GM/門番神官:「『紹介状か何かお持ちですか?』」
サリース:「いえ?」
GM/門番神官:「『ではちょっとお通しするわけには……』」
アルバス:「オレが会いたいと言っていると伝えてくれ」
GM/門番神官:「『は?』」
リューセ:「困った人を助けるのが宗教じゃないのー?」
サリース:「大司祭様には会えない?」
GM/門番神官:「『大司祭様はお忙しい方ですので……』」
リューセ:「じゃあ小司祭でもいいから」
サリース:「いいワケないでしょ」
オードー:「もう一個の小さい方に行ってみるだか?」
サリース:「ああ、『天使の声』だっけ? そうしよっか」
ユンケ・ガンバ:「「天使の肥え?」」
アルバス:「……それはかなりイヤだぞ……」
てことで『天使の声』神殿へ──
GM:「ここはマイナーな女神、オファニエルを信仰しているところだ」
リューセ:「オファニエル……?」
─―何だろう……すごく懐かしい……―─
GM:「奥に神官らしき女性がいる。んで、隅の方で掃除してるのが──」
一同:「あああああ!!?」
ことわざ教総本山で行方不明になっていた、ウェンディである。
サリース:(ガシッと肩をつかんで)「ちょっとアンタ、なんでこんなとこにいるのよ?」
ウェンディ:「いや……悔い改めまして……」
ゼナ:「信じられない……(笑)」
サリース:「アンタ結局、宗教から離れられないのね……」
ウェンディ:「ここの人たちは、とても親切だし……」
アルバス:「なんだ? オレたちが親切じゃなかったとでも?」
サリース:「アンタのどこをつついたら『親切』なんて言葉が出てくるのよ」
アルバス:「だいたいブラマーで助かったのは誰のおかげだと──」
サリース:「アンタじゃなかったのは確かね。その点あたしはやさしくやさしく……」
アルバス:「時に激しく」
なんだそりゃ(笑)
サリース:「ところでウェンディ……今、幸せ?」
ウェンディ:「幸せよ。……彼氏もできたし」
一同:「なにィ!?」(ピククッ)
サリース:「別にうらやましくはないわ。あたし、彼氏は欲しくないし」
オードー:「ヤれればおっけーだかんねェ、おまえさんは……」
ウェンディ:「──積もる話はさておき、何か用があったんじゃ……?」
リューセ:「そうだった。実は──」
GM:「待って待って。まだ説明することがある。神殿の奥──神官らしき人のさらに向こうに、翼の生えた女神像がある。たぶんあれがオファニエルなんだろう」
サリース:「翼……ああ、なんとなく読めちゃった……」
GM:「で、その奥の壁に巨大なタペストリがかかってるんだけど──こんな模様ね」(紙を見せる)
リューセ:「あ、『セフィロトの樹』だ」
GM:「そのとーり」
サリース:「確かそれぞれに名前があるのよね?」
アルバス:「太郎とか良博とか……」
リューセ:「ゲブラーとかイェソドとか、よね?」
GM:「うむ。で……女神像の前にいる女性──神官ハイファに、話を聞いてもらえることになった」
リューセ:「えーとォ……なんか変な魔法をかけられたんですけど、それがちゃんとかかってるか分かんないんです。だから調べてもらえませんか?」
ハイファ:「わたしもあまりレベルが高い神官ではないんで、詳しいことは分かりませんが……『魔力感知』ぐらいはやってみましょうか」
サリース:「お願いします」
その結果、何らかの異常な『魔法力』が感知されたのはアルバス・リューセ・サリース・リルルの4人。
サリース:「ゼナは?」
GM:「ゼナからは感知されなかったらしい」
アルバス:「メフィストなんたら転換法かどうかは分からないんだな?」
GM:「そだね」
ゼナ:「なんかますます混乱してきた……」
サリース:「プレイヤーとしては、リューセとリルルの魔法力はメフィストなんたらとは別物のような気がするけど、ね」
リューセ:「アルバスと私が同じで、リルルが違うんじゃないの?」
サリース:「そういう考え方もあるか……」
アルバス:「この4人の『魔法力』が同質のものかどうかは分からんのか?」
GM:「そこまでは分かんないらしい」
オードー:「『月の雫』の方に、紹介状書いてもらえねっかなァ……」
ハイファ:「書いてもいいですけど、効果があるか分かりませんよ?」
ゼナ:「いい人だね……」
アルバス:「こういういい人が、最後は裏切るんだよなァ……」
リューセ:「それはあなたがGMのときでしょ」
サリース:「書くだけ書いてもらおうか、紹介状」
GM:「じゃあ、ハイファが紹介状を書いてる間、リルルが神殿の中をぐるーーっと見てる。リューセも、なんかここにいるとズキンとくる」
ガンバ:「そしてわたいの頭が破裂する」
アルバス:「なぜそーなる(笑)」
リューセ:「それは記憶と何か関係ありそう?」
GM:「そだねー。で、タペストリを見たリルルがこう言う」
リルル:「これはアレですね──世界地図」
一同:「なにィィ!!?」
GM:「今まで聞かれなかったから言わなかったけど(←卑怯)、下から順に、イシュタル・イルダーナ・アガートラーム・パラスアテナ・モト・トール・ヴェルザンディに対応してるのだ」
ゼナ:「ボクたちは南下してきたわけだから……」
GM:「上を北にするんだったら『セフィロトの樹』を逆さまにしないといけないわけやね」
リューセ:「『セフィラ』って、どんなのがあったっけ?」
GM:「マルクト(王国)・イェソド(基礎)・ホッド(栄光)・ネッツァッフ(勝利)・ティフェレト(愛)・ゲブラー(厳正)・ケセド(慈悲)・ビナー(理解)・コックマー(智恵)・ケテール(至福)の10個」
サリース:「じゃあ、残り3つの街は? 名前ぐらい分からない?」
GM:「ヴェルザンディ(あるいはトール)より南はいわゆる『秘境』で、立ち入りは禁止されている。名前ぐらいは分かるかな。“知識の園”ヴィゾフニル・“幻の都”アドラメルク・“最後の楽園”ニャルラトホテプ」
ハイファ:「ところであなたたち……強要はしませんが……──うちの宗教入りません?」
アルバス:「断る」(即答)