フーリー
『フーリー』とは、『成長する』ロボットである。
これはテーレ1106にハガイ博士が実用に成功した古代超文明遺産のひとつで、
子供のいない夫婦に分け与えられたと言われている。
がその裏で、肉体に強化改造をほどこされた兵器としての『フーリー』が闇ルートに流出したという噂もある。
ユナ:「にゃにゃーん♪ クリティカル!」
ガンバ:「あ、わたいも。我ながらよく見つけたよね」
世界の始まり
輝光神テーレがさまよえる民に大地を分け与えたのがこの世界の始まりである。
天人は10の住処と22の道を造り、『生命の樹』の名を冠した。
魔法の原理
南キャンバス大陸の魔法は、『輝石』エネルギー『マナ』を用いる。
漠然としたエネルギーの塊である『エーテルのマナ』から、
自分が使いたい『属性』のエネルギーを抽出し、『魔法』として使用する。
その際、何かしらのアイテム──
宝石やアミュレット、輝石を埋め込んだ杖などを用いることが多い。
『天人』の歴史
「天人」の歴史は古く、トールの海底遺跡では8000年以上前の物が発見されている。
そのほかにも多くの出土品があり、いずれも優れた科学力を持った物であるが
4000年前を境に出土品は発見されなくなっている。
代わりに我々ヒトの歴史──文明が始まったのが約3000年前。
1000年の空白があることになる。
大いなる遺産
楽園になるという果実──『黄金の林檎』
それは禁断の知恵の実……
リューセ:なんか写真見つけた。……これ、スゴク興味深いね。ファルバティス家の人々だって。
ファルバティスの一族
セピア色の写真。
中央にフレイヴス。その横にニーヴェ。そして3人の少女が写っている。
その後ろに長髪の男と眼鏡の男。
日付はテーレ1126 第3の月となっている。
リューセ:「日付はテーレ1126第3の月……――なんでアルバスいないの?」
GM:10年前の写真だね。
サリース:「3人の娘……? ちょっと待って――」
アルバス:「妹は8歳だぞ。まだ生まれてないはずだ」
リューセ:「……どういうこと……?」
GM:さ、これで全部だ。この中から重要な情報を選んでくれい。
|
アルバス:それはこれしかないだろう――エロマンガー。
GM:そりゃ、南キャンバスで絶賛放映中だという裏設定はあるけど(笑)。
リューセ:「こっちにね、天才医師の記事があったよ」
オードー:「直接は関係ねえかもしんねェけど、『フーリー』の話もあっただ」
サリース:『フーリー』って個体名あるの?
GM:『フーリー』にはないよ。
サリース:『フーリー』には? てことは他のモノにならあるの?
ゼナ:GMの言葉の端々から情報を得ようとしないように。
GM:(『ネフィリム』には個体名があるんだよー。今はまだ秘密だけど)
サリース:それとさ、『フーリー』を造ったのってハガイ博士って書いてあるよね。『ネフィリム』を造ったのは誰?
GM:(えーとこの情報は……言っちゃってもいいかな。知ってるはずのヒイラギは今いないから……)エノクがさらに情報を見つけたことにしよう。『ネフィリム』を造ったのは『ヒーメル』らしい。
リューセ:(写真を見て)「この髪が長い人ってひょっとして……タナトス?」
ゼナ:「メガネの方は……父さんだ……」
サリース:「なんでこの2人がアルバスの家族と写真になんか写ってるわけ?」
GM:さらに女の子のひとりが……幼いリューセに見える。
サリース:「はあ!?? ……10年前ってことは、リューセ6歳……。この15歳ぐらいのが長女で13歳ぐらいのが次女……――ってことはやっぱこの一番小さいのはリューセ?」
リューセ:「それってアルバスじゃないの?」
サリース:「存在を隠そうとされてるアルバス……。これはひょっとして……」
アルバス:「そうか、オレはリューセだったのか」
サリース:「んなはずないでしょ。……双子だったらイヤね」
アルバス:「双子どころか同一人物! そうなるとオレとリューセがくっついたら……」
リューセ:「近親相姦どころか自己増殖?」
アルバス:「実は──『ページ』ちぎって、今日は女でいこう……とかだったりして」
GM:(アルバスは『BOOK』……。なるほど……それでもつじつまは合うのか……)
サリース:「とにかく、リューセがファルバティス家の者である可能性が出てきたことだけは確かね……」
そこへヒイラギがお茶を持って入ってくる。
ヒイラギ:「どうです? はかどってます?」
サリース:「なかなか興味深いことがいろいろと……ね」
オードー:「ちょいとちょいとヒイラギさんや、この『疫風』ってどういうもんか知らないだか?」
ヒイラギ:「疫風……」
アルバス:「風が吹いてみんな飛んでいったとか……」
リューセ:「作物とか枯らしていったりしたの?」
ヒイラギ:「あれは…………確かに『風』でした。南から吹くあの『風』に触れたとき……すべては『消滅』していった……」
オードー:『十六夜』みてェだな……。
ヒイラギ:「あのときのことは…………あまり話したくありません……。……ごめんなさい……」
ユナ:「風……『疫風』……」
サリース:「それから、この写真ね」
リューセ:「──とにかく今はゼナのことを考えよう」
アルバス:「そうだな。そんな写真、どうでもいい」
リューセ:「アガートラームの外科医……これはアリだと思うよ。あと、トールにもいるんでしょ?」
サリース:「ハガイ博士ね」
オードー:「ハガイ博士? ああ、それはダメだべ。こっち、テーレ982の博士の記事があるだ。今はもう、博士は死んでるだ、きっと」
アルバス:「治癒マシンってのもあるぞ。ひょっとしたら、その天才医師はこの治癒マシンの改良版か何か持ってたのかもしれない」
リューセ:「結論として……トールかアガートラームに行くことになるのかな。トールが一番近いね」
ゼナ:「じゃ、行きましょうか」
ガンバ:「トール、巨人に襲われてボロボロだわさ」
GM:(戻る……という選択肢はヤバイな)その資料、いつのか分からないでしょ?
リューセ:でも近いからとりあえず行ってみようかなァ、なんて。
オードー:「ああッ! 待ってくれい、よく見たらハガイ博士、テーレ982の次はテーレ1106に登場してるだ。これって、いくら何でも長生きしすぎだべ?」
GM:(よく気づいた。よしよし)
サリース:「『アムリタ』か何か飲んで長生きしたのかも」
アルバス:「それとも……あ、ああ、そういうことか。──ヒイラギ、ハガイ博士の『BOOK』、ここにないのか? それから、治癒マシンの記事がいつ書かれたものかも調べてくれ」
ヒイラギ:「わ、分かりました」
調べてみた結果――
ヒイラギ:「治癒マシンの記事は、相当古いものです。年代を特定することは不可能でした。ハガイ博士は……確かに、ここのS級『BOOK』として保管されています。ただ、もう『ページ』が尽きていて……」
アルバス:「死んでいても、『読む』ことはできるんだろ?」
ヒイラギ:「ええ、わたしが許可を出せば。――では、こちらへいらしてください」
中央図書館の奥。厳重に警備された部屋に、ハガイの『BOOK』は保管されていた。
ヒイラギ:「ハガイ博士がお亡くなりになったのはつい最近です。『BOOK』になったのは……今から約6000年前」
サリース:「6000年!? ……さっき人の歴史が始まったのは3000年前って資料があったわよね? てことはハガイ博士って――」
ヒイラギ:「『ヒーメル』です」
アルバス:「よし、それじゃ『読んで』みるか」
ヒイラギ:「はあ……」
アルバス:「ハガイ博士の最後のページはいつになってるんだ?」
ヒイラギ:「ええと……テーレ1128。8年前ですね。ハガイ博士は様々な発明、研究をされていた方でしたが……最後の1年は静かに老人の姿で過ごされたようです」
アルバス:よし、じゃあ最後のページにいこう。
GM:誰が?
アルバス:誰かが。オレが自分から、いくワケがない。
ガンバ:今、どうやって『本』の中に入るのか想像してて……本を開いて頭の上に乗せてる映像が頭に浮かんだんだけど(笑)。
GM:それはイヤだなァ……。もちょっとカッコイイ装置にしよう。ベッドがいくつかあって、コードがのびてて『本』につながってるみたいな……。まあそんなかんじ。
アルバス:「で、誰がいくんだ?」
リューセ:「みんなでいこう。はい決定〜! アルバスもいくんだからね」
アルバス:「めんどくさいのイヤなのに……」
こうして、一行はハガイの最後の『思い出』の中へ――