MOND REPLAYV

 テーレ1128 水上都市トール――

GM:街外れの小さな家に、白髪の老人の姿をしたハガイがいる。この姿で人生を終えるつもりらしい。

ハガイ:「ようこそ、お客人。こんな老いぼれに、何の御用ですかな?」

サリース:そういえば……来たのはいいけど、何を聞くか整理してなかった……。

アルバス:「お前は誰だ!」
 

 ベシッ!!(ゼナのツッコミ)
 

リューセ:「あの……治癒マシンは今も──テーレ1136の世界にも存在してるのですか?」

ハガイ:「治癒マシン……ずいぶんと懐かしい話だ……。わしがあれを造ったのはそう……6000年も前の話。まだ若かった頃のことだ……」

サリース:……よくそんな昔の資料が残ってたわね……。

ゼナ:データ化されてディスクにでも保存されてたんじゃないですか?

ハガイ:「あの頃……わしには妻がいた。体が弱かった彼女を何とか救おうと、わしは昼も夜もなく研究に没頭した。そして治癒マシンが完成間近になったとき……妻の容体が急変した。治癒マシンを完成させれば妻は助かるかもしれない。だが間に合わなければ妻の死に目に会えない……。わしは……装置の完成を選んだ……」

リューセ:「それで……間に合ったんですか?」

ハガイ:(黙って首を横に振る)

アルバス:「ま、間に合ってても、そのマシンが効いたかどうか分からんけどな」

一同:「……………………」

ハガイ:「いや……妻の死のわずか3日後、治癒マシンTN−R型は完成した。たった3日。いや、ほんの数時間間に合わなかっただけだった……」

アルバス:「皮肉なもんだな」

ハガイ:「わしはTN−R型を封印した。今思うと心の狭い話だが……妻を救えなかったそのマシンで、他の人を救う気にはなれなかった。……その後TN−R型は人の手に渡り、偽の記事と共に世間に公表され……糾弾され、消えていった……」

リューセ:「じゃあ今どこにあるか分からない……?」

ハガイ:「いや……それが皮肉なことに、つい『さっき』再会したよ。『ここ』の海底からサルベージされたらしい」

GM:8年前、トールの街の海底からサルベージされたのだな。

ハガイ:「TN−R型は治癒マシンというには面白い形をしておってな……人型なんじゃよ」

サリース:「ふゥーん」(←なんか分かったらしい)

アルバス:「白衣着てるとか」

リューセ:「おっきな注射器持ってるとか」

サリース:「ううん、違う。たぶん女の子のような姿をした少年……のはず」

ゼナ:(いや、たぶんそれは……それはきっと……)「身の丈が2メートルを越えた――」

一同:「あああ!!」

ハガイ:究極の治癒マシンTN−R型――通称『ゴーヴァ』
 

 ゴーヴァがボクを救ってくれるかもしれない……

 それは……なんだかとてもうれしいことだ。

 今はない右手の人差し指に触れた、大きな大きな指……

 ゴウ……逢いにいくよ。

 君に………

 「よい『人生』を」――ハガイのその言葉を背に、一行は『現実世界』に帰ってきた。
 

ヒイラギ:「わたしはここにいますから、何かあったら連絡を」

リューセ:「うん。それじゃ、ちょっとゴーヴァ探してきますゥ」
 

 しばらく街中をうろついて……
 

アルバス:そういやユンケはどこにいったんだ?

リューセ:さあ? 「そのうち出てくるだろう」ぐらいにしか考えてないんだけど(笑)。

ガンバ:クルッ?

リューセ:「じゃ、ゴーヴァ探しを再開しようか」

ガンバ:それとも、思いきって機械の腕にしてしまうとか。

ゼナ:実はもう作りかけ(笑)。

サリース:「あ、そういえばファルバティス家の人たちが『ヒーメル』かどうか聞くの忘れてた」

オードー:「ハガイさんに何度も聞きにいくのも悪いべ。また今度でいいだよ」

ガンバ:「さ、ゼナ、ゴーヴァを電波で探すだわさ!」

ゼナ:「さすがにムリ」

リューセ:ゴーヴァたち、今どこにいるんだっけ?

GM:ここに向かってる。たぶんもう着いててもいいころ。……でも君たちは知らない(笑)。

アルバス:最後にヤツらを見たのいつだっけ?

GM:いつだ? ヴェルザンディ……で気づいたのは向こうだけか……トールでも会ってないし……モト……?(笑)

アルバス:「よし、モトに戻るぞ!」

GM:それじゃいつまで経っても会えないって。

アルバス:オレの知ったことじゃない。

GM:(困ったな、このままじゃ街を出ていってしまう……)じゃーちょっとサイコロ振ってみて、『心』で。

オードー:(コロコロ)お、クリティカルだべ。

GM:(いきなりかい!)オードーが……(コロコロ)シェオールとゴーヴァを見かけた。

オードー:おら、裏パーティーと会ったことないんだけんど。

ガンバ:ゴーヴァは目立つからすぐ分かったんだよ、きっと。

サリース:確かに……。あれほど目立つヤツも珍しいわね。

リューセ:それにしても……一番物騒な2人を見つけたね。

サリース:一番ヒト殺せる2人よね。

リューセ:(突然)♪あら、こんなところに♪

アルバス:(低ーい声で)人肉が♪

リューセ:……タマネギとどーやってからめるの?

アルバス:(料理の鉄人風に)延長戦のテーマは……『人肉』!

GM:……それはもういいって。――で、いきなり見つけてしまったワケだな。

リューセ:手を振ってみよう。

GM:気づかないよ。
 

 仕方がないから2人に向かってダッシュダッシュ!!
 

ゼナ:ゴーーヴァーー!!(右手を伸ばしかけて)……あ」

ゴーヴァ:『……ゼナ?』

シェオール:「やはりここに来ていたようだな」

ゴーヴァ:(ゼナの右手がないのに気づいて)「ギ……ガ……ギ……ギィ……ガギ……!」(身振り手振り)

シェオール:「腕を振り回すな、危ないだろう。――『ゼナ、右手はどうしたんだ』と言っている」

サリース:「ちゅーわけで、あたしらについて来てくんない?」

シェオール:「は? ──ガキ、右手はどうした?」

ゼナ:「ゴウってすごかったんだね、ボクの右手も治してよ、でも今のご主人様に――」(←聞いちゃいねー)

シェオール:(小声で)「……このガキが。(リューセに)――どうなってるんだ?」

リューセ:「カクカクシカジカで右手がなくなったんです」

GM:そこへトパーズたちも来ることにしよう。

アルバス:はうゥ! ……てことは――

サリース:アルバスママもいるのね。

アルバス:……ま、会うの二度目だし、慣れたモンだろ。………………ウソです。

ニーヴェ:「あら、アルバス」

アルバス:おひさしぶりです、母上。その後つつがなくお元気でおられますか

ゼナ:……だれ?

サリース:こんなのアルバスじゃないィィ!

イリス:「イヤァァァァ、なんかドッペルゲンガーがいるゥゥゥ!! 私もうすぐ死ぬんだァァァ」

ユナ:にゅにゅん♪ 否定はしない。

リューセ:(クリシュナを見て)「おひさしぶりです〜」

クリシュナ:「………………」

リューセ:「………………えーと……」

サリース:「なんでクリシュナさんがこんなところに?」

カー:「アルバスママが拉致ってきたカウ」

サリース:「拉致ィ!?」

アルバス:――……ていうかさ……密集しすぎ(笑)。
 

 改めて、ゼナのことを説明するリューセ。
 

リューセ:「というワケで、ゴーヴァ貸してね」

トパーズ:「うん、いいわよ」 ――よし、OK!(←リューセ・トパーズ1人2役)

GM:勝手に話を進めるな(笑)。

ニーヴェ:「まあ、そういうことでしたら……。ゴーヴァがしばらくいなくても、護衛はできるでしょう。――ねえ、シェオール」

シェオール:「問題ないです」

ニーヴェ:「いざとなったら、トパーズが『十六夜』で何とかしてくれるでしょうし」

トパーズ:「ふふふ、まかせて」(不敵な笑み)

マフィ:「こんなアブナイお姉ちゃんに、わたしを持ってほしくなーい!」

トパーズ:「最近マフィが反抗期で……反抗的なんです」

マフィ:(かわいく)「だってホントのことだもん♪」

シェオール:本当は俺あたりが持つのが一番いいんだけどな。

リューセ:「とにかく。ちょっとゴーヴァをお借りします」

アルバス:「みんなでぞろぞろ行けばいいんじゃないか?」

GM:それもそうだね。
 

 朝顔組、アイオーン、共に中央図書館へ。……大所帯だな。



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