ソフィア:わーい仲間だモー!
GM:(ふう……)さ、次は『兄弟』のゲオルギウスだゲロー。
ゲオルギウス:GMまで「ゲロゲロ」言う必要があるのか? (カードを1枚引く)……『甘〜い、と・い・きゲーム みんなから生暖かい吐息をもらう。首筋、耳たぶ、どこでもOK! 考えようによってはおいしいだろう』……おいしくない。
アヴァロン:……よし、サイコロを振って、出目が小さかった順にやろう。
みんなでサイコロころころころ……
GM:俺からか……。甘い吐息ね? キスじゃないよね? ……じゃ、いくぞ……。
ゲオルギウス:(目を閉じて待ってる)
一同:ドキドキドキ……
GM:(首の後ろにふううぅぅ)
ゲオルギウス:おひゃひゃひゃ(もだえてる)。
アヴァロン:つ、次はオレだな……(接近して、左耳にふううぅぅ)。
ゲオルギウス:うははァァ鳥肌がァァァァ。
オラクル:で、おらの番だ。(息を吸って右耳に)ふううううううううううぅぅぅ……
ゲオルギウス:おあああああ、長い長い長い! 息が続く限りやるなー!
GM:慣れてないからねェ……ゲロ。
ゲオルギウス:ええい次ィ! いずこからでも参られよ!
サラ:(首筋に、フッと一息)
ゲオルギウス:え〜、それだけェ〜?(笑)
ソフィア:次は私だモー。さ、目を閉じて閉じて……モゥ。
ゲオルギウス:ん、いいぞ。
ソフィア:(右耳にそぉーっと近づいて)はむ。
ゲオルギウス:噛むなァァァァァ!!
ユナ:最後はわたしですね♪ にゅにゅ〜ん♪(接近接近)
ゲオルギウス:そこ、は、太ももの、内側、だー! ヤメロォォォォ!!
オチをつけないといけないから、芸人は大変です(間違い)。
GM:次はオラクルだゲロ。(「罰ゲーム免除」のジョーカーを抜いて、代わりにのけておいたイヤすぎるカードを加えて……と)さあ引くゲロ。
オラクル:『熱唱さるゲーム みんなの前でサルが出てくる歌をうたう。みんなは、手拍子で応援』
ゲオルギウス:これはもう、『サルゲッチュ』しかないでしょう。しかも振り付きで。
オラクル:それはよく分からんから、他のを歌わせてもらうだ! ──ア〜イアイ♪ア〜イアイ♪
アヴァロン:なんだ、その貧弱な歌は。
GM:王子はご不満だゲロ。
ユナ:あ、あれにしよ。『プロゴルファー猿』
アヴァロン:あの歌、「猿」って言葉出てきたか?
ゲオルギウス:最初のセリフがあるな。
オラクル:んじゃ……それいくだ。──「わいは猿や! プロゴルファー猿やー!」
一同:チャララチャララチャララチャララ、チャ、チャ、チャーン!(前奏)
オラクル:つーむじかぜまーうティーグランドでー ねェーらうはグーリンのターァゲェェットォ♪
だーいちーをつかーむりょーあしとー とーしをつなーぐりょーうでにー♪
いーのちをかけーたこーォのいちだァー しーろいボォールよー、ひ、とーォもーえーよー♪
とべ! はやく、つよくゥ、たかくゥー! とべ! はやく、つよくゥ、たかくゥー!♪
くも、さきィー あーらしをよんでェ ゆめーをゆめをゆめーをォー!♪
ゆゥめェーをかちとろォォォォーーー!!!♪
GM:さ、最後だ。サラ、引くゲロー!
サラ:う〜(イヤイヤ引く)……『うそ告白タイムゲーム 大声で右隣の人に言おう。感情を込めて「好きだ!」(女子は「好きっ!」)』……って……隣……ユナ?
ユナ:イヤン♪
アヴァロン:感情を込めて、か。大変だな(笑)。
ゲオルギウス:「好きだ!」だけじゃなくて、何か枕詞がほしいよな。
GM:やっぱみんなが納得しないとダメだゲロー。
サラ:うわァアアアァァアマジでこれイヤだァァァァァァァアア!!!
ソフィア:さ、実際の告白の練習だと思ってがんばるモー。
サラ:くッ……ん、す、……好きッ! ……ぷっ!
一同:ブーブーブー!!(ブーイングの嵐)
アヴァロン:ダメだダメだ、まるで感情がこもってない。
ソフィア:できるってばァ〜! 今なら私、誰にだって告白できるよォ〜!
GM:寝不足の明け方(午前7時。すでに明け方ですらない)で、アルコールバリバリに入ってるからねー……ゲロ。
ユナ:(くぴくぴとウィスキーを飲む)
GM:(同じくくぴくぴ飲んで)サラも、飲んで勢いつける?
サラ:ううん、いらない……。
ユナ:(じっとサラを見つめてる)さ、思い切って。(←よっぱらい:その1)
ゲオルギウス:いやー、これはいいのが当たったなァ……。(←よっぱらい:その2)
アヴァロン:ほら時間おしてるぞ。さっさとやれって。(←よっぱらい:その3)
GM:ほらほら、朝日が夕日のように見えてキレイだよ。(←よっぱらい:その4)
サラ:うああ……イヤだァ。
オラクル:3、2、1……キュ!
サラ:す、好きだゥふ……。
一同:ブーブーブー!(ブーイング)
ゲオルギウス:最後で息が抜けてるとダメだよな。
アヴァロン:ふわァ……あ〜あァ(大あくび)。ちゃんとやれよ、まったくゥ。
GM:ああッ! 王子が退屈しはじめたゲロ!
周りがなだめたりすかしたり脅したり寝たり(?)するのだが、どーにもうまくいかない。
サラ:いぢめだァ……。
アヴァロン:自分が実際告白するときのことを考えてやれば、簡単だろ?
サラ:……それが難しいんだってば。
GM:王子、どうしましょうかゲロ?
アヴァロン:それじゃーさ、3枚別のカードを引いてそれをやるか?
サラ:……ヤダ。
んー……いかに「好きだ」の3文字に気持ちを込めるか、が問題なのだな。
ゲオルギウス:いっそ、シチュエーションを考えてやるか?
アヴァロン:それともそこにある本(どんな本かは内緒)を朗読する?
サラ:それはゼッッッタイにイヤ! ……大体さ、自分たちがこういう立場に立ったらできるの?
アヴァロン&ソフィア:できるよ(あっさり)。
サラ:あーもゥー!(キレる寸前)……いくよ!
一同:おう!
サラ:……好きだッ!
GM:んー……、ま、よしとしますか。
アヴァロン:え〜(不満そう)。──あのさ、どういうシチュエーションで告白してるのか考えてる?
サラ:そこまで考えるかァァァァッ!!
アヴァロン:「感情を入れる」ってのはそういうことだろ?
王子はまだ御不満のようだが、ここまでにいたしましょう。
サラ:なんか……無意味に疲れた……。
GM:さすが『女神の塔』の試練、ってワケだ。
一方、アヴァロンの方は……
GM:さて、最上階に着いたよ。
アヴァロン:は? もう?
GM:いろいろワケあって……途中のイベントは後日やるから。
アヴァロン:ん、了解した。
GM:最上階は神殿のような造りになってる。奥に祭壇があって、翼が生えた女神像がある。
アヴァロン:そっちにいってみよう。
GM:想像ついてると思うけど、女神オファニエルの像のようだ。んで、祭壇の中央に隙間がある。何かをはめ込むようになってるみたい。
アヴァロン:隙間? ……ひょっとしてクリシュナからもらった『箱』か?
GM:ん、サイズぴったり。
アヴァロン:なら、はめ込んでみよう。
GM:そうすると天井から、屋上へ続く階段が降りてくる。
アヴァロン:屋上へいく。
女神の塔 屋上──
アヴァロン:「んー……何もないな」
GM:足元に魔法陣のようなモノが描かれているようにも見えるけど、風化して色あせてしまっている。
アヴァロン:てすりすらないとは……落ちたら危ないぞ。──眺めは、いいんだろ?
GM:アールマティが一望できるよ。北の方にはお城が見える。離宮もね。でも南の方は雲が多くて、下の方はよく見えない。
アヴァロン:結構高いんだな、この塔。
GM:まあね。──さて、よく見ると北の方──お城が見える方──の床に石板がはめ込まれている。
アヴァロン:見てみよう。何か書いてあるのか?
GM:『己を信じ天に舞え。それが試練なり』
アヴァロン:……つまり、ここから飛び降りろってこと?
サラ:それって、一歩間違えば飛び降り自殺になるんじゃ?(笑)
GM:かもね。
ゲオルギウス:ヒーメルなんだから飛べるんじゃないのか?
GM:『成人の儀』を終えたら……ね。つまりここで飛べるかどうかが『成人』できるかどうかの分かれ目ってこと。翼は出せても、それは偽りの翼かもしれない。
ゲオルギウス:んん、なるほど……。
アヴァロン:……よし、飛んでみよう。
ソフィア:淡々と言うねー。さすが王子。
アヴァロン:ま、大丈夫だろ。
息を吸い、瞳を閉じる。
浮かんでくる……成人の儀……黄金の林檎……皆の失望した顔……
愕然とした父の顔……真っ青になった母の顔……
ヒイラギ……サラ……ユナ……オラクル……ゲオルギウス……タナトス……
ソフィア……
はじめて逢ったのは夕日の丘でだった……
はじめて逢った気がしなかったのは……
「ああ」
夢で何度も見た光景だったから。僕はまだ幼く、君もまた、幼い姿で……
風を感じる。冷たいが、やさしい風だ。
……だいじょうぶ、もうこわくない……
ゆっくりと、風を受け止めるように両手を広げる。
そして一歩踏み出し、
僕は、宙に、舞った──