

ルーベル:ゴーヴァ、まかせた!

GM:……破壊?

ゴーヴァ:………………。(ビームアックスを振り上げる)
 

 ずどごんッ!
 

GM:……よく考えたらカーが開けられたんじゃないか? コンピューターの塊みたいな生き物なのに。

イリス:さすが空飛ぶiB○OK。

ゴーヴァ:微妙に性能悪そうだな……。

GM:んじゃ、扉の奥。まるで病院のような雰囲気の部屋だね。奥の方に巨大な冷凍庫らしきものがある。手前の方に机とパソコン。資料の入った本棚。試験官やビーカー。右手奥の扉の横にはカードリーダーがある。

ゴーヴァ:じゃあコンピューターに、アクセス!

レオ:冷凍庫は危険そうだから、本棚をあさることにします。

GM:本棚からこんなものが見つかった。観察日記みたいなものだ。
 

 「3月12日 実験サンプルに封印魔法を施す。副作用は特になし」
 「3月15日 サンプル15体中4体に異変。腹部が破裂」
 「3月18日 比較的良好なものにリハビリ開始。ドーギルが特に順調」
 「3月24日 6体が死亡」
 「3月28日 3体を通常生活に戻し、経過を見ることにする」
 「4月 1日 良好。精神的にも安定しているようだ」
 「4月 3日 ドーギルが死亡。せっかくうまくいっていたのに……」
 「4月12日 残り2体カッシーとウェアの封印魔法を解呪」
 「4月15日 カッシー、ウェア、共に着床を確認」
 「4月24日 カッシー流産。処分が決定」
 「5月 4日 ウェア良好。残ったのは彼女だけだ。がんばってほしい」
 「5月12日 ウェア早産。しかも死産。実験は失敗だ。ウェアは処分が決定」
 「6月 2日 第2次実験を行うことが決定。またあの日々が戻ってくるのか」
 

レオ:なんか……イヤなことを連想させるな……。

GM:パソコンからは、奥の扉を開けるパスワードのメモが見つかった。

イリス:パスワードじゃなくて、そのメモなのね。
 

 「どうも忘れやすくていけない。狸に覚えていてもらおう」

  『TAITAN WITH HEART』
 

イリス:タヌキって、ことわざ教の人?

ゴーヴァ:あ、おれもそうかと思った。

GM:違う違う。

ゴーヴァ:パソコンはスタンドアローン?

GM:だ、ね。外とはつながってない。

ユナ:机は?

GM:机の中にはカードキーが入ってた。

ルーベル:冷凍庫開けてみようか。……ゴーヴァ、よろしくゥ。

ゴーヴァ:……あいよ。

GM:厳密にはどういう造りになってるのか知らないけど、開けてみると冷凍された精子や卵子が入ってる。

レオ:うはァ……。

ルーベル:奥の扉を開けてみるしかないね。カードキーと……パスワードが必要なのかな?

ゴーヴァ:「狸に覚えていてもらおう」ってことは、タヌキを探さないといけないんだな。

ルーベル:そっか、本物のタヌキがいるのねッ!(←いません)

レオ:タヌキってことは、『た』を抜けってこと?

カー:じゃあTとAを抜いて……『INWIHHER』カウ。

GM:はずれ。

イリス:タイタンって、「TITAN」じゃないの?

ルーベル:そもそもなんで英語と日本語が混ざってるわけ?

GM:(そこらへんもヒントと言えばヒントかな? 言葉そのものにイミはないんだよー)

イリス:分かった、「タヌキ」じゃなくて「ムジナ」って読むんだ!(←違います)

レオ:なら……TAを取って、『INWITHHEART』だ。

GM:はずれ。

レオ:てことは……やっぱりTとAを抜いていって、最後のTはその後にAがないから残す。つまり『INWIHHERT』!

GM:ん、それで正解。

イリス:なーるほどねェ。

GM:では、カードキーとパスワードで奥の扉が開いた。広ーい部屋に、コールドスリープ用のベッドがずらーっと並んでる。で、その中のひとつにだけ、女性が眠っている。

レオ:お?

GM:ベッドには注意書きがあるよ。「解凍してから解呪すること」

イリス:誰か、電子レンジの用意を!

GM:解凍ボタンも解呪ボタンもベッドについてるってば。

カー:研究ノートからすると、この人がウェアさんカウ? それとも第2次実験のときの──

イリス:そんなの、解凍してみれば分かるって。ぽちっとな。

GM:両方のボタンを押すんだね? そうすると解凍された女性のおなかが、どんどん大きくなっていく。

レオ:やっぱりか!

GM:で、ぐちゃっと産まれた巨人の子供が、成長していく──トールの街の悪夢の再来だね。

レオ:逃げないと……ッ!

GM:んー、ダイジョーブ。今回は3メートルぐらいで成長が止まるから。あちこち肉もグジュグジュになってるし。

ゴーヴァ:腐ってやがる……早すぎたんだ。

GM:んじゃー、戦闘いってみよーかァ!
 

 半年に一度のルール改正(とゆーか作成)により、今回から魔法データが大幅変更。
 白・黒・赤・青・黄・神聖の属性に分かれ、魔法使い系の人が白黒(基礎魔法)プラス一色の属性の魔法を、聖職者系の人が神聖魔法を使える、のだ。
 

イリス:カーが上から指示を出してるってことで、イニシアティブ振ってねー。

カー:了解〜。(コロコロ)こっちからカウ。

ルーベル:よし、思い切って《黄色い声援/7Lv》をゴーヴァにかける。

レオ:うわー、いきなりとんでもないことをするねェ。
 

 魔法習得数は最初から決まっていて、レベルが上がると魔法の威力が上がる。それにともなって精神点の消費も大きくなる。
 ルーベルが使った《黄色い声援》は、「攻撃力+10・ダメージ+5・回避+10」(レベル1)の効果がある魔法。それを7倍掛けしたのだから、ゴーヴァには「攻撃力+70%・ダメージ+35点・回避+70%」の修正がつくことになる。
 

イリス:ゴーヴァに《赤い黒豹》(1ターンに2回行動が可能になる)を。(コロコロ)発動判定成功。

GM:とんでもないドーピングをしてるな……。

レオ:レベルが違いすぎる……。やることがない。

GM:巨人を産んだお姉さんが、まだ息があるんだけど。

レオ:じゃあそっちへいこう。

イリス:そっちを殺るの?

レオ:応急処置にいくの!

ゴーヴァ:攻撃いっきまーす!(巨人の回避率を聞いて)101%の成功率。(コロコロ)ファンブルしてないから当たりだね。ダメージが……(コロコロ)60点。2回目の攻撃が……(コロコロ)03! クリティカルだ。
 

 クリティカルは、ダメージが2倍になる。
 

ゴーヴァ:ダメージ、114点。

GM:(計算して)し、死んだ……(笑)。
 

 1ターンで終わりかいッッ!
 

GM:《黄色い声援》おそるべし……。巨人の子供は、ぐじゅぐじゅと肉の塊になりました。

ユナ:女の人の治療をしよっか。封印してもいいけど。

GM:魔法とか使えば大丈夫か。──回復したよ。

ゴーヴァ:男性陣ふたりはあっち向いておくように。

GM:レオとエノクが応急処置してたんだけど……(笑)。ゴーヴァは?

ゴーヴァ:機械だから、問題ナシ。

カー:カメラ回してるかもしれないから、一番危険カウー。

GM:彼女は当然、現状を把握していない。あ、名前はスリーフさんね。寝てたから。

GM/スリーフ:「ここは……? 今は……いつですか?」

イリス:「昨日の次の日です」

GM:そういうことを聞いてるんじゃない。

カー:逆に、彼女がいつ生まれたのか聞いてみるカウ。

GM:話をしてみると分かるけど、スリーフはトールの街に住んでいたらしい。で、赤い仮面の男にここに連れてこられたと言っている。──ちなみに彼女が生まれたのはテーレ1112。今がテーレ1136だから、24歳ぐらいだね。

レオ:ちょっと待って。てことは『ここ』は……現在?

GM:(過去に飛ばされたと思ってたのか……)

レオ:でも……『ネフィリム』が時間を超えられる可能性もあるか……。
 

 それは、考え過ぎです。



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