GM:街外れの小さな家に、白髪の老人の姿をしたハガイがいる。この姿で人生を終えるつもりらしい。
ハガイ:「ようこそ、お客人。こんな老いぼれに、何の御用ですかな?」
サリース:そういえば……来たのはいいけど、何を聞くか整理してなかった……。
アルバス:「お前は誰だ!」
ベシッ!!(ゼナのツッコミ)
リューセ:「あの……治癒マシンは今も──テーレ1136の世界にも存在してるのですか?」
ハガイ:「治癒マシン……ずいぶんと懐かしい話だ……。わしがあれを造ったのはそう……6000年も前の話。まだ若かった頃のことだ……」
サリース:……よくそんな昔の資料が残ってたわね……。
ゼナ:データ化されてディスクにでも保存されてたんじゃないですか?
ハガイ:「あの頃……わしには妻がいた。体が弱かった彼女を何とか救おうと、わしは昼も夜もなく研究に没頭した。そして治癒マシンが完成間近になったとき……妻の容体が急変した。治癒マシンを完成させれば妻は助かるかもしれない。だが間に合わなければ妻の死に目に会えない……。わしは……装置の完成を選んだ……」
リューセ:「それで……間に合ったんですか?」
ハガイ:(黙って首を横に振る)
アルバス:「ま、間に合ってても、そのマシンが効いたかどうか分からんけどな」
一同:「……………………」
ハガイ:「いや……妻の死のわずか3日後、治癒マシンTN−R型は完成した。たった3日。いや、ほんの数時間間に合わなかっただけだった……」
アルバス:「皮肉なもんだな」
ハガイ:「わしはTN−R型を封印した。今思うと心の狭い話だが……妻を救えなかったそのマシンで、他の人を救う気にはなれなかった。……その後TN−R型は人の手に渡り、偽の記事と共に世間に公表され……糾弾され、消えていった……」
リューセ:「じゃあ今どこにあるか分からない……?」
ハガイ:「いや……それが皮肉なことに、つい『さっき』再会したよ。『ここ』の海底からサルベージされたらしい」
GM:8年前、トールの街の海底からサルベージされたのだな。
ハガイ:「TN−R型は治癒マシンというには面白い形をしておってな……人型なんじゃよ」
サリース:「ふゥーん」(←なんか分かったらしい)
アルバス:「白衣着てるとか」
リューセ:「おっきな注射器持ってるとか」
サリース:「ううん、違う。たぶん女の子のような姿をした少年……のはず」
ゼナ:(いや、たぶんそれは……それはきっと……)「身の丈が2メートルを越えた――」
一同:「あああ!!」
ハガイ:「究極の治癒マシンTN−R型――通称『ゴーヴァ』」
ゴーヴァがボクを救ってくれるかもしれない……
それは……なんだかとてもうれしいことだ。
今はない右手の人差し指に触れた、大きな大きな指……
ゴウ……逢いにいくよ。
君に………
「よい『人生』を」――ハガイのその言葉を背に、一行は『現実世界』に帰ってきた。
ヒイラギ:「わたしはここにいますから、何かあったら連絡を」
リューセ:「うん。それじゃ、ちょっとゴーヴァ探してきますゥ」
しばらく街中をうろついて……
アルバス:そういやユンケはどこにいったんだ?
リューセ:さあ? 「そのうち出てくるだろう」ぐらいにしか考えてないんだけど(笑)。
ガンバ:クルッ?
リューセ:「じゃ、ゴーヴァ探しを再開しようか」
ガンバ:それとも、思いきって機械の腕にしてしまうとか。
ゼナ:実はもう作りかけ(笑)。
サリース:「あ、そういえばファルバティス家の人たちが『ヒーメル』かどうか聞くの忘れてた」
オードー:「ハガイさんに何度も聞きにいくのも悪いべ。また今度でいいだよ」
ガンバ:「さ、ゼナ、ゴーヴァを電波で探すだわさ!」
ゼナ:「さすがにムリ」
リューセ:ゴーヴァたち、今どこにいるんだっけ?
GM:ここに向かってる。たぶんもう着いててもいいころ。……でも君たちは知らない(笑)。
アルバス:最後にヤツらを見たのいつだっけ?
GM:いつだ? ヴェルザンディ……で気づいたのは向こうだけか……トールでも会ってないし……モト……?(笑)
アルバス:「よし、モトに戻るぞ!」
GM:それじゃいつまで経っても会えないって。
アルバス:オレの知ったことじゃない。
GM:(困ったな、このままじゃ街を出ていってしまう……)じゃーちょっとサイコロ振ってみて、『心』で。
オードー:(コロコロ)お、クリティカルだべ。
GM:(いきなりかい!)オードーが……(コロコロ)シェオールとゴーヴァを見かけた。
オードー:おら、裏パーティーと会ったことないんだけんど。
ガンバ:ゴーヴァは目立つからすぐ分かったんだよ、きっと。
サリース:確かに……。あれほど目立つヤツも珍しいわね。
リューセ:それにしても……一番物騒な2人を見つけたね。
サリース:一番ヒト殺せる2人よね。
リューセ:(突然)♪あら、こんなところに♪
アルバス:(低ーい声で)人肉が♪
リューセ:……タマネギとどーやってからめるの?
アルバス:(料理の鉄人風に)延長戦のテーマは……『人肉』!
GM:……それはもういいって。――で、いきなり見つけてしまったワケだな。
リューセ:手を振ってみよう。
GM:気づかないよ。
仕方がないから2人に向かってダッシュダッシュ!!
ゼナ:「ゴーーヴァーー!!(右手を伸ばしかけて)……あ」
ゴーヴァ:『……ゼナ?』
シェオール:「やはりここに来ていたようだな」
ゴーヴァ:(ゼナの右手がないのに気づいて)「ギ……ガ……ギ……ギィ……ガギ……!」(身振り手振り)
シェオール:「腕を振り回すな、危ないだろう。――『ゼナ、右手はどうしたんだ』と言っている」
サリース:「ちゅーわけで、あたしらについて来てくんない?」
シェオール:「は? ──ガキ、右手はどうした?」
ゼナ:「ゴウってすごかったんだね、ボクの右手も治してよ、でも今のご主人様に――」(←聞いちゃいねー)
シェオール:(小声で)「……このガキが。(リューセに)――どうなってるんだ?」
リューセ:「カクカクシカジカで右手がなくなったんです」
GM:そこへトパーズたちも来ることにしよう。
アルバス:はうゥ! ……てことは――
サリース:アルバスママもいるのね。
アルバス:……ま、会うの二度目だし、慣れたモンだろ。………………ウソです。
ニーヴェ:「あら、アルバス」
アルバス:「おひさしぶりです、母上。その後つつがなくお元気でおられますか」
ゼナ:……だれ?
サリース:こんなのアルバスじゃないィィ!
イリス:「イヤァァァァ、なんかドッペルゲンガーがいるゥゥゥ!! 私もうすぐ死ぬんだァァァ」
ユナ:にゅにゅん♪ 否定はしない。
リューセ:(クリシュナを見て)「おひさしぶりです〜」
クリシュナ:「………………」
リューセ:「………………えーと……」
サリース:「なんでクリシュナさんがこんなところに?」
カー:「アルバスママが拉致ってきたカウ」
サリース:「拉致ィ!?」
アルバス:――……ていうかさ……密集しすぎ(笑)。
改めて、ゼナのことを説明するリューセ。
リューセ:「というワケで、ゴーヴァ貸してね」
トパーズ:「うん、いいわよ」 ――よし、OK!(←リューセ・トパーズ1人2役)
GM:勝手に話を進めるな(笑)。
ニーヴェ:「まあ、そういうことでしたら……。ゴーヴァがしばらくいなくても、護衛はできるでしょう。――ねえ、シェオール」
シェオール:「問題ないです」
ニーヴェ:「いざとなったら、トパーズが『十六夜』で何とかしてくれるでしょうし」
トパーズ:「ふふふ、まかせて」(不敵な笑み)
マフィ:「こんなアブナイお姉ちゃんに、わたしを持ってほしくなーい!」
トパーズ:「最近マフィが反抗期で……反抗的なんです」
マフィ:(かわいく)「だってホントのことだもん♪」
シェオール:本当は俺あたりが持つのが一番いいんだけどな。
リューセ:「とにかく。ちょっとゴーヴァをお借りします」
アルバス:「みんなでぞろぞろ行けばいいんじゃないか?」
GM:それもそうだね。
朝顔組、アイオーン、共に中央図書館へ。……大所帯だな。