GM:「さて、話はここで『アイオーン』サイドへ移る」
一同:「おう?」
GM:「君たちは今、トールにいる。もうすぐここに到着する社長を護衛するためだ」
その昔、この街に『クラヴィーケップス(棍棒頭)』という名の巨人が現れた。
そしてその巨人を倒し、伝説の封印士と呼ばれるようになったのがアルバスの父、フレイヴスである。
シェオール:「社長がここで、か……。護衛なんかいらないんじゃないか?」
トパーズ:「あたしが守ってもらいたいぐらいなのに……」
GM:「短い距離だけど、港からコイジィ・ニールまで護衛してほしい」
シェオール:「こんなことは副社長にでも頼めばいいんだ」
GM:「副社長は今忙しいのです」
ビッケ:「では、行くか」
フレイヴスが乗った『船』が到着する『港』へ。
トパーズ:「横一列に並んでお出迎えをしよう」
ゴーヴァ:『Gメンみたいに(笑)』
シェオール:「俺たちは堂々と姿を現してていいのか? 社長は隠密でここに来るのか?」
GM:「特に隠れてってことはないけど、来ることを大々的に発表してってワケでもない」
マフィ:「ちょっと愛人に会いにきただけだから」
GM:「それはヤバイだろう(笑)」
シェオール:「どうせマントか何かで変装してるんだろ、俺たち」
GM:「どっちでもいいけど。ゴーヴァはどうしたって目立つだろうし」
そうこうしてるうちに『船』が入港。そしてフレイヴスが『船』から降り立った瞬間──
GM:「えーと『心』の『能動』値で判定をしてくれい」
ビッケ:「クリティカルで成功」
カー:「失敗カウ」
残りの4人:「「「『普通に成功』」」」」
GM:「離れたビルの屋上で、ライフルらしきものがキラーンと光ったのが見えた。フレイヴスが狙われている。──ビッケが一番早く気づいたのかな」
ゴーヴァ:『ビッケ、フレイヴスさんに抱きつかなきゃ(笑)』
ビッケ:「ではライフルで狙ってる人の身の安全を確保するために、『マンテルフォンドゥンケルハイト』(マントの名前。透明になれる)で透明になりつつビルの屋上へ走ろう」
シェオール:「狙われてる人、じゃないんだな?」
ビッケ:「社長にこのことがバレたら、問答無用で殺されるかもしれないからな。そうなると話が聞けなくなる」
マフィ:「社長が殺すかもって……それって息子の行動から判断してる?(笑)」
ビッケ:「さあな。とにかくビルへ走る。他の人も気づいてはいるだろうから、あとは任せる」
トパーズ:「社長をかばうように立つ」
シェオール:「お前の生命力じゃ、撃たれて死ぬぞ」
ビッケ:「額にビシッと黒い穴が開いて」
ゴーヴァ:『おれがさりげなく射線上に立てばいいだろ。そうすればまず当たらない』
マフィ:「ライフルの人に向かって手を振るゥー」
トパーズ:「あたしもあたしも(笑)」
カー:「──で、どうなるカウ?」
GM:「そりゃ、ゴーヴァに当たるんだろうなァ」
トパーズ:「社長、狙われてますよ」
フレイヴス:「そのようだな……」
ゴーヴァ:『狙撃失敗だな。やっぱり狙撃者は逃げる?』
GM:「うん」
ビッケ:「ではそいつをそのまま追跡しよう」
GM:「走って走って、男は汚いビルの地下に逃げ込んだ」
ビッケ:「ここで一度皆に連絡だな」
GM:「──というような連絡が入るが、どーする?」
シェオール:「アジト発見か……。そっちに行くか?」
マフィ:「でもあのおじちゃん(フレイヴス)について行けって言われたよ?」
トパーズ:「社長にお伺いを立ててみればいいよ。──どうしましょう?」
フレイヴス:「プロらしく行動しろ」
シェオール:「プロか……。今回の任務はあくまで社長を支社まで護衛すること。だからいったん支社まで送っていってから、ビッケの所へ向かうでいいと思うが?」
GM:「ビッケが見張りを続けて、残りはコイジィ・ニール支社に向かうんだね? ……どうやって?」
ゴーヴァ:『リムジンの後ろをついて行く(笑)』
シェオール:「社長を挟むようにして車に乗ればいい……んだが、俺の次に生命力が高いのってマフィ!?」
マフィ:「次に高いって言っても、ずいぶんと低いよ」
トパーズ:「あたしよりはマシだってば」
マフィ:「それにわたし、運転したーい!」
シェオール:「やめろ(笑)」
GM:「24歳だから、免許は持てるよ。それに『アイオーン』のたしなみとして、免許ぐらい持ってるだろ」
シェオール:「それでも、イヤだ」
GM:「おかしもあるし、飲み物もあるし、テレビもあるし、後部座席も楽しいぞ、マフィ」
マフィ:「うん、わかった」
ビッケ:「──と言いながらおもむろに酒をあおり始める(笑)」
マフィ:「それでもいいや」
GM:「こらこら」
そのころ──
GM:「ビッケの方に動きがある。黒服の男たちがわらわらと出てきて、車に乗り込んでいくぞ」
マフィ:「黒マントの男?」
シェオール:「それは社長の不良息子だろ」
GM:「そして最後に12歳ぐらいの少女が出てくるんだが──これがゼナにそっくりなんだな」
ゴーヴァ:『なんと??!』
シェオール:「ゼナ、女装がクセになったのか……?」
ゼナ似の少女:「さ、いくよ!」
GM:「少女はバイクにまたがると、車を引き連れていずこかへ走り去ろうとしている」
ビッケ:「皆に連絡したあと、後を追う」
シェオール:「どうせこっちに来るんだろうしな」
ビッケ:「ゼナ(に似た少女)の影に潜り込んで(笑)」
忍者ハ○トリくんか、お前は。
GM:「ではでは。もう少しでコイジィ・ニールだ、とゆーところで……気が付くと数台の車に囲まれている」
シェオール:「普通もっと早く気づくだろ?」
GM:「ぱっと見たかんじ何のつながりもなさそうな車だったってことで。あと、暴走族みたいなバイクも数台、鉄パイプ持参で君らの車を囲んでる」
ゴーヴァ:『おれのすぐ傍にいるワケだ(笑)』
シェオール:「そうか。じゃあゴーヴァにまかせておけば大丈夫だな」
ゴーヴァ:『そ、そうなのか……?』
マフィ:「あのねあのね。こういうときどうすればいいか、わたし知ってるよォ」
トパーズ:「どうするの?」
マフィ:「運転手さん、クラッチ踏んで8000回転でつないどいて。でね、それを維持したまま、合図したらギアをセカンドに入れるの。ハンドルを切って、すべり出したらもう一回クラッチオフして、またある程度すべったぐらいで踏んだら、好きな方に行けるよ」
GM:「……スゴイ八歳児だこと」
マフィ:「──てアルバス兄ちゃんが言ってた」
シェオール:「……マフィお前、アルバス兄ちゃんがって言えば何でも許されると思ってるだろ……」
マフィ:「知らんな」(←ここにもアルバスの悪影響が)
ゴーヴァ:『じゃあリムジンの前に回り込んで、向こうが前口上をたれてる間にビームアックスで斬り裂く』
GM:「そ、それは人の道に反していると思うぞ……?」
カー:「ゴーヴァは人じゃないカウ」
ゴーヴァ:『コイジィ・ニールは目の前なんだろ? 前方の安全を確保さえすれば、そのまま駐車場(スローブから地下につながっている)に逃げ込めるはずだ』
シェオール:「なるほど。で、あとは弁慶のように駐車場への道を塞げばいいんだな」
ビッケ:「そして全身に矢を受けて死ぬと」
カー:「弁慶の立往生ってやつカウね」
マフィ:「それってアレでしょ──質問攻めか何かにあって、どうしたらいいか分からず立ち尽くすこと」
トパーズ:「また誰かにウソを吹き込まれてる……(ため息)」
シェオール:「誰かって、ひとりしかいないと思うがな」
GM:「えーと、ゴーヴァが邪魔な車を排除するんだな」
ゴーヴァ:『ビームアックス振り下ろす!』
ガッ! ドゴォォン!!
そのまま駐車場に逃げ込もうとするゴーヴァの前に、例の少女が乗ったバイクが立ち塞がる!
ゴーヴァ:「ギ……?!!」(動揺してる)
ゼナ似の少女:「ここは通さな──へ?」
ゴーヴァは少女を両手で持ち上げると、そのまま駐車場ヘ。
その後を追ってリムジンが駐車場に突っ込むと、入り口に頑丈なシャッターが降ろされた。